中国ちゅうごくの鉄鋼てっこう最大手さいおおて｢ニッケル大型おおがた買収ばいしゅうを中断ちゅうだん｣の訳わけ インドネシアの生産せいさん拠点きょてんで｢過剰かじょう生産せいさんリスク｣

宝たから武たけし鋼鉄こうてつは、青山あおやま控ひかえ股またが建設けんせつしたスラウェシ島とうのニッケル生産せいさん拠点きょてんを買収ばいしゅうする計画けいかくだった（写真しゃしんはモロワリ工業こうぎょう団地だんちのウェブサイトより）

世界せかい最大さいだいの鉄鋼てっこうメーカーである中国ちゅうごくの宝たから武たけし鋼鉄こうてつ集団しゅうだんが、中国ちゅうごくのステンレス鋼こう大手おおての青山あおやま控ひかえ股また集団しゅうだんからインドネシアのニッケル生産せいさん拠点きょてんを買収ばいしゅうする計画けいかくを中断ちゅうだんしたことがわかった。

財ざい新しんの独自どくじ取材しゅざいによれば、宝たから武たけし鋼鉄こうてつは青山あおやま控ひかえ股またがインドネシア・スラウェシ島とうのモロワリ県けんに建設けんせつしたニッケル鉄てつ合金ごうきんの生産せいさんラインおよび付帯ふたいする発電はつでん所しょなどの経営けいえい権けんの買収ばいしゅう交渉こうしょうを2022年ねん4月がつに開始かいし。取引とりひき価格かかくは20億おく～30億おくドル（約やく2955億おく～4433億おく円えん）に上のぼると予想よそうされていた。

事業じぎょう環境かんきょうの変化へんかで買収ばいしゅう意欲いよくが低下ていか

だが、その後ごの事業じぎょう環境かんきょうの変化へんかにより、交渉こうしょうは暗礁あんしょうに乗のり上あげた。「ニッケルおよび鉄鋼てっこうの景気けいきサイクルは、2022年ねん後半こうはんから後退こうたい局面きょくめんに入はいった。さらに宝たから武たけし鋼鉄こうてつの経営けいえいトップの交代こうたいが重かさなり、宝たから武たけし鋼鉄こうてつ側がわの（交渉こうしょうの早期そうき成立せいりつに向むけた）意欲いよくが低下ていかした」。財ざい新しん記者きしゃの取材しゅざいに応おうじた複数ふくすうの関係かんけい者しゃは、内情ないじょうをそう打うち明あけた。

民営みんえい企業きぎょうの青山あおやま控ひかえ股または、世界せかいのニッケル埋蔵まいぞう量りょうの2割わり超ちょうを擁ようするインドネシアにいちはやく進出しんしゅつした。2008年ねん頃ごろからニッケル鉱山こうざんの開発かいはつをスタートし、2013年ねんから精錬せいれんプラントやステンレス鋼こうの工場こうじょう建設けんせつに着手ちゃくしゅ。さらに発電はつでん所しょ、港湾こうわん、ホテル、空港くうこうなどの付帯ふたいインフラの整備せいびも進すすめてきた。

同社どうしゃが宝たから武たけし鋼鉄こうてつとの交渉こうしょうに応おうじた狙ねらいは、上述じょうじゅつの資産しさん売却ばいきゃくを通つうじて得える資金しきんを元手もとでに、事業じぎょう分野ぶんやを車載しゃさい電池でんち用ようニッケル原料げんりょうなどの新しんエネルギー分野ぶんやに広ひろげることにあった。