なけなしの｢日銀にちぎん発はつ｣円えん高だか材料ざいりょうはリークで尽つきた 長ながい長ながい正常せいじょう化かの道みち､年内ねんない140円えん割われも遠とおのく

3月の金融きんゆう政策せいさく決定けってい会合かいごうは、開催かいさい前まえからもう決きまったかのような異例いれいの展開てんかいだ。いざマイナス金利きんり解除かいじょとなれば、為替かわせ市場いちばはどう反応はんのうするのか。

日銀にちぎんの決定けっていを固唾かたずをのんで待まつ・・・はずが既定きてい路線ろせんに（写真しゃしん：今井いまい康一やすいち）

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従前じゅうぜんよりマイナス金利きんり解除かいじょは「日銀にちぎん発はつの円えん高だか材料ざいりょう出尽でつくし」という解釈かいしゃくが先行せんこうし、決定けってい後ごは円えん安やすが加速かそくするという「噂うわさで買かって、事実じじつで売うり（Buy the rumor, sell the fact）」の典型てんけいになるというのが筆者ひっしゃの考かんがえであった。

だが、周知しゅうちの通とおり、3月18～19日にち開催かいさいの日銀にちぎん金融きんゆう政策せいさく決定けってい会合かいごうに関かんし、各社かくしゃからマイナス金利きんり政策せいさくの解除かいじょを決きめ打うちするような観測かんそく報道ほうどうが相次あいついでおり、すでに金融きんゆう市場いちばでは政策せいさく決定けってい前まえに織おり込こみを完了かんりょうしたかのような雰囲気ふんいきが漂ただよう。

これまでマイナス金利きんり解除かいじょ観測かんそくに円えん高だかで反応はんのうしていた為替かわせ市場いちばも、もはや意いに介かいする様子ようすが見みられず、足元あしもとでは149円えん付近ふきんまで値ねを戻もどしている。各社かくしゃのヘッドラインからは確信かくしんを感かんじられるものが多おおく、同おなじ会社かいしゃが複ふく数すう回かいの解除かいじょ観測かんそくを報ほうじるケースまで見みられている。

「噂うわさで売うって、事実じじつでも売うり」か

相場そうば格言かくげんで言いえば、「噂うわさで買かって、事実じじつで売うり」という定石じょうせきではなく「噂うわさで売うって、事実じじつでも売うり（Sell the rumor, sell the fact）」というコースに入はいっていないか不安ふあんを覚おぼえる。

巷説こうせつで指摘してきされる通とおり、植田うえだ体制たいせい発足ほっそく後ご、観測かんそく報道ほうどうは明あきらかに多おおくなっている。市場いちば参加さんか者しゃにおける会話かいわでも「直前ちょくぜんのリーク待まち」というフレーズが当あたり前まえのように使つかわれるようになっており、それが植田うえだ流りゅうの政策せいさく運営うんえいという解釈かいしゃくが浸透しんとうしているようにも思おもえる。