トヨタ､ホンダでも発覚はっかく､止とまらぬ認証にんしょう不正ふせいの連鎖れんさ ルール破やぶりは論外ろんがいだが制度せいどの見直みなおしは必要ひつよう

トヨタの豊田とよだ会長かいちょうは「不正ふせいの撲滅ぼくめつは無理むり。間違まちがいが起おきたときに立たち止どまり、すぐ直なおすことが大事だいじだ」と語かたった（撮影さつえい：尾形おがた文ぶん繁しげる）

「『ブルータス、おまえもか』という気持きもちだ」

6月3日にち、トヨタ自動車とよたじどうしゃ、ホンダ、マツダ、スズキ、ヤマハ発動機やまははつどうきの5社しゃは新車しんしゃの認証にんしょう試験しけんで不正ふせいが確認かくにんされたと発表はっぴょうした。

日本にっぽんの自動車じどうしゃ業界ぎょうかいでは2010年代ねんだい半なかばに燃費ねんぴ不正ふせいが発覚はっかく、同年代どうねんだい後半こうはんには完成かんせい車しゃ検査けんさの不正ふせい問題もんだいも起おきた。そうした中なか、これまで不正ふせいと無縁むえんだったトヨタとホンダも例外れいがいではなかった。

そもそも今回こんかい、各社かくしゃで不正ふせいが発覚はっかくしたのは、日野自動車ひのじどうしゃ、ダイハツ工業だいはつこうぎょう、豊田自動織機とよたじどうしょっきなどトヨタグループでの連続れんぞく不正ふせいがきっかけだ。国土こくど交通省こうつうしょうが1月がつに内部ないぶ調査ちょうさを命めいじていた。

トヨタでは計けい7車種しゃしゅで、歩行ほこう者しゃ保護ほご試験しけんにおける虚偽きょぎのデータ提出ていしゅつや衝突しょうとつ試験しけんにおける試験しけん車両しゃりょうの不正ふせい加工かこうなど安全あんぜん性せいに直結ちょっけつする項目こうもくでの不正ふせいが確認かくにんされた。

グループのコンプライアンス体制たいせいの立たて直なおし策さくを発表はっぴょうした1月がつ30日にちの説明せつめい会かいで、トヨタの豊田とよだ章男あきお会長かいちょうは「私わたしが知しる限かぎり、これ以上いじょうは（不正ふせいは）ない」と話はなしていた。それだけに3日にちの会見かいけんで、トヨタでの不正ふせいを知しったときの気持きもちを問とわれて語かたった冒頭ぼうとうの言葉ことばには実感じっかんがこもっていた。

順法じゅんぽう性せいの観点かんてんが欠かけていた

「起おこりえない体制たいせいができていると思おもっていたが、順法じゅんぽう性せいの観点かんてんが欠かけていた」。そう口くちにしたのはホンダの三さん部ぶ敏宏としひろ社長しゃちょうだ。

ホンダでは、開発かいはつと認証にんしょうの部門ぶもんを分わけることで組織そしきでの牽制けんせい機能きのうが働はたらく仕組しくみを導入どうにゅうしており、認証にんしょう不正ふせいは“起おきないはず”だった。だが、最長さいちょう15年ねん分ぶんのデータを調査ちょうさしたところ不正ふせいが発覚はっかく。騒音そうおん試験しけんや原動機げんどうき車載しゃさい出力しゅつりょく試験しけんで、試験しけん成績せいせき書しょへの虚偽きょぎの数値すうち記載きさいや、試験しけん条件じょうけんの逸脱いつだつがあったという。対象たいしょう車種しゃしゅは販売はんばいした22車種しゃしゅ325万まん台だいに及およぶ。