｢金持かねもちエリート政党せいとう｣に変貌へんぼうしたアメリカ民主党みんしゅとう トランプ＆サンダースが前面ぜんめんに出でる絶望ぜつぼう的てき状況じょうきょう

トランプそしてサンダースという異端いたんの政治せいじ家かを、人々ひとびとが正面しょうめん舞台ぶたいに押おし出ださざるを得えない絶望ぜつぼう的てき状況じょうきょうをつくりだした背景はいけいとは（写真しゃしん：ロイター／アフロ）

左右さゆうの闘争とうそうではなく上下じょうげの分断ぶんだん

今日きょうのアメリカの民主みんしゅ主義しゅぎが抱かかえる諸しょ課題かだいの根本こんぽん的てきな背景はいけいにある、経済けいざい格差かくさ。

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それを生うんだのは2大だい政党せいとうの「共犯きょうはん」による結果けっかだというのは、以下いかのような2つの長ながいサイクル（①1930年代ねんだい〜70年代ねんだい、②1980年代ねんだい〜2010年代ねんだい）の中なかで考かんがえてみる必要ひつようがある。①はニューディール期きであり②はネオリベラル期きと大おおきく括くびれる。現在げんざいは再ふたたび転換期てんかんきとなっている。

今日きょう、民主党みんしゅとうが高学歴こうがくれきで金持かねもちのエリートたちが支持しじする政党せいとうで、共和党きょうわとうが労働ろうどう者しゃや農村のうそん部ぶに暮くらす人々ひとびとが支持しじする政党せいとうになっていることは、さまざまな指標しひょうが示しめしており、広ひろく知しられている。ジョー・バイデン政権せいけんに入はいって、ますますその傾向けいこうは強つよまっている。

2016年ねん大統領だいとうりょう選せんでヒラリー・クリントンが勝利しょうりした全米ぜんべいの472郡ぐんがアメリカの国内こくない総そう生産せいさん（GDP）に占しめた割合わりあいは64％、トランプが勝利しょうりした2584に及およんだ郡ぐんは、その半分はんぶんほどの36％。

これが2020年ねんになるとバイデンが勝利しょうりした520郡ぐんはGDPの71％を占しめ、トランプが勝かった2564郡ぐんは29％しか占しめていない。バイデンに多おおくの票ひょうが入はいる地域ちいきはいかに繁栄はんえいし豊ゆたかな人々ひとびとが住すみ、トランプに票ひょうが入はいる地域ちいきはいかにさびれて停滞ていたいしているかが示しめされている。

第だい1回かい記事きじで示しめしたように、ベゾスら3人にんの資産しさんが、下位かい50％の資産しさん合計ごうけいと並ならぶというのは、こうした格差かくさの象徴しょうちょうでもある。

この集計しゅうけいを行おこなったシンクタンク、ブルッキングス研究所けんきゅうじょは、トランプ支持しじ者しゃらはこの格差かくさがもたらす「経済けいざい的てき疎外そがい」を映うつし出だしていると分析ぶんせきしている。多おおくのトランプ支持しじ地域ちいきの人々ひとびとが、躍動やくどうするアメリカ経済けいざいから疎外そがいされ、ないがしろにされている。

人種じんしゅ的てきに多様たようで、専門せんもん職しょくやIT関連かんれんの仕事しごとを持もつ高学歴こうがくれき者しゃが多おおいのが民主党みんしゅとう支持しじ地域ちいき、低てい学歴がくれきの白人はくじんが多おおく、古ふるくからの製造せいぞう業ぎょうなどに依存いぞんしているのが共和党きょうわとう支持しじ地域ちいきという色分いろわけになる。トランプ支持しじ地域ちいきでは「絶望ぜつぼう死し」も多おおい。この経済けいざい的てき分断ぶんだんが米べい政治せいじで起おきる衝突しょうとつの主因しゅいんだという（Mark Muro Eli Byerly-Duke, Headshot Eli Byerly-Duke, Yang You, and Robert Maxim, “Commentary: Biden-voting counties equal 70% of America’s Economy. What Does this Mean for the Nation’s Political-Economic Debate?, ” Brookings Institute, Nov. 10, 2020.）。