「ジャパン アミューズメント エキスポ2016」(
以下,JAEPO2016)のカプコンブースにて,Rayarkとカプコンのコラボレーションによる
新作アーケードリズムゲーム
「CYTUS Ω」がプレイアブル
出展されていた。
本作は,
台湾のデベロッパRayarkによるスマホ
向けの
人気リズムゲーム
「Cytus」(
iOS /
Android)のアーケード
移植版にあたるタイトルだ。
昨年のJAEPO2015で
サプライズ発表されてから1
年,4
度にわたるロケテストを
重ね,いよいよ
稼働間近となった
同作は,
一体どんなリズムゲームに
仕上がったのか。カプコンで
同作のプロデューサーを
務める
小林真也氏と,Rayark Associate Producer,
GuluJam Chang氏に
話を
聞いてみた。アーケード
版誕生のきっかけや
本作ならではの
特徴,また2015
年末に
制作が
発表されたスマホ
版「Cytus II」についての
話題もあるので,Cytusファンはぜひご
一読いただきたい。
カプコン×Rayarkによる「CYTUS Ω」はいかにして生まれたか
4Gamer:
本日はお
忙しい
中,お
時間をいただきありがとうございます。すでに4
度のロケテストを
経て,いよいよ
稼働が
近づいてきた
本作ですが,
反響はいかがでしょうか。
小林真也氏(以下,小林氏):
こちらの
想像以上に
好評で,ホッと
一安心といったところです。スマホからの
移植作ということで,「わざわざアーケードで
遊ばないよ」と
言われてしまうのではないかと
不安だったのですが,アーケードならではの
部分を
好意的にとらえてくれる
人が
多いようで。
何より,
日本にもたくさんのCytusファンがいることが
確認できて,それが
嬉しいですね。
カプコン CYTUS Ωプロデューサー 小林真也氏
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4Gamer:
昨年のJAEPO2015でRayarkの
Iceさんに
お話を聞いたとき,「『Cytus
Ω』はカプコンさんの
発案によるもの」と
言っていました。カプコンがアーケード
版を
作ろうと
考えたのは,
何がきっかけだったのでしょうか。
小林氏:
2013
年の
夏ごろに,
本作のディレクターが
企画書を
持ってきまして。
私自身Cytusは
遊んでいましたし,これだけオリジナリティに
溢れた
世界観なら,
日本のアーケードでもほかのリズムゲームと
差別化ができると
考えたんです。それで
早速Rayarkさんにお
伺いをたててみた,というのが
最初のきっかけです。
4Gamer:
実際の
開発は,どんな
形でやりとりされているんでしょうか。
小林氏:
Cytusのデータ
一式をRayarkさんからお
預かりして,アーケード
向けに
我々なりのチューニングを
加えていく
形です。アーケード
版は,やはり32インチの
大画面がウリですから,すべてスマホ
版のままではうまくいきません。
4Gamer:
アーケード
版では
新たにフリック
操作が
追加されたり,
譜面の
難度が3
段階に
増えたりといった
違いがありますね。
小林氏:
ええ。スマホ
版にも
難しい
譜面はありますが,どちらかと
言えば
手軽さを
重視した
作りになっています。
一方で,
日本のアーケードは
腕に
覚えのあるプレイヤーが
多いですから,もっとやり
応えのある
譜面も
求められる。そこで,より
幅広いニーズに
対応するために,
STANDARD,
ADVANCED,
EXPERTの3つの
難度を
用意することにしました。またノートの
判定やスコア
要素にも
調整を
加えるなど,
目に
見えない
部分にも
手を
入れています。
リズムに合わせて画面内を上下するスキャンラインに合わせ,タイミングよくノートをタッチしていく「CYTUS Ω」。アーケード版のノートには,矢印の方向に素早くスライドする”フリック”が加わっている。小さな画面でプレイするスマホ版では「ノートが手で隠れて見えにくい」といった問題もあったが,大画面の「CYTUS Ω」ではほとんど気にならない
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4Gamer:
やり
込み
勢も
安心ということですね。もう
一点,
昨年参考出展されていた
筐体は,リズムゲームとしてかなりスタンダードと
言っていい
形状でしたが,
今回JAEPO2016に
出展されているバージョンは,かなり
特殊な
形をしています。
立体音響を
実現するためだとは
思うのですが,こうした
変更を
加えた
理由は?
小林氏:
これも,アーケードならではの
体験を
目指した
結果です。
先行して
稼働している
弊社の
「crossbeats REV.」も
含め,ほかのリズムゲーと
差別化することを
考えたときに,
昨年出展したバージョンでは,もう
一押しが
足りないと
感じたんですね。そして
検討を
重ねていくうちに,「アプリでは
味わえない
臨場感を
追求しよう」ということになり,それをもっとも
表現しやすいサウンド
面での
工夫を
入れることにしました。
4Gamer:
先ほどプレイさせてもらいましたが,
楽曲のプレイ
中よりも,デモ
画面でのMIUの
台詞でその
効果を
強く
感じました。
耳元で
囁きかけられているような,
不思議な
感じがするというか。
小林氏:
楽曲ももちろん
立体音響になっているのですが,やり
過ぎるとプレイの
妨げになってしまいます。なので,キャラクターの
台詞やゲーム
合間の
環境音の
方で,より
濃密な
立体音響感を
感じてもらえるようになっています。
こちらがCYTUS Ωの筐体。プレイヤーの背中側にカバーがあり,そこに2対のリアスピーカーが設置されている。これにより,5.1chによる立体音響が楽しめる
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4Gamer:
収録楽曲についても
聞かせてください。スマホ
版のCytusは,アップデートが
繰り
返されて,
今では200
曲近くの
楽曲が
収録されています。アーケード
版では,どの
程度の
曲数が
遊べるのでしょうか。
小林氏:
スマホ
版にはChapterというステージの
概念があって,その
一つあたりに10
曲+
αぐらいが
入っていますよね。アーケード
版ではこれを
再構成し,AREAという
新しい
括りで
展開していくことになります。
収録曲の
内容や
登場する
順番はまだ
検討中ですが,ファンの
皆さんがアプリで
親しまれている
楽曲は,もちろん
遊べるようになる
予定です。
4Gamer:
人気のある
楽曲は,おおむね
入ると
考えていいわけですか。
小林氏:
そう
考えてもらって
構いません。
一方で,ゲームセンターを
訪れる
人が
全員Cytusを
知っているとは
限りませんから,
日本市場を
踏まえたライセンス
楽曲も
収録していく
予定です。それらをきっかけにして「CYTUS
Ω」をプレイしていただき,
結果として「オリジナルの
楽曲も
良いね」となってくれれば
嬉しいなと。
4Gamer:
このJAEPO2016でもいくつかの
新規楽曲がお
披露目されましたが,CYTUS
Ωならではのオリジナル
曲も
増えていくのでしょうか。
小林氏:
はい。Rayarkさんはもちろんのこと,スマホ
版で
人気のコンポーザー
陣には,CYTUS
Ωでも
引き
続き
関わってもらっています。なので
書き
下ろし
楽曲にもぜひご
期待ください。
JAEPO2016バージョンでは,ライセンス曲メインの“POPS”と,オリジナル楽曲が収録された“AREA-1”および“AREA-2”が選択可能になっていた。なおスマホ版の難度表記は最高で“9”だったが,本作で追加されたEXPERT譜面の中には,難度が“10”を超えるものも
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4Gamer:
楽しみにしています。そういえば,
先ほども
話題にのぼったcrossbeats REV.には,スマホ
版との
連動機能がありますよね。CYTUS
Ωにもあったら
面白いと
思うのですが……。
小林氏:
もちろん
考えています。Rayarkさんと
目下進めているところですが,スマホ
版はすでに
次回作である「Cytus II」の
制作が
発表されています。なので,
連動するとしたら,Cytus IIとの
連動になるでしょう。
少なくとも
楽曲のコラボレーションはやりますので,こちらもお
楽しみに。
4Gamer:
おお,それは
楽しみです。そのCytus IIについてですが,
今日はRayarkのGuluJamさんも
来ていらっしゃいます。いったいどんなゲームになるのか,
少しだけでもお
話いただけませんか。
RayarkのAssociate Producer,GuluJam Chang氏
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GuluJam Chamg氏(以下,GuluJam氏):
ええ,もちろんです。……といっても,Cytus IIはまだ
開発がスタートしたばかりで,
具体的なことは
何も
言えないのですけど(笑)。ただ
目指しているのは,
前作の
面白い
部分は
引き
継ぎつつ,ビジュアル
面を
大幅に
進化させる
方向になります。あと
世界観についても,もちろんCytusシリーズと
関連するものになる
予定ですよ。
4Gamer:
うーん,なるほど。
実際に
遊べるようになるのは,いつ
頃になるのでしょうか。
GuluJam氏:
今の
予定では,2016
年末ぐらい……に
出せるかどうか,という
感じですね。
4Gamer:
楽しみにしています。
最後に,
稼働を
心待ちにしているファンに
向けて,お
二人からメッセージをいただけますか。
小林氏:
ロケテストでも「
稼働はまだか」という
声をたくさんいただきました。
大変お
待たせしましたが,ロケテノートやTwitterにお
寄せいただいた
意見にしっかりと
目を
通し,
良いものに
仕上げました。
時間をかけてこだわった
分,
満足していただけるものになっていますので,
今夏の
稼働を
楽しみにしていてください。
GuluJam氏:
Cytusが
出てから4
年,CYTUS
Ωはその
面白さを
引き
継いだ
最高のゲーム
体験を
味わえる
作品に
仕上がっています。またRayarkとしても,
今後もクオリティにこだわった
作品をたくさんリリースしていきます。どちらもお
楽しみに!
4Gamer:
本日はありがとうございました。
左からRayarkのIce氏,GuluJam氏,そしてカプコンの小林氏
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