プロ野球やきゅう「セ・パ交流こうりゅう戦せん」を盛もり上あげる「10大だい遺恨いこんバトル」（2）中日ちゅうにち・松坂まつさかの西武せいぶとの因縁いんねん

　清宮きよみやに劣おとらぬ注目ちゅうもくを集あつめるのが、中日ちゅうにちの松坂まつさか大輔だいすけ（37）だ。15年ねんに米べい大だいリーグ・メッツから日本にっぽん球界きゅうかいに復帰ふっきしてソフトバンクに入団にゅうだん。だが右肩みぎかたの故障こしょうに苦くるしみ、3年間ねんかんの在籍ざいせきで1軍ぐん登板とうばんはわずか1試合しあいのみで、昨さくオフに戦力せんりょく外がい。所属しょぞく先さきの決きまらぬ「平成へいせいの怪物かいぶつ」に手てを差さし伸のべたのが中日ちゅうにちだった。西武せいぶ時代じだいから知しる森もり繁和しげかず監督かんとく、友利ともり結ゆい国際こくさい渉外しょうがい担当たんとうの尽力じんりょくにより、テストを経へて入団にゅうだんが決定けってい。右肩みぎかたの状態じょうたいも良好りょうこうのようで、開幕かいまくから1軍ぐんに定着ていちゃくし、地元じもと・名古屋なごやでは松坂まつさかフィーバーも起おこっている。

　その松坂まつさかに関かんし、渡米とべい前まえの古巣ふるす・西武せいぶ球団きゅうだん内ないでフロント批判ひはんの声こえが渦巻うずまいているという。いったいどういうことか。球団きゅうだん関係かんけい者しゃが声こえを潜ひそめて明あかす。

「ウチは昨さくオフ、将来しょうらいの監督かんとく含ふくみで楽天らくてんを戦力せんりょく構想こうそう外がいとなった松井まつい稼頭央ひさしを呼よび戻もどしました。この時とき、一部いちぶのコーチやスカウトからフロントに『松井まついよりも松坂まつさかのほうがいい』と進言しんげんがあったのですが、フロントの編成へんせい責任せきにん者しゃは『稼頭央ひさしはまだプレーできるけど、松坂まつさかにその可能かのう性せいはない』と聞きく耳みみを持もちませんでした。今季こんきここまで、稼頭央ひさしの成績せいせきがパッとしないのに対たいし、松坂まつさかはすでに2勝しょうして集客しゅうきゃくにも貢献こうけんしている。松坂まつさか獲えりを見送みおくった判断はんだんがなんとも悔くやまれるのです」

　西武せいぶにとって、今年ことしは球団きゅうだん創設そうせつ40周年しゅうねんという節目ふしめの年とし。レジェンドを戻もどすには絶好ぜっこうのタイミングだった。加くわえて推定すいてい年俸ねんぽうは松井まついの4000万まん円えんに対たいし、松坂まつさかは1500万まん円えん。かなり格安かくやすで獲得かくとくできたのだ。

　そもそも06年ねんオフ、松坂まつさかのレッドソックス入団にゅうだんに際さいし、西武せいぶは60億おく円えんもの移籍いせき金きんを得えた。ちなみに松坂まつさかの西武せいぶ在籍ざいせき時じの年俸ねんぽう総額そうがくは14億おく円えん。かつて松坂まつさかを育そだてた横浜よこはま高校こうこう野球やきゅう部ぶの小倉おぐら清一郎せいいちろう元もと部長ぶちょうは、こうこぼしていたという。

「差額さがくの46億おく円えんはどうしたんだ？　まる儲もうけじゃないか」

　こうした体質たいしつを知しっている松坂まつさかは、西武せいぶへの熱ねつも冷さめていたそうで、昨さくオフのソフトバンク退団たいだん時じには親したしい球界きゅうかい関係かんけい者しゃに、

「（西武せいぶが獲えってくれることは）最初さいしょから期待きたいしていない。そういう球団きゅうだんですからね」

　と、アキレ顔がおだったという。もはや完全かんぜんに遺恨いこん相打あいうつ敵同士かたきどうしだ。

「交流こうりゅう戦せんではウチの本拠地ほんきょちメットライフドームで中日ちゅうにちと対戦たいせんしますが、松坂まつさかに抑おさえられたら恥はじの上塗うわぬり。球団きゅうだん内ないでは『松坂まつさかのことを西武せいぶOBだと誰だれも思おもわない。すっかり名古屋なごやの人ひとになっちゃったな』という嘆なげきすら聞きこえてきます」（西武せいぶ球団きゅうだん関係かんけい者しゃ）