【沖縄おきなわ交通こうつう事情じじょうの闇やみ①】旅行りょこう者しゃが敬遠けいえんし始はじめた「モノレールの限界げんかい」とアクセス難なん

　沖縄おきなわの全国ぜんこく順位じゅんいが、前年度ぜんねんどの2位いから9位いに降下こうかした。いったい何なにのことかといえば「沖縄おきなわ旅行りょこうの総合そうごう的てきな満足まんぞく度どランキング」。今年ことし明あきらかになった、リクルートの調査ちょうさ研究けんきゅう機関きかん「じゃらんリサーチセンター」による、2022年度ねんどの国内こくない宿泊しゅくはく旅行りょこうに関かんする調査ちょうさ結果けっかに基もとづくものである。

　その理由りゆうを独自どくじに取材しゅざいすると、次つぎのような声こえが集あつまってきた。

「インフラが整ととのいすぎてしまい、ありきたりな地方ちほう都市としになってしまった」

「レンタカーが高たかすぎる」

「交通こうつう網もうが不便ふべんで那な覇は以外いがいはアクセスしづらく、地方ちほうに行いきづらい」

　沖縄おきなわの鉄道てつどうは、那覇空港なはくうこうを始発駅しはつえきとして那覇なは市街しがいを運行うんこうする「沖縄おきなわ都市としモノレール線せん（通称つうしょう・ゆいレール）」のみ。2003年ねんに那覇空港なはくうこう駅えき～首くび里さと駅えき間あいだが開通かいつうし、2019年ねんには浦添うらぞえ市しのてだこ浦西うらにし駅えきまで延伸えんしんされた。今年ことし7月がつには、玉城たまきデニー沖縄おきなわ県知事けんちじが県内けんないへの鉄てつ軌道きどうの導入どうにゅうに向むけて国くにへ働はたらき掛かけることを要望ようぼうしたが、現時点げんじてんでは厳きびしい見通みとおしだと指摘してきする声こえが上あがっている。

　観光かんこう客きゃくに人気にんきの高たかい国際こくさい通どおりや首くび里さと城じょうは、モノレールでのアクセスが可能かのうだ。ところが、ハイクラスホテルが建たち並ならぶ西海岸にしかいがん風ふうの町並まちなみで人気にんきの北谷きただに町まちや、中部ちゅうぶより北きたへは、レンタカーや路線ろせんバスでないとアクセスできない。

　一方いっぽうで、那覇なは市しを中心ちゅうしんとする交通こうつう渋滞じゅうたいが長年ながねんの課題かだいとされている。その理由りゆうのひとつが「県民けんみんの車くるま依存いぞんの高たかさにある」と指摘してきするのは、市内しない在住ざいじゅうの女性じょせいだ。

「沖縄おきなわの人ひとは歩あるくのが嫌きらいで、短距離たんきょりでも車くるまを利用りようしてしまう。私わたしも家いえから徒歩とほ10分ふん程度ていどの会社かいしゃに勤つとめているのですが、マイカー通勤つうきんです。歩あるきたくない理由りゆうは暑あつい、疲つかれる、日ひに焼やけたくないからです。沖縄おきなわでは飲のみに行いくのもタクシーを使つかうのが基本きほんで、居酒屋いざかやで飲のんで2軒けん目めに徒歩とほ10分ふん程度ていどのバーに向むかうのにもタクシーを使つかいます。だから夜よるは国際こくさい通どおりを中心ちゅうしんに、タクシー渋滞じゅうたいが起おこりやすいんです」

　コロナ禍かが明あけた今いま、全国ぜんこく的てきにタクシーが不足ふそくしている。とりわけ沖縄おきなわでは10年ねん前まえに比くらべると、5割わりしか稼働かどうしていない。旅行りょこう者しゃにとっては、不便ふべんさにさらに拍車はくしゃがかかる事態じたいなのである。（つづく）

（東堂とうどう遼りょう）