上川かみかわ陽子ようこ「産うまず発言はつげん」を「うまず」と表記ひょうきして報ほうじる大だいマスコミの忖度そんたく

　上川かみかわ陽子ようこ外相がいしょうが５月がつ18日にちの静岡しずおか県知事けんちじ選せんの応援おうえん演説えんぜつでブチかましたトンデモ発言はつげんが、物議ぶつぎを醸かもしている。それは上川かみかわ氏しの女性じょせい支持しじ者しゃが多おおく集あつまった屋内おくない集会しゅうかい（静岡しずおか市内しない）で飛とび出だしたもので、上川かみかわ氏しは自民党じみんとうが推薦すいせんする大村おおむら慎一しんいち候補こうほを当選とうせんさせるべく、次つぎのように訴うったえかけたのだ。

「この方ほうを私わたしたち女性じょせいが産うまずして、何なにが女性じょせいでしょうか」

　ヤリ玉だまに挙あげられたのは、発言はつげんの後半こうはん部分ぶぶんだった。早速さっそく、「産うまずして何なにが女性じょせいでしょうか」の「産うまず発言はつげん」が「女性じょせい蔑視べっし」だとして野党やとうをはじめ、有権者ゆうけんしゃからも批判ひはんの声こえが上あがった。立憲りっけん民主党みんしゅとうの蓮舫れんほう参院さんいん議員ぎいんも、自身じしんのＸで次つぎのように噛かみついている。

〈産うむ産うまない、結婚けっこんするしない。別姓べっせいを主張しゅちょうする。どれも『ワガママ』という時代じだいを終おわりにしたいのに、総理そうり候補こうほと言いわれる方ほうがこの発言はつげん。もう、やめてほしい。本当ほんとうに痛いたい〉

　こうした批判ひはんの大だい合唱がっしょうを受うけ、上川かみかわ氏しは翌日よくじつ、「私わたしの真意しんいと違ちがう形かたちで受うけ止とめられる可能かのう性せいがある」として、発言はつげんを撤回てっかいするとともに、次つぎのように釈明しゃくめいした。

「女性じょせいのパワーで私わたしという衆院しゅういん議員ぎいんを誕生たんじょうさせてくださった皆みなさんに今いま一いち度ど、女性じょせいパワーを発揮はっきしていただき、知事ちじを誕生たんじょうさせよう、との意味いみで申もうし上あげた」

　ところが、テレビや新聞しんぶんをはじめとする大だいマスコミはほぼ一様いちように、問題もんだい発言はつげんの核心かくしん部分ぶぶんである「産うまず」を「うまず」と表記ひょうきして報道ほうどうし続つづけている。「うまず」であれば「生うみ出だす」という意味いみの「生うまず」と読よむことができる。いずれにせよ、上川かみかわ氏しの「釈明しゃくめい」や発言はつげんの「文脈ぶんみゃく」に配慮はいりょした「忖度そんたく報道ほうどう」と言いうほかはない。

　そもそも、上川かみかわ氏しの潜在せんざい意識いしきの中なかに「女性じょせいは子供こどもを産うんでナンボ」という認識にんしきがなければ、どのような文脈ぶんみゃくであれ、本人ほんにんの口くちから「産うまず」などという不用意ふよういな言葉ことばが発はっせられることはなかったはずだ。要ようするに、普段ふだんからそのような認識にんしきを持もっていたからこそ思おもわず口くちをついて出でてしまった、というのが真相しんそうだろう。

　世よの中なかには身体しんたい的てき理由りゆうや経済けいざい的てき理由りゆうなどで「産うみたくても産うめない女性じょせい」がたくさんいる。上川かみかわ氏しや政権せいけんへの忖度そんたくを続つづける大だいマスコミの報道ほうどう姿勢しせいも含ふくめ、今回こんかいの上川かみかわ発言はつげんで傷きずつけられた女性じょせいは少すくなくないはずである。

（石森いしもり巌いわお）