「上司のセクハラで適応障害に」労災認定 頭や肩に触れられ
手代木慶
【神奈川】上司から繰り返しセクハラを受け、適応障害を発症したとして、30代の女性が相模原労働基準監督署から労災認定された。女性らが17日、横浜市内で記者会見して明らかにした。
女性が加入する労働組合「総合サポートユニオン」によると、認定は2023年10月3日付。労基署は、女性が正社員として勤務する相模原市内の接着剤メーカーで、22年1月までに、上司が頭や肩に触れるなどの身体的接触を継続して行っていたと認め、女性の心理的負荷が強かったとして労災を認定した。
女性や組合によると、21年夏か秋以降、この上司からセクハラを受けていたといい、22年5月に適応障害と診断された。会社に相談したものの、上司を擁護する発言をされたといい、部署異動に。同6月から休職し、同9月に労災を申請した。慰謝料などを求めて会社と団体交渉中だという。
女性は会見で、「泣き寝入りしてしまったらセクハラされた事実に一生つきまとわれると思った。会社と闘うことへの迷いはあったが、ハラスメントを根絶するためにも勇気を出して闘いたい」と涙ながらに語った。
勤め先の接着剤メーカーは「記者会見で発表された内容について、事実関係が確認できないため、答えられない」とのコメントを出した。
厚生労働省によると、セクハラを要因とした労災の認定件数は22年度に全国で66件。(手代木慶)
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