【理系のチカラ】鳥に学んで進化するドローンの秘密
千葉大の中田敏是准教授(40)=機械工学=は、空を見上げてこう思う。
「鳥はなんて優雅に飛ぶんだろう」
生物の能力や構造などを参考に新たな技術を開発する「バイオミメティクス(生物模倣)」が専門。鳥や昆虫が飛ぶ仕組みを調べ、高性能ドローンの開発などにいかしている。
千葉大の大学院を経て、英国の大学で研究員をしていたころ。英国の別のグループから「蚊は真っ暗でも物にぶつからずにうまく飛んでいるようだ。一緒に調べないか」と誘われた。
当時、虫が飛ぶときに生じる小さな気流の変化を調べていた中田准教授。「蚊が視覚を使っていないことにとても驚いた。これはおもしろそうだと直感した」と研究に合流。これが今につながる研究の大きなターニングポイントになったという。
中田准教授らは、蚊の羽の運動を高速カメラで撮影。その動きをコンピューターに取り込み、生じる気流の乱れをシミュレーションして詳しく調べた。
蚊の羽が起こした小さな気流…
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