いじめ対応たいおうども「ちゅうぶらりん」のとしあな 被害ひがいうったえ5がつ増加ぞうか

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NPO法人ほうじんふく代表だいひょう須永すながゆう慈=寄稿きこう
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NPO法人ほうじんふく代表だいひょう須永すながゆう慈さん寄稿きこう

 しん学期がっきむかえて、大型おおがた連休れんきゅうけに保護ほごしゃになることのひとつにどもの不調ふちょうや「きしぶり」があるようにおもいます。そのなかでもとく心配しんぱいなのが、「いじめられているのではないか?」ということではないでしょうか。

 以前いぜんから「いじめが深刻しんこくするのは2学期がっき」という言説げんせつがあり、その指摘してき現場げんば感覚かんかくから、2学期がっきにいじめ対策たいさく強化きょうかキャンペーンやいじめ予防よぼう授業じゅぎょうなどをおこなっている学校がっこうすくなくありません。

 ただわたしは、その見方みかた少々しょうしょうせまいようにかんじています。なぜなら、2019ねん大津おおつ公表こうひょうした、市内しない小中学生しょうちゅうがくせいったアンケートからは、いじめが「1学期がっき(5がつ)」から増加ぞうかした傾向けいこうられるからです。とく小学生しょうがくせいは、10月のピークとおな割合わりあいでいじめが発生はっせいしていますし、中学生ちゅうがくせいも5がつ増加ぞうかがみられます。

 これは、どもの相談そうだん窓口まどぐちである「チャイルドライン」のデータも傾向けいこうしめしていました。しゅ訴としての「いじめ」がおおつきは、大津おおつ結果けっかて、5がつ・6がつや10がつなどにおおいのです。

「いじめはどの学校がっこうでも1学期がっきからこっている可能かのうせいがある」。そのことをまずはまえる必要ひつようがあります。

 文部もんぶ科学かがくしょうによると、学校がっこうにおける深刻しんこくないじめである「いじめ重大じゅうだい事態じたい」は、最新さいしん報告ほうこくで923けん過去かこ最高さいこうでした。

 「いじめ重大じゅうだい事態じたい」の基準きじゅんは、いじめ防止ぼうし対策たいさく推進すいしんほう(いじめ防止ぼうしほう)でふたさだめられています。ひとは 「生命せいめい心身しんしん財産ざいさん重大じゅうだい事態じたい」で、「生命せいめい心身しんしんまたは財産ざいさん重大じゅうだい被害ひがいしょうじたうたがいがあるとみとめる」とあります。「登校とうこう重大じゅうだい事態じたい」は「相当そうとう期間きかん学校がっこう欠席けっせきすることを余儀よぎなくされているうたがいがあるとみとめる」事態じたいです。いじめがこったとき、どの「重大じゅうだい事態じたい」に該当がいとうするかは、基本きほんてきには学校がっこう設置せっちしゃ教育きょういく委員いいんかいなど)か学校がっこう判断はんだんとなります。また、ども本人ほんにん保護ほごしゃから「いじめにより重大じゅうだい被害ひがいがあった」ともうてた場合ばあいにも、重大じゅうだい事態じたいとして対応たいおうすることとなっています。

 この法律ほうりつは13ねん施行しこうされて10ねん以上いじょうちました。このあいだ対策たいさくすすんだめんもあれば、そうでもない現状げんじょうもある、というのがわたし見立みたてです。課題かだいおおのこされていて、あらたな問題もんだい表面ひょうめん複雑ふくざつしている部分ぶぶんもあるようにおもいます。

 それはたとえば、現場げんばへの法律ほうりつ浸透しんとう不足ふそく組織そしき体制たいせいよわさ、第三者だいさんしゃ委員いいんかい設置せっちにおける人選じんせん基準きじゅん委員いいんかい調査ちょうさ方針ほうしんのありかた報告ほうこくしょ情報じょうほう公開こうかいかんする課題かだい、そのみへの検証けんしょうなどがげられます。

 とく調査ちょうさ委員いいんかいでは、意思いし疎通そつう共有きょうゆう決定けっていなどにかんする場面ばめん議論ぎろん時間じかんがかかり作業さぎょう停滞ていたいし、予定よていよりも時間じかんとエネルギーがかかっている事例じれいかれます。これらの論点ろんてんさい整理せいりをしながら、ひとつひとつクリアしていく作業さぎょうもとめられています。いじめ対策たいさくは、まだ課題かだい山積さんせきしています。

ども目線めせんた「重大じゅうだい事態じたい」という言葉ことば

 では「当事とうじしゃであるども」の目線めせんで「現状げんじょうのいじめ対策たいさく」をると、なにかんでくるでしょうか。以下いかに、わたし自身じしんども時代じだいけたいじめや登校とうこう経験けいけんまじえつつげてみます。

 最初さいしょげたいのは、「重大じゅうだい事態じたい」という言葉ことば自体じたいが、とてもおも意味合いみあいであるがゆえに、どもが戸惑とまどいや不安ふあんかんじていないだろうか、というてんです。

 たとえば、継続けいぞくしたいじめをまれ「もうだめだ」と絶望ぜつぼうてきになり、学校がっこうやすみがちになる事態じたいしょうじたとしましょう。そんなときに、おや学校がっこうから「これは重大じゅうだい事態じたいだから、学校がっこうげて調査ちょうさする」とわれれば、対処たいしょしてくれるのではとかんじる一方いっぽうで、「自分じぶん大変たいへん事態じたいこし、おおくの大人おとな迷惑めいわくをかけているのではないか」と戸惑とまどいや不安ふあん可能かのうせいがあるのではないでしょうか。

 そもそも「重大じゅうだい事態じたい」は、ほう

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