第3回銃口を向けてくる父でも大好きだった 連絡絶った自分を責めた次女
米国ジョージア州に暮らすガーナー勝江(86)の次女クリスティーン(60)はいつも、右手の薬指にピンクサファイアの指輪をしている。
父・ロナルドが戦地のベトナムから母に送ってきた指輪だ。勝江が写真などロナルドにかかわるものはすべて捨てたのとは対照的に、クリスティーンはその指輪を肌身離さず身につけている。
「なぜか父のことが大好きだった。男の人を見ると、その人の中に父を探している自分がいた」
でも、笑っている父の記憶はない。覚えているのは、酒を飲んで暴れている姿ばかりだ。
ベトナム戦争で落下傘部隊の兵士として戦い、1969年に帰還した父は、精神的に極めて不安定だった。
酒を飲むと豹変(ひょうへん)する。ものを投げ、母・勝江を殴り、子どもたちにも手を出した。
73年に別居した後も、父は…
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- 大久保真紀
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子ども虐待、性暴力、戦争と平和など
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