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分散型システムのメインフレーム化は加速する 2005年04月28日 | 大和総研 | 日向 康一

分散ぶんさんがたシステムのメインフレーム加速かそくする

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2005ねん04がつ28にち

  • 日向ひゅうが 康一やすいち

分散ぶんさんがたシステムのさい構築こうちく検討けんとうするさいには、たん老朽ろうきゅう対策たいさくとしての、現行げんこうシステム環境かんきょう代替だいたい手段しゅだん構築こうちく検討けんとうするのではなく、システムの効率こうりつ利用りよう品質ひんしつ向上こうじょう、コスト削減さくげん生産せいさんせい向上こうじょう目指めざすべきである。これらの達成たっせいには、分散ぶんさんけいシステムにおける利用りよう技術ぎじゅつ標準ひょうじゅんかせないとされるが、標準ひょうじゅん実現じつげん可能かのうとする注目ちゅうもくすべき最近さいきん技術ぎじゅつ要素ようそひとつにブレードサーバがある。

システムの変遷へんせん年代ねんだいべつると、1980年代ねんだいは「集中しゅうちゅうがた」システムが主流しゅりゅうめてきた。この集中しゅうちゅうがたシステムは、メインフレームまたは専用せんようシステムで構成こうせいされており、ハードウェア価格かかく高価こうかであった。運用うんよう管理かんりなどをふくめたTCO(そう所有しょゆう管理かんり経費けいひ)も特定とくていベンダに依存いぞんした結果けっか割高わりだかであった。

このため集中しゅうちゅうがたからの脱却だっきゃく目指めざうごきが1990年代ねんだい加速かそくし、ダウンサイジングをキーワードに、Windows OSの台頭たいとう、オープン技術ぎじゅつ進化しんか、ネットワーク技術ぎじゅつ進展しんてんし、「分散ぶんさんがた」システムへの移行いこうすすんだ。一方いっぽうで、サーバやネットワーク機器ききなどのハードウェアが乱立らんりつした結果けっか運用うんよう管理かんりコストが増大ぞうだいし、管理かんり部品ぶひんすう増加ぞうかともな障害しょうがい発生はっせいリスクが上昇じょうしょうした。また各種かくしゅUNIXシステムにられるとおり、OSがハードウェアとむすびつき特定とくていベンダに依存いぞんしつづけた結果けっか、TCOの削減さくげん効果こうか限定げんていてきであった。



2000年代ねんだいはいると、Intelチップの価格かかく性能せいのういちじるしく向上こうじょうし、またハードウェアベンダに依存いぞんしないLinux OSの台頭たいとうて、ブレードサーバが出現しゅつげんした。当初とうしょはダウンサイジングによる弊害へいがい解決かいけつすべく、どういち筐体きょうたいへのサーバ集約しゅうやくによる運用うんよう効果こうか占有せんゆう面積めんせき削減さくげん目指めざしただい世代せだいとCPU性能せいのう向上こうじょう目指めざしただい世代せだい中心ちゅうしんであった(図表ずひょう参照さんしょう)。これら初期しょきのブレードサーバは、せまいブレードないねつ放射ほうしゃをいかに上手うま処理しょりするかに注力ちゅうりょくされており、どちらかというとハードウェア技術ぎじゅつ中心ちゅうしんのソリューションであった。

現在げんざいでは、ソフトウェア技術ぎじゅつ中心ちゅうしんのソリューションを提供ていきょうするだい3世代せだいのブレードサーバが出現しゅつげんしている。これはメインフレームでつちかわれた管理かんり技術ぎじゅつ参考さんこうに「分散ぶんさんがた」システムの各種かくしゅ課題かだい解決かいけつし、均質きんしつなインフラ基盤きばん提供ていきょう実現じつげんする。つまり、プロビジョニング技術ぎじゅつ、N+1(N+M)クラスタ技術ぎじゅつ仮想かそう技術ぎじゅつ、メインフレームと同等どうとう高度こうど論理ろんり分割ぶんかつによるCPUリソース、I/Oシステムの論理ろんり割当わりあて実現じつげん、また各種かくしゅ資源しげんのモジュールによる容易よういなシステム構成こうせい変更へんこうとシステムの柔軟じゅうなん拡張かくちょうせい(スケールアップ、スケールアウト)を実現じつげんしている。

結果けっか、メインフレームを利用りようしたホストけいシステムが、均質きんしつなインフラ基盤きばんをベースにすうおおくの業務ぎょうむアプリケーションを構築こうちくできるように、現在げんざいはブレードサーバを中心ちゅうしんに、分散ぶんさんがたシステムにおいても個々ここのインフラ基盤きばんにすることなく業務ぎょうむアプリケーションの開発かいはつ可能かのうとなる統合とうごうされたシステム環境かんきょう目指めざすことが可能かのうとなった。

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