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アメリカの環境保護も金次第!? 2005年08月24日 | 大和総研 | 鈴木 誠

アメリカの環境かんきょう保護ほごかね次第しだい!?

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2005ねん08がつ24にち

  • 鈴木すずき まこと

97ねん12月に京都きょうと開催かいさいされた気候きこう変動へんどうわくぐみ条約じょうやくだい3かい締約ていやくこく会議かいぎ京都きょうと会議かいぎ)において、先進せんしんこくおよ市場いちば経済けいざい移行いこうこく温室おんしつ効果こうかガス排出はいしゅつ削減さくげん目的もくてきさだめた京都きょうと議定ぎていしょ採択さいたくされたが、米国べいこくがこの議定ぎていしょ批准ひじゅんしていないにもかかわらず、米国べいこく環境かんきょう保護ほごへのとりくみは日本にっぽんをはるかにしのいでいるという印象いんしょうがあるようだ。

ところが、この印象いんしょうというのがすこ曲者くせもので、環境かんきょう保護ほご自然しぜん保護ほごとを混在こんざいして理解りかいしているようにかんじられる。しかし、環境かんきょう保護ほご自然しぜん保護ほごときとして同意どうい利用りようされることもあるようだが、本来ほんらい意味いみことなるものではないだろうか。わたし勝手かって理解りかいによれば、環境かんきょう保護ほごとは自然しぜん生態せいたいけいにおける人間にんげん活動かつどう外部がいぶ環境かんきょうあたえる影響えいきょう極力きょくりょく抑制よくせいすることであり、自然しぜん保護ほごとは生態せいたいけい人間にんげんくわえず、きびしい自然しぜんおきてまかせることとかんがえている。こうした理解りかいによれば、米国べいこく自然しぜん保護ほご先進せんしんこくであり、連邦れんぽう政府せいふしゅう政府せいふなどがさまざまなかたち自然しぜん保全ほぜんおこなっていることは事実じじつである。

では環境かんきょう保護ほごについてはどうであろうか。日本にっぽん方々かたがたにとって、西海岸にしかいがんにあるカリフォルニアしゅう排気はいきガス規制きせい有名ゆうめいであるから、さぞ、アメリカというくに自然しぜん保護ほごならんで環境かんきょう保護ほごにもちからそそいでいるとかんがえられることであろう。

しかし、米国べいこくのとある大都市だいとし廃棄はいきぶつリサイクルは、分別ふんべつ回収かいしゅうをビンおよびカンと新聞しんぶん雑誌ざっしふたつに区分くぶんするだけとされ、資金しきん不足ふそくから回収かいしゅうした廃棄はいきぶつをリサイクルにまわせず、一般いっぱんごみとともにてられることとなったという記事きじ以前いぜんにしたことがある。タバコだって吸殻すいがらみちてるのが常識じょうしき(いったいだれ掃除そうじするのだろう)である。

こうした現実げんじつって、ついおもかべるのが「共有きょうゆう悲劇ひげき(Tragedy of the Commons)」のアナロジーである。ハーディーの論文ろんぶんでは、共有きょうゆうかく主体しゅたい合理ごうりてき行動こうどう外部がいぶせいによって、かく主体しゅたいはすべての財産ざいさんうしな悲劇ひげきいたるとべており、極端きょくたんなことをえば、みな勝手かって行動こうどう帰結きけつとして、街中まちじゅうごみだらけとなってしまうのも必然ひつぜんだというわけである。こうしたぎを防止ぼうしするさくとして共有きょうゆう私有しゆう規制きせい導入どうにゅう排出はいしゅつ廃棄はいきコストの導入どうにゅうなどがかんがえられるのだが、ここ「自由じゆうくに」アメリカではなかなかコンセンサスの醸成じょうせいにも時間じかんがかかりそうである。

かく燃料ねんりょうサイクルには過度かど神経質しんけいしつではあるが、環境かんきょう保護ほご代表だいひょうかくである廃棄はいきぶつリサイクルにもうすこ資金しきん注意ちゅういはらってもいいのではないかとかんじている。

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