企業きぎょう年金ねんきんのCDO投資とうしについて

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2005年ねん09月がつ09日にち

田中たなか裕文ひろふみ

企業きぎょう年金ねんきんの資産しさん運用うんようは、その対象たいしょうが急きゅう拡大かくだいしており、その一ひとつとしてCDO（Collateralized Debt Obligation：社債しゃさい、貸付かしつけ債権さいけん、クレジット・デフォルト・スワップなどを裏付うらづけに発行はっこうされた債券さいけん）が考かんがえられる。

CDOはいわゆる証券しょうけん化か商品しょうひんの一種いっしゅであり、典型てんけい的てきな形態けいたいとしては特別とくべつ目的もくてき会社かいしゃにて、分散ぶんさんされた低てい格付かくづけの債券さいけん等とうを裏付うらづけ資産しさん（以下いか「裏付うらづけ資産しさん」）として保有ほゆうし、返済へんさい順位じゅんいの異ことなる債券さいけん・エクイティ（以下いか「投資とうし対象たいしょう」）を発行はっこうする。企業きぎょう年金ねんきん等とうの投資とうし家かは、「投資とうし対象たいしょう」を保有ほゆうすることで、当とうスキームに参加さんかすることができる。

投資とうし家かは「裏付うらづけ資産しさん」から発生はっせいするキャッシュフローからリターンを得えるが、「投資とうし対象たいしょう」は返済へんさい順位じゅんいがそれぞれ異ことなり、返済へんさいが低ひくい順じゅんにエクイティ・メザニン債さい・優先ゆうせん債さいと呼よばれる。「裏付うらづけ資産しさん」において損失そんしつが発生はっせいした場合ばあい、同どう順じゅんに利払りばらい・元本がんぽん返済へんさいの損失そんしつを被こうむるのと引ひき換かえに、資産しさんの損失そんしつが小ちいさければ高たかいリターンを享受きょうじゅできる。

従したがってエクイティやメザニン債さいを保有ほゆうすることは、レバレッジをかけたクレジット・リスクを取とった投資とうしであるとみなされる。

このような証券しょうけんへの投資とうしには、ヘッジファンドへの投資とうしと比較ひかくして、以下いかのようなメリットがあると考かんがえられる。

・	事前じぜんにある程度ていどの確度かくどでリターンが予測よそくできる
・	「裏付うらづけ資産しさん」が公開こうかいされ、透明とうめい性せいが高たかい
・	小額しょうがくでも分散ぶんさんされたクレジット・リスクへの投資とうしが可能かのう

一方いっぽう、投資とうしにおける注意ちゅうい点てんとしては、

・	流動りゅうどう性せいは限定げんてい的てきである
・	債券さいけんの形態けいたいであってもレバレッジがかかっているため、状況じょうきょう次第しだいでは通常つうじょうの債券さいけんより価格かかく変動へんどうが格段かくだんに大おおきくなる
・	投資とうしタイミングがリターンに与あたえる影響えいきょうが大おおきい
・	証券しょうけん毎ごとの個別こべつ性せいが強つよいため、期間きかん・格付かくづけ・利回りまわりだけで相対そうたい比較ひかくができない

CDOへの投資とうしは以上いじょうのような特徴とくちょうを踏ふまえ、投資とうし開始かいし後ごのモニタリング方法ほうほうも考慮こうりょした上うえで、開始かいしすることが望のぞましい。

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