画家がかのルネ・フランソワ・ギスラン・マグリット（Rene Francois Ghislain Magritte） は1898年ねん11月21日にち生うまれ。ベルギー・レシーヌ出身しゅっしん。1967年ねん8月がつ15日にち逝去せいきょ。

子供こどもの頃ころは国内こくないを転々てんてんと移うつり住すみ、13歳さいの時ときに母ははが入水じゅすい自殺じさつ。このことが後こうの作風さくふうに大おおきな影響えいきょうを与あたえている。16年ねんにブリュッセルの王立おうりつ美術びじゅつアカデミーに入学にゅうがくし、卒業そつぎょう後ごは宣伝せんでん用ようポスターなどの仕事しごとで日銭ひぜにを稼かせいでいた。しかし、形而上けいじじょう絵画かいが派はのジョルジョ・デ・キリコ（Giorgio de Chirico）による作品さくひん「愛あいの歌うた」に感銘かんめいを受うけると、マグリットの作風さくふうは徐々じょじょにシュルレアリスムへと傾倒けいとうしていく。

27年ねんにブリュッセルで初はつの個展こてんを開ひらくと、一時いちじはパリに移住いじゅうし、シュールレアリスト達たちの活動かつどうに参加さんかしている。しかし、その3年ねん後ごにはベルギーへと帰国きこく。そこでマグリットは小ちいさなアパートに居きょを構かまえた。

当初とうしょ彼かれの作風さくふうは一般いっぱんに受うけ入いれられなかったものの、30年代ねんだい後半こうはんになるとシューレアリスムに対たいする理解りかいが広ひろまり、マグリットの作品さくひんも徐々じょじょに人気にんきを集あつめていく。そんな彼かれの代表だいひょう作さくの一ひとつが「ピレネーの城しろ」だ。大だい海原うなばらを足元あしもとに巨大きょだいな岩いわ塊かたまりが空そらに浮うかび、そこには石造いしづくりの城しろがそびえたっている。マグリットの作品さくひんではありふれたモチーフが、現実げんじつにはあり得えない姿すがたに描えがかれ、後ごの広告こうこくやグラフィックアートに多大ただいな影響えいきょうを与あたえた。

私生活しせいかつでは22年ねんに幼馴染おさななじみのジョルジェット・ベルジェと結婚けっこん。彼女かのじょはたびたびマグリットの作品さくひんに登場とうじょうしており、生涯しょうがいの妻つまとして生活せいかつを共ともにしている。晩年ばんねんにはシュールレアリストを代表だいひょうする画家がかとなるが、当人とうにんはアトリエを構かまえることもなく、アパートの一室いっしつで生涯しょうがい絵えを描えがき続つづけた。