月周回衛星「かぐや(SELENE)」 - 観測ミッション

　主しゅ衛星えいせいに搭載とうさいされるセンサで主しゅ衛星えいせいと月面げつめん間あいだの直線ちょくせん距離きょりを測はかる装置そうちです。主しゅ衛星えいせいは月つきを極ごく軌道きどうで周回しゅうかいしているので月つき全面ぜんめんをカバーする距離きょりデータが得えられ、これを用もちいて月つき全面ぜんめんの高こう精度せいど地形ちけい図ずを世界せかいで初はじめて作成さくせいします。

レーザ高度こうど計けい諸しょ元もと

質量しつりょう Weight	20kg
寸法すんぽう Dimensions	306ｘ450ｘ408（LALT-TR） 301ｘ241ｘ88 （LALT-E） 1064nm
レーザ波長はちょう Laser wavelength	1064nm
測定そくてい範囲はんい Range	50km～150km
レーザ出力しゅつりょく Laser output Energy	100mJ
測定そくてい周波数しゅうはすう Pulse repetition rate	1Hzへるつ
測定そくてい精度せいど Ranging accuracy	5m

LALT-TRレーザ送受信そうじゅしん部ぶ

LALT-TRレーザ送受信部

LALT-TRの内部ないぶ構造こうぞう

LALT-TRの内部構造

TOPへ

レーザ高度こうど計けいは主しゅ衛星えいせいから月面げつめんに向むかってレーザ光こうを発射はっしゃし、月面げつめんで反射はんしゃされた光ひかりが戻もどるまでの往復おうふく時間じかんを測はかることで衛星えいせいと月面げつめん間あいだの距離きょりを求もとめます。
衛星えいせいと月面げつめん間あいだの距離きょりは次つぎの式しきで表あらわすことができます。

（衛星えいせいと月面げつめん間あいだの距離きょり）＝光速こうそく度ど×（レーザの往復おうふく時間じかん）÷ ２

レーザの往復おうふく時間じかんに0.666ミリ秒びょう（1ミリ秒びょう = 千せん分ぶんの1秒びょう）かかったとすると、月面げつめんまでの距離きょりは約やく100kmとなります。

TOPへ

レーザ高度こうど計けいで期待きたいされる主おもな成果せいかは次つぎの通とおりです。

従来じゅうらいのクレメンタイン衛星えいせい（米国べいこく）をはるかにしのぐ高こう精度せいどかつ　高こう頻度ひんどの月面げつめん高度こうどデータの取得しゅとくし、月形つきがた状じょうを高こう精度せいどに計測けいそくします。
従来じゅうらいの衛星えいせいで探査たんさされていない極きょく域いき（緯度いど75度ど以上いじょう）を含ふくむ月面げつめん全体ぜんたいの高こう精度せいど地形ちけい図ずを作つくり、後継こうけい月がつ探査たんさ計画けいかくへの基礎きそデータを提供ていきょうします。
RSAT/VRADミッションから得えられる重力じゅうりょく場じょうデータと合あわせて、月内げつない部ぶ構造こうぞうについての情報じょうほうを得えます。

観測かんそく開始かいし１年ねん後ごに予想よそうされるコペルニクスクレータ
（直径ちょっけい約やく90km）付近ふきんのLALT測はか距点分布ぶんぷ図ず

図ず中ちゅうの●は測定そくてい点てんです。南北なんぼく方向ほうこうに約やく1.6km、東西とうざい方向ほうこうに約やく２km間隔かんかくで測定そくていします。１年間ねんかんの観測かんそくで３千せん万まん点てん以上いじょう測定そくていできます。

画像がぞう協力きょうりょく：Karl Urban氏し

TOPへ

LALT

荒木あらき　博志ひろし
Hiroshi Araki

自然しぜん科学かがく研究けんきゅう機構きこう国立こくりつ天文台てんもんだい
RISE月がつ探査たんさプロジェクト

TOPへ

ISASコラム　かぐやの科学かがく　第だい4回かい　月つきの地形ちけいと地下ちか構造こうぞう探査たんさ

TOPへ