サッカー2024.04.19 06:00

保坂ほさか果はて那な

◆長谷川はせがわ竜也たつや（はせがわ・たつや）　1994年ねん（平たいら6）3月がつ7日にち、静岡しずおか県けん沼津ぬまづ市し生うまれ。6歳さいでサッカーを始はじめ、門もん池ちSSS－静岡しずおか学園中がくえんなか－静岡しずおか学園がくえん高だか－順大じゅんだいをへて、16年ねんに川崎かわさきFでプロ入いり。優勝ゆうしょうはJ1で4度ど、ルヴァン杯はい1度ど、天皇てんのう杯はい1度どの6冠かんを経験けいけん。22年ねん横浜よこはまFC、23年ねん東京とうきょうVでプレーし、24年ねんから札幌さっぽろに加入かにゅう。J通算つうさん160試合しあい20得点とくてん（J1通算つうさん114試合しあい15得点とくてん）。家族かぞくは妻つまと2女じょ。164センチ、60キロ。

ルヴァン杯はい2回戦かいせんの沼津ぬまづ戦せん、ドリブルで切きり込こむ長谷川はせがわ（2024年ねん4月がつ17日にち撮影さつえい）

思おもい出での愛鷹あしたか

長谷川はせがわはプロ入いり後ご初はじめて地元じもとのクラブ沼津ぬまづとの試合しあいに臨のぞんだ。「まさか対戦たいせんできると思おもっていなかったので、楽たのしみな気持きもちでいっぱい」と心待こころまちにしていた一いち戦せんだ。同どうクラブのホームでもある会場かいじょうの愛鷹あしたかは「なじみがある。最後さいごの試合しあいは勝かったので、いい思おもい出でがある」。静岡しずおか学園がくえん3年ねん時じの11年ねん、高校こうこう総体そうたい県けん予選よせん準決勝じゅんけっしょうの浜松はままつ開ひらき誠まこと館かん戦せん（1－0）以来いらい。静岡しずおか学園がくえんはその後ご、県けん予選よせんで優勝ゆうしょうし、全国ぜんこくに出場しゅつじょうして準じゅん優勝ゆうしょうした。試合しあいは高校生こうこうせい以来いらいだが、昨年さくねん12月がつにサッカー教室きょうしつのイベントを行おこなうなど、よく足あしを運はこぶ場所ばしょだ。

長谷川はせがわはベンチスタート。札幌さっぽろの先発せんぱつ11人にんは、自身じしんが小学生しょうがくせい時代じだいに所属しょぞくしていた門もん池ちSSSの選手せんしゅが務つとめたエスコートキッズと一緒いっしょに入場にゅうじょうした。着きていた「KADOIKE」の文字もじが入はいったユニホームは、寄付きふしたものだ。後半こうはん開始かいしから投入とうにゅうされると、前線ぜんせんの一角いっかくに入はいり、前半ぜんはんよりも攻撃こうげきが活性かっせい化かした。一時いちじ1－1の同点どうてんに追おいつかれても、勝かち越こした。

「今いままでに感かんじたことがないくらいのふわふわした感かんじがあった。地元じもとでJリーグの公式こうしき戦せん。不思議ふしぎな感かんじになった。地元じもとのみんなもまさかプロとして戻もどって来くるなんて、ないと思おもっていたと思おもう」

ルヴァン杯はい2回戦かいせん沼津ぬまづ戦せん、CKをヘディングで合あわせる長谷川はせがわ（左ひだり）

「ふわふわした感かんじ」

会場かいじょうには代表だいひょうを務つとめるサッカースクールやジュニアユースチームのコーチ、選手せんしゅら約やく200人にんの大だい応援おうえん団だんが駆かけつけた。会場かいじょう近ちかくに住すむ祖父母そふぼも観戦かんせんし「余生よせいを楽たのしんでいるじいちゃん、ばあちゃんとか、いろんな人ひとが見みに来きてくれた。（プレーを）見みせられて良よかった。喜よろこんでいた」。試合しあい後ごは小中学生しょうちゅうがくせいの教おしえ子ごたちにあいさつする機会きかいがあった。

「少すこしでも『僕ぼくもプロになりたい』ってきっかけになったら。僕ぼくは実際じっさいにプロになったからこそ、簡単かんたんな世界せかいではないっていうのはあるけど、あこがれられるような姿すがたを地元じもとで見みせられたのは、すごい感慨深かんがいぶかい」

長谷川はせがわは沼津ぬまづ愛あいにあふれる。「愛あいと言いうと行いき過すぎ」と照てれるが、使命しめい感かんを持もち、行動こうどうしている。22年ねんに小学生しょうがくせい対象たいしょうのサッカースクール「TATSUYA HASEGAWA FOOTBALL ACADEMY」（THFA）を開校かいこうした。23年ねんからは中学生ちゅうがくせい対象たいしょうのジュニアユースチーム「FC沼津ぬまづ」を本格ほんかく始動しどうさせた。どちらも沼津ぬまづ市しを本拠地ほんきょちに活動かつどうする。代表だいひょうを務つとめ、コーチとして指導しどうする。小中しょうちゅう高だか時代じだいのチームメートで「彼かれがいたからできる。親友しんゆうと呼よべる仲なか」の野田のだ侑成コーチ（30）らとともに取とり組くむ。

長谷川はせがわ（前列ぜんれつ中央ちゅうおう）とサッカースクールの生徒せいと（インスタグラムより）

23年ねん12月26日にちに実施じっしした札幌さっぽろ長谷川はせがわのサッカー教室きょうしつの様子ようす。会場かいじょうは愛鷹あしたか（インスタグラムより）

「僕ぼくがやるべきことだと思おもっている。沼津ぬまづで生うまれ育そだった者ものとして、だんだん過疎かそ化かしている感かんじがあって、盛もり上あがってくれたらという思おもい。僕ぼくができることは少すこしでも子こどもたちがサッカーができる環境かんきょうの手伝てつだいとか。僕ぼくの活動かつどうや活躍かつやくで少すこしでも沼津ぬまづに興味きょうみを持もってもらったり、街まちがにぎわってくれたら。沼津ぬまづっていいところなので」

練習れんしゅうや試合しあいの合間あいまを縫ぬって、シーズン中ちゅうでも1～2カ月かげつに1度どのペースで顔かおを出だしている。現役げんえきプロサッカー選手せんしゅである今いまだからこそ、取とり組くむ意味いみがあると考かんがえる。

「自分じぶんはサッカー選手せんしゅから直接ちょくせつ何なにかを教おそわったりという機会きかいがなかった。当時とうじ沼津ぬまづ市し出身しゅっしんの現役げんえきの選手せんしゅでは伸二しんじさん（元もと日本にっぽん代表だいひょうMF小野おの伸二しんじ氏し）がいたけど、僕ぼくが小学生しょうがくせいの時ときは海外かいがいで活躍かつやくされていたので。僕ぼく自身じしんがサッカー選手せんしゅであるうちに、現役げんえきの時ときにしか伝つたえられないことがたくさんあるので、そういうものを沼津ぬまづの未来みらいある子こどもたちのために伝つたえたいなって思おもって始はじめた」

地元じもと沼津ぬまづでの一いち戦せん。試合しあい前まえのウオーミングアップに励はげむ長谷川はせがわ

子こどもたちへの責任せきにん

引ひっ越こし先さきの幼稚園ようちえんで友達ともだちづくりのためにチャイルドサッカーを始はじめたのが、サッカーとの出会であい。

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