キラキラ感かんで「カワイイ」を創つくり出だす──上倉あげくらエクさんメイキング＆インタビュー

発売はつばい20周年しゅうねんを迎むかえた『ロッテキシリトールガム』の記念きねん企画きかく「XYLITOL 20周年しゅうねんプロジェクト」では2020年ねんに日本にっぽんの主役しゅやくとなる20代だい、20組くみの若者わかものにフォーカスをあて、さまざまなプロジェクトが展開てんかい中ちゅうです。

そのひとりに選えらばれたのが、イラストレーターの上倉あげくらエクさん。『キシリトールガム』の特別とくべつパッケージを手てがけられたときには、このpixivisionでインタビューにも応こたえていただきました。

そんな上倉あげくらエクさんの新あらたな挑戦ちょうせんは”個展こてん”。自分じぶんの絵えだけで構成こうせいされる展覧てんらん会かいは、イラストレーターにとって大おおきな夢ゆめ。今回こんかいその夢ゆめを実現じつげんする場所ばしょとなったのは、なんとJR秋葉原あきはばら駅えき！　2017年ねん7月がつ31日にち（月つき）から2017年ねん8月がつ6日にち（日ひ）までの期間きかん、JR秋葉原あきはばら駅えき昭和通しょうわどおり口こう改札かいさつ外がいに上倉あげくらエクさんのイラストが掲出けいしゅつされるのです。

今回こんかいは、そのチャレンジ用ように執筆しっぴつされたイラストのメイキングをご紹介しょうかいします。実際じっさいに描えがかれたイラストを見みながら、ご本人ほんにんに解説かいせつしていただきました。キラキラした透明とうめい感かんとポップな色合いろあいで描えがかれる“カワイイ”は、どうやって創つくり出だされるのでしょうか？　必見ひっけんですよ！

まずはラフを描えがく前まえに登場とうじょうさせたいキャラクターたちのデザインから始はじめます。

私わたしの場合ばあいは、衣装いしょうデザインからポーズ、ポーズからキャラクターの表情ひょうじょうと、順じゅんにインスピレーションが沸わいてくるので、必かならずこの手順てじゅんでイラストを描えがきます。衣装いしょうの仕上しあがりで最初さいしょに思おもい描えがいていた完成かんせいイメージから大おおきく変かわるというのは、往々おうおうにしてありますが、まあそれはそれで（笑）。

イラストのメインとなるXYLITOLちゃん（仮かり）は、商品しょうひんのイメージから「守まもる」をテーマに、ちょっと警察官けいさつかんっぽいデザインに。色いろも商品しょうひんと同おなじ緑みどり系けいとしました。対たいする敵てきキャラたちは、本物ほんものの菌きんの写真しゃしんの形状けいじょうからイメージを脹ふくらませてデザイン。色いろはメインキャラと同どう系統けいとうの色いろを入いれつつ、ステイン的てきなイメージで茶ちゃ・赤あか系統けいとうを盛もり込こみました。

デザインも固かたまったので大だいラフでポーズを検討けんとうします。衣装いしょうにハマったポーズになるまで、何なん度ども何なん度どもラフを描えがきますが、今回こんかいはこのポーズに決きまるまでに3、4パターンぐらい描えがきました。

ポーズが決きまったあとに顔かおを入いれていくので、デザイン画がとはずいぶんと印象いんしょうが変かわっていますね（笑）。

XYLITOLちゃんとマスコットキャラがバチっとハマったので、空あいている部分ぶぶんに敵てきキャラやちびキャラたちを配置はいちしていきます。

大だいラフが出来上できあがったら、ざっくりと色いろをのせていきバランスを見みます。衣装いしょうデザインの段階だんかいで色彩しきさい設計せっけいは終おわっていますが、一いち枚まい絵えで見みたときの色いろの配置はいちを確認かくにんするためには、これも欠かかせない作業さぎょうです。完成かんせいのイメージもつかめるので、オススメですよ。

線画せんがのクリーンナップを行おこないます。ラフにレイヤーを重かさねてペン入いれをしていきますが、普通ふつうのペン先さきではなくフリーのカスタムブラシを入いれて、鉛筆えんぴつのような効果こうかが出でるようにしています。

彩色さいしきの段階だんかいで主おも線せんの色いろを変かえることもあるので、パーツごと、キャラクターごとにレイヤーを分わけて描えがき進すすめていきます。（中央ちゅうおうのXYLITOLちゃんでレイヤー数すうはだいだい15枚まいくらいです）

キャラクターの配置はいちをずらすこともあるので隠かくれてしまう部分ぶぶんもきちんと描えがいておくと、いざというときに助たすかりますよ。

ひと通とおり色しょくを塗ぬったら、影かげを入いれる前まえに肌はだの質感しつかんを入いれていきます。私わたしの場合ばあいは塗ぬりつぶしとグラデーションを多用たようする塗ぬり方かたなので、柔やわらかさと丸まるみを出だす効果こうかは先さきに入いれるようにしています。

髪かみの毛けの立体りったい感かんを決きめるために色いろを追加ついかしていきます。作業さぎょう自体じたいは前まえの工程こうていとあまり変かわりません。

影かげがひと通とおり入はいったので、次つぎはハイライトを入いれていきます。ハイライトは乗算じょうざんではなく発光はっこうレイヤーに設定せってい。濃こいめの色いろを入いれて情報じょうほう量りょうを上あげていきます。

ブラシサイズを100～200ほどにして、入いれたい場所ばしょに大おおきく色いろを乗のせていきます。不要ふようなところはあとから消けしゴムで削けずりながら形かたちを整ととのえています。

ハイライトまで入はいりXYLITOLちゃんが完成かんせいしたので、敵てきキャラと背景はいけいを彩色さいしきしていきます。基本きほん的てきな手順てじゅんは変かわりません。パーツごとの色いろ塗ぬりを地道じみちに繰くり返かえします……。

ひと通とおり終おわったあとで、効果こうかをいくつか入いれています。キラキラや持もっている水鉄砲みずでっぽう（？）から出でる謎なぞの液体えきたいを描えがき足たして、全体ぜんたいの密度みつどを調整ちょうせいします。キラキラを入いれるとポップで可愛かわいく見みえる気きがするので随所ずいしょに入いれます。

最後さいごに全体ぜんたいの色味いろみを少すこしだけ調整ちょうせいして完成かんせいです。ここまで読よんでくださって、ありがとうございました。

私わたしの描えがき方かたでは、線画せんがから彩色さいしきをパーツごとに仕上しあげていき最終さいしゅう的てきにバランスを取とる描えがき方かたをしているので、どうしてもレイヤーの枚数まいすうが増ふえてしまいます。今回こんかいのようなサイズが大おおきいイラストではツールの挙動きょどうがだいぶ不安定ふあんていになるのであまりオススメできませんが、修正しゅうせいや効果こうかといった調整ちょうせいが後々あとあとしやすくなるというメリットもあります。このあたりは描えがき方かたでかなり変化へんかしますので、自分じぶんなりのちょうどいいバランスを見みつけてみてください。