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【主張】宅配便の急増 過剰サービスは見直しも - 産経ニュース
主張しゅちょう

宅配たくはい便びん急増きゅうぞう 過剰かじょうサービスは見直みなおしも

 らしや産業さんぎょうささえる宅配たくはい便びんがりかどむかえている。人手ひとで不足ふそく運転うんてんしゅ十分じゅうぶん確保かくほできないなか、インターネット通販つうはん拡大かくだい取扱とりあつかいりょう急増きゅうぞうし、配達はいたつ現場げんば疲弊ひへい深刻しんこくになっているのだ。

 業界ぎょうかい最大手さいおおてヤマト運輸やまとうんゆは、取扱とりあつかいりょう抑制よくせいなどの検討けんとうはじめた。利便りべんせいたかめる配達はいたつサービスであっても、過剰かじょうなものはおもって見直みなお必要ひつようがある。

 ネット通販つうはん大手おおてなど大口おおぐち顧客こきゃくへの配達はいたつ料金りょうきん割引わりびきで、宅配たくはい業者ぎょうしゃがわにしわせがおよ実態じったいもある。

 適正てきせい料金りょうきんりサービスを提供ていきょうするのが、しょう取引とりひき原則げんそくだろう。宅配たくはいもう破綻はたんすれば通販つうはん打撃だげきこうむる。社会しゃかいてき影響えいきょう考慮こうりょし、価格かかく設定せっていすべきだ。

 昨年さくねん宅配たくはい便びん総数そうすうは、前年ぜんねんより6%あまりえてやく38おくせんまんとなった。6ねん連続れんぞく過去かこ最多さいた更新こうしんしている。スマートフォンをつうじたネット通販つうはん拡大かくだいし、小口こぐち荷物にもつ頻繁ひんぱん配達はいたつされるようになったことがおおきい。

 この半数はんすうちかくをあつかうヤマトでは運転うんてんしゅ確保かくほいつかず、長時間ちょうじかん労働ろうどう常態じょうたいしているという。同社どうしゃ労組ろうそ経営けいえいがわたいし、取扱とりあつかい総数そうすう抑制よくせいもとめたのも無理むりはない。あらたに発覚はっかくした未払みはら残業ざんぎょうだい問題もんだいふくめ、労働ろうどう環境かんきょう改善かいぜん労使ろうし協議きょうぎしてもらいたい。

 そのためには、一部いちぶサービスの廃止はいしもやむをまい。宅配たくはい便びん全体ぜんたいの2わりは、不在ふざいだったいえふたたとどけるさい配達はいたつめるという。度重たびかさなるさい配達はいたつには、一定いってい手数料てすうりょう徴収ちょうしゅうなども検討けんとうあたいする。

 配達はいたつ時間じかん指定していせず、1かいったひとにはポイント付与ふよ優遇ゆうぐうするなど、料金りょうきんメニューの多様たようにも工夫くふうらしたい。過疎かそはし路線ろせんバスに宅配たくはい荷物にもつせる規制きせい緩和かんわ必要ひつようである。

 国内こくない物流ぶつりゅうの9わりになうトラック業界ぎょうかい全体ぜんたいでも、人手ひとで不足ふそくおおきな問題もんだいだ。トラック運転うんてんしゅ賃金ちんぎん業界ぎょうかいくらべてやすいことが、その傾向けいこう拍車はくしゃをかける。運転うんてんしゅ高齢こうれい懸念けねん材料ざいりょうである。

 石井いしい啓一けいいち国土こくど交通こうつうしょうは「深夜しんやたのんで翌日よくじつ荷物にもつとどくサービスもある。末端まったん物流ぶつりゅう業者ぎょうしゃ相当そうとう負担ふたんがかかっている」とべた。運転うんてんしゅらの長時間ちょうじかん労働ろうどう是正ぜせいや、処遇しょぐう改善かいぜん必要ひつようせい強調きょうちょうしたものである。

 宅配たくはい便びん業界ぎょうかい苦境くきょうは、消費しょうひしゃ利便りべんせい裏表うらおもて関係かんけいにある。持続じぞくてきなサービスのため、官民かんみんくわ利用りようしゃ一考いっこうすべきときだ。

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