男女共同参画が働き方の重要なテーマとなる中、帝国データバンクの調査で、都内企業の女性管理職(課長相当職以上)の割合が平均で前年比1.1ポイント増の10.7%と、初めて1割を超えた。
調査は今年7月、都内の4492社を対象に実施。44.7%の回答があった。政府は女性管理職の割合を2020年代の早期に30%程度とすることを目標としている。同じ調査で、女性管理職30%を超えた企業の割合も10.7%と、調査を開始した14年以降で最高となった。業界別では小売業が約2割で最も高かった。
◆「役員全員が男性」依然6割も
女性役員割合の平均も10.8%で過去最高。一方、「役員が全員男性」も依然として約6割を占めた。21年のコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)改定では、東証プライム上場企業には社外取締役の中で企業の内部者から一定の独立性を有している「独立社外取締役」を3分の1以上選ぶことが求められ、女性社外取締役の増加を促す項目も盛り込まれている。
国内最大級のヘッドハンティング会社「プロフェッショナルバンク」(千代田区)も3年前、女性社外役員の紹介サービスを開始。昨年度は前年度に比べ問い合わせ件数が約2倍に増加し、成約件数も増えているという。「数合わせでの依頼があることは否めないが、女性を入れなければならないという方針自体は悪いことではなく、求める具体的な役員像も明確にした上での依頼が多い」と同社取締役常務執行役員の呑田好和さん。
「最近はベンチャー企業からも、成長戦略の助言などのできる女性社外取締役が求められている」とも。今はまだ女性比率増加の途上にあるが、「約20年後には、常勤取締役の半分近くが女性になるだろう」とみている。(砂本紅年)