ランボルギーニのあらたなフラッグシップ「Revuelto(レヴエルト)」がデビュー

2023.03.30 自動車じどうしゃニュース 西川にしかわ あつし
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ランボルギーニ・レヴエルト
ランボルギーニ・レヴエルト拡大かくだい

アウトモビリ・ランボルギーニは2023ねん3がつ29にち現地げんち時間じかん)、新型しんがたフラッグシップスーパースポーツ「Revuelto(レヴエルト)」を世界せかいはつ公開こうかいした。

ランボルギーニのあらたなフラッグシップモデル「レヴエルト」。V12エンジンをベースとするプラグインハイブリッドしゃとして開発かいはつされた。
ランボルギーニの新たなフラッグシップモデル「レヴエルト」。V12エンジンをベースとするプラグインハイブリッド車として開発された。拡大かくだい
乗車じょうしゃ定員ていいん2人ふたり。パワーユニットはキャビン後方こうほう搭載とうさいされる。
乗車定員は2人。パワーユニットはキャビン後方に搭載される。拡大かくだい
排気はいきかんはリアのたか位置いちにレイアウトされている。
排気管はリアの高い位置にレイアウトされている。拡大かくだい
エンジンはカーボンせいのフードでかこまれているものの、上面うわつら露出ろしゅつしている。
エンジンはカーボン製のフードで囲まれているものの、上面は露出している。拡大かくだい
「レヴエルト」のシステム最高さいこう出力しゅつりょくは1015PS。0-100km/h加速かそくはわずか2.5びょうでこなす。
「レヴエルト」のシステム最高出力は1015PS。0-100km/h加速はわずか2.5秒でこなす。拡大かくだい
ドアは従来じゅうらいどおりのしきとなっている。
ドアは従来どおりの跳ね上げ式となっている。拡大かくだい

ひろさと利便りべんせいにも配慮はいりょ

そのはレヴエルト。もちろんランボルギーニの伝統でんとうてきなネーミング手法しゅほうにのっとって、それは闘牛とうぎゅう名前なまえだ。1880ねん8がつ1にちにバルセロナでたたかった闘牛とうぎゅうレヴエルトは、その最中さいちゅうなんしがらみしょかまわずムチャクチャにあばまわった。レヴエルトとはスペインで“かきぜる”のしん時代じだいのハイブリッドスーパーカーのとして、なるほどそれはふさわしい。

らんのとおり、そのスタイリングはまったくもってあたらしい。と同時どうじにそのディテールには随所ずいしょにヘリテージの現代げんだい解釈かいしゃくがちりばめられている。それゆえだれがどうてもこれは立派りっぱに“ランボルギーニ”だ。

実際じっさいにプロトタイプを間近まぢか観察かんさつすると一見いっけん複雑ふくざつそうにえたラインがすべてかんがかれたものであることがかる。直線ちょくせんてき処理しょりおおいようにえてじつはふくよかさをたたえているあたり、「カウンタック」と共通きょうつうする美点びてんだ。感心かんしんしつつながめているとチェントロ・スティーレのあるじ(あるじ)であるミッティア・ボルカート筆者ひっしゃをリアエンドへと手招てまねきした。

「このアングルからのデザインがとてもきなんだ!」。上方かみがた排気はいきさきをたどると、エンジンがむきしになっている。おおいがない(炭素たんそ繊維せんい強化きょうかプラスチック<CFRP>せいフードは存在そんざいする)ため、こののモデルとしてはおおきめのリアウィンドウとなっていて、コックピットをよく見通みとおせるのだ。「エイリアンがこちらをつめがえしているようにえるだろ?」。ミッティアが無邪気むじゃきわらいをみせた。ちなみにリアスポイラーは速度そくどおうじて3段階だんかい可変かへんする。

ボディーカラーは現時点げんじてんでは8しょく(ビアンコシデラーレ、ブルオケアノス、ヴェルデヴァイパー、アランチオアポディス、ジアッロクンタッチ、ヴィオラパシファエ、グリジオアチェソ、ヴェルデタービン)のスタンダード仕様しよう用意よういされているが、もちろんスペシャルオーダーも可能かのうだ。ちなみにミッティアのおりはつやみどりのヴェルデタービン。まわりをブラックアウトしたYヘッドライトがフロントマスクの特徴とくちょうだが、ライトくろ部分ぶぶんをボディー同色どうしょくとすることもできる。ぎゃくにサイドドアまえのフラップをくろにすることも可能かのう

たかいユーザーがおおいのでくるまだかすこげたんだ。ルーフ形状けいじょうあいまって室内しつないだかにぎこぶしひとつぶん(24mm)ひろくなった。ヘルメットをかぶっても大丈夫だいじょうぶなようにね。ドアの開閉かいへいについても、もうすこそとけてひらく。サイドシルはドアがわけたからりもしやすくなっているよ」

フロントブートをけると機内きないみサイズのトロリーが2つすっぽりとおさまる。また充電じゅうでんこうもブートないにあって、充電じゅうでんはフードがすこひらいた状態じょうたいでロックされる。

「アヴェンタドール」までのたてきエンジンにたい前後ぜんご180ぎゃくきでマウントされるしん開発かいはつV12ユニット。単体たんたいでの重量じゅうりょうは218kgと公表こうひょうされる。
「アヴェンタドール」までの縦置きエンジンに対し前後180度逆の向きでマウントされる新開発V12ユニット。単体での重量は218kgと公表される。拡大かくだい
エンジンの後方こうほう搭載とうさいされる8だんDCT。その上方かみがたにモーターがわされている。
エンジンの後方に搭載される8段DCT。その上方にモーターが組み合わされている。拡大かくだい
インストゥルメントパネル中央ちゅうおうにはたてがたディスプレイが、助手じょしゅせき前方ぜんぽうには横長よこなが液晶えきしょうモニターが配置はいちされる。
インストゥルメントパネル中央には縦型ディスプレイが、助手席前方には横長の液晶モニターが配置される。拡大かくだい
メーターは液晶えきしょう表示ひょうじ運転うんてんにかかわるスイッチるいは、ステアリングホイールのスポークじょう集約しゅうやくされている。
メーターは液晶表示。運転にかかわるスイッチ類は、ステアリングホイールのスポーク上に集約されている。拡大かくだい

0-100km/h加速かそくは2.5びょう

サンタガータがレヴエルトをたんなるPHEVではなくHPEV(ハイパフォーマンスエレクトリファイドビークル)とうたう理由りゆうは、もちろんその強力きょうりょくなハイブリッドパワートレインにあった。webCGではすでにリポートみだからくわしくはそちらを参考さんこうにしていただくことにして(関連かんれん記事きじ)、ここではそのスペックを簡単かんたんかえっておく。

完全かんぜんしん開発かいはつの6.5リッターV12自然しぜん吸気きゅうきエンジンの最高さいこう出力しゅつりょくは825PS/9250rpm。9500rpmまで許容きょようする。最大さいだいトルクは725N・m/6750rpm。これにわされるのが、ぜん2うしろ1電気でんきモーターと容量ようりょう3.8kWhのリチウムイオンバッテリー、しん開発かいはつの8だんDCTだ。リアモーターのスペックはどう150PS、どう150N・m。スターターやジェネレーターとして機能きのうするほか、必要ひつようおうじてこう駆動くどうたすける。2つのフロントモーターはそれぞれどう150PS、どう350N・mで、前輪ぜんりん駆動くどうするほかトルクベクタリングや回生かいせいブレーキとしてもはたらく。電動でんどう走行そうこう基本きほん、フロントモーターがになうが、走行そうこうモードや状況じょうきょうおうじて完全かんぜん電動でんどうの4WD走行そうこうもできる。後進こうしんももちろん電動でんどうだ。

システムそう出力しゅつりょくはなんと1015PS。パワーウェイトレシオは驚異きょういの“2り”で1.75kg/PS。0-100km/h加速かそく2.5びょう、0-200km/h加速かそくは7びょう以下いか最高さいこう速度そくどは350km/hオーバーだ。フル電動でんどう電動でんどう航続こうぞく距離きょりかんしての公式こうしき発表はっぴょうはこの原稿げんこう執筆しっぴつしている時点じてんでまだないが、3.8kWhという比較的ひかくてきすくなめの容量ようりょうから想像そうぞうするに10km程度ていどではないか。それでも早朝そうちょうにガレージから最寄もよりのインターチェンジまで“無音むおん”ではしるくらいはできるだろう!

スロープじょうのセンターコンソールは、センターモニター以下いかがセパレートしたデザインとなった。
スロープ状のセンターコンソールは、センターモニター以下がセパレートしたデザインとなった。拡大かくだい
「レヴエルト」のモノコックボディーと前後ぜんごサブフレームのそう重量じゅうりょうは「アヴェンタドール」で10%軽量けいりょう。ねじり剛性ごうせいは25%アップしたという。
「レヴエルト」のモノコックボディーと前後サブフレームの総重量は「アヴェンタドール」比で10%軽量。ねじり剛性は25%アップしたという。拡大かくだい
重量じゅうりょうのかさむリチウムイオンバッテリーは、これまでトランスミッションがめていた車体しゃたい中央ちゅうおうにレイアウトされている。
重量のかさむリチウムイオンバッテリーは、これまでトランスミッションが占めていた車体の中央にレイアウトされている。拡大かくだい
航空機こうくうきのスイッチをおもわせるスタートボタンは「レヴエルト」でも採用さいようされた。
航空機のスイッチを思わせるスタートボタンは「レヴエルト」でも採用された。拡大かくだい
ランボルギーニが「HPEV(High Performance Electrified Vehicle)」とぶ「レヴエルト」。電気でんきてきなシステムながら、4WDの駆動くどう方式ほうしき継承けいしょうされた。
ランボルギーニが「HPEV(High Performance Electrified Vehicle)」と呼ぶ「レヴエルト」。電気的なシステムながら、4WDの駆動方式は継承された。拡大かくだい
サンタガータ本社ほんしゃ工場こうじょうにおける「レヴエルト」の生産せいさんペースは年間ねんかん1500だい見込みこまれている。
サンタガータ本社の工場における「レヴエルト」の生産ペースは年間1500台と見込まれている。拡大かくだい

カーボンの車体しゃたいでもあらたな挑戦ちょうせん

レヴエルトのもうひとつの注目ちゅうもくてんがボディー骨格こっかくだ。さらなる軽量けいりょうこう剛性ごうせい目指めざして複数ふくすうのCFRP成型せいけいほう使つかったまったあたらしい骨格こっかく開発かいはつしたことと、量産りょうさんロードカーとしてははじめてフロントサブフレームにこう剛性ごうせい衝撃しょうげき吸収きゅうしゅうせいすぐれたCFRPを採用さいようしたことの2てんあたらしい。リアのサブフレームはアルミニウムせい。これによりモノコックボディーと前後ぜんごサブフレームのそう重量じゅうりょうは「アヴェンタドール」ようくらべて10%かるくなり、ねじり剛性ごうせいは25%もアップしたという。

サンタガータはあたらしいモノコックボディーを“Monofuselage(たん胴体どうたい)”とづけた。おもに3種類しゅるい成型せいけい方法ほうほうによるCFRPが使つかわれている。もっとおおく(50%以上いじょう)をめるのは得意とくいのフォージド(鍛造たんぞう)カーボン。こまかな炭素たんそ繊維せんい樹脂じゅしぜホットプレス(5000tきゅう)し成型せいけいする。使つかわれているのはメインのバスタブをはじめフロントファイアウォール、フロントサブフレーム、アンダーパネルといった主要しゅようパートだ。

ハンドレイアップのプリプレグ成型せいけいはピラーからルーフにかけて、つまり軽量けいりょうかつ頑丈がんじょうでクラスAの表面ひょうめんクオリティーが必要ひつよう部分ぶぶん使つかわれた。

注目ちゅうもくすべきはRTM(レジン・トランスファー・モールディング)成型せいけいでつくられる“ロッカーリング”とばれる構造こうぞうぶつだ。フロントサブフレームの接合せつごう部分ぶぶんりょうサイドシルをまわってリアバルクヘッドまでリングじょう一体いったい成型せいけいした。そこに前述ぜんじゅつした鍛造たんぞうカーボンのバスタブがすっぽりハマるという仕掛しかけ。この部分ぶぶんのみサプライヤーから供給きょうきゅうける。

そのほかの成型せいけい部品ぶひん、つまりプリプレグとRTM、そしてあらたに自動じどうレイアップのプリプレグ・ホットプレスによるかく成型せいけいパーツは、およそ1.5ばい規模きぼ拡張かくちょうされたCFK自社じしゃ工場こうじょうにて生産せいさんされる。筆者ひっしゃ改装かいそうされたCFK工場こうじょう見学けんがくしたが、アヴェンタドール時代じだいとはおおきくわって、設備せつび手法しゅほうはほとんど航空機こうくうき機体きたい製造せいぞう現場げんば様相ようそうていしていた。

生産せいさん現場げんば見学けんがくした。アヴェンタドールよう生産せいさんラインはすべてのぞかれ、おな場所ばしょ、つまり歴代れきだいフラッグモデルを生産せいさんしてきたサンタガータ本社ほんしゃのメイン工場こうじょうないまったあたらしいレヴエルトようのアッセンブリーラインができ、はたらひと環境かんきょうおおきく改善かいぜんしたうつくしい工場こうじょうになっていた。18セクションあり、タクトタイムは65ふん。8あいだの1シフトせいいちにちに7だいのレヴエルトが生産せいさんされるという。しばらくは年産ねんさん1500だいペースということだった。

ぶん西川にしかわ あつし

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