大暑たいしょ

大暑たいしょ，六ろく月がつ中なか，解かい見み小暑しょうしょ。

恰逢季夏きか時節じせつ，蓋ぶた始はじめ於公曆れき七なな月がつ二に十じゅう二に至いたり二に十じゅう四よん日間にちかん。日ひ處しょ黃き經けい一いち百ひゃく二に十じゅう度ど。

候こう[纂]

腐くさ草くさ為ため螢ぼたる︰曰丹良りょう、曰丹鳥とり、曰夜光こう、曰宵燭しょく，皆みな螢ぼたる之これ別名べつめい。離はなれ明あかり之の極ごく則のり幽かそけ陰かげ，至いたり微ほろ之これ物ぶつ亦また化か而為明也あきや。《毛もう詩し》曰：「熠耀宵よい行ぎょう」，另一いち種しゅ也，形かたち如米蟲ちゅう，尾び亦また有ゆう火ひ，不言ふげん化か者しゃ，不ふ復原ふくげん形がた，解かい見み前まえ。
土ど潤じゅん溽暑︰溽，濕しめ也，土ど之の氣き潤ほとび，故こ蒸ふけ郁いく而為濕しめ暑あつ，俗稱ぞくしょう齷齪あくせく熱ねつ是也これや。
大雨おおあめ時じ行ぎょう︰前ぜん候こう濕しめ暑あつ之これ氣き蒸ふけ郁いく，今こん候こう則そく大だい雨あめ時どき行ぎょう以退暑あつ也。