冊さつ府ふ元もと龜かめ

《冊さつ府ふ元もと龜かめ》為ため中国ちゅうごく宋そう代だい四よん部ぶ类書之これ一いち，初はつ名めい《歷代れきだい君臣くんしん事蹟じせき》，北きた宋そう真宗しんしゅう景けい德とく二に年ねん（1005年ねん）九きゅう月がつ廿にじゅう二に日にち，下しも詔みことのり王おう欽若、楊億修おさむ歷代れきだい君くん臣事しんじ迹，前後ぜんご八はち年ねん，至いたり大中おおなか祥さち符ふ六ろく年ねん（1013年ねん）八はち月がつ十じゅう三さん日にち書しょ成なり。有ゆう宋そう刻こく本ほん傳でん世よ，但ただし已やめ非ひ完かん帙ちつ。“冊さつ府ふ”是ぜ古代こだい皇帝こうてい藏書ぞうしょ冊さつ之の府ふ庫こ，“元もと龜かめ”即そく大龜おおかめ，古代こだい用よう於占うらない卜ぼく，有ゆう龜鑑きかん之の意い。

編纂へんさん過程かてい

《冊さつ府ふ元もと龜かめ》廣こう泛取材しゅざい於正史し、實錄じつろく，但ただし不ふ取と筆記ひっき、雜ざつ史し，引書處しょ一律いちりつ不ふ注ちゅう出處しゅっしょ，成なり書しょ多た達たち一いち千せん卷かん，是ぜ宋そう代だい存そん世よ最大さいだい的てき著作ちょさく，在ざい《四よん庫こ全書ぜんしょ》中篇ちゅうへん幅はば居きょ第だい二に（僅次於《佩文韻いん府ふ》），其中唐から朝あさ、五ご代だい史料しりょう極ごく其豐富ほうふ。《冊さつ府ふ元もと龜かめ》雖與《太平たいへい御覽ごらん》卷數かんすう相しょう同どう，但ただし各卷かくかん容量ようりょう較大，所以ゆえん總そう字數じすう超過ちょうか《太平たいへい御覽ごらん》一いち倍ばい，有ゆう9,392,000餘よ字じ。《冊さつ府ふ元もと龜かめ》材料ざいりょう丰富，引文整せい篇へん整せい段だん，自じ上古じょうこ至いたり五ご代だい，按人、事こと、物もの，分ふん门编纂，以年代だい为序，真宗しんしゅう曾寫了りょう序じょ：「粵自正統せいとう，至いたり於閏位い，君臣くんしん善ぜん迹，邦家ほうか美び政せい，禮樂れいがく沿革えんかく，法令ほうれい寬ひろし猛たけし，官かん師し議論ぎろん，多士たし名めい行ぎょう，靡不具ぐ載の，用よう存そん典てん刑けい。凡勒成なり一いち千せん一いち百ひゃく四よん門もん，門かど有ゆう小しょう序じょ，述じゅつ其指歸き。分ぶん為ため三さん十じゅう一部いちぶ，部ぶ有ゆう總そう序じょ，言げん其經制せい，凡一千せん卷かん。」《冊さつ府ふ元もと龜かめ》廣こう泛收集しゅうしゅう，可か以说概括がいかつ了りょう十じゅう七なな史し。

《冊さつ府ふ元もと龜かめ》的てき编纂目的もくてき是ぜ“欲よく载历代だい事ごと实，为将来しょうらい典てん法ほう，使つかい开卷者しゃ动有资益”，编纂的てき特とく点てん是ぜ所しょ采さい资料不ふ改あらため旧きゅう文ぶん，每まい部ぶ前ぜん有ゆう总序，每まい门前有ゆう小しょう序じょ。因いん所しょ采さい多た为常见书，又また不ふ加か注ちゅう资料出で处，歷代れきだい不ふ为学者しゃ所しょ重じゅう视。南みなみ宋そう洪ひろし邁更さら直言ちょくげん：

“ 真宗しんしゅう初はつ，命いのち儒臣編修へんしゅう君くん臣事しんじ迹，後ご謂いい輔臣曰：“昨さく見み宴えん享とおる門もん中ちゅう錄ろく唐とう中ちゅう宗むね宴えん飲いん，韋庶人じん等とう預あずか會かい和わ詩し，與あずか臣しん寮りょう馬上まけ口こう摘含桃もも事ごと，皆みな非禮ひれい也。已やめ令れい削そぎ之の。”又また曰：“所ところ編へん事ごと迹，蓋ぶた欲よく垂たれ為ため典てん法ほう，異端いたん小說しょうせつ，咸所不ふ取と，可か謂いい盡つき善ぜん。”而編修へんしゅう官かん上じょう言げん：“近代きんだい臣しん僚自述じゅつ揚あげ歷れき之の事こと，如李德とく裕ひろし文武ぶんぶ兩朝りょうちょう獻けんじ替がえ記き、李り石せき開成かいせい承うけたまわ詔みことのり錄ろく、韓かん偓金鑾密記き之これ類るい，又また有ゆう子孫しそん追つい述じゅつ先さき德とく敍じょ家か世よ，如李り繁しげる鄴侯傳でん、柳やなぎ氏し序じょ訓くん、魏ぎ公家くげ傳でん之これ類るい，或ある隱かくれ己おのれ之の惡あく，或ある攘人之の善ぜん，並なみ多た溢美いつび，故こ匪信書しょ。幷僭偽にせ諸國しょこく，各かく有ゆう著ちょ撰えらべ，如偽吳くれ錄ろく、孟はじめ知ち祥さち實錄じつろく之の類るい，自じ矜本國こく，事こと或ある近きん誣。其上件けん書しょ，並なみ欲ほし不ふ取と。餘よ有ゆう三さん十じゅう國こく春秋しゅんじゅう、河かわ洛らく記き、壺つぼ關せき錄ろく之これ類るい，多た是正ぜせい史し已やめ有ゆう；秦しん記き、燕つばめ書しょ之これ類るい，出自しゅつじ偽にせ邦くに；殷いん芸げい小說しょうせつ、談だん藪やぶ之これ類るい，俱是詼諧小事しょうじ；河南かなん志こころざし、邠志、平ひら剡錄之の類るい，多た是ぜ故こ吏賓從したがえ述じゅつ本ほん府ふ戎えびす帥そち征伐せいばつ之の功こう，傷きず於煩碎；西京にしぎょう雜記ざっき、明あきら皇すめらぎ雜錄ざつろく，事こと多た語ご怪かい；奉天ほうてん錄ろく尤ゆう是ぜ虛きょ詞し。盡つき議ぎ採と收おさむ，恐おそれ成なり蕪かぶら穢けがれ。”並なみ從したがえ之これ。及書成なり，賜たまもの名めい冊さつ府ふ元もと龜かめ，首尾しゅび十じゅう年ねん，皆みな王おう欽若提ひさげ總すべ，凡一千せん卷かん，其所遺棄いき既すんで多た，故こ亦また不能ふのう暴白。 ”

文獻ぶんけん價か值

• 《冊さつ府ふ元もと龜かめ》最さい重要じゅうよう的てき部分ぶぶん在ざい於唐とう代だい與あずか五ご代だい十じゅう國こく這兩個りゃんこ部ぶ份，由ゆかり於在編へん纂而《冊さつ府ふ元もと龜かめ》時じ，距離きょり唐とう代だい與あずか五ご代だい未み遠とお，唐とう代だい與あずか五ご代だい歷朝れきちょう所しょ編纂へんさん的てき《實錄じつろく》、韋述等とう唐とう代だい史官しかん所しょ編へん寫うつし的てき《國史こくし》、柳やなぎ芳かおる、崔ちぇ龜ひさし從したがえ所ところ編へん寫うつし的てき《唐とう曆れき》與あずか《續ぞく唐とう曆れき》、賈緯的てき《唐とう年ねん補ほ錄ろく》、薛居正ただし所ところ編修へんしゅう的てき《舊きゅう五ご代だい史し》、范質的てき《五ご代だい通どおり錄ろく》並なみ未散みちる失しつ，又また其编纂的特とく點てん是ぜ“所ところ采さい資料しりょう不ふ改あらため舊きゅう文ぶん”，所以ゆえん在ざい清しん代だい乾いぬい隆たかし年間ねんかん，為ため了りょう復原ふくげん已やめ經けい失しつ傳でん《舊きゅう五ご代だい史し》，除じょ了りょう從したがえ永樂えいらく大典たいてん採と輯外，也從《冊さつ府ふ元もと龜かめ》擷取不ふ少しょう資料しりょう。
• 清きよし道みち光こう年間ねんかん，劉りゅう文ぶん淇、劉りゅう毓崧等ひとし為ため岑建功こう校こう《舊きゅう唐とう書しょ》時じ，即そく受益じゅえき於《冊さつ府ふ元もと龜かめ》許多きょた。對たい此，唐とう史し專せん家か岑仲勉つとむ認みとめ為ため：“《元もと龜かめ》之の文ぶん，多た採と唐から代だい實錄じつろく……舊きゅう紀き、舊きゅう傳つて亦また常つね直接ちょくせつ或ある間接かんせつ本ほん自じ實錄じつろく，而刪削そぎ互有不同ふどう，故こ《元もと龜かめ》與あずか今本いまもと舊きゅう書しょ【指ゆび舊きゅう唐とう書しょ】之の字句じく略りゃく異こと者しゃ，不能ふのう定てい謂いい《元もと龜かめ》是ぜ採と自じ舊きゅう書しょ，此為校こう舊きゅう書しょ者しゃ所しょ最さい當とう注意ちゅうい之の一いち點てん。”
• 近代きんだい著名ちょめい史学しがく家か陈垣先生せんせい則そく用よう《冊さつ府ふ元もと龜かめ》补《魏ぎ书》的てき缺かけ页、《周しゅう书》的てき缺字けつじ。王おう仲なか荦先生せんせい用よう《册さつ府ふ元もと龟》对校《宋そう书·颜延之の传》所しょ载之《庭にわ诰》，做到文通ぶんつう字じ顺。

類るい目め

冊さつ府ふ元もと龜かめ之の三さん十じゅう一部いちぶ為ため：帝王ていおう、閏うるう位い、僭偽、列國れっこく君くん、儲もうか宮みや、宗室そうしつ、外戚がいせき、宰おさむ輔、將帥しょうすい、臺たい省しょう、邦くに計けい、憲けん官かん、諫靜、詞し臣しん、國史こくし、掌てのひら禮れい、學校がっこう、刑法けいほう、卿きょう監かん、環たまき衛まもる、銓選、貢みつぎ擧きょ、奉たてまつ使つかい、內臣、牧まき守まもる、令れい長ちょう、宮みや臣しん、幕府ばくふ、陪臣ばいしん、總そう錄ろく、外そと臣しん等とう。

主要しゅよう版本はんぽん

宋そう刻こく本ほん

藏ぞう于国家こっか图书馆的《冊さつ府ふ元もと龜かめ》第だい三さん百ひゃく七なな卷かん

藏ぞう于靜嘉よしみ堂どう的てき《冊さつ府ふ元もと龜かめ》第だい二に百ひゃく二に十じゅう九きゅう卷かん

現存げんそん宋そう刻こく本ほん總數そうすう596卷かん，主要しゅよう有ゆう兩りょう種たね版本はんぽん。

• 一種いっしゅ題名だいめい為ため《新刊しんかん監かん本ほん冊さつ府ふ元もと龜かめ》，南みなみ宋そう刻こく本ほん，殘存ざんそん8卷かん，現げん藏ぞう於北京ぺきん的てき中國ちゅうごく國家こっか圖書館としょかん。
• 一種いっしゅ題名だいめい為ため《冊さつ府ふ元もと龜かめ》，南みなみ宋そう刻こく本ほん，殘存ざんそん588卷かん，其中重複じゅうふく的てき有ゆう15卷かん，所以ゆえん總そう共とも573卷かん，分別ふんべつ藏ぞう於：
  • 東京とうきょう的てき靜せい嘉よしみ堂どう，總計そうけい474卷かん。
  • 台北たいぺい的てき國立こくりつ故こ宮みや博物はくぶつ院いん，總計そうけい88卷かん。
  • 北京ぺきん的てき中國ちゅうごく國家こっか圖書館としょかん，總計そうけい25卷かん。
  • 北京ぺきん大學だいがく圖書館としょかん，總計そうけい1卷かん。

明あかり刻こく本ほん

• 明あきら崇たかし禎ただし15年ねん（1642年ねん），福建ふっけん建たて陽よう縣けん知ち縣けん黃き國こく琦在ざい經歷けいれき十餘年整理眾家抄本後，再さい得え到いた福建ふっけん巡めぐ按御史し李り嗣京等ひとし人的じんてき資し助すけ下か，加か以刊刻こく行ぎょう世よ，而在1960年ねん，中華ちゅうか書しょ局きょく曾加以影印しるし，並なみ按照陸りく心しん源げん的てき記載きさい，将はた宋そう本多ほんだ出いずる的てき頁ぺーじ數すう、條じょう數すう校こう于每卷まき之これ後ご，為ため今日きょう的てき通行つうこう本ほん。

清きよし刻こく本ほん

• 清きよし康かん熙11年ねん（1672年ねん），五繡堂曾翻刻過明刻本。

參考さんこう文獻ぶんけん

来らい源みなもと

• (宋そう)王おう欽若 等とう 編纂へんさん，《冊さつ府ふ元もと龜かめ》，北京ぺきん市し，中華ちゅうか書しょ局きょく，1960年ねん
• 郭かく武雄たけお，《五ご代だい史料しりょう探さがせ源げん》，台北たいぺい市し，商務しょうむ印しるし書しょ館かん，1987年ねん
• (宋そう)王おう欽若 等とう 編纂へんさん，《宋そう本ほん冊さつ府ふ元もと龜かめ》，北京ぺきん市し，中華ちゅうか書しょ局きょく，1989年ねん
• 岑仲勉つとむ，《唐とう史し餘あまり瀋·外がい一いち種しゅ》，北京ぺきん市し，中華ちゅうか書しょ局きょく，2004年ねん
• 陳ちん尚しょう君くん，《舊きゅう五代史新輯會證》，上海しゃんはい市し，復ふく旦だん大學だいがく出版しゅっぱん社しゃ，2005年ねん
• (宋そう)王おう欽若 等とう 編纂へんさん; 周しゅう勛初 等とう 校訂こうてい，《冊さつ府ふ元もと龜かめ》，南京なんきん市し，鳳凰ほうおう出版しゅっぱん社しゃ，2006年ねん

參まいり見み

• 宋そう四よん大書たいしょ