養やしなえ由よし基もと

養やしなえ由よし基もと百ひゃく步ほ穿ほじ楊

養やしなえ由よし基もと（？—？），嬴姓，養やしなえ氏し，名めい由よし基もと（一作いっさく繇基），字じ叔，春秋しゅんじゅう時期じき楚すわえ國こく將領しょうりょう，是ぜ中國ちゅうごく古代こだい著名ちょめい的てき神かみ射手しゃしゅ。養やしなえ由よし基本きほん是ぜ養やしなえ國こく人ひと，養やしなえ國こく被ひ楚すわえ國こく滅亡めつぼう後ご，養やしなえ由よし基もと成なり為ため楚すわえ國こく大夫たいふ。相傳そうでん養やしなえ由よし基もと能のう在ざい百步之外射穿作標記的柳葉，並なみ曾一箭射穿七層鎧甲。《戰國せんごく策さく·西にし周しゅう策さく》中ちゅう記載きさい：「楚すわえ有ゆう養やしなえ由よし基もと者しゃ，善ぜん射い，去さ柳葉やなぎば百ひゃく步ほ而射之の，百發百中ひゃっぱつひゃくちゅう。」成語せいご「百發百中ひゃっぱつひゃくちゅう」、「百ひゃく步ほ穿ほじ楊」都みやこ出いずる於此處しょ。

人物じんぶつ生平おいだいら

養やしなえ由よし基もと與あずか潘はん尫之子こ潘はん黨とう比ひ試ためし箭や法ほう。養やしなえ由よし基もと將はた皮かわ甲かぶと重疊ちょうじょう射擊しゃげき。穿ほじ透とおる七なな層そう後ご，拿給楚すわえ共ども王おう看み，說せつ：「君王くんのう有ゆう這樣武藝ぶげい的てき兩りょう位い臣子しんし在ざい這裡，還かえ有ゆう什麼いんも好こう害がい怕的？」楚すわえ共ども王おう不ふ喜き歡他們的驕傲きょうごう，發はつ怒いか說せつ：「真ま丟人！你們將しょう會かい因いん這武藝げい而死。」

楚すわえ共ども王おう十じゅう六ろく年ねん（公おおやけ元もと前まえ575年ねん）六ろく月がつ二に十じゅう八はち日にち，晉すすむ、楚すわえ鄢陵之の戰たたかえ戰前せんぜん，等とう到いた交戰こうせん時じ，晉すすむ軍ぐん將領しょうりょう魏ぎ錡射い中ちゅう楚すわえ共ども王おう的てき眼睛がんせい。楚すわえ王おう召喚しょうかん養やしなえ由よし基もと，給きゅう他た兩りょう支ささえ箭や，說せつ：「你是我わが最さい信任しんにん的てき心腹しんぷく人じん，但ただし願ねがい你能用よう這兩支ささえ箭や為ため我わが報ほう這一箭や之の仇かたき。」，讓ゆずる他た射殺しゃさつ魏ぎ錡。養やしなえ由よし基もと放ひ馬うま前ぜん往，與あずか魏ぎ錡會戰かいせん，不ふ上うえ幾いく個こ回かい合あい，一いち箭や射い去ざ，正せい好こう射い中ちゅう魏ぎ錡的頸部，結束けっそく了りょう魏ぎ錡的性せい命いのち。養やしなえ由よし基もと把わ另一支箭帶回來，繳還共ども王おう，稟奏說せつ：「大王だいおう的てき深ふか仇かたき大だい恨已報ほう了りょう！」，從したがえ此養由よし基もと名めい震ふるえ楚すわえ國こく。

晉すすむ軍ぐん將はた楚すわえ軍ぐん逼到險阻けんそ地帶ちたい時じ，楚すわえ國こく大臣だいじん叔山冉對たい養やしなえ由よし基もと說せつ：「雖然國こく君くん有ゆう命令めいれい，但ただし是ぜ為ため了りょう國家こっか，您一定いってい要よう射い箭や。」養よう由よし基もと於是射擊しゃげき晉すすむ軍ぐん，養やしなえ由よし基もと箭や無む虛きょ發はつ，他た認みとめ準じゅん的てき射擊しゃげき目標もくひょう都と被ひ射しゃ死し。

楚すわえ共ども王おう三さん十じゅう一いち年ねん（公おおやけ元もと前まえ560年ねん），楚すわえ共ども王おう去さ世よ，其子楚すわえ康やすし王おう繼つぎ位い，吳くれ國こく乘じょう機き進しん犯はん楚すわえ國こく東部とうぶ邊境へんきょう。養やしなえ由よし基もと迅速じんそく奔向吳くれ軍ぐん，令れい尹いん子こ庚かのえ率りつ軍ぐん跟隨。養やしなえ由よし基もと說せつ：「吳くれ國こく乘じょう我わが國有こくゆう喪も事ごと，認みとめ為ため我わが們不會かい出兵しゅっぺい，必然ひつぜん輕視けいし我わが們而不ふ存そん戒備之の心しん。您設置せっち三處伏兵來等我，我わが去さ引誘他た們。」子こ庚かのえ聽從ちょうじゅう養やしなえ由よし基もと的てき建議けんぎ。吳ご、楚すわえ兩りょう軍ぐん在ざい庸いさお浦うら（今安いまやす徽省無為むい縣けん）交戰こうせん，楚すわえ軍ぐん大敗たいはい吳くれ軍ぐん，俘虜ふりょ吳くれ軍ぐん將領しょうりょう公子こうし黨とう。

楚すわえ康やすし王おう二に年ねん（公おおやけ元もと前まえ558年ねん），楚すわえ康やすし王おう任命にんめい養やしなえ由よし基もと為ため宮みや廄尹。

軼事いつじ

成語せいご

• 百ひゃく步ほ穿ほじ楊、百發百中ひゃっぱつひゃくちゅう：即そく使つかい距離きょり柳やなぎ樹じゅ一いち百ひゃく步ほ放ひ箭や射擊しゃげき，每まい箭や都と射しゃ中ちゅう柳葉やなぎば的てき中心ちゅうしん。也形容けいよう射い箭や或ある射擊しゃげき非常ひじょう準なずらえ，每次まいじ都と命中めいちゅう目標もくひょう。後こう比ひ喻做事ごと有ゆう充分じゅうぶん把握はあく，辦事成功せいこう，決けつ不ふ落空。
• 萬まん箭や穿ほじ心こころ：與あずか養やしなえ由よし基もと（養やしなえ繇基）之これ死し相關そうかん，他た一身征戰憑箭禦敵，死し於他箭や下か的てき人じん不ふ計けい其數。晉すすむ楚すわえ爭そう霸三さん次じ大戰たいせん後ご（城しろ濮之戰せん、邲之戰せん、鄢陵之これ戰せん），晉すすむ國こく為ため了りょう繼續けいぞく打擊だげき楚すわえ國こく，在ざい楚すわえ國こく後背こうはい上じょう插了一刀いっとう，扶助ふじょ南方なんぽう新興しんこう的てき吳くれ國こく來らい抗こう衡。傳授でんじゅ吳くれ人じん車しゃ戰せん步ふ戰せん等とう陸戰りくせん之の術じゅつ。吳ご楚すわえ之の戰中せんちゅう，養やしなえ由よし基もと請命上じょう前線ぜんせん殺ころせ敵てき立りつ功こう。楚すわえ王おう說せつ：「你年紀き不ふ小しょう了りょう，衝鋒陷おちい陣じん的てき事こと還かえ是ぜ留とめ給きゅう年ねん輕けい人じん吧！」，養やしなえ由よし基もと怒いか道みち：「將軍しょうぐん戰死せんし戰場せんじょう是ぜ幸こう事ごと。我わが堅けん決けつ要求ようきゅう上じょう陣じん殺ころせ敵てき，雖死不ふ恨！」，養やしなえ由よし基もと此時不知ふち吳くれ軍ぐん已やめ從したがえ晉すすむ國學こくがく到いた陸戰りくせん之の術じゅつ，輕けい敵てき冒おかせ進すすむ。被ひ吳くれ軍ぐん四面鐵葉車圍裹將來，把わ養やしなえ由よし基もと困こま於垓心しん，乘車じょうしゃ將士しょうし，皆みな江南えな射手しゃしゅ，萬まん矢や齊ひとし發はつ，養やしなえ由よし基もと死し於亂箭や之の下した。死し前ぜん驚おどろき恐おそれ的てき說せつ道どう：「吳くれ人じん也精於車戰せん！」

傳說でんせつ

• 一いち箭や救すくい楚すわえ：民間みんかん相傳そうでん養やしなえ由よし基もと一いち箭や射殺しゃさつ鬪たたかえ越えつ椒はじかみ的てき故事こじ《一いち箭や救すくい楚すわえ》，此為民間みんかん傳奇でんき，被ひ改編かいへん為ため京劇きょうげき《清河きよかわ橋きょう》、秦はた腔等ひとし。事實じじつ上じょう養やしなえ由よし基もと任官にんかん時じ，鬪たたかえ越えつ椒はじかみ已やめ死し。
  • 楚すわえ莊そう王おう時とき，令れい尹いん（相當そうとう於宰相しょう）鬪たたかえ越えつ椒はじかみ專權せんけん，莊そう王おう賜たまもの以金銀きんぎん、田地たじ、美女びじょ，命いのち鬪たたかえ越えつ椒はじかみ致仕ちし，越えつ椒はじかみ虛きょ以委蛇へび，乘じょう楚すわえ莊そう王おう遠征えんせい時じ，殺ころせ死し了りょう京師けいし留守るす孫まご賈，起おこり兵へい直ちょく逼莊王おう行くだり轅ながえ，朝野ちょうや驚おどろき恐おそれ，莊そう王おう三次遣使和談不成，還かえ願意がんい割わり地ち，以三さん位い公子こうし為ため人質ひとじち，越えつ椒はじかみ都と不ふ理會りかい，楚すわえ營於是ぜ有ゆう遷都せんと之これ議ぎ，大夫たいふ伍ご參さん稱しょう：「此皆螻蟻，我わが大だい楚すわえ才ざい俊しゅん甚多，建議けんぎ君王くんのう出で榜，招賢平ひら亂らん。」楚すわえ莊そう王おう寫うつし下か御ご匾，稱しょう只ただ要よう能のう拿下老ろう賊ぞく鬪たたかえ越えつ椒はじかみ，就拜はい相しょう、封ふう百里ひゃくり侯こう。養やしなえ由よし基もと自稱じしょう后きさき羿轉生てんせい，自じ告つげ奮勇，一箭射中御匾，莊そう王おう見み他た自信じしん滿滿まんまん，便びん在ざい行ぎょう轅ながえ旁つくり的てき花園はなぞの裏うら考こう他た，第だい一關いちのせき，先さき叫さけべ他た射い一いち隻せき蜻蜓，還かえ不ふ許もと射しゃ死し，他た剛つよし好こう射い掉一いち片へん翅。第だい二に關せき，行ぎょう轅ながえ旁つくり的てき花園はなぞの中有ちゅうう隻せき白しろ猿ざる，時じ常つね尖とんが叫さけべ嘻笑，吵到楚すわえ莊そう王おう休息きゅうそく，莊そう王おう大だい怒いか，曾命羽林はばやし軍ぐん的てき神かみ射手しゃしゅ們來射しゃ它。好こう幾いく個こ神しん射手しゃしゅ來らい射い箭や，那な白しろ猿ざる都と躲過，甚至是ぜ接せっ住じゅう箭や嘻笑。楚すわえ莊そう王おう這次於是命いのち養やしなえ由よし基もと來らい射い，那な白しろ猿ざる看み到いた養やしなえ由よし基もと，就抱起おこり樹木じゅもく號ごう哭起來らい，養やしなえ由よし基もと一箭就把白猿射落，白しろ猿ざる墜地，哭聲不ふ止とめ，在ざい場じょう文武ぶんぶ皆みな哀憐あいれん不ふ忍にん觀かん之の，養やしなえ由よし基もと為ため白しろ猿ざる請命，稱しょう：「白しろ猿さる喧やかまし囂，已やめ受皮肉ひにく傷きず之の罰ばっ，越えつ椒はじかみ有罪ゆうざい，白しろ猿ざる無辜むこ。」莊そう王おう十じゅう分ふん同意どうい，命いのち獸醫じゅうい調しらべ養やしなえ之これ後のち放生ほうじょう，並なみ當とう場じょう拜はい養やしなえ由よし基もと為ため上うえ將軍しょうぐん，問もん養やしなえ由よし基もと需要じゅよう多少たしょう兵馬へいば，養やしなえ由よし基もと全部ぜんぶ拒絕きょぜつ，隻せき身み縱たて馬ば來らい到いた清河きよかわ橋きょう，見み了りょう越えつ椒はじかみ率りつ領りょう大軍たいぐん正ただし在ざい行軍こうぐん，養やしなえ由よし基もと報ほう了りょう銜頭喊道：「下した官かん上うえ將軍しょうぐん養やしなえ由よし基もと來らい參さん見み相國しょうこく閣かく下か，相國しょうこく一向自以為箭術高超，何なん不ふ決けつ鬥！」越えつ椒はじかみ命いのち大軍たいぐん不動ふどう，哈哈大だい笑わらい：「你這無名むめい小しょう卒そつ，竟敢與你相あい公おおやけ老爺ろうや比ひ射しゃ箭や！何なに必前來らい送おく死し！」養よう由よし基もと說せつ：「下した官かん就讓相しょう公おおやけ老爺ろうや先さき射い三さん箭や！」越えつ椒はじかみ嗖地一いち箭や，直ちょく朝あさ養やしなえ由よし基もと天てん靈れい蓋ぶた射しゃ來らい，養やしなえ由よし基もと右手みぎて一伸かずのぶ，兩個りゃんこ指頭しとう就把箭や夾住了りょう。越えつ椒はじかみ大だい驚おどろき，喊道：「有本ありもと事ごと，不用ふよう手しゅ接せっ！」養よう由よし基もと笑えみ著ちょ說せつ：「遵相公こう老爺ろうや教きょう令れい！」越えつ椒はじかみ引弓，飛來ひらい第だい二に隻せき箭や，養やしなえ由よし基もと倒たおせ掛金かけきん鉤かぎ，出で腳一踢，又また踢開了りょう。越えつ椒はじかみ大だい驚おどろき，喊道：「有本ありもと事こと，手て腳都不用ふよう。」養よう由よし基もと笑えみ著ちょ說せつ：「遵相公こう老爺ろうや教きょう令れい！」說せつ時じ遲おそ，那な時じ快かい，越えつ椒はじかみ用よう盡つき畢生ひっせい臂ひじ力りょく，扳滿弓ゆみ，一箭直向直朝咽喉射來，只見ただみ養よう由よし基もと不ふ慌不忙せわし，略りゃく一いち低頭ていとう，就把這第三支箭一口含住了。輪わ到いた養やしなえ由よし基もと動どう手しゅ，越えつ椒はじかみ臉色慘むご白しろ，慌慌張ちょう張ちょう，左ひだり閃右躲。養やしなえ由よし基もと笑わらい道どう：「稟相公こう老爺ろうや，下した官かん還かえ在ざい拉ひしげ弓ゆみ咧！」語ご音おん未み落，一箭正中對方咽喉，於是平定へいてい了りょう叛亂はんらん。莊そう王おう要よう封ふう養やしなえ由よし基もと為ため令れい尹いん，養やしなえ由よし基もと自認じにん無む相國しょうこく之の才ざい，反はん而推薦すいせん了りょう孫まご賈的愛子あいこ孫まご叔敖，於是孫まご叔敖拜はい相しょう，莊そう王おう改あらため封ふう養やしなえ由よし基もと為ため上うえ柱ばしら國こく、護國ごこく公こう。從したがえ此楚國こく人稱にんしょう養やしなえ由よし基もと為ため「養やしなえ一いち箭や」，意思いし是ぜ一箭就足以致勝。
• 箭や射しゃ石せき中ちゅう：養やしなえ由よし基もと有ゆう一次看到一隻兕（類似るいじ犀さい牛うし的てき一いち種しゅ動物どうぶつ），於是一いち箭や射しゃ中ちゅう，原はら來らい只ただ是ぜ一塊ひとかたまり像ぞう兕的石頭いしあたま，此箭力りょく大だい無比むひ，箭や杆射進しん石頭いしあたま中ちゅう，只ただ有ゆう箭や羽わ露ろ在外ざいがい面めん。西にし漢かん名將めいしょう李り廣ひろ有ゆう類似るいじ傳說でんせつ。

藝術げいじゅつ

影かげ視し

• 1996年ねん電でん視し劇げき《東あずま周あまね列國れっこく春秋しゅんじゅう篇へん》：麻あさ維疆飾かざり演えんじ養やしなえ由よし基もと

漫畫まんが

• 《東あずま周あまね英雄えいゆう傳でん》（鄭てい問とい）