京きょう氏し易えき傳でん

京きょう氏し易えき傳でん
作者さくしゃ：京きょう房ぼう　漢かん

京きょう氏し易えき傳でん卷まき上じょう

䷀　乾いぬい上じょう乾いぬい下か　乾いぬい

純じゅん陽ひ用事ようじ。象ぞう配はい天てん，屬ぞく金きん。與あずか坤ひつじさる為ため飛ひ伏ふく，居きょ世よ。

〈壬みずのえ戌いぬ土ど，癸みずのと酉とり金きん。〉

《易えき》云うん：「用もちい九きゅう，見み群ぐん龍りゅう無む首くび，吉よし」。

〈純じゅん陽ひ，用よう九きゅう之これ德とく。〉

九きゅう三さん，三さん公おおやけ為ため應おう，肖あやか乾いぬい乾ひ、夕ゆう惕之憂う。

甲きのえ壬みずのえ配はい外がい內二に象ぞう，

〈乾いぬい為ため天地てんち之の首くび，分ふん甲かぶと壬みずのえ入にゅう乾いぬい位い。〉

積算せきさん起おこり己おのれ巳み火ひ，至いたり戊つちのえ辰たつ土ど，周しゅう而復始はじめ。

〈吉凶きっきょう之の兆ちょう，積年せきねん起おこり月がつ，積せき日び起おこり時じ，積せき時じ起おこり卦け入にゅう本宮ほんぐう。〉

五星從位起鎮星，

〈土星どせい入にゅう西方せいほう，麗うらら西北せいほく，居きょ壬みずのえ戌いぬ為ため伏ふく位い。〉

參まいり宿やど從したがえ位い起おこり壬みずのえ戌いぬ，

〈壬みずのえ戌いぬ在世ざいせい，居きょ宗廟そうびょう。〉

建子けんし起おこし潛龍せんりゅう，

〈十一月じゅういちがつ冬至とうじ，一陽いちよう生せい。〉

建けん巳み至極しごく，主しゅ亢位。

〈四よん月がつ龍見たつみ於辰，陽極ようきょく陰かげ來らい，吉きち去さ凶きょう生せい，用よう九きゅう吉きち。〉

配はい於人事じんじ：為ため首くび，

〈乾いぬい為ため首くび也。〉

為ため君父くんぷ。

〈乾いぬい象ぞう堅けん剛つよし，天地てんち之の尊みこと，故こ為ため君父くんぷ。〉

於類：為ため馬ば，為ため龍りゅう。

〈天てん行ぎょう運轉うんてん不ふ息いき。〉

降くだ五ご行ぎょう，頒六ろく位い。

〈十じゅう二辰分六位元升降，以時消息しょうそく吉凶きっきょう。〉

居きょ西北せいほく之の分野ぶんや，陰陽いんよう相しょう戰せん之の地ち。《易えき》云うん：「戰せん於乾。」

〈乾いぬい為ため陽ひ，西北せいほく陰かげ，陽ひ入にゅう陰かげ，二に氣き盛もり必戰。〉

天てん六ろく位い，地ち六ろく氣き。六ろく象ぞう，六ろく包つつみ

〈（虎とら易えき注ちゅう：廣西ひろせ版ばん《易えき占うらない解讀かいどく》為ため六ろく色しょく。兩りょう字じ都と不可解ふかかい，存疑そんぎ。）〉

，四よん象ぞう分ぶん萬物ばんぶつ。陰陽いんよう無む差さ，升しょう降くだ有ゆう等とう。

〈陰陽いんよう二に十じゅう四よん候こう，律りつ呂りょ調ちょう矣。〉

人事じんじ吉凶きっきょう，見み乎其象ぞう，造化ぞうか分ぶん乎有無うむ。

〈故こ云うん：變動へんどう不ふ居い，周しゅう流りゅう六ろく虛きょ。〉

六ろく位い純じゅん陽ひ，陰かげ象ぞう在中ざいちゅう。

〈陽ひ中陰ちゅういん，陰かげ中陽ちゅうよう。〉

陽ひ為ため君くん，陰かげ為ため臣しん；陽ひ為ため民みん，陰かげ為事しごと。陽ひ實じつ陰かげ虛むなし，明暗めいあん之の象ぞう，陰陽いんよう可知かち。

〈三さん五ご為ため陽ひ，二に四よん為ため陰かげ，初はつ上うえ潛せん亢。〉

水みず配はい位い為ため褔德，

〈甲子きのえね水すい是ぜ乾いぬい之の子孫しそん。〉

木き入金にゅうきん鄉きょう居きょ寶貝ほうがい，

〈甲きのえ寅とら木き是ぜ乾いぬい之の財ざい。〉

土ど臨內象ぞう為ため父母ちちはは，

〈甲きのえ辰たつ土ど是ぜ乾いぬい之の父母ちちはは。〉

火ひ來らい四よん上じょう嫌いや相しょう敵てき，

〈壬みずのえ午うま火ひ是ぜ乾いぬい之の官かん鬼おに。〉

金きむ入金にゅうきん鄉きょう木き漸やや微ほろ。

〈壬みずのえ申さる金きん同位どうい傷きず木き。〉

宗廟そうびょう上じょう建けん戌亥いぬい，乾いぬい本位ほんい。

〈戌亥いぬい乾いぬい之の位くらい。〉

陽極ようきょく陰かげ生せい。

〈降くだ入にゅう姤卦。〉

八卦はっけ例れい諸もろ。

䷫　巽たつみ下か乾いぬい上じょう　姤

陰かげ爻用事ようじ。金木かなぎ互體，天下てんか風ふう行ぎょう曰姤。姤，遇ぐう也。《易えき》曰：「陰かげ遇ぐう陽ひ。」

〈一いち陰かげ初生しょせい，陽氣ようき猶なお盛もり，陰かげ未み為ため敵てき。〉

與あずか巽たつみ為ため飛ひ伏ふく，元もと士し居きょ世よ。

〈辛からし丑うし土ど，甲子きのえね水すい。〉

尊みこと就卑，

〈子孫しそん與あずか父母ちちはは相しょう代位だいい。〉

定てい吉凶きっきょう，只ただ取と一いち爻之象ぞう。

〈多た以少為ため貴とうと。〉

九四諸侯堅剛在上，陰氣いんき處しょ下か。《易えき》云うん：「系けい于金柅。」

巽たつみ積つもる陰かげ入にゅう陽ひ，辛からし壬みずのえ降くだ內外象ぞう，建けん庚午こうご至いたり乙おつ亥い。

〈芒すすき種しゅ，小雪こゆき。〉

積算せきさん起おこり乙おつ亥い水すい，至いたり丙へい戌いぬ土ど，

〈（虎とら易えき注ちゅう：丙へい戌いぬ土ど疑うたぐ為ため甲かぶと戌いぬ土ど之の誤あやま。）〉

周しゅう而復始はじめ。

〈災わざわい福ぶく之の兆ちょう，生なま乎五行升降也。〉

五星從位起太白，

〈太白たいはく在ざい西にし，居きょ金位きんい。〉

井い宿やど從したがえ位い入にゅう辛からし丑うし，

〈辛からし丑うし入にゅう土ど，元もと土ど臨母也。〉

〈（虎とら易えき注ちゅう：元もと土ど當為とうい元もと士し之の誤あやま。）〉

建けん午起うまおこし坤ひつじさる宮みや初はつ六ろく爻。《易えき》云うん：「履くつ霜しも堅けん冰至。」建たて亥い，龍りゅう戰せん於野。

〈戌亥いぬい是ぜ乾いぬい之の位くらい。乾いぬい伏ふく本位ほんい必戰，積せき陰かげ之これ地ち猶なお盛もり，故こ戰せん。〉

配はい於人事じんじ：為ため腹はら，為ため母はは，

〈坤ひつじさる順じゅん，容よう於物。〉

于類為ため馬ば。《易えき》云うん：「行地ゆくじ無む疆。」

〈此釋一いち爻配坤ひつじさる象ぞう，本體ほんたい是ぜ乾いぬい巽たつみ，今こん贊さん一いち爻起陰かげ，假かり坤ひつじさる象ぞう言ごと之の。〉

內巽為ため風ふう，乾いぬい為ため天てん；天下でんか有風ゆうふう行ぎょう，君子くんし以號令れい告つげ四方しほう。

〈巽たつみ，入にゅう也。風ふう入にゅう於坤，皆みな動どう也。故知こち天下でんか有風ゆうふう動どう其物也。〉

天風てんぷう氣象きしょう三さん十じゅう六ろく候こう。

〈三さん十じゅう六ろく候こう節氣せっき，降くだ大風おおふう象ぞう。〉

木き入金にゅうきん為ため始はじめ，

〈金納きんのう木き也。〉

陰かげ不能ふのう制せい于陽，附ふ于金柅。《易えき》之の「柔道じゅうどう牽」也。

五ご行ぎょう升ます降くだ，以時消息しょうそく，陰かげ蕩とろけ降ぶ入にゅう遁。

〈天山あまやま遁卦。〉

䷠　艮うしとら下か乾いぬい上じょう　遁

陰かげ爻用事ようじ。陰かげ蕩とろけ陽ひ，遁。金かね土ど見み象ぞう，山やま在天ざいてん下か為ため遁。

〈遁，退すさ也。〉

陰かげ來らい陽ひ退すさ也。小人こども君子くんし汙隆，契ちぎり斯義也よしや。《易えき》云うん：「遁世とんせい無む悶もだえ。」與あずか艮うしとら為ため飛ひ伏ふく，大夫たいふ居きょ世よ。

建けん辛からし未み為ため月がつ。

〈丙午ひのえうま火ひ，丙へい寅とら木き。〉

〈（虎とら易えき注ちゅう：丙へい寅とら木き當為とうい甲きのえ寅とら木き之の誤あやま。）〉

六ろく二に得とく應おう，與あずか君きみ位い遇ぐう建けん焉，臣事しんじ君くん，全身ぜんしん遠どお害がい。

〈遁，候こう時じ也。〉

建けん辛からし未み至いたり丙へい子こ，陰陽いんよう遁去，終おわり而伏位い。

〈從したがえ六ろく月がつ至いたり十じゅう一いち月がつ也。〉

積算せきさん起おこり丙へい子こ至いたり乙おつ亥い，周しゅう而復始はじめ。

〈火ひ土ど同どう宮みや，天與てんよ山やま遁。〉

陽ひ消しょう陰かげ長ちょう，無む專せん於敗。《系けい》云うん：能のう消けし者しゃ息いき，必專者しゃ敗はい。

〈（虎とら易えき注ちゅう：考こう此句，不ふ是ぜ出で於《系けい辭じ》，而是出で於《易えき緯ぬき、乾いぬい鑿度》。）〉

五星從位起太陰，鬼おに宿やど入いれ位い降くだ丙へい辰たつ。

〈丙へい辰たつ臨元土ど。〉

〈（虎とら易えき注ちゅう：元もと土ど當為とうい元もと士し之の誤あやま。）〉

配はい於人事じんじ：為ため背せ，為ため手しゅ。

〈艮うしとら為ため背せ、手て。〉

於類為ため狗いぬ，為山いざん石せき。

內外升ます降くだ，陰陽いんよう分數ぶんすう二に十じゅう八はち候こう。

〈分陰ふんいん陽ひ進退しんたい。〉

土ど入金にゅうきん為ため緩なる，積せき陽ひ為ため天てん，積せき陰かげ為ため地ち。山やま所しょ地ち高こう峻たかし，逼通於天。是ぜ陰かげ長陽ちょうよう消けし，降くだ入にゅう否ひ。

〈陰かげ逼陽去さ，入にゅう天地てんち否ひ卦け。〉

䷋　坤ひつじさる下か乾いぬい上じょう　否いや

內象陰かげ長ちょう，

〈純じゅん用よう陰かげ事ごと〉

天氣てんき上じょう騰あが，地氣ちき下降かこう，二に象ぞう分離ぶんり，萬物ばんぶつ不ふ交也。小人こども道長みちなが，君子くんし道どう消けし。

〈陰かげ小人こども，陽ひ君子くんし。〉

《易えき》云うん：「否ひ之の匪人。」與あずか坤ひつじさる為ため飛ひ伏ふく，三公みつきみ居きょ世よ。

〈乙おつ卯木うつぎ，甲きのえ辰たつ土ど。〉

上うえ九きゅう宗廟そうびょう為ため應おう。君子くんし以俟時じ，小しょう人為じんい災わざわい。

〈乙おつ卯う泰たい來らい。〉

建けん壬みずのえ申さる至いたり丁ひのと丑うし，陰氣いんき浸ひた長ちょう。

〈七なな月がつ立秋りっしゅう，至いたり十じゅう二に月がつ大寒だいかん。〉

積算せきさん起おこり丁ひのと丑うし至いたり丙へい子こ，周しゅう而復始はじめ。

〈金きむ、丑うし土ど同どう宮みや，吉凶きっきょう見み矣。〉

五星從位起歲星，

〈木星もくせい入にゅう卦け用事ようじ。〉

柳やなぎ宿やど從したがえ位い降くだ乙おつ卯う。

〈乙おつ卯う臨三公こう。〉

氣分きぶん氣候きこう三さん十じゅう六ろく。

〈六ろく六ろく三さん十じゅう六ろく，積算せきさん吉凶きっきょう。〉

陰陽いんよう升ます降くだ，陽ひ道どう消しょう鑠，陰氣いんき凝結ぎょうけつ，君臣くんしん父子ふし各かく不ふ迨及。

〈陰かげ蕩とろけ陽ひ來らい道行みちゆき矣。〉

《易えき》曰：「其亡其亡，系けい于苞桑くわ。」

〈苞つと桑くわ則そく叢くさむら桑くわ也。〉

天地てんち清濁せいだく，陰かげ薄うす

〈音おと：博ひろし〉

陽ひ消きえ，天地てんち盈虛えいきょ，與あずか時とき消息しょうそく。危難きなん之の世よ，勢いきおい不可ふか久ひさし。

五ご位い既すんで分ぶん，四よん時じ行ぎょう矣。

〈君子くんし當とう危難きなん世よ，獨どく志こころざし，難なん不可ふか久ひさ；立りつ特とく處しょ不ふ改あらため其操，將はた及泰來らい。〉

上うえ九きゅう云うん：「否いや終おわり則そく頃ごろ，何なに可か長ちょう也。」

〈否いや及則泰たい來らい。〉

陰かげ長ちょう降くだ入にゅう於觀。

〈九四被陰逼入觀卦。〉

䷓　坤ひつじさる下か巽たつみ上じょう　觀かん

內象陰かげ道どう已やめ成なり，威い權けん在ざい臣しん。雖大觀かん在ざい上うえ，而陰道どう浸ひた長ちょう。與あずか巽たつみ為ため飛ひ伏ふく。諸侯しょこう臨世，

〈辛からし未み土ど，壬みずのえ午うま火ひ。〉

反應はんのう元もと士し而奉九きゅう五ご。

〈君きみ位い也。〉

《易えき》云うん：「觀かん國こく之の光ひかり，利用りよう賓まろうど于王。」

〈臣しん道どう出で於六ろく四よん爻也。〉

建けん癸みずのと酉とり至いたり戊つちのえ寅とら，陰陽いんよう交伏。

〈秋分しゅうぶん至いたり立春りっしゅん。〉

積算せきさん起おこり戊つちのえ寅とら至いたり丁ひのと丑うし，周しゅう而復始はじめ。

〈用金ようきん為ため首くび。〉

金きむ火ひ土ど互為體たい。

五星從位起熒惑，

〈火星かせい入にゅう卦け用事ようじ吉凶きっきょう。〉

星宿せいしゅく從したがえ位い降くだ辛つら未み。

〈星宿せいしゅく入にゅう諸侯しょこう宮みや，木星もくせい同位どうい。〉

土木どぼく分ぶん氣き二に十じゅう八はち。

〈積算せきさん分配ぶんぱい六ろく位い，吉凶きっきょう爻定數すう。〉

陰陽いんよう升ます降くだ，定てい吉凶きっきょう成敗せいばい。取と六ろく四よん至いたり於九五ご，成なり卦け之の終おわり也。

《易えき》云うん：「觀かん我が生せい。」

〈我わが生なま即そく道也みちや。〉

又また云うん：「風ふう行ぎょう地上ちじょう。」

列れつ象ぞう分ぶん爻，以定陰陽いんよう進退しんたい之の道みち，吉凶きっきょう見み矣。地上ちじょう見み巽たつみ，積せき陰かげ凝しこり盛もり，降くだ入にゅう於剝。

〈九五退陰入剝卦。〉

䷖　坤ひつじさる下か艮うしとら上じょう　剝

柔やわら長ちょう剛つよし減げん，天地てんち盈虛えいきょ。

〈建けん戌いぬ至いたり建けん亥い。〉

體からだ象ぞう金きん為本ためもと，隨時ずいじ運うん變へん，水みず土ど用事ようじ。成なり剝之義よし，出で於上九きゅう。《易えき》云うん：「碩せき果はて不ふ食しょく，君子くんし得とく輿こし，小人こども剝廬。」

〈君子くんし全ぜん得とく剝道，安やす其位，小人こども終おわり不可ふか安やす也。〉

與あずか艮うしとら為ため飛ひ伏ふく。

〈丙へい子こ水すい，壬みずのえ申さる金きん。〉

天子てんし治世ちせい，反應はんのう大夫たいふ。

建けん甲かぶと戌いぬ至いたり己おのれ卯う，陰陽いんよう定てい候こう。

〈寒露かんろ至いたり春分しゅんぶん。〉

積算せきさん起おこり己おのれ卯木うつぎ至いたり戊つちのえ寅とら木き，周しゅう而復始はじめ。

〈吉凶きっきょう之の兆見於有象。〉

純じゅん土ど配はい金きん用事ようじ。

五星從位起鎮星，

〈土星どせい入にゅう卦け。〉

張ちょう宿やど從したがえ位い降くだ丙へい子こ。

〈張ちょう宿やど入にゅう天てん子宮しきゅう。〉

金きむ土ど分ぶん氣き三さん十じゅう六ろく。

〈積算せきさん六ろく位い起おこり吉凶きっきょう，天地てんち盈虛えいきょ氣候きこう。〉

《易えき象ぞう》云うん：「山やま附ふ於地。剝。」君子くんし俟時，不可ふか苟變，存そん身み避害，與あずか時とき消息しょうそく。春はる夏なつ始はじめ生せい，天氣てんき盛大せいだい；秋冬あきふゆ嚴げん殺ころせ，天氣てんき消滅しょうめつ。

故こ當とう剝道已やめ成なり，陰かげ盛もり不可ふか逆ぎゃく，陽ひ息いき陰かげ專せん。升ます降くだ六ろく爻，反はん為ため遊ゆう魂たましい，蕩とろけ入にゅう晉すすむ。

〈積せき陰かげ反はん入いれ晉すすむ卦け。〉

䷢　坤ひつじさる下か離はなれ上じょう　晉すすむ

陰陽いんよう返かえし復ふく，進退しんたい不ふ居い，精粹せいすい氣き純じゅん，是ぜ為ため遊ゆう魂たましい。

〈為ため陰極いんきょく剝盡，陽ひ道どう不可ふか盡つき滅ほろび，故こ返かえし陽ひ道どう。道みち不ふ復ふく本位ほんい，為ため遊ゆう魂たましい例れい入にゅう卦け。〉

金かね方かた以火、土ど運用うんよう事ごと，與あずか離はなれ為ため飛ひ伏ふく。

〈（虎とら易えき注ちゅう：此處ここら「與あずか離はなれ為ため飛ひ伏ふく」。當為とうい「與あずか艮うしとら為ため飛ひ伏ふく」之の誤あやま。）〉

〈己おのれ酉とり金きん，丙へい戌いぬ土ど。〉

諸侯しょこう居きょ世よ，反應はんのう元もと士し。

建たて己おのれ卯う至いたり甲かぶと申さる，陰陽いんよう繼つぎ候こう。

〈春分しゅんぶん至いたり立秋りっしゅう。〉

積算せきさん起おこり甲かぶと申さる金きむ至いたる癸みずのと未み土ど，周しゅう而復始はじめ。

〈遊ゆう魂たましい取と象ぞう，配はい於正位い，吉凶きっきょう同どう矣。〉

五星從位起太白，

〈卦け配はい金星きんぼし入用いりよう。〉

翼つばさ宿やど從したがえ位い降くだ己おのれ酉とり金きん。

〈翼つばさ宿やど北方ほっぽう，入にゅう晉すすむ卦け行事ぎょうじ。〉

二に象ぞう分ぶん候こう二に十じゅう八はち運うん，配はい金きん土ど積算せきさん。氣候きこう無む差さ於晷刻こく，吉凶きっきょう列れつ陳ひね，象ぞう在ざい其中矣；天地てんち運轉うんてん，氣き在ざい其中矣；乾いぬい道どう變化へんか，萬物ばんぶつ通どおり矣。

〈乾いぬい分ぶん八卦はっけ，至大しだい有ゆう復ふく卦け。〉

六ろく爻交通こうつう，至いたり於六ろく卦け，陰陽いんよう相しょう資し、相あい返かえし、相克そうこく、相生あいおい，至いたり遊ゆう魂たましい，復歸ふっき本位ほんい為ため大だい有ゆう。故こ曰：「火ひ在天ざいてん上じょう。」

大だい有為ゆうい歸き魂たましい卦け。定てい吉凶きっきょう，配はい人事じんじ，五ご行ぎょう。象ぞう乾いぬい為ため指ゆび歸き地ち。

〈凡八卦はっけ分ぶん為ため八はち宮みや，每まい宮みや八卦はっけ，八はち八はち六ろく十じゅう四よん卦け。定てい吉凶きっきょう，配はい人事じんじ。天地てんち、山澤やまさわ、草木くさき、日月じつげつ、昆蟲こんちゅう，包含ほうがん氣候きこう，足そく矣。〉

䷍　乾いぬい下か離はなれ上じょう　大だい有ゆう

卦け復ふく本宮ほんぐう曰大有ゆう。內象見み乾いぬい是ただし本位ほんい。

〈八卦本從乾宮起，至大しだい有為ゆうい歸き魂だましい。〉

純金じゅんきん用事ようじ，與あずか坤ひつじさる為ため飛ひ伏ふく。

〈甲きのえ辰たつ土ど，乙おつ卯木うつぎ。〉

三公みつきみ臨世，應おう上じょう九きゅう為ため宗廟そうびょう。

建けん戊つちのえ寅とら至いたり癸みずのと未み，

〈立春りっしゅん正月しょうがつ至いたり大暑たいしょ時じ也。〉

積算せきさん起おこり癸みずのと未み土ど至いたり壬みずのえ午うま火ひ，周しゅう而復始はじめ。

〈吉凶きっきょう與あずか乾いぬい卦け同どう用よう。〉

五星從位起太陰，

〈太陰たいいん水星すいせい入にゅう卦け用事ようじ。〉

軫宿從したがえ位い降くだ甲かぶと辰たつ。

〈二に十じゅう八宿分軫星入大有卦用事，行ぎょう度ど吉凶きっきょう可か見み。〉

金きむ土ど分ぶん象ぞう三さん十じゅう六ろく候こう，配はい陰陽いんよう升ます降くだ。六ろく位相いそう蕩とろけ，返かえし復ふく其道。

〈復歸ふっき本位ほんい也。〉

吉凶きっきょう度數どすう與あずか乾いぬい卦け同どう分ぶん。

六ろく五ご陰かげ柔やわら，為ため日び，照あきら于四方しほう，象ぞう天てん行ぎょう健けん。

〈六ろく龍りゅう禦天。〉

少しょう者しゃ為ため多た之の所ところ宗はじめ，六ろく五ご為ため尊みこと也。

〈柔やわら處しょ尊みこと位い，以柔履くつ剛つよし，以陰處しょ陽ひ，能のう柔順じゅうじゅん於物，萬物ばんぶつ歸き附ふ，故こ曰：照あきら于四方しほう。〉

《易えき》曰：「火ひ在天ざいてん上じょう，大だい有ゆう。」

〈離はなれ為ため火ひ、為ため日び，故こ曰大有ゆう。〉

陰陽いんよう交錯こうさく，萬物ばんぶつ通どおり焉。陰かげ退すさ陽ひ伏ふく，返本へんぽん也。乾いぬい象ぞう分ぶん蕩とろけ八卦はっけ，入にゅう大だい有終ゆうしゅう也。

乾いぬい生なま三男さんなん，次じ入いれ震ふるえ宮みや八卦はっけ。

〈乾いぬい生せい三さん男なん，坤ひつじさる生せい三さん女じょ。陽ひ以陽，陰かげ以陰，求もとめ奇き耦定數すう於象也。〉

䷲　震ふるえ上じょう震ふるえ下か　震ふるえ

分陰ふんいん陽ひ，交互こうご用事ようじ。屬ぞく於木德とく，取と象ぞう為ため雷かみなり，出自しゅつじ東方とうほう。震ふるえ有ゆう聲ごえ，故こ曰雷。雷かみなり能のう警於萬物ばんぶつ，為ため發生はっせい之の始はじめ，故こ取と東ひがし也。為ため動どう之の主おも，為ため生せい之の本ほん。《易えき、系けい》云うん：「帝みかど出で乎震。」

〈（虎とら易えき注ちゅう：考こう此句，不ふ是ぜ出で於《易えき、系けい》，而是出で於《易えき、說せつ卦け》。）〉

〈安やす為ため動どう主ぬし，靜せい為ため躁君。〉

與あずか巽たつみ為ため飛ひ伏ふく。

〈庚かのえ戌いぬ土ど，辛からし卯木うつぎ。〉

宗廟そうびょう處しょ上じょう六ろく。

〈陰かげ為ため陽ひ之の主おも，震動しんどう。動どう須由陰陽いんよう交互こうご，震動しんどう也。〉

運うん數すう入にゅう丙へい子こ至いたり辛からし巳み，

〈大雪おおゆき至いたり小滿しょうまん。〉

積算せきさん起おこり辛からし巳み至いたり庚かのえ辰たつ土ど宮みや，配はい吉凶きっきょう，周しゅう而復始はじめ。

〈吉凶きっきょう配はい木き官かん，以土用事ようじ。〉

五星從位起歲星，

〈木星もくせい入にゅう卦け用事ようじ。〉

角すみ宿やど從したがえ位い降くだ庚かのえ戌いぬ土ど。

〈庚かのえ戌いぬ入いれ震ふるえ用事ようじ，臨上六ろく爻，庚かのえ戌いぬ土ど位い為ため元首げんしゅ。〉

內外木き土ど二に象ぞう，俱震。

《易えき》曰：「震ふるえ驚おどろき百ひゃく里さと。」又また云うん：「畏かしこ鄰戒也。」

〈震ふるえ為ため雷かみなり，聲こえ驚おどろき於百ひゃく里り，春はる發はつ秋あき收おさむ，順じゅん天てん行ぎょう也。取と象かたど定てい吉凶きっきょう。〉

取と象ぞう為ため陽ひ，配はい爻屬陰かげ，故こ曰：陰陽いんよう交錯こうさく而為震ふるえ。

氣候きこう分數ぶんすう三さん十じゅう六ろく。定てい吉凶きっきょう於頃刻こく，毫釐之の末すえ，無む不通ふつう也，無む不ふ備也。

〈定てい陰陽いんよう數すう，考こう人じん之の休きゅう咎とがめ，起おこり於積算せきさん，終おわり於六ろく位い也。〉

陰陽いんよう交互こうご，陽ひ為ため陰かげ，陰かげ為ため陽ひ，陰陽いんよう二氣蕩而為象，故こ初はつ九きゅう三さん陰かげ為ため豫よ。

〈入にゅう豫よ卦け。〉

䷏　坤ひつじさる下か震ふるえ上じょう　豫よ

卦け配水はいすい火ひ木き，以為陽ひ用事ようじ。《易えき》云うん：「利り建けん侯こう行ぎょう師し。」又また云うん：「天地てんち以順動どう，故こ日月じつげつ不ふ過か，四よん時じ不ふ忒。

〈（虎とら易えき注ちゅう：此處ここ脫漏だつろう「而」字じ，原はら句く為ため「而四よん時じ不ふ忒。」）〉

〈坤ひつじさる順じゅん震動しんどう。〉

聖人せいじん以順動どう，則のり刑罰けいばつ清きよし而民服ふく。」與あずか坤ひつじさる為ため飛ひ伏ふく。

〈乙おつ未み土ど，庚かのえ子こ水すい。〉

世よ立りつ元もと士し為ため地ち，易えき奉たてまつ九きゅう四よん為ため正ただし正ただし。

建たて丁ちょう丑うし至いたり壬みずのえ午うま，

〈大寒だいかん至いたり芒すすき種しゅ。〉

積算せきさん起おこり壬みずのえ午うま至いたり辛からし巳み，以六ろく爻定吉凶きっきょう，周しゅう而復始はじめ。

〈火ひ土ど算さん休きゅう咎とがめ。〉

五星從位起熒惑，

〈熒惑火星かせい入にゅう卦け用事ようじ。〉

亢宿從したがえ位い降くだ乙おつ未み土ど，

〈亢宿配はい乙おつ未み土ど。〉

上木じょうぼく下見したみ土ど，內順外がい動どう，故こ為ため悅えつ豫よ。

時どき有ゆう屯たむろ夷えびす，事こと非ひ一揆いっき，爻象適時てきじ，有ゆう凶きょう有吉ありよし。人ひと之の生なま世よ，亦また復ふく如斯。或ある逢治世ちせい，或ある逢亂時じ，出處しゅっしょ存亡そんぼう，其道皆みな系けい。《易えき》云うん：「大だい矣哉。」陰陽いんよう升ます降くだ，分數ぶんすう二に十じゅう八はち，極きょく大小だいしょう之の數すう，以定吉凶きっきょう之の道みち。

〈積算せきさん壬みずのえ午うま入にゅう乙おつ未み推吉凶きっきょう。〉

豫よ以陽適てき陰かげ為ため內順，成なり卦け之の義よし，在ざい於九四よん一いち爻。以陽蕩とろけ陰かげ，君子くんし之の道みち，變へん之の于解。

〈豫よ卦け以陰入にゅう陽ひ，成なり九きゅう四よん之これ德とく。變へん入にゅう解かい卦け，陽ひ入にゅう陰かげ，成なり解かい之の德とく。〉

䷧　坎下震ふるえ上じょう　解かい

陰陽いんよう積せき氣き，聚散以時，內險外がい動どう，必散。《易えき》云うん：「解かい者しゃ，散ち也。」

〈（虎とら易えき注ちゅう：《易えき》無む此句。考こう《易えき、序じょ卦け》曰：「解かい者しゃ，緩なる也。」《易えき、雜ざつ卦け》曰：「解かい，緩なる也。」）〉

解かい也，品ひん彙甲拆，

〈（虎とら易えき注ちゅう：「拆」字じ當為とうい「坼」字じ之の誤あやま。）〉

雷雨らいう交作，

〈震ふるえ雷かみなり坎雨。〉

積せき氣き運動うんどう，天地てんち剖判。成なり卦け之の義よし在ざい於九二に，與あずか坎為飛ひ伏ふく。

〈戊つちのえ辰たつ土ど，庚かのえ寅とら木き。〉

立大りつだい夫おっと于世為ため人じん，而六ろく五ご降くだ應おう，委い權けん命いのち於庶品ひん。

建けん戊つちのえ寅とら至いたり癸みずのと未み，

〈立春りっしゅん至いたり大暑たいしょ。〉

推吉凶きっきょう於陰陽ひ，定てい運うん數すう于歲時じ。積算せきさん起おこり癸みずのと未み至いたり壬みずのえ午うま，周しゅう而復始はじめ。

〈土ど火入ひいれ數すう起おこり宮みや。〉

五星從位起鎮星，

〈鎮星土ど位い。〉

氐宿從したがえ位い降くだ戊つちのえ辰たつ。

〈氐宿入にゅう戊つちのえ辰たつ。〉

木き下見したみ水すい，動どう而險。

陰陽いんよう會かい散ち，萬物ばんぶつ通どおり焉。

升ます降くだ屬ぞく陽ひ蕩とろけ陰かげ，以陽為ため尊みこと。尊者そんじゃ高だか而卑者しゃ低てい。變へん六ろく三さん為ため九きゅう三さん恆つね卦け。分ぶん氣候きこう定數ていすう，極きょく位い於三さん十じゅう六ろく。

〈金きむ水みず入いれ數すう，合ごう卦け成なり數すう，定日ていじつ月がつ時じ。〉

變へん坎入巽たつみ，居きょ內象為ため雷かみなり風ふう，運動うんどう鼓吹こすい萬物ばんぶつ，謂いい之の恆つね。

〈入にゅう恆つね卦け。〉

䷟　巽たつみ下か震ふるえ上じょう　恆つね

久ひさ于其道どう，立たて於天地ち；雷かみなり與あずか風ふう行ぎょう，陰陽いんよう相しょう得とく；尊卑そんぴ定てい矣。號令ごうれい發はつ，而萬物ばんぶつ生せい焉。

〈萬物得其道也，生者しょうじゃ。道みち，一いち作さく進也しんや。〉

雷かみなり風ふう行ぎょう，而四方よも齊ひとし也。

〈齊ひとし者しゃ整齊せいせい。〉

與あずか巽たつみ為ため飛ひ伏ふく。

〈辛からし酉とり金きん，庚かのえ辰たつ土ど。〉

三公みつきみ治世ちせい，應おう於上六ろく宗廟そうびょう。

〈宗廟そうびょう爻。〉

建たて己おのれ卯う至いたり甲かぶと申さる，

〈春分しゅんぶん至いたり立秋りっしゅう。〉

金木かなぎ起おこり度數どすう，積算せきさん起おこり甲かぶと申さる至いたり癸みずのと未み，周しゅう而復始はじめ。

〈金木かなぎ入にゅう宮みや。〉

五星從位起太白，

〈太白たいはく金星かなぼし入にゅう卦け用事ようじ。〉

房ぼう宿やど從したがえ位い降くだ辛からし酉とり。

〈房ぼう宿やど入にゅう卦け，立秋りっしゅう用よう。〉

上下じょうげ二に象ぞう見み木き，分ふん陰陽いんよう於內外がい。

〈內巽陰かげ，外そと震ふるえ陽ひ。〉

氣候きこう分數ぶんすう三さん十じゅう八はち。

〈金木かなぎ入にゅう卦け分節ぶんせつ候こう。〉

九三至於陽屯之位，不順ふじゅん所しょ履くつ，無む定てい其位。

〈恆つね者しゃ，常つね也。而九三さん以陽居きょ位い，立たて於陰陽ひ交互こうご之の上うえ，是ぜ知ち不ふ久ひさ為ため[缺かけ]所しょ然しか[缺かけ]。〉

〈（虎とら易えき注ちゅう：[ ]為ため我が所しょ加か，原注げんちゅう小字こあざ「缺かけ」，此處ここら缺かけ了りょう兩個りゃんこ字じ。現げん據よりどころ原文げんぶん之の義ぎ試補しほ入にゅう為ため：「是ぜ知ち不ふ久ひさ為ため[道みち]，所しょ然しか[也]。」）〉

《易えき》云うん：「不ふ恆つね其德，或ある承うけたまわ之これ羞。」陰陽いんよう升ます降くだ，反はん于陰。君くん道どう漸進ぜんしん，臣下しんか爭そう權けん，運うん及於升ます。

〈次つぎ降くだ入にゅう升ます卦け。〉

䷭　巽たつみ下か坤ひつじさる上じょう　升ます

陽ひ升ます陰かげ，而陰道どう凝しこり盛もり，未み可か便びん進すすむ，漸やや之これ。曰升。升ます者しゃ，進也しんや。卦け雖陰，而取象ぞう于陽，故こ曰：以陽用事ようじ。

〈內巽陰かげ木き陽ひ也。〉

與あずか坤ひつじさる為ため飛ひ伏ふく。

〈癸みずのと丑うし土ど，庚午こうご火ひ。〉

諸侯しょこう在世ざいせい，元もと士し為ため應おう侯こう。

建たて庚かのえ辰たつ至いたり乙おつ酉とり，

〈清明せいめい至いたり秋分しゅうぶん。〉

積算せきさん起おこり乙おつ酉とり至いたり甲かぶと申さる，周しゅう而復始はじめ。

〈金きむ水みず合あい木き官かん見み象かたど定てい吉凶きっきょう。〉

五星從位起太陰，

〈太陰たいいん水星すいせい，入にゅう卦け取と象ぞう。〉

心こころ宿やど入いれ位い降くだ癸みずのと丑うし。

〈心こころ宿やど入にゅう卦け配はい土ど位い。〉

土ど下見したみ木き，內外俱順。動どう陰陽いんよう而長歲とし時じ，人事じんじ配はい吉凶きっきょう，發はつ乎動。

〈占うらない歲とし時じ、人事じんじ吉凶きっきょう之の兆ちょう，見み乎動。〉

《易えき、系けい》云うん：「吉凶きっきょう悔吝，生なま乎動。」

〈（虎とら易えき注ちゅう：原はら句く為ため「吉凶きっきょう悔吝者しゃ，生なま乎動者しゃ也。」）〉

氣候きこう配はい象ぞう，數すう位い三さん十じゅう六ろく。

〈分陰ふんいん爻數，分ふん陽ひ爻數。〉

自じ下した升ます高だか，以至於極。至極しごく而反，以修善道ぜんどう，而成其體。

〈合ごう抱だき之の木き，始はじめ於毫末まつ。〉

陰かげ道どう革かわ入にゅう陽ひ，為ため坎水與あずか風ふう，見み井い。

〈入にゅう井い卦け。〉

䷯　巽たつみ下か坎上　井い

陰陽いんよう通どおり變へん，不可ふか革かわ者しゃ，井い也。井道いみち以澄清きよし不ふ竭之象ぞう，而成于井之の德也とくや。《易えき》云うん：「井い者しゃ，德之のりゆき基もと。」

〈（虎とら易えき注ちゅう：《易えき、系けい下か》曰：井い，德之のりゆき地ち也。）〉

又また云うん：「往來おうらい井井せいせい，見み功こう也。改あらため邑不改あらため井い，德とく不可ふか渝也。」

〈（虎とら易えき注ちゅう：此句「見み功こう也。」「德とく不可ふか渝也。」非ひ《易えき》原文げんぶん。讀者どくしゃ可か參さん見み原文げんぶん。）〉

〈井道いみち以澄清見きよみ用よう，為ため功こう也。井い象ぞう德とく不可ふか渝變也。〉

與あずか坎為飛ひ伏ふく。

〈戊つちのえ戌いぬ土ど，庚申こうしん金きん。〉

九きゅう五ご處しょ至尊しそん，應用おうよう見本みほん象ぞう。

建けん辛からし巳み至いたり丙へい戌いぬ，

〈小滿しょうまん至いたり寒露かんろ。〉

積算せきさん起おこり丙へい戌いぬ至いたり乙おつ酉とり，周しゅう而復始はじめ。

〈火ひ土入どうにゅう卦け起算きさん數すう。〉

五星從位起歲星，

〈木星もくせい入にゅう卦け，東方とうほう用事ようじ。〉

尾お宿やど從したがえ位い降くだ戊つちのえ戌いぬ。

〈尾お宿やど配はい戊つちのえ戌いぬ入にゅう卦け宮みや。〉

坎下見したみ風ふう，險けん於前；內外相がいしょう資し，益えき於君。

〈井い以德立りつ，君きみ正せい民みん信しんじ，德とく以其道也みちや。〉

賢人けんじん有ゆう位い，君子くんし不孤ふこ。《傳つて》曰：「德とく不孤ふこ，必有鄰。」

〈（虎とら易えき注ちゅう：此句《傳つて》中ちゅう未み考かんがえ，不知ふち道どう出で於何處しょ。）〉

〈六爻各處其務，反復はんぷく陰陽いんよう變化へんか，各かく得とく其道也みちや。〉

氣候きこう所しょ象ぞう，定數ていすう於二に十じゅう八はち。

〈爻配陰陽いんよう，分ふん人事じんじ，吉凶きっきょう其見矣。〉

天地てんち之の數すう，分ふん於人事じんじ；

〈近きん取と諸しょ身み，遠とお取と諸物しょぶつ。〉

吉凶きっきょう之の兆ちょう，定てい於陰陽ひ。陰かげ生せい陽ひ消きえ，陽ひ生せい陰かげ滅ほろび，二に氣き交互こうご，萬物ばんぶつ生せい焉。

震ふるえ至いたり於井，陰陽いんよう代位だいい，至極しごく則のっと反はん，與あずか巽たつみ為ため終おわり，退すさ復ふく於本。故こ曰遊魂たましい，為ため大過たいか。

〈降くだ入にゅう大過たいか卦け。〉

䷛　巽たつみ下か兌上　大過たいか

陰陽いんよう代謝たいしゃ，至いたり於遊魂たましい。《系けい》云うん：「精氣せいき為ため物ぶつ，遊ゆう魂たましい為ため變へん，是ぜ故知こち鬼神きじん之の情狀じょうじょう。」互體象ぞう乾ひ，以金土ど定てい吉凶きっきょう。去さ本末ほんまつ，取と二に五ご為ため過か之これ功こう。

〈大だい者しゃ相しょう過か。〉

與あずか坎為飛ひ伏ふく。

〈丁ちょう亥い水すい，戊つちのえ申さる金きん。〉

降くだ諸侯しょこう，立たて元首げんしゅ，元もと士し居きょ應おう上じょう。

建けん丙へい戌いぬ至いたり辛からし卯う，

〈起おこり元氣げんき從したがえ丙へい戌いぬ至いたり辛からし卯う為ため卦け建けん，建けん者しゃ，則のり所生しょせい之の位くらい。今立いまだて建けん起おこり至いたり辛からし卯う，取と陰陽いんよう至いたり位い極ごく處しょ也。寒露かんろ至いたり秋分しゅうぶん。〉

積算せきさん起おこり辛からし卯う至いたり庚かのえ寅とら，周しゅう而復始はじめ。

〈土木どぼく入にゅう卦け用事ようじ。〉

五星從位起熒惑，

〈熒惑火星かせい入にゅう卦け。〉

箕み宿やど從したがえ位い降くだ丁ちょう亥い。

〈箕み宿やど配はい丁ひのと亥い水すい，合ごう卦け宮みや也。〉

陰陽いんよう相しょう蕩とろけ，至極しごく則のっと反はん，反はん本ほん及末于遊魂たましい。分ぶん氣候きこう三さん十じゅう六ろく。

〈六ろく爻極陰陽いんよう之の數すう三さん十じゅう六ろく，五ご行ぎょう分配ぶんぱい，定てい吉凶きっきょう於積算せきさん。〉

陽ひ入にゅう陰かげ，陰陽いんよう交互こうご，反はん歸き於本，曰歸魂たましい。降くだ隨ずい卦け。

〈入澤いりさわ雷かみなり隨ずい卦け。〉

䷐　震ふるえ下か兌上　隨ずい

震ふるえ象ぞう復ふく本ほん曰隨。

〈內見震ふるえ也。〉

內象見み震ふるえ曰本。

〈從したがえ震ふるえ起おこり至いたり隨ずい為ため歸き魂だましい。〉

純じゅん木き用事ようじ，與あずか巽たつみ為ため飛ひ伏ふく。

〈庚かのえ辰たつ土ど，辛からし酉とり金きん。〉

世よ立りつ三公みつきみ，應おう宗廟そうびょう。

建けん乙おつ酉とり至いたり庚かのえ寅とら，

〈秋分しゅうぶん至いたり立春りっしゅん。〉

積算せきさん起おこり庚かのえ寅とら至いたり己おのれ丑うし，

〈土木どぼく入にゅう卦け氣き算さん。〉

周しゅう而復始はじめ。

〈吉凶きっきょう定てい於算數すう為ため准じゅん。〉

五星從位起鎮星，計けい都と從したがえ位い降くだ庚かのえ辰たつ。

〈（虎とら易えき注ちゅう：計けい都と，即そく為ため斗と宿やど。）〉

〈計けい都と配はい庚かのえ辰たつ土ど，入にゅう卦け分ぶん吉凶きっきょう。〉

氣候きこう分數ぶんすう二に十じゅう八はち。

〈定數ていすう於六ろく位い。〉

六ろく位い雖殊吉凶きっきょう，象ぞう震ふるえ，進退しんたい隨時ずいじ。各かく處しょ其位。無む差さ咎とがめ刻こく。內外二に象ぞう悅えつ而動，隨ずい附ふ於物，系けい失しつ在ざい於六ろく爻。

〈《易えき》云うん：系けい丈夫じょうぶ，失しつ小しょう子こ。又また云うん：系けい小しょう子こ，失しつ丈夫じょうふ。此之謂いい也。〉

吉凶きっきょう定てい於起算きさん之の端はし，進退しんたい見み乎隨時じ之の義ぎ。

金木かなぎ交刑，水火すいか相しょう敵てき；休きゅう廢はい于時，吉凶きっきょう生せい焉。震ふるえ以一君くん二に民みん，動どう得とく其宜。

〈震ふるえ一いち陽ひ二に陰かげ，陽よう君くん陰かげ民みん，得とく其正也まさや。〉

本ほん於乾而生乎震，故こ曰長男ちょうなん。陰陽いんよう升ます降くだ為ため八卦はっけ，至いたり隨ずい為ため定てい體からだ。資し于始而成乎終。坎降中ちゅう男おとこ，而曰坎。互陽爻居中ちゅう，為ため坎卦。

䷜　坎上坎下　坎

積せき陰かげ，以陽處しょ中ちゅう。柔順じゅうじゅん，不能ふのう履くつ重剛しげたけ之の險けん。故こ以剛克かつ柔やわら而履險けわし。而曰陽ひ，是ぜ以坎為ため屬ぞく中ちゅう男おとこ。分ぶん北方ほっぽう之の卦け也，與あずか離はなれ為ため飛ひ伏ふく。

〈戊子ぼし水すい，己おのれ巳み火ひ。〉

世よ立りつ宗廟そうびょう，居きょ於陰位い。比ひ近きん九きゅう五ご，全ぜん於坎道どう，遠とお於禍害かがい。三公みつきみ居きょ應おう，亦また為ため陰かげ暗くら。成なり坎之德とく，在ざい於九五ご、九きゅう二に也。

〈內外居きょ坎，陽ひ處しょ中ちゅう而為坎。主しゅ純じゅん陰かげ得とく陽ひ，為ため明あかり臣しん得どく君くん，而安其居也。一作いっさく君くん得とく臣しん，而顯其道也みちや。〉

建けん起おこり戊つちのえ寅とら至いたり癸みずのと未み，

〈大暑たいしょ至大しだい雪ゆき。〉

積算せきさん起おこり癸みずのと未み至いたり壬みずのえ午うま，周しゅう而復始はじめ。

〈金きむ水みず入にゅう卦け本ほん同どう宮みや，氣候きこう起算きさん時日じじつ歲月さいげつ吉凶きっきょう。〉

五星從位起太白，

〈太白たいはく金星きんせい入水じゅすい宮みや。〉

牛うし宿やど從したがえ位い降くだ戊子ぼし。

〈二十八宿にじゅうはっしゅく，從したがえ位い八卦はっけ，周しゅう而復始はじめ。〉

歲とし候こう運うん數すう三さん十じゅう六ろく。

〈配はい六ろく位い，分ふん陰陽いんよう；三さん百ひゃく五ご十じゅう六ろく，〉

〈（虎とら易えき注ちゅう：疑うたぐ為ため三さん百ひゃく六ろく十じゅう五ご之これ誤あやま。）〉

〈餘日よじつ四よん分ふん之の一いち。分ぶん五ご行ぎょう，配はい運氣うんき，吉凶きっきょう見み矣。〉

內外俱坎，是重これしげ剛ごう之の位くらい。《易えき》曰：「坎，陷おちい也。」

〈坎水能のう深ふか陷おちい於物；處しょ坎之險けわし，不可ふか不ふ習。故こ曰：習坎。便びん習之習後，可か得とく履くつ於險而不陷沒かんぼつ者しゃ。不ふ以剛履くつ柔やわら，不ふ能成よしなり坎之道也みちや。〉

震ふるえ以陽居きょ初はつ，能のう震動しんどう於物，能のう為ため動どう主ぬし。

〈乾いぬい生せい震ふるえ，一陽いちよう居きょ於初，震ふるえ為ため長男ちょうなん。〉

坎以陽ひ居中きょちゅう，為重ためしげ剛つよし之の主おも，故こ以坎為ため險けわし。陽ひ變へん陰かげ，成なり於陰道どう。今こん以陰變へん陽ひ，止とめ於為節ぶし。

〈次つぎ入にゅう於節卦け。〉

䷻　兌下坎上　節ふし

水居みずい澤上さわかみ，澤さわ能のう積水せきすい。陽ひ止とめ于陰，故こ為ため節ぶし。節ふし者しゃ，止とめ也。陽ひ蕩とろけ陰かげ而積實み，居中きょちゅう悅えつ內，而險於前。陰陽いんよう進退しんたい，金きむ水みず交運，與あずか兌為飛ひ伏ふく。

〈丁ちょう巳み火ひ，戊つちのえ寅とら木き。〉

元もと士し立りつ元首げんしゅ，見み應おう諸侯しょこう。

〈金きむ火ひ受其氣き，納おさめ到いた內。〉

建けん起おこり甲かぶと申さる至いたり己おのれ丑うし，

〈為ため本身ほんみ節氣せっき，立秋りっしゅう大寒だいかん。〉

積算せきさん起おこり己おのれ丑うし至いたり戊子ぼし，周しゅう而復始はじめ。

〈金きむ水みず坎，火ひ運うん入にゅう卦け，雜ざつ定てい吉凶きっきょう。〉

五星從位起太陰，

〈太陰たいいん屬ぞく水すい，入にゅう卦け用事ようじ。〉

女おんな宿やど從したがえ位い降くだ丁ちょう巳み。

〈配はい象ぞう入にゅう積算せきさん。〉

金きむ上見うわみ水すい，本ほん位相いそう資し，二に氣き交爭，失しつ節ぶし則そく嗟。《易えき》云うん：「不ふ節ふし若わか，則のり嗟若。」分ぶん氣候きこう二に十じゅう八はち。

〈積算せきさん起おこり數すう二に十じゅう八はち。〉

中ちゅう男おとこ入にゅう兌，少女しょうじょ分ぶん蕩とろけ入にゅう陰かげ中位ちゅうい，見み陽ひ升ます降くだ，見長みなが男おとこ。次つぎ入水じゅすい雷かみなり屯たむろ。

〈是則これのり節ふし險けわし入にゅう陽ひ，蕩とろけ九きゅう二に爻，體からだ歸き於陽，次じ入いれ屯たむろ卦け。〉

䷂　震ふるえ下か坎上　屯たむろ

內外剛ごう長ちょう，陰陽いんよう升ます降くだ，動どう而險。凡為物ぶつ之の始はじめ，皆みな出先でさき難なん後ご易えき。今こん屯たむろ則そく陰陽いんよう交爭，天地あまち始はじめ分ぶん，萬物ばんぶつ萌もえ兆ちょう，在ざい於動難なん。故こ曰屯。

〈水みず在ざい雷かみなり上じょう，如云雷かみなり交作；天地てんち草昧そうまい，經綸けいりん之の始はじめ，無む出で於此也。〉

故こ易えき曰：「屯たむろ如，邅如，乘馬じょうば班はん如。滋しげる血ち漣さざなみ如。」

〈屯たむろ難なん之の際さい，盤ばん桓不進之しんの貌。〉

難なん定てい乃通。《易えき》云うん：「女子じょし貞さだ不ふ字じ，十じゅう年ねん乃字。」

〈字じ，愛あい也。時とき通則つうそく道どう亨とおる，合ごう正ただし匹ひき也。〉

土木どぼく應おう象ぞう見み吉凶きっきょう，與あずか震ふるえ為ため飛ひ伏ふく。

〈庚かのえ寅とら木き，戊つちのえ辰たつ土ど。〉

世上せじょう見み大夫たいふ，應おう至尊しそん。陰陽いんよう得とく位い，君臣くんしん相應そうおう，可か以定難なん於草昧そうまい之の世よ。

建けん乙おつ酉とり至いたり庚かのえ寅とら，

〈秋分しゅうぶん至いたり立春りっしゅん。〉

積算せきさん起おこり庚かのえ寅とら至いたり己おのれ丑うし，周しゅう而復始はじめ。

〈土木どぼく配本はいほん宮みや起おこり積算せきさん。〉

五星從位起歲星，

〈木星もくせい入にゅう卦け。〉

虛きょ宿やど從したがえ位い降くだ庚かのえ寅とら。

〈虛きょ宿やど入いれ六ろく二に庚かのえ寅とら位い。〉

分ぶん氣候きこう三さん十じゅう六ろく。

〈定てい吉凶きっきょう之の數かず。〉

陽ひ適てき陰かげ，入いれ中ちゅう女おんな，子し午うま相しょう敵てき見み吉凶きっきょう。

〈動どう入いれ離はなれ象ぞう見み既濟きさい。〉

䷾　離はなれ下か坎上　既濟きさい

二に氣き無む沖おき，陰陽いんよう敵てき體たい。世よ應分おうぶん君臣くんしん，剛つよし柔やわら得とく位い，曰既濟ずみ。

〈離はなれ坎分子ぶんし午うま，水上みずかみ火ひ下か，性せい相しょう交敵，不ふ間隔かんかく。是ぜ曰既濟ずみ也。〉

與あずか離はなれ為ため飛ひ伏ふく。

〈己おのれ亥い水すい，戊つちのえ午うま火ひ。〉

世上せじょう見み三さん公おおやけ，應おう上見うわみ宗廟そうびょう。內外陰陽いんよう相應そうおう，坎離相しょう約やく上下じょうげ交。

〈坎水潤じゅん下か，離はなれ火ひ炎上えんじょう，二に氣き相しょう交為既濟きさい。〉

五ご行ぎょう相しょう配はい，吉凶きっきょう麗うらら乎爻象ぞう。

〈吉凶きっきょう之の兆ちょう，見み乎爻象ぞう。〉

建けん丙へい戌いぬ至いたり辛からし卯う，

〈寒露かんろ至いたり春分しゅんぶん。〉

卦け氣分きぶん節氣せっき。始はじめ丙へい戌いぬ受氣，至いたり辛からし卯う成なり正せい象ぞう。考こう六ろく位い，分ふん剛つよし柔やわら，定てい吉凶きっきょう。積算せきさん起おこり辛からし卯う至いたり庚かのえ寅とら，周しゅう而復始はじめ。

〈土木どぼく見み運うん入にゅう卦け。〉

五星從位起熒惑，

〈熒惑火星かせい入にゅう卦け。〉

危宿從したがえ位い降くだ己おのれ亥い。

〈危宿入にゅう己おのれ亥い。〉

分ぶん氣候きこう二に十じゅう八はち。

〈定てい六ろく爻之類るい，考こう吉凶きっきょう之の兆ちょう。〉

坎入兌，為ため積せき陰かげ；二に象ぞう分ぶん，俱陰。上下じょうげ反復はんぷく，卦け變革へんかく。

〈坎入革かわ，六ろく四よん蕩とろけ之の入にゅう陽ひ，變體へんたい為ため陰かげ也。〉

䷰　離はなれ下か兌上　革かわ

二に陰かげ雖交，志こころざし不ふ相合そうごう。體積たいせき陰かげ柔やわら，爻象剛健ごうけん，可か以革變へん。兌上離はなれ下か，

〈中ちゅう虛きょ。〉

務つとむ上下じょうげ積せき陰かげ，變改へんかい之の兆ちょう。成なり物ぶつ之の體からだ，故こ曰革。《易えき》云うん：「君子くんし豹變ひょうへん，小人こども革かわ面めん。」與あずか兌為飛ひ伏ふく。

〈丁ちょう亥い水すい，戊つちのえ申さる金きん。〉

諸侯しょこう當世とうせい，見み元もと士し。

〈（虎とら易えき注ちゅう：「見み元もと士し」前面ぜんめん，疑うたぐ脫漏だつろう「應おう」字じ。）〉

九きゅう五ご、六ろく二に為ため履くつ正せい位い。天地てんち革かわ變へん，人事じんじ隨ずい而更也。

〈更さら者しゃ變へん也。〉

建たて丁ちょう亥い至いたり壬みずのえ辰たつ，

〈小雪こゆき至いたり清明せいめい。〉

水みず土ど配はい位い。

〈土ど水すい入にゅう卦け。〉

積算せきさん起おこり壬みずのえ辰たつ至いたり辛からし卯う，周しゅう而復始はじめ。

五星從位起鎮星，

〈土星どせい入にゅう卦け。〉

室しつ宿やど從したがえ位い降くだ丁ちょう亥い。

〈二十八宿にじゅうはっしゅく，室しつ宿やど入にゅう卦け，革かわ丁ひのと亥い土ど。〉

分ぶん氣候きこう三さん十じゅう六ろく，其數起おこり元首げんしゅ。

〈分陰ふんいん陽ひ之の象ぞう數すう，吉凶きっきょう生せい矣。〉

上うえ金きん下火したび，金きむ積水せきすい而為器き，

〈器うつわ能のう盛もり納おさむ於物。〉

火ひ變へん生せい而為熟じゅく。生なま熟じゅく稟氣於陰陽ひ，革かわ之の於物，物もの亦また化か焉。

〈五ご行ぎょう類るい五ご色しょく，五色ごしき類るい萬物ばんぶつ。稟和氣わき，氣き即そく順じゅん。剛つよし即そく逆ぎゃく，逆ぎゃく即そく反はん，反はん即そく敗はい。〉

《易えき》云うん：「巳み日び乃孚。

〈孚まこと猶なお信也しんや。〉

陰陽いんよう更始こうし，動どう以見吉凶きっきょう。

〈震ふるえ主動しゅどう也。〉

動どう以柔當とう位くらい，剛つよし會かい之の，光ひかり大だい，革かわ變へん于豐。

〈外そと卦け兌入震ふるえ，為ため豐ゆたか卦け。〉

䷶　離はなれ下か震ふるえ上じょう　豐ゆたか

雷火らいか交動，剛つよし柔やわ散ち氣き，積せき則のり暗くら，動どう乃明。《易えき》云うん：「豐ゆたか其屋，蔀しとみ其家，窺其戶ど，闃其無人むじん，三さん歲さい不ふ覿，凶きょう。」

〈上うえ六ろく積せき暗くら而動，凶きょう之の於上反はん下した，見み陰かげ之の兆ちょう。〉

火ひ木き分ぶん象ぞう，配はい于積陰かげ，與あずか震ふるえ為ため飛ひ伏ふく。

〈庚申こうしん金きん，戊つちのえ戌いぬ土ど。〉

陰かげ處しょ至尊しそん為ため世よ，大夫たいふ見み應おう。君臣くんしん相しょう暗くら，世せい則そく可知かち；臣しん強きょう君くん弱じゃく，為ため亂世らんせい之の始はじめ。

建生たてお戊子ぼし至いたり癸巳きし，

〈大雪おおゆき至いたり小滿しょうまん。〉

雷かみなり與あずか火ひ震動しんどう曰豐。宜むべ日にち中ちゅう。夏至げし積せき陰かげ生せい豐ゆたか，當正とうせい應おう，吉凶きっきょう見み矣。

〈日にち中也ちゅうや。〉

積算せきさん起おこり癸巳きし至いたり壬みずのえ辰たつ，周しゅう而復始はじめ。

〈火ひ土ど起算きさん。〉

五星從位起太白，

〈太白たいはく金星かなぼし入にゅう卦け。〉

壁かべ宿やど從したがえ位い降くだ庚申こうしん，

〈壁かべ宿やど入にゅう坎至豐ゆたか，庚かのえ申入もうしいれ土ど。〉

分ぶん氣候きこう二に十じゅう八はち。

〈積せき算定さんてい六ろく位い，起おこり數すう二に十じゅう八はち。〉

上木じょうぼく下火したび，氣き稟純陽ひ；陰かげ生せい於內，陽氣ようき雜ざつ正ただし，性せい潰亂かいらん極ごく，乃反為ため遊ゆう魂たましい，入にゅう積せき陰かげ。

〈震ふるえ入にゅう坤ひつじさる也。〉

陰陽いんよう升ます降くだ，反はん歸き於本。變體へんたい於有無うむ。吉凶きっきょう之の兆ちょう，或ある見み於有，或ある見み於無。陰陽いんよう之の體からだ，不可ふか執と一いち。為ため定てい象ぞう于八卦はっけ，陽ひ蕩とろけ陰かげ，陰かげ蕩とろけ陽ひ，二氣相感而成體，或ある隱かくれ或ある顯あらわ。故こ《系けい》云うん：「一いち陰かげ一いち陽ひ之の謂いい道どう。」

〈一いち者しゃ，道也みちや。〉

外そと卦け震ふるえ降ぶ陰かげ，入明いりあけ夷えびす。

〈次つぎ入明いりあけ夷えびす卦け。〉

䷣　離はなれ下か坤ひつじさる上じょう　明あきら夷えびす

積せき陰かげ蕩とろけ陽ひ，六ろく位相いそう傷きず；外がい順じゅん而隔於明，處しょ暗くら不ふ分ぶん；

〈一いち作さく明あきら〉

傷きず于正道どう，曰明夷えびす。

〈夷えびす者しゃ，傷きず也。〉

五ご行ぎょう升ます降くだ，八卦はっけ相しょう蕩とろけ，變へん陽ひ入いれ純じゅん陰かげ。

〈春はる夏なつ之の秋冬あきふゆ也。〉

陰かげ道どう危，陽ひ道どう安やす，故こ與あずか震ふるえ為ため飛ひ伏ふく。

〈癸みずのと丑うし土ど，庚午こうご火ひ。〉

傷きず於明而動乃見志こころざし，

〈震ふるえ，動どう也。〉

退位たいい入いれ六ろく四よん。諸侯しょこう在世ざいせい，元もと士し為ため應おう。君くん暗くら臣しん明あかり不可ふか止とめ。

〈箕み子こ與あずか紂也。〉

建けん起おこり六ろく四よん癸巳きし至いたり戊つちのえ戌いぬ，

〈遊ゆう魂たましい及六ろく四よん爻數起おこり，小滿しょうまん至いたり寒露かんろ。〉

積算せきさん起おこり戊つちのえ戌いぬ至いたり丁ひのと酉とり，周しゅう而復始はじめ。

〈土ど金入かねいれ卦け起算きさん數すう。〉

五星從位起太陰，

〈太陰たいいん水星すいせい入にゅう卦け。〉

奎宿從したがえ位い降くだ癸みずのと丑うし，

〈奎宿入明いりあけ夷えびす，配はい六ろく四よん癸みずのと丑うし土ど上じょう。〉

分ぶん氣候きこう三さん十じゅう六ろく。

〈三さん十じゅう六ろく數すう入にゅう卦け，起算きさん推吉凶きっきょう。〉

地ち有ゆう火ひ，明あきら於內，暗くら於外。當世とうせい出處しゅっしょ，為ため眾疑之これ所しょ及，反はん傷きず於明。《易えき》曰：「三日みっか不ふ食しょく，主人しゅじん有ゆう言ごと。」

陰陽いんよう進退しんたい，金きむ水みず見み火ひ，氣き不ふ相合そうごう。六ろく位相いそう蕩とろけ，四よん時じ運動うんどう，靜せい乃復本ほん，故こ曰遊魂たましい。

〈以本宮ほんぐう八卦はっけ，相そう蕩とろけ六ろく位い推遷也。〉

次つぎ降くだ歸き魂たましい入いれ師し卦け。

䷆　坎下坤ひつじさる上じょう　師し

變へん離はなれ入にゅう陰かげ，傷きず于正道どう；復ふく本ほん歸き坎，陽ひ在ざい其中矣。

〈內卦坎為本宮ほんぐう。〉

處しょ下か卦け之の中なか，為ため陰かげ之の主おも，利り於行師し。《易えき》云うん：「師し者しゃ，眾也。」眾陰而宗于一陽ひ，得とく其貞正也まさや。與あずか離はなれ為ため飛ひ伏ふく。

〈離はなれ入にゅう坎也。〉

陰陽いんよう相しょう薄うす，剛つよし柔やわら遷位。

〈戊つちのえ午うま火ひ，己おのれ亥い水すい。〉

世よ主ぬし三公みつきみ，應おう為ため宗廟そうびょう。

建たて始はじめ壬みずのえ辰たつ至いたり丁ひのと酉とり，

〈清明せいめい至いたり秋分しゅうぶん。〉

積算せきさん起おこり丁ひのと酉とり至いたり丙へい申さる，周しゅう而復始はじめ。

〈金きむ火入ひいれ卦け起算きさん。〉

五星從位起歲星，

〈歲とし星ぼし木き入にゅう卦け。〉

婁宿從したがえ位い降くだ戊つちのえ午うま，

〈婁宿入にゅう坎卦歸き魂たましい六ろく三さん爻。〉

分ぶん氣候きこう二に十じゅう八はち。

〈起おこり算入さんにゅう卦け吉凶きっきょう。〉

地下ちか有水ありみず復ふく本位ほんい，六ろく五居陰處陽位；九きゅう二に貞さだ正ただし，能のう為ため眾之主ぬし，不ふ潰つぶせ於眾。《易えき》云うん：「師し，貞丈さだたけ人吉ひとよし。」

入にゅう卦け始はじめ於坎，陰陽いんよう相しょう蕩とろけ；反はん至いたり於極，則のり歸き本ほん，坎中男おとこ。

〈陽ひ居きょ九きゅう二に，稱しょう中ちゅう男おとこ。〉

升ます降くだ得失とくしつ，吉凶きっきょう悔吝，策さく於六ろく爻；六ろく爻之設しつらえ，出で於蓍；蓍めどぎ之の得え象ぞう而卦生せい。積算せきさん起おこり於五ご行ぎょう，五ご行ぎょう正則せいそく吉きち，極きょく則そく凶きょう。吉凶きっきょう之の象ぞう，顯あらわ於天地ち人事じんじ、日月じつげつ歲とし時じ。

坎之變へん於艮，艮うしとら為ため少しょう男おとこ。少しょう男おとこ處しょ卦け之の末すえ，為ため極ごく也。

〈震ふるえ一陽居初爻，坎二に陽ひ處しょ中ちゅう，艮うしとら三さん陽ひ處しょ卦け之これ末まつ。故こ曰陽極ようきょく為ため少しょう男おとこ，又また云うん止とめ也。〉

次つぎ入にゅう艮うしとら卦け。

䷳　艮うしとら下か艮うしとら上じょう　艮うしとら

乾いぬい分ぶん三さん陽ひ，為ため長ちょう中ちゅう少しょう，至いたり艮うしとら為ため少しょう男おとこ。本體ほんたい屬ぞく陽ひ，陽極ようきょく則そく止とめ，反はん生なま陰かげ象ぞう。《易えき》云うん：「艮うしとら，止とめ也。」于人為ため手しゅ、為ため背せ。取と象ぞう為山いざん、為石ためし、為ため門もん、為ため狗いぬ。上うえ艮うしとら下か艮うしとら二に象ぞう，土木どぼく分ぶん氣候きこう，與あずか兌為飛ひ伏ふく。

〈丙へい寅とら木き，丁未ていみ土ど。為ため少しょう男おとこ取と少女しょうじょ相しょう配はい。〉

世上せじょう見み宗廟そうびょう，三公みつきみ為ため應おう。陰陽いんよう遷次，長幼ちょうよう分ぶん形がた。

〈乾ひ，三さん生なま男おとこ；將はた至いたり艮うしとら，極少きょくしょう；長ちょう分ぶん形がた，長ちょう中ちゅう分ぶん之の為ため建けん也。〉

庚かのえ寅とら至いたり乙未おとみ，

〈立春りっしゅん至いたり大暑たいしょ。〉

陰かげ長ちょう陽極ようきょく，升しょう降くだ六ろく位い，進退しんたい順じゅん時じ，消息しょうそく盈虛えいきょ。積算せきさん起おこり庚かのえ寅とら至いたり己おのれ丑うし，周しゅう而復始はじめ。

〈木き土入どうにゅう卦け〉

五星從位起熒惑，

〈熒惑火星かせい入にゅう卦け。〉

胃い宿やど從したがえ位い降くだ丙へい寅とら，

〈胃い宿やど入にゅう卦け分ぶん位い。〉

分數ぶんすう位い元もと三さん十じゅう六ろく。

〈配はい位い六ろく卦け分ぶん吉凶きっきょう。〉

金木かなぎ相しょう敵てき，升しょう降くだ以時。艮うしとら止とめ于物，背せ於物。《易えき》云うん：「時とき止とめ則そく止とめ，時じ行ぎょう則行のりゆき。」剛つよし極ごく陽ひ反はん陰かげ長ちょう，積せき氣き止とめ於九三さん。

初はつ六ろく變へん陽ひ，取と其虛中ちゅう，文明ぶんめい在ざい內，成なり於賁。次つぎ降くだ入にゅう賁卦。

䷕　離はなれ下か艮うしとら上じょう　賁

泰やすし取と象ぞう上じょう六ろく，柔やわ來き反はん剛ごう。九きゅう二に剛つよし，上うえ文ぶん柔やわら。成なり賁之體たい，止とめ于文明ぶんめい。賁者，飾かざり也。五色不成謂之賁，文ぶん彩いろどり雜ざつ也。山下やました有ゆう火ひ，取と象ぞう文明ぶんめい，火ひ土ど分ぶん象ぞう，與あずか離はなれ為ため飛ひ伏ふく。

〈己おのれ卯木うつぎ，丙へい辰たつ土ど。〉

世よ立りつ元もと士し，六ろく四よん諸侯しょこう在ざい應おう。陰かげ柔やわら居きょ尊みこと，文ぶん柔やわら當世とうせい，素もと尚なお居きょ高だか，侯ほう王おう無む累るい。《易えき》云うん：「賁於丘おか園えん，束たば帛戔戔。」

建たて始はじめ辛からし卯う至いたり丙へい申さる，

〈春分しゅんぶん至いたり立秋りっしゅう。〉

積算せきさん起おこり丙へい申さる至いたり乙未おとみ，周しゅう而復始はじめ。

〈金きむ土入どうにゅう卦け起算きさん。〉

五星從位起鎮星，

〈鎮星入にゅう卦け。〉

昴すばる宿やど從したがえ位い降くだ己おのれ卯う，

〈昴すばる宿やど配はい賁卦初はつ九きゅう陽ひ位い起算きさん。〉

分ぶん氣候きこう二に十じゅう八はち。

〈起おこり六ろく位い五ご行ぎょう算さん吉凶きっきょう。〉

土ど火ひ木き分ぶん陰陽いんよう，相應ふさわし為ため敵てき體たい；上じょう九きゅう積せき陽ひ，素もと尚なお全身ぜんしん遠どお害がい，貴き其正道どう。起おこり於潛，至いたり於用九きゅう。

〈假かり乾いぬい初はつ上じょう為ため喻也。〉

陰陽いんよう升ます降くだ，通つう變へん隨時ずいじ。

離はなれ入いれ乾ひ，將之まさゆき大だい畜。次つぎ降くだ六ろく二に中ちゅう虛むなし為ため三さん連れん。入にゅう大だい畜卦。

〈陰かげ消しょう陽ひ長ちょう。〉

䷙　乾いぬい下か艮うしとら上じょう　大だい畜

陽ひ長ちょう陰かげ消きえ，積せき氣き凝しこり盛もり，外そと止とめ內健，二に陰かげ猶なお盛もり，成なり於畜義ぎ。《易えき》云うん：「既すんで雨う既すんで處しょ。」

〈（虎とら易えき注ちゅう：此句是ぜ《小しょう畜》卦け上じょう九きゅう爻詞，作者さくしゃ引用いんよう有ゆう誤あやま。）〉

畜消時じ行ぎょう，陽ひ未み可か進しん。取と于下卦け，全ぜん其健道どう，君子くんし以時順じゅん其吉凶きっきょう。與あずか乾いぬい為ため飛ひ伏ふく。

〈甲きのえ寅とら木き，丙午ひのえうま火ひ。〉

建たて始はじめ壬みずのえ辰たつ至いたり丁ひのと酉とり，

〈清明せいめい至いたり秋分しゅうぶん。〉

積算せきさん起おこり丁ひのと酉とり至いたり丙へい申さる，周しゅう而復始はじめ。

〈金きむ土入どうにゅう卦け分ぶん吉凶きっきょう起算きさん。〉

五星從位起太白，

〈太白たいはく金星かなぼし入にゅう卦け推吉凶きっきょう。〉

畢宿從したがえ位い降くだ甲きのえ寅とら。

〈畢宿入いれ大だい畜九二に甲きのえ寅とら上じょう。〉

九きゅう二に大夫たいふ應おう世よ，應おう六ろく五ご為ため至尊しそん，陰陽いんよう

　　　　　　相應そうおう以柔居きょ尊みこと

（缺かけ）

為ため畜之主ぬし。分ぶん氣候きこう二に十じゅう八はち。

〈極ごく陰陽いんよう之の象ぞう，定てい吉凶きっきょう之の兆ちょう。〉

山下やました有ゆう乾ひ，金きむ土ど相しょう資し。陽ひ進しん陰かげ止どめ，積せき雨う潤じゅん下か，畜道光也みつや。乾いぬい象ぞう內進，君きみ道行みちゆき也。吉凶きっきょう升ます降くだ，陰陽いんよう得とく位い，二に氣き相應そうおう，陽ひ上じょう薄うす陰かげ，陰かげ道どう凝結ぎょうけつ。上うえ于陽長ちょう，為ため雨う反はん下した，九きゅう居きょ高だか位い，極ごく於畜道どう。反はん陽ひ為ため陰かげ，入にゅう於兌象ぞう。六ろく三さん應おう上じょう九きゅう，上じょう有ゆう陽ひ九きゅう，反應はんのう六ろく三さん，成なり於損道どう。次つぎ降くだ損そん卦け。

〈乾いぬい入にゅう兌九三さん之の變へん六ろく二に。〉

䷨　兌下艮うしとら上じょう　損そん

澤さわ在ざい山下やました，卑險於山；山高やまたか處しょ上じょう，損そん澤さわ益山ますやま。成なり高だか之の義よし，在ざい於六ろく三さん。在ざい臣しん之の道みち，奉たてまつ君きみ立たて誠まこと。《易えき》云うん：「損そん下か益えき上じょう。」

〈乾いぬい九きゅう三さん變へん六ろく三さん陰かげ柔やわら，益えき上じょう九きゅう，臣しん奉たてまつ君きみ之の義ぎ。〉

與あずか兌為飛ひ伏ふく。

〈丁ちょう丑うし土ど，丙へい申さる金きん。〉

三公みつきみ居きょ世よ，宗廟そうびょう為ため應おう。

〈六ろく三さん，上じょう九きゅう。〉

建たて始はじめ癸巳きし至いたり戊つちのえ戌いぬ，

〈小滿しょうまん至いたり寒露かんろ。〉

積算せきさん起おこり戊つちのえ戌いぬ至いたり丁ひのと酉とり，周しゅう而復始はじめ。

〈土ど火入ひいれ宮みや起おこり積算せきさん。〉

五星從位起太陰，

〈太陰たいいん水星すいせい入にゅう卦け用事ようじ。〉

觜宿從したがえ位い降くだ丁ちょう丑うし，

〈二に十じゅう八宿配觜宿入損卦，六ろく三さん爻起算きさん歲月さいげつ日時にちじ。〉

土星どせい入にゅう卦け配はい吉凶きっきょう，陰陽いんよう相しょう蕩とろけ位い不ふ居きょ。

〈土ど金入かねいれ損そん卦け起算きさん，陰陽いんよう相生あいおい，六ろく位い變動へんどう不ふ居きょ也。〉

六ろく爻有吉凶きっきょう，四よん時じ變更へんこう，不可ふか執と一いち以為規ぶんまわし。

〈六ろく爻吉凶きっきょう，隨時ずいじ更さら變へん。或ある春はる或ある夏なつ，或ある秋あき或ある冬ふゆ，歲さい時じ運動うんどう。〉

分ぶん氣候きこう二に十じゅう八はち。

〈二に十じゅう八はち起おこり數すう，算さん吉凶きっきょう入にゅう卦け。〉

陰陽いんよう升ます降くだ，次じ艮うしとら入いれ離はなれ，見み睽之象ぞう。損益そんえき六ろく爻，剛つよし長ちょう陰かげ。次つぎ入いれ火ひ澤さわ睽卦。

䷥　兌下離はなれ上じょう　睽

火ひ澤さわ二に象ぞう，氣運きうん

〈一いち作さく轉てん。〉

非ひ合ごう。陰かげ消しょう陽ひ長ちょう，取と象ぞう何なん比ひ。惟おもんみ陽ひ是ぜ從したがえ。陰陽いんよう動靜どうせい，剛つよし柔やわら分ぶん焉。先さき睽後合あい，其消通どおり也。文明ぶんめい上うえ照あきら，幽かそけ暗くら分ぶん矣。

〈兌處下か，為ため積せき陰かげ暗くら之これ象ぞう也；離はなれ在ざい上じょう，為ため明あきら照あきら於下おした。〉

《易えき》云うん：「見み豕いのこ負ふ塗ぬり，載の鬼おに一いち車しゃ，先さき張はり之の弧こ，後ご說せつ之の弧こ，往遇雨う則そく吉きち。群ぐん疑うたぐ亡ほろび也。」

〈先さき疑うたぐ，暗くら也；後ご說せつ，明也あきや。〉

與あずか離はなれ為ため飛ひ伏ふく。

〈己おのれ酉とり金きん，丙へい戌いぬ土ど。〉

諸侯しょこう立りつ九きゅう四よん為ため世よ，初はつ元もと士し為ため應おう。

建たて始はじめ甲かぶと午うま至いたり己おのれ亥い，

〈芒すすき種しゅ至いたり小雪こゆき。〉

積算せきさん起おこり己おのれ亥い至いたり戊つちのえ戌いぬ。

〈水みず土入どうにゅう卦け。〉

五星從位起歲星，

〈歲とし木星もくせい入にゅう卦け。〉

參まいり宿やど從したがえ位い降くだ己おのれ酉とり，

〈二十八宿にじゅうはっしゅく配はい參さん宿やど，入にゅう卦け己おのれ酉とり土ど。〉

分ぶん氣候きこう三さん十じゅう六ろく。

〈起おこり數すう積算せきさん。〉

金きむ火ひ二に運うん合あい土ど宮みや，配はい吉凶きっきょう于歲時じ。六ろく五ご陰かげ柔やわら處しょ文明ぶんめい，九きゅう二に四よん得とく立りつ權臣けんしん。

〈（虎とら易えき注ちゅう：「九きゅう二に四よん得とく立りつ權臣けんしん」。疑うたぐ為ため：「九きゅう四よん世せい得え立たて權臣けんしん」之の誤あやま。）〉

陰陽いんよう相しょう蕩とろけ，六ろく位い逆ぎゃく遷，變へん離はなれ入にゅう乾いぬい。健けん於外象ぞう，坎入履くつ。

〈（虎とら易えき注ちゅう：「坎入履くつ。」疑うたぐ為ため「變へん入にゅう履くつ」或ある「降くだ入にゅう履くつ」之の誤あやま。）〉

〈陰陽いんよう推遷，變化へんか六ろく爻。吉凶きっきょう之の兆ちょう，著ちょ於要之の爻。如臣事しんじ君くん，近きん多た憂ゆう也。〉

次つぎ降くだ入にゅう天てん澤さわ履くつ卦け。

䷉　兌下乾いぬい上じょう　履くつ

天下てんか有澤ありさわ曰履。

〈履くつ者しゃ，禮れい也。〉

得とく位い吉きち，失しつ位い凶きょう，

〈當とう履くつ之の時とき。〉

素もと尚なお吉きち。《易えき》云うん：「視み履くつ考こう祥さち，其旋元吉もとよし。」與あずか乾いぬい為ため飛ひ伏ふく。

〈壬みずのえ申さる金きん，丙へい子こ水すい。〉

六ろく丙へい屬ぞく八卦はっけ，

〈艮うしとら六ろく丙へい也。〉

九五得位為世身，九きゅう二に大夫たいふ合あい應おう象ぞう。

〈（虎とら易えき注ちゅう：「合ごう」字じ疑うたぐ為ため「為ため」字じ之の誤あやま。）〉

建たて始はじめ乙おつ未み至いたり庚かのえ子こ，

〈大暑たいしょ至大しだい雪ゆき。〉

積算せきさん起おこり己おのれ亥い至いたり庚かのえ子こ。

〈金きむ水みず入にゅう卦け，配はい六ろく位い，算さん吉凶きっきょう。〉

五星從位起熒惑，

〈熒惑火星かせい入にゅう卦け。〉

井い宿やど從したがえ位い降くだ壬みずのえ申さる，

〈二十八宿にじゅうはっしゅく入にゅう卦け，井い宿やど入にゅう壬みずのえ申さる。〉

分ぶん氣候きこう，金きむ火入ひいれ卦け，起おこり於極數すう二に十じゅう八はち。

〈二に十じゅう八はち數すう，起おこり丙へい辰たつ，推吉凶きっきょう。〉

陽ひ多た陰かげ少しょう，宗そう少しょう為ため貴とうと。得とく其所履くつ則そく貴き，失しつ其所履くつ則そく賤。《易えき》云うん：「眇すがめ能のう視し，跛ちんば能のう履くつ。」

〈此履非ひ其位六ろく三也みつや。〉

吉凶きっきょう取と此文為ため准じゅん。六ろく位い推遷，積せき欠かけ起算きさん數すう，休きゅう王おう相しょう破やぶ，資し益えき可か定てい吉凶きっきょう也。

升ます降くだ反はん位くらい，歸かえり復ふく止どめ於六ろく四よん，入にゅう陰かげ，為ため遊ゆう魂たましい中ちゅう孚まこと卦け。

〈次じ入いれ中ちゅう孚まこと卦け。〉

䷼　兌下巽たつみ上じょう　中なか孚まこと

陰陽いんよう變動へんどう，六ろく位い周匝すさい，反はん及遊魂たましい之の卦け。

〈金木かなぎ合ごう上じょう運うん入にゅう卦け象ぞう。〉

互體見み艮うしとら，止とめ于信義しんぎ。

〈中なか孚まこと，信也しんや。〉

與あずか乾いぬい為ため飛ひ伏ふく。

〈辛からし未み土ど，壬みずのえ午うま火ひ。〉

艮うしとら道どう革かわ變へん，升しょう降くだ，各かく稟正性せい。六ろく四よん諸侯しょこう立りつ世よ，應おう初はつ九きゅう元げん士し。九きゅう五ご履信りしん，九きゅう二に反應はんのう，氣候きこう相合そうごう，內外相がいしょう敵てき。

〈陰かげ勝しょう陽ひ，陽ひ勝しょう陰かげ，剛つよし柔やわら相しょう薄うす，六ろく爻反應おう，柔順じゅうじゅん相合そうごう，吉凶きっきょう見み矣。〉

建たて始はじめ庚かのえ子こ至いたり乙おつ巳み，

〈大雪おおゆき至いたり小滿しょうまん。〉

積算せきさん起おこり乙おつ巳み至いたり甲かぶと辰たつ，周しゅう而復始はじめ。

〈火ひ土入どうにゅう卦け起おこり積算せきさん。〉

五星從位起鎮星，

〈鎮星，土星どせい。〉

鬼おに宿やど從したがえ位い降くだ辛つら未み，

〈二十八宿にじゅうはっしゅく，配はい鬼おに宿やど入にゅう卦け推吉凶きっきょう。〉

分ぶん氣候きこう三さん十じゅう六ろく，

〈配はい卦け算さん吉凶きっきょう之の位くらい。〉

風かぜ與澤よざわ，二に氣き相合そうごう；巽たつみ而說，信しん及於物ぶつ。物もの亦また

〈一いち作さく必。〉

順じゅん焉。《易えき》云うん：「信しん及豚魚ぎょ。」

〈豚ぶた魚ぎょ，幽かそけ微ほろ之これ物ぶつ，信しん尚なお及之，何なに況きょう於人乎。〉

兌入艮うしとら，六ろく三さん入にゅう陽ひ，內二に陽ひ歸き陰かげ。陰陽いんよう交互こうご，復ふく本ほん曰歸魂たましい，次じ降くだ歸き魂たましい風ふう山やま漸やや卦け。

〈內見艮うしとら。〉

䷴　艮うしとら下か巽たつみ上じょう　漸やや

陰陽いんよう升ます降くだ，復ふく本ほん曰歸魂たましい之の象ぞう。巽たつみ下見したみ艮うしとら，陰かげ長陽ちょうよう消けし，柔道じゅうどう將はた進すすむ，

〈艮うしとら變へん八卦はっけ終おわり於漸，漸やや終おわり降くだ純じゅん陰かげ入にゅう坤ひつじさる，分ふん長女ちょうじょ，三さん陰かげ之の兆ちょう也，柔道じゅうどう行ぎょう也。〉

與あずか兌為飛ひ伏ふく。

〈丙へい申さる金きん，丁ちょう丑うし土ど。〉

九きゅう三さん三さん公おおやけ居きょ世よ，宗廟そうびょう為ため應おう。

建たて始はじめ己おのれ亥い至いたり甲かぶと辰たつ，

〈小雪こゆき至いたり清明せいめい。〉

積算せきさん起おこり甲かぶと辰たつ至いたり癸みずのと卯う，周しゅう而復始はじめ。

〈土木どぼく見み運うん入にゅう卦け，算さん吉凶きっきょう。〉

五星從位起太白，

〈太白たいはく，西方せいほう之の卦け，定てい吉凶きっきょう。〉

柳やなぎ宿やど從したがえ位い降くだ丙へい申さる，

〈二十八宿にじゅうはっしゅく，柳やなぎ宿やど入にゅう卦け定てい吉凶きっきょう。〉

分ぶん氣候きこう二に十じゅう八はち。

〈定數ていすう配はい吉凶きっきょう，入にゅう卦け起算きさん。〉

上木下かみきのした土ど，風ふう入にゅう艮うしとら象ぞう，漸やや退すさ之これ象ぞう也。互體見み離はなれ，主しゅ中ちゅう文明ぶんめい。九きゅう五ご傳つて位い，得とく進すすむ道どう明也あきや。

〈九五處互體卦之上，進しん文ぶん明也あきや。〉

六ろく二に陰かげ柔やわら得とく位い，應おう至尊しそん。《易えき》云うん：「鴻おおとり漸やや於磐，飲食いんしょく衎衎。」

〈賢人けんじん進しん位い也。〉

陰陽いんよう升ます降くだ，八卦はっけ將はた盡つき；六ろく十じゅう四よん爻，陰陽いんよう相しょう雜ざつ，順じゅん道どう進退しんたい，次じ於時也。少しょう男おとこ之の位くらい，分ふん於八卦はっけ，終極しゅうきょく陽ひ道也みちや。陽極ようきょく則そく陰かげ生せい，柔道じゅうどう進也しんや，降くだ入にゅう坤ひつじさる宮みや八卦はっけ。

〈陽ひ卦け三さん十二宮じゅうにきゅう為ため陽ひ，乾ひ、震ふるえ、坎、艮うしとら也。〉

京きょう氏し易えき傳でん卷まき中ちゅう

䷁　坤ひつじさる下か坤ひつじさる上じょう　坤ひつじさる

純じゅん陰かげ用事ようじ，象ぞう配はい地ち，屬ぞく土ど。柔道じゅうどう光也みつや，陰かげ凝しこり感かん，與あずか乾いぬい相しょう納おさめ，臣しん奉たてまつ君きみ也。《易えき》云うん：「黃き裳も，元吉もとよし」。六ろく二に，內卦陰かげ處しょ中ちゅう，臣しん道どう正也まさや。與あずか乾いぬい為ため飛ひ伏ふく，

〈癸みずのと酉とり金きん，壬みずのえ戌いぬ土ど。〉

宗廟そうびょう居きょ世よ，三公みつきみ為ため應おう。未み免めん龍りゅう戰せん之の災わざわい，無む成なり有終ゆうしゅう。

〈陰かげ臣しん陽ひ君くん，臣しん不ふ敢為かんい物ぶつ之の始はじめ。陽ひ唱陰和わ，君命くんめい臣しん終おわり其事也。〉

初はつ六ろく起おこり履くつ霜しも，至いたり於堅冰。陰かげ雖柔順じゅん，氣き亦また堅けん剛つよし，為ため無邪氣むじゃき也。

建たて始はじめ甲かぶと午うま至いたり己おのれ亥い，

〈芒すすき種しゅ，小滿しょうまん。〉

積算せきさん起おこり己おのれ亥い至いたり戊つちのえ戌いぬ，周しゅう而復始はじめ。

〈純じゅん土ど用事ようじ，入にゅう積算せきさん，定てい吉凶きっきょう。〉

五星從位起太陰，

〈太陰たいいん水星すいせい入にゅう卦け〉

西南せいなん方かた之の卦け。

〈鎮星入にゅう卦け配はい坤ひつじさる，西南せいなん。〉

星宿せいしゅく從したがえ位い降くだ癸みずのと酉とり金きん。

〈二十八宿にじゅうはっしゅく，八卦はっけ星宿せいしゅく，降くだ坤ひつじさる上じょう六ろく癸みずのと酉とり金きん。〉

分ぶん氣候きこう三さん十じゅう六ろく。

〈起おこり積せき為ため數すう三さん十じゅう六ろく。〉

陰かげ中有ちゅうう陽ひ，氣き積せき萬象ばんしょう，故こ曰陰中陰ちゅういん。陰陽いんよう二に氣き，天地てんち相しょう接せっ，人事じんじ吉凶きっきょう，見み乎其象ぞう。六ろく位い適てき變へん，八卦はっけ分ぶん焉。

〈六ろく位い變動へんどう，八卦はっけ顯著けんちょ。〉

陰かげ雖虛納おさめ，于陽位い稱しょう實み。

〈六ろく五ご，六ろく三さん之これ類るい也。〉

升ます降くだ反復はんぷく，不ふ能久よしひさ處しょ，千變萬化せんぺんばんか，故こ稱しょう乎易。易者えきしゃ，變へん也。陰極いんきょく則そく陽ひ來らい，陰かげ消けし則そく陽ひ長ちょう，衰おとろえ則のっと退ずさ，盛もり則のり戰せん。《易えき》云うん：「上うえ六ろく，龍りゅう戰せん於野，其血玄黃げんこう」。陽ひ屬ぞく。

〈乾いぬい配はい西北せいほく積せき陰かげ之の的まと地ち，陰かげ盛もり故こ戰たたかえ，乾坤けんこん並なみ處しょ，天地てんち之の氣き雜ざつ，稱しょう玄黃げんこう也。〉

陽ひ來らい蕩とろけ陰かげ，坤ひつじさる內卦初はつ六ろく適てき變へん入にゅう陽ひ，曰震。陰かげ盛もり陽よう微ほろ，漸やや來き之これ義ぎ，故こ稱しょう復ふく。次つぎ降くだ陽ひ，入にゅう地雷じらい復ふく卦け。

䷗　震ふるえ下か坤ひつじさる上じょう　復ふく

陰極いんきょく則そく反はん，陽ひ道行みちゆき

〈一いち作さく正ただし。〉

也。《易えき》云うん：「君子くんし道長みちなが，小人こども道どう消けし」。又また曰：「七なな日にち來復らいふく」。

〈七なな日にち，陽ひ之の稱たたえ也。七なな九きゅう稱しょう陽ひ之の數也かずや。謂いい坤ひつじさる上じょう六ろく，陰極いんきょく陽ひ戰せん之の地ち，陰かげ雖不能ふのう勝しょう陽ひ，然しか正當せいとう盛もり，陽ひ不可ふか輕けい犯はん。六陽涉六陰反下，七なな爻在初はつ，故こ稱しょう七なな日にち。日ひ亦また陽ひ也。〉

六ろく爻反復はんぷく之の稱しょう。

〈注ちゅう在ざい前まえ。〉

《易えき》云うん：「初はつ九きゅう，不ふ遠とお復ふく，無む祗悔」。

〈反はん至いたり初はつ九きゅう，陽ひ來らい陰かげ復ふく，去さ遠どお也。〉

〈（虎とら易えき注ちゅう：此字因いん為ため模糊もこ，無法むほう辨べん認みとめ，我わが是ぜ根據こんきょ「不ふ遠とお復ふく」之の意い，暫時ざんじ一いち用よう，待まち以後いご有機ゆうき會かい再さい確定かくてい。）〉

六ろく爻盛，卦け之の體からだ總稱そうしょう也。

曰一陽為一卦之主，與あずか震ふるえ為ため飛ひ伏ふく。

〈庚かのえ子こ水すい，乙未おとみ土ど。〉

初はつ九きゅう元げん士し之の世よ，六ろく四よん諸侯しょこう見み應おう。

建たて始はじめ乙おつ未み至いたり庚かのえ子こ，

〈大暑たいしょ大だい雪見ゆきみ候こう，起おこり坤ひつじさる，六ろく月がつ至いたり十じゅう一いち月がつ，戊子ぼし為ため正ただし朔ついたち，見み復ふく之の兆ちょう。〉

積算せきさん起おこり庚かのえ子こ至いたり己おのれ亥い，

〈積算せきさん起おこり庚かのえ子こ至いたり己おのれ亥い，十じゅう月がつ至いたり十じゅう一いち月がつ，年ねん亦また然しか。〉

周しゅう而復始はじめ。土ど水すい見み候こう。

五星從位起歲星，

〈歲とし星ぼし木星もくせい入にゅう復ふく卦け，合ごう水すい土ど，配はい吉凶きっきょう。〉

張ちょう宿やど從したがえ位い降くだ庚かのえ子こ，

〈二十八宿にじゅうはっしゅく分ぶん張ちょう宿やど，入にゅう復ふく卦け庚かのえ子こ水上すいじょう。〉

分ぶん氣候きこう二に十じゅう八はち。

〈積算せきさん起おこり數すう二に十じゅう八はち，定てい吉凶きっきょう六ろく爻。〉

坤ひつじさる上じょう震ふるえ下か，動どう而順，是ぜ陽ひ來らい蕩とろけ陰かげ，陰かげ柔やわら反はん去さ，剛つよし陽ひ復位ふくい，君子くんし進すすむ，小人こども退すさ。《易えき》云うん：「休きゅう復ふく，元吉もとよし」。

陽ひ升ます陰かげ降くだ，變へん六ろく二に入にゅう兌象，次じ併臨，二に陽ひ將はた進すすむ，內為悅えつ。陰かげ來らい陽ひ去さ，氣き漸やや隆たかし，

〈陰かげ不ふ敢拒陽ひ，奉たてまつ命いのち而已。〉

次つぎ降くだ入地いりじ澤さわ臨卦。

䷒　兌下坤ひつじさる上じょう　臨

陽ひ長ちょう陰かげ消けし悅えつ而順，金きむ土ど應おう候こう剛つよし柔やわら分ぶん。震ふるえ入にゅう兌，二に陽ひ剛つよし，本體ほんたい陰かげ柔やわ降くだ入にゅう臨。臨者，大だい也。陽ひ爻健順じゅん，陽ひ交退散たいさん。《易えき》曰：「君子くんし之の道みち」。《易えき》云うん：「至いたり於八はち月がつ有ゆう凶きょう」。

〈（虎とら易えき注ちゅう：此處ここ脫漏だつろう有ゆう字じ。）〉

〈建けん丑うし至いたり未み也。〉

陽ひ長ちょう，六ろく爻反復はんぷく，吉凶きっきょう之の道みち可か見み矣。

〈至いたり於八はち月がつ入いれ遁。〉

與あずか兌為飛ひ伏ふく，

〈丁ちょう卯木うつぎ，乙おつ巳み火ひ。〉

九きゅう二に大夫たいふ立りつ世よ，六ろく五ご至尊しそん應おう上位じょうい。

建たて始はじめ丙へい申さる至いたり辛からし丑うし，

〈立秋りっしゅう，大寒だいかん。〉

七なな月がつ積せき氣き至いたり六ろく月がつ，吉凶きっきょう隨ずい爻考汙隆。

〈旺則隆たかし，衰おとろえ則そく汙。〉

積算せきさん起おこり辛からし丑うし至いたり庚かのえ子こ。

〈積算せきさん起おこり金きん土入どうにゅう卦け，推休咎とがめ於六ろく爻。〉

五星從位起熒惑，

〈熒惑火星かせい，入にゅう卦け用事ようじ。〉

翼つばさ宿やど從したがえ位い在ざい丁ちょう卯しげる，

〈二十八宿にじゅうはっしゅく，翼つばさ宿やど入にゅう卦け九きゅう二に爻木上じょう。〉

分ぶん氣候きこう三さん十じゅう六ろく。

〈定てい陰陽いんよう之の數すう，起おこり於三さん十じゅう六ろく積算せきさん。〉

坤ひつじさる下見したみ兌，悅えつ、澤さわ，臨。陽ひ升ます陰かげ降くだ，入いれ三さん陽ひ，乾いぬい象ぞう入にゅう坤ひつじさる，即そく泰たい卦け。

〈臨卦內象先さき陽ひ長ちょう，逼陰成なり乾いぬい為ため泰たい象ぞう。〉

外そと坤ひつじさる積せき陰かげ，內兌亦また為ため陰かげ，二に陽ひ合體がったい，柔順じゅうじゅん之の道みち，不可ふか貞さだ。吉凶きっきょう以時，配はい於六ろく位い，用よう於陽長ちょう之の爻，成なり臨之義ぎ。

六ろく三將變陽爻，至いたり次じ降くだ入にゅう泰たい卦け。

〈次つぎ入地いりじ天てん泰たい卦け。〉

䷊　乾いぬい下か坤ひつじさる上じょう　泰やすし

乾坤けんこん二に象ぞう， 合ごう為ため一いち運うん，天てん入地いりじ交泰，萬物ばんぶつ生せい焉。小しょう往大來らい，陽ひ長ちょう陰かげ危，金きむ土ど二に氣き交合こうごう。《易えき》云うん：「泰たい者しゃ，通つう也」。通つう於天地ち，長ちょう於品彙。陽氣ようき內進，陰氣いんき升ます降くだ，升ます降くだ之これ道どう，成なり於泰象ぞう。與あずか乾いぬい為ため飛ひ伏ふく。

〈甲きのえ辰たつ土ど，乙おつ卯木うつぎ。〉

三さん公立こうりつ九きゅう三さん為ため世よ，上うえ六ろく宗廟そうびょう為ため應おう候こう。

建たて始はじめ丁ちょう酉とり至いたり壬みずのえ寅とら，

〈秋分しゅうぶん，立春りっしゅん。〉

積算せきさん起おこり壬みずのえ寅とら至いたり辛からし丑うし，周しゅう而復始はじめ。

〈金きむ土ど位い上起かみおこし積算せきさん吉凶きっきょう。〉

五星從位起鎮星，

〈土星どせい入にゅう卦け。〉

軫宿從したがえ位い降くだ甲かぶと辰たつ，分ふん氣候きこう二に十じゅう八はち。

〈積算せきさん起おこり二に十じゅう八はち數すう，於甲辰たつ位い。〉

地下ちか有ゆう天てん，陽ひ道どう浸ひた長ちょう，不可ふか極ごく，極ごく則のっと否いや成なり。

〈三さん陽ひ務つとむ上じょう，坤ひつじさる順じゅん而往，往而不ふ已やめ，否いや道みち至いたり。〉

存そん泰之やすゆき義よし，在ざい於六ろく五ご，陰かげ居きょ陽ひ位い，能のう順じゅん于陽，陰陽いんよう相しょう納おさめ，二に氣き相しょう感かん，終おわり於泰道どう。

外そと卦け純じゅん陰かげ，陽ひ來らい剛つよし柔やわら，成なり於震象ぞう。陰かげ降くだ陽ひ升ます，居きょ乾いぬい上じょう，成なり大だい壯たけし。

〈次つぎ降くだ陰かげ升ます陽ひ，入にゅう雷かみなり天てん大だい壯たけし卦け。〉

䷡　乾いぬい下か震ふるえ上じょう　大だい壯たけし

內外二に象ぞう動どう而健，陽ひ勝しょう陰かげ而為壯たけし。

〈內陽升ます降くだ，二に象ぞう俱陽，曰大壯たけし。〉

《易えき》曰：「羝羊觸さわ藩はん，羸其角かく」。進退しんたい難なん也。壯たけし不可ふか極ごく，極ごく則のり敗はい物ぶつ，不可ふか極ごく，極ごく則のり反はん。故こ曰：「君子くんし用よう罔，小人こども用よう壯たけし」。與あずか震ふるえ為ため飛ひ伏ふく。

〈庚午こうご火ひ，癸みずのと丑うし土ど。〉

九きゅう四よん諸侯しょこう立りつ世よ，初はつ九きゅう元げん士し在ざい應おう。

建たて始はじめ戊つちのえ戌いぬ至いたり癸みずのと卯う，

〈寒露かんろ至いたり春分しゅんぶん。〉

積算せきさん起おこり癸みずのと卯う至いたり壬みずのえ寅とら，

〈土木どぼく入にゅう卦け起おこり積算せきさん。〉

五星從位起太白，

〈太白たいはく金星かなぼし入にゅう卦け。〉

角すみ宿やど從したがえ位い降くだ庚午こうご，

〈二十八宿にじゅうはっしゅく入にゅう卦け，配はい角かく宿やど，入にゅう大だい壯たけし庚午こうご九きゅう四よん爻上。〉

分ぶん氣候きこう三さん十じゅう六ろく。

〈積算せきさん起おこり數すう庚午こうご火ひ，定てい吉凶きっきょう。〉

雷かみなり在天ざいてん上じょう，健けん而動，陽ひ升ます陰かげ降くだ，陽ひ來らい蕩とろけ陰かげ，吉凶きっきょう隨ずい爻著於四よん時じ。九きゅう四よん庚午こうご火ひ之の位くらい，入にゅう坤ひつじさる，為ため卦け之の本ほん。起おこり于子，滅めつ於寅。陰陽いんよう進退しんたい，六ろく位い不ふ居い，周しゅう流りゅう六ろく虛きょ。

外そと象ぞう震ふるえ入にゅう兌為陰かげ，悅えつ適てき爻為剛ごう長ちょう。次つぎ降くだ入にゅう夬，陽ひ決けつ陰かげ之の象ぞう，入澤いりさわ天たかし夬卦。

䷪　乾いぬい下か兌上　夬

剛つよし決けつ柔やわら，陰かげ道どう滅めつ。五ご陽ひ務つとむ下か，一いち陰かげ危上，將はた反はん遊ゆう魂たましい。九きゅう四よん，悔也。

澤上さわかみ於天，君きみ道行みちゆき也。

〈夬，五ご世せい。六位周而復始，為ため遊ゆう魂たましい。至いたり九きゅう四よん成なり陰かげ，入にゅう坎為需。〉

與あずか兌為飛ひ伏ふく。

〈丁ちょう酉とり金きん，癸みずのと亥い水すい。〉

九きゅう五ご立たて世よ，九きゅう二に大夫たいふ為ため應おう。

〈九五在兌象為世，澤さわ小しょう於天也。〉

建たて始はじめ己おのれ亥い至いたり甲かぶと辰たつ，

〈小雪こゆき，清明せいめい。〉

積算せきさん起おこり甲かぶと辰たつ至いたり癸みずのと卯う，周しゅう而復始はじめ。金木かなぎ分ぶん乾いぬい兌入坤ひつじさる象ぞう。

〈入にゅう坤ひつじさる宮みや起おこり積算せきさん。〉

五星從位起太陰，

〈太陰たいいん，水星すいせい。入にゅう卦け起算きさん。〉

亢宿從したがえ位い降くだ丁ちょう酉とり，

〈二十八宿にじゅうはっしゅく配はい亢宿，入にゅう夬卦丁ひのと酉とり金きん上起かみおこし。〉

分ぶん氣候きこう二に十じゅう八はち。

〈積算せきさん起おこり宮みや二に十じゅう八はち，入にゅう卦け中ちゅう甲かぶと辰たつ，還かえ丁ちょう酉とり金上かながみ定吉さだきち凶きょう。〉

《易えき》云うん：「澤上さわかみ於天，夬」。「揚あげ于王庭にわ」。柔道じゅうどう消きえ，消けし不可ふか極ごく，反はん于遊魂たましい。九きゅう四よん柔やわら來らい文ぶん剛つよし，陰かげ道どう存そん也，陰かげ之の道みち不可ふか終おわり否ひ。剛つよし柔やわら相しょう濟ずみ，日にち月明げつめい矣；天地てんち定位ていい，人事じんじ通どおり也。

〈凡卦，陰極いんきょく陽ひ生せい，陽極ようきょく陰かげ生せい，生生せいせい之の義よし，不ふ絕ぜっ之の貌。日月じつげつ迴圈，天地てんち交泰，陰陽いんよう相しょう蕩とろけ，六ろく位い交分，萬物ばんぶつ生せい焉。〉

故こ曰：雷かみなり動どう風ふう行ぎょう，山澤やまさわ通氣つうき。人ひと之の運動うんどう，體たい斯合矣。

〈人ひと稟五常ごじょう，三さん焦こげ九きゅう竅，風ふう火ひ逓〉

〈（遞）〉

〈相あい兼けん濟すみ，以一いち位い虧，四よん體たい羸焉。〉

陰陽いんよう升ます降くだ，反復はんぷく道也みちや。次つぎ降くだ入にゅう游ゆう魂たましい水天すいてん需卦。

䷄　乾いぬい下か坎上　需

雲上うんじょう于天，凝しこり于陰而待于陽，故こ曰需。需者，待まち也。三さん陽ひ務つとむ上じょう，而隔於六ろく四よん，路ろ之の險けん也。

〈外そと卦け坎水，為ため險けわし。亦また陰かげ稱しょう血ち也。〉

坤ひつじさる之の反復はんぷく，適てき陽ひ入にゅう陰かげ，

〈夬卦九きゅう四よん，入にゅう需卦成なり六ろく四よん，陰かげ之の位くらい也。〉

陰陽いんよう交會運動うんどう，陰かげ雨う積せき而凝滯ぎょうたい于陽，通つう乃合也。

〈群ぐん陽ひ務つとむ上じょう，一いち陰かげ報ほう之の，故こ凝滯ぎょうたい雨う乃合。〉

與あずか兌為飛ひ伏ふく。

〈戊つちのえ申さる金きん，丁ちょう亥い水すい。〉

游ゆう魂たましい立りつ世よ諸侯しょこう，應おう初はつ九きゅう元げん士し。

建たて始はじめ甲かぶと辰たつ至いたり己おのれ酉とり，

〈清明せいめい，秋分しゅうぶん。〉

積算せきさん起おこり己おのれ酉とり至いたり戊つちのえ申さる，周しゅう而復始はじめ。金かね土入どうにゅう乾いぬい坎。

〈積算せきさん起おこり宮みや定吉さだきち凶きょう。〉

五星從位起歲星，

〈歲とし星ぼし木星もくせい入にゅう卦け。〉

氐宿從したがえ位い降くだ戊つちのえ申さる，

〈二十八宿にじゅうはっしゅく降くだ氐宿，入にゅう坤ひつじさる宮みや遊ゆう魂たましい卦け六ろく四よん戊つちのえ申さる金きん上じょう，起おこり積算せきさん吉凶きっきょう。〉

分ぶん氣候きこう三さん十じゅう六ろく。

〈定てい吉凶きっきょう總そう三さん十じゅう六ろく位い起算きさん。〉

乾いぬい外見がいけん坎，健けん而進，險けわし在ざい前ぜん也。需于飲食いんしょく，爭そう於坎也。陰陽いんよう相しょう激げき，勝負しょうぶ有ゆう倚，反はん為ため不ふ速そく，敬けい終おわり有ゆう慶けい。陰陽いんよう漸やや消きえ，陽ひ道行みちゆき行ぎょう，反復はんぷく其位，不ふ妄于陰かげ。

坎降入にゅう歸き魂たましい，水みず地ち比ひ卦け，坤ひつじさる之の歸き魂たましい也。

䷇　坤ひつじさる下か坎上　比ひ

反はん本復ほんぷく位い，陰陽いんよう相しょう定じょう，六ろく爻交互こうご，一氣いっき在ざい也。水みず在地ざいち上じょう，九きゅう五ご居きょ尊みこと，萬民ばんみん服ふく也。

〈比ひ卦け一いち陽ひ五ご陰かげ，少しょう者しゃ為ため貴とうと，眾之所しょ尊者そんじゃ也。〉

比ひ親おや於物，物もの亦また附ふ焉。原はら筮于宗むね，歸き之の於眾。諸侯しょこう列れつ土ど，君きみ上うえ崇之たかゆき，奉たてまつ于宗祧，盟めい契ちぎり無む差さ，邦くに必昌矣。與あずか乾いぬい為ため飛ひ伏ふく。

〈乙おつ卯木うつぎ，甲きのえ辰たつ土ど。〉

歸かえり魂たましい六之三公居世，應おう上じょう六ろく宗廟そうびょう。

建たて始はじめ癸みずのと卯う至いたり戊つちのえ申さる，

〈春分しゅんぶん，立秋りっしゅう。〉

積算せきさん起おこり戊つちのえ申さる至いたり丁未ていみ，周しゅう而復始はじめ。

五星從位起熒惑，

〈火星かせい入にゅう卦け。〉

房ぼう宿やど從したがえ位い降くだ乙おつ卯う，

〈二十八宿にじゅうはっしゅく配はい房ぼう宿やど，入にゅう坤ひつじさる歸き魂だましい乙おつ卯木うつぎ位い上じょう。〉

分ぶん氣候きこう二に十じゅう八はち。

〈積算せきさん起おこり二に十じゅう八はち數すう。〉

陰かげ道どう將はた復ふく，以陽為ため主ぬし，一陽いちよう居きょ尊みこと，群ぐん陰かげ宗之むねゆき。六ろく爻交分ぶん，吉凶きっきょう定てい矣。地道じみち之の義よし，妻つま道どう同どう也，臣しん之の附ふ君くん，比ひ道成みちなり也。

歸かえり魂たましい復ふく本ほん，陰陽いんよう相成あいな，萬物ばんぶつ生せい也。故こ曰：坤ひつじさる生せい三女巽離兌，分ふん長ちょう中ちゅう下か。

〈巽たつみ長女ちょうじょ，離はなれ中ちゅう女おんな，兌少女しょうじょ。〉

以陽求もとめ陰かげ，乾いぬい之の巽たつみ，為ため長女ちょうじょ。

䷸　巽たつみ下か巽たつみ上じょう　巽たつみ

陽ひ中ちゅう積せき陰かげ而巽順じゅん，

〈本ほん乾いぬい象ぞう，陰かげ來らい蕩とろけ成なり巽たつみ，巽たつみ者しゃ，順じゅん也。〉

風ふう從したがえ穴あな，入にゅう於物，號令ごうれい齊順なりゆき，天地あまち明也あきや。內外稟于一いち陰かげ，順じゅん於天地あまち道也みちや。聲聞しょうもん於外，遠とお彰あきら柔順じゅうじゅん，陰陽いんよう升ます降くだ，柔やわ依よ剛つよし也。本ほん于堅剛つよし，陰かげ來らい又また柔やわ，東南とうなん向むかい明あきら，齊ひとし肅陰陽ひ。與あずか震ふるえ為ため飛ひ伏ふく。

〈辛からし卯木うつぎ，庚かのえ戌いぬ土ど。〉

宗廟そうびょう居きょ世よ，三公みつきみ在ざい應おう。

〈上うえ九きゅう，九きゅう三さん。〉

建たて始はじめ辛からし丑うし至いたり丙午ひのえうま，

〈大寒だいかん，芒すすき種しゅ。〉

積算せきさん起おこり丙午ひのえうま至いたり乙おつ巳み，周しゅう而復始はじめ。

（五星從位起鎮星，心しん宿やど從したがえ位い降くだ辛からし卯う。）

〈（虎とら易えき注ちゅう：此段內容原注げんちゅう：「缺かけ」。現げん根據こんきょ原著げんちょ的てき配置はいち原理げんり補ほ入いれ。）〉

〈火ひ木與きよ二十八宿にじゅうはっしゅく分ぶん虛きょ宿やど，〉

〈（虎とら易えき注ちゅう：此處ここ虛きょ宿やど，疑うたぐ為ため心こころ宿やど之の誤あやま。）〉

〈入にゅう巽たつみ上じょう九きゅう辛からし卯木うつぎ上じょう。〉

分ぶん氣候きこう其數三さん十じゅう六ろく。

〈分ぶん三さん十じゅう六ろく數すう入にゅう卦け起算きさん。〉

陰氣いんき起おこり陽ひ，陽ひ順じゅん于陰，陰陽いんよう和わ柔やわら，升しょう降くだ得とく位い，剛つよし柔やわら分ぶん也。陰かげ不可ふか盈みつる，晷刻頃ごろ也。初はつ六ろく適てき變へん，陽ひ來らい陰かげ退すさ，健けん道行みちゆき也。三さん陽ひ務つとむ進すすむ，外そと陰陽いんよう也，適てき變へん於內外がい未み從したがえ也。次つぎ降くだ陰かげ交于陽ひ九きゅう，為ため小しょう畜卦。

〈初はつ六ろく變へん初はつ九きゅう也。〉

䷈　乾いぬい下か巽たつみ上じょう　小しょう畜

《易えき》云うん：「密雲みつうん不ふ雨あめ，自我じが西にし郊」。小しょう畜之義よし，在ざい於六ろく四よん。三さん陽ひ連れん，進しん于一，危也。外そと巽たつみ體たい陰かげ，畜道行ぎょう也。巽たつみ之の初はつ六ろく，陰かげ蕩とろけ陽氣ようき感かん，積せき陰かげ不能ふのう固かた，退すさ復ふく本位ほんい。三連同往而不可見，成なり於畜義よし，外そと象ぞう明あかり矣。

〈一いち陰かげ劣れつ，不能ふのう固かた，陽ひ是ぜ以往いおう也。外そと巽たつみ積つもる陰かげ能のう固かた，陽ひ道成みちなり在ざい上うえ九きゅう一いち爻之法ほう也。〉

《易えき》云うん：「既すんで雨う既すんで處しょ」也。與あずか乾いぬい為ため飛ひ伏ふく。

〈甲子きのえね水すい，辛からし丑うし土ど。〉

初はつ九きゅう元げん士し居きょ世よ，六ろく四よん諸侯しょこう在ざい應おう。

建たて始はじめ壬みずのえ寅とら至いたり丁未ていみ，

〈立春りっしゅん，大暑たいしょ。〉

積算せきさん起おこり丁未ていみ至いたり丙午ひのえうま，周しゅう而復始はじめ。木き土入どうにゅう乾いぬい巽たつみ。

〈入にゅう宮みや起おこり演算えんざん法ほう。〉

五星從位起太白，

〈金星かなぼし入にゅう卦け，起算きさん吉凶きっきょう。〉

尾お宿やど從したがえ位い降くだ甲子きのえね，

〈二十八宿にじゅうはっしゅく入にゅう卦け，分ふん尾お宿やど，以小畜甲子こ水上すいじょう起算きさん。〉

分ぶん氣候きこう其數二に十じゅう八はち。

〈分ぶん二に十じゅう八はち數すう起おこり宮みや推算すいさん。〉

一いち陰かげ居きょ六ろく四よん，建子けんし入にゅう陽ひ宮みや，推其休きゅう咎とがめ處しょ吉凶きっきょう。剛健ごうけん立りつ陽ひ爻，陰かげ凝しこり在ざい巽たつみ體たい。《易えき》云うん：「輿こし說せつ輻や，夫妻ふさい反目はんもく」。

〈不義ふぎ之の兆ちょう。〉

夏至げし起おこり純じゅん陰かげ，陽ひ爻位伏ふく藏ぞう；冬至とうじ陽ひ爻動，陰氣いんき凝しこり地ち。

陰陽いんよう升ます降くだ，以柔為ため剛つよし，見み中ちゅう虛きょ文明ぶんめい，積せき氣き居きょ內象。

〈九きゅう二に適てき變へん入いれ離はなれ。〉

次つぎ降くだ入にゅう風ふう火ひ家人かじん卦け。

䷤　離はなれ下か巽たつみ上じょう　家人かじん

乾いぬい剛つよし俱變文明ぶんめい，內外相應そうおう，

〈九きゅう五ご應おう六ろく二に爻。〉

陰陽いんよう得とく位い，居中きょちゅう履くつ正ただし。火ひ上見うわみ風ふう，家人かじん之の象ぞう。閑邪存そん誠まこと，嗃嗃得どく中ちゅう，互體見み文明ぶんめい，家いえ道どう明也あきや。內平遇ぐう坎，

〈（虎とら易えき注ちゅう：平ひら字じ疑うたぐ為ため互字之の誤あやま。因よし為ため家人かじん卦け的てき互卦為ため未濟みさい卦け，其互內卦為ため坎卦，因いん此，此處ここら當とう以「內互遇ぐう坎」較為適當てきとう。）〉

險けん象ぞう，家人かじん難なん也。酌しゃく中ちゅう之の義よし，在ざい於六ろく二に。與あずか離はなれ為ため飛ひ伏ふく。

〈己おのれ丑うし土ど，辛からし亥い水すい。〉

建たて始はじめ癸みずのと卯う至いたり戊つちのえ申さる，

〈春分しゅんぶん，立秋りっしゅう。〉

積算せきさん起おこり戊つちのえ申さる至いたり丁未ていみ，金きむ土入どうにゅう離はなれ巽たつみ。

〈金きむ土入どうにゅう卦け同どう積算せきさん。〉

大夫たいふ居きょ世よ，應おう九きゅう五ご立りつ君くん位い。

五星從位起太陰，

〈太陰たいいん，北方ほっぽう，入にゅう卦け起おこり宮みや推算すいさん。〉

箕み宿やど從したがえ位い降くだ己おのれ丑うし，

〈二十八宿にじゅうはっしゅく，分ふん箕み宿やど入にゅう家人かじん卦け，在ざい己おのれ丑うし土ど上じょう。〉

分ぶん氣候きこう其數三さん十じゅう六ろく。

〈三さん十じゅう六ろく起おこり數すう家人かじん卦け，推入積算せきさん休きゅう咎とがめ。〉

火ひ木き分ぶん形がた，陰陽いんよう得とく位い，內外相がいしょう資し，二に氣き相しょう和わ。君くん君臣くんしん臣しん，父ちち父子ふし子こ，兄あに兄弟きょうだい弟おとうと。《易えき》曰：「家人かじん嗃嗃，父子ふし嘻嘻」。治ち家か之の道みち，分ふん於此也。吉凶きっきょう之の義ぎ配はい五ご行ぎょう進退しんたい，

〈六ろく五ご進退しんたい，吉凶きっきょう於陰陽ひ。陰陽いんよう得とく起おこり，在ざい於四よん時じ運動うんどう，吉凶きっきょう見み矣，分ふん內外矣。二象配天地星辰，合ごう命いのち定てい吉凶きっきょう。〉

文明ぶんめい運動うんどう變化へんか之の象ぞう。

九きゅう三さん適てき陰かげ入いれ震ふるえ，風ふう為ため雷かみなり，合ごう曰益。次つぎ降くだ風ふう雷かみなり益えき卦け。

䷩　震ふるえ下か巽たつみ上じょう　益えき

天地あまち不ふ交曰否ひ。六ろく二に陰かげ上じょう柔やわら剛つよし，九きゅう四よん下降かこう積せき陰かげ，故こ為ため益えき。《易えき》曰：「損そん上じょう益えき下か」。雷かみなり動どう風ふう行ぎょう，男おとこ下女げじょ上じょう。

〈震ふるえ男おとこ，巽たつみ女おんな。〉

陽ひ益えき陰かげ，君くん益えき於民之の象ぞう也。互見坤ひつじさる，坤ひつじさる道どう柔順じゅうじゅん。又また外見がいけん艮うしとら，艮うしとら止とめ陽ひ益えき陰かげ，止とめ于陽，柔道じゅうどう行ぎょう也。

〈內外順じゅん動どう，風ふう雷かみなり益えき。四よん象ぞう分明ふんみょう，剛つよし柔やわら定てい矣。〉

與あずか震ふるえ為ため飛ひ伏ふく。

〈庚かのえ辰たつ土ど，辛からし酉とり金きん。〉

六ろく三さん三さん公おおやけ居きょ世よ，上うえ九きゅう宗廟そうびょう為ため應おう。

建たて始はじめ甲かぶと辰たつ至いたり己おのれ酉とり，

〈清明せいめい，秋分しゅうぶん。〉

積算せきさん起おこり己おのれ酉とり至いたり戊つちのえ申さる，周しゅう而復始はじめ。土ど金入かねいれ震ふるえ巽たつみ。

〈起おこり積せき配はい風ふう雷かみなり益えき卦け起おこり宮みや。〉

五星從位起歲星，

〈木星もくせい入にゅう卦け。〉

計けい宿やど從したがえ位い降くだ庚かのえ辰たつ，

〈（虎とら易えき注ちゅう：計けい宿やど，即そく是ぜ斗と宿やど。）〉

〈二十八宿にじゅうはっしゅく，分ふん計けい宿やど入いれ風ふう雷かみなり益えき六ろく二に庚かのえ辰たつ土ど上じょう。〉

分ぶん氣候きこう二に十じゅう八はち。

〈起おこり二に十じゅう八はち數すう，積算せきさん吉凶きっきょう，周しゅう而復始はじめ。〉

陰陽いんよう二に木き，合金ごうきん土ど配はい象ぞう，四よん時じ運轉うんてん，六ろく位い交分，休きゅう廢はい旺生，吉凶きっきょう見み乎動爻。配はい日月じつげつ星辰せいしん進退しんたい，運氣うんき升ます降くだ，復ふく當とう何なん位い。

〈金きむ、水みず、木き、火ひ、土ど。〉

適てき變へん于外，陽ひ入にゅう陰かげ爻。二象健而動，屬ぞく於天地ち也。

〈天てん陽ひ，震ふるえ雷かみなり亦また陽ひ也。二に氣き相しょう激げき，動どう而健，天てん行ぎょう也。〉

陰陽いんよう相しょう蕩とろけ，次じ降くだ入にゅう天てん雷かみなり無む妄卦。

䷘　震ふるえ下か乾いぬい上じょう　無む妄

乾いぬい剛つよし震動しんどう，二に氣き運轉うんてん，天てん下見したみ雷かみなり，行ぎょう正之まさゆき道どう，剛つよし正せい陽ひ長ちょう，物もの無む妄矣。內互見み艮うしとら，止とめ于純陽ひ；外がい互見巽たつみ，順じゅん于陽道どう。天てん行ぎょう健けん而動，剛つよし正せい於物，物もの則そく順じゅん也。金木かなぎ配はい象ぞう，吉凶きっきょう明あかり矣。

〈金木かなぎ配はい乾いぬい震しん入にゅう卦け。〉

與あずか乾いぬい為ため飛ひ伏ふく。

〈壬みずのえ午うま火ひ，辛からし未み土ど。〉

九きゅう四よん諸侯しょこう在世ざいせい，初はつ九きゅう元げん士し立たて應おう上じょう。

建たて始はじめ乙おつ巳み至いたり庚かのえ戌いぬ，

〈小滿しょうまん，寒露かんろ。〉

積算せきさん起おこり庚かのえ戌いぬ至いたり己おのれ酉とり，周しゅう而復始はじめ。火ひ土入どうにゅう乾いぬい震しん。

〈火ひ土ど分ぶん乾いぬい震ふるえ，入にゅう無む妄卦起おこり積算せきさん。〉

五星從位起熒惑，

〈火星かせい入にゅう卦け定てい吉凶きっきょう。〉

牛うし宿やど從したがえ位い降くだ壬みずのえ午うま，

〈二十八宿にじゅうはっしゅく，分ふん牛うし宿やど入いれ無む妄壬午うま火ひ位い上じょう。〉

分ぶん氣候きこう三さん十じゅう六ろく。

〈三さん十じゅう六ろく數すう，起おこり卦け積算せきさん。〉

上うえ金下かなげ木き，二に象ぞう相しょう沖おき，陰陽いんよう升ます降くだ，健けん而動。內見一いち陽ひ，應おう動どう剛ごう。五ご行ぎょう分配ぶんぱい，吉凶きっきょう半はん矣。

〈二に氣き各かく爭そう。〉

九五適變入文柔，陰かげ蕩とろけ陽ひ爻歸復位ふくい。剛つよし柔やわら履くつ次じ，明あきら在外ざいがい；進退しんたい吉凶きっきょう，見み中ちゅう虛むなし。次つぎ降くだ入にゅう火ひ雷かみなり噬嗑卦け。

䷔　震ふるえ下か離はなれ上じょう　噬嗑

柔やわら來らい文ぶん剛つよし，積せき氣き居中きょちゅう，陰かげ道どう明白めいはく，動どう見み文明ぶんめい。雷電らいでん合あい，分ふん威光いこう，而噬嗑也。《易えき》曰：「頤中有ちゅうう物ぶつ，曰噬嗑」。陰陽いんよう分ぶん中ちゅう，動どう而明；

〈象ぞう雷電らいでん也。〉

物もの有ゆう不ふ齊ひとし，齧かじ而噬。

〈（虎とら易えき注ちゅう：齧かじ為ため（齧かじ）的てき繁體字はんたいじ，讀音：nie，四聲しせい。意い為ため：啃或咬。）〉

吉凶きっきょう之の道みち，象ぞう於五ご行ぎょう。順じゅん則そく吉きち，逆ぎゃく則のり凶きょう。火ひ木き合あい卦け配はい升ます降くだ。與あずか離はなれ為ため飛ひ伏ふく。

〈己おのれ未み土ど，辛からし巳み火ひ。〉

六ろく五ご居きょ尊みこと，應おう六ろく二に大夫たいふ。

建たて始はじめ丙午ひのえうま至いたり辛からし亥い，

〈芒すすき種しゅ，小雪こゆき。〉

積算せきさん起おこり辛からし亥い至いたり庚かのえ戌いぬ，周しゅう而復始はじめ。火ひ土入どうにゅう離はなれ震しん。

〈分ぶん火ひ土ど二に位い入いれ噬嗑卦け，起おこり積算せきさん爻，推配星辰せいしん，歲月さいげつ日時にちじ，進退しんたい吉凶きっきょう。〉

五星從位起鎮星，

〈土星どせい入にゅう卦け。〉

女おんな宿やど從したがえ位い降くだ己おのれ未み土ど，

〈二十八宿にじゅうはっしゅく，分ふん女おんな宿やど入にゅう卦け六ろく五ご己おのれ未み土ど也。〉

分ぶん氣候きこう二に十じゅう八はち。

〈從したがえ二に十じゅう八はち位い數すう起おこり八卦はっけ，算さん吉凶きっきょう。〉

火ひ居きょ水上すいじょう，陽ひ中ちゅう見み陰かげ，陽ひ雜ざつ氣き渾而溷，

〈（虎とら易えき注ちゅう：溷：讀音：hun，四聲しせい。意い為ため：混濁こんだく。）〉

吉凶きっきょう適てき變へん，隨時ずいじ見み也。返かえし復ふく陰かげ，遊ゆう魂たましい入にゅう卦け。

〈降下こうか九きゅう四よん陽ひ入にゅう陰かげ。〉

五ご行ぎょう進退しんたい，始終しじゅう之の道みち，斯可驗けん矣。升ます降くだ六ろく爻，極ごく返かえし終おわり，下降かこう山さん雷いかつち頤卦。

䷚　震ふるえ下か艮うしとら上じょう　頤

六ろく位い上下じょうげ，周しゅう而復始はじめ，內外交互こうご，降くだ入にゅう純じゅん陰かげ。

〈見み坤ひつじさる象ぞう居中きょちゅう。〉

地ち之の氣き，萃在其中。

〈上下じょうげ陽ひ位い包つつみ陰かげ。〉

積せき純じゅん和之かずゆき氣き，見み浩然こうぜん之の道みち，明あきら矣。土木どぼく配はい象ぞう，吉凶きっきょう從したがえ六ろく虛きょ。

〈六ろく虛きょ即そく六ろく爻也。〉

與あずか震ふるえ為ため飛ひ伏ふく。

〈（虎とら易えき注ちゅう：「與あずか震ふるえ為ため飛ひ伏ふく」。當とう是ぜ「與あずか離はなれ為ため飛ひ伏ふく」之の誤あやま。）〉

〈丙へい戌いぬ土ど，己おのれ酉とり金きん。〉

六ろく四よん諸侯しょこう在世ざいせい，元もと士し之の初はつ九きゅう見み應おう。

建たて始はじめ辛からし亥い至いたり丙へい辰たつ，

〈小雪こゆき，清明せいめい。〉

積算せきさん起おこり丙へい辰たつ至いたり乙おつ卯う，周しゅう而復始はじめ。土木どぼく入にゅう艮うしとら震ふるえ。

〈分ぶん土木どぼく二に象ぞう，入にゅう卦け算さん吉凶きっきょう。〉

五星從位起太白，

〈金星かなぼし西方せいほう，入いれ八はち月がつ卦け上じょう沖おき。〉

虛きょ宿やど從したがえ位い降くだ丙へい戌いぬ土ど，

〈二十八宿にじゅうはっしゅく，分ふん虛きょ宿やど入にゅう頤六ろく四よん丙へい戌いぬ土ど上じょう。〉

分ぶん氣候きこう三さん十じゅう六ろく。

〈起おこり數すう二に十じゅう八はち，推六ろく爻吉凶きっきょう之の位くらい。〉

〈虎とら易えき注ちゅう：起おこり數すう二に十じゅう八はち，當為とうい：起おこり數すう三さん十じゅう六ろく之これ誤あやま。〉

山下やました有ゆう雷かみなり止とめ而動，陰陽いんよう通どおり變へん分ぶん氣候きこう。內外剛つよし而積中ちゅう柔やわ，升しょう降くだ遊ゆう魂たましい，下居おりい六ろく四よん位い，特とく分ぶん，復歸ふっき於本，

〈游ゆう魂たましい返かえし居きょ六ろく四よん，入にゅう卦け周しゅう始はじめ，爻位遷次，明あきら矣。〉

吉凶きっきょう起おこり於六ろく四よん，次じ環たまき六ろく位い，星宿せいしゅく躔次也。

極ごく則のっと反はん本ほん，降くだ入にゅう歸き魂たましい山風やまかぜ蠱卦。

䷑　巽たつみ下か艮うしとら上じょう　蠱

適てき六ろく爻，陰陽いんよう上下じょうげ，本道ほんどう存そん也。氣運きうん周しゅう而復始はじめ。山やま下見したみ風ふう，止とめ而順；內互悅えつ而動。《易えき》云うん：「蠱者，事こと也」。

〈（虎とら易えき注ちゅう：「蠱者，事こと也」。語かたり出で序じょ卦け傳でん。）〉

先さき甲かぶと後ご甲かぶと，事こと分ぶん而令行ぎょう。金かね土合どあい木き象ぞう，復ふく本ほん曰歸魂たましい。與あずか震ふるえ為ため飛ひ伏ふく。

〈辛からし酉とり金きん，庚かのえ辰たつ土ど。〉

九三歸魂立三公在世，應おう上じょう九きゅう見み宗廟そうびょう。

建たて始はじめ庚かのえ戌いぬ至いたり乙おつ卯う，

〈寒露かんろ，春分しゅんぶん。〉

積算せきさん起おこり乙おつ卯う至いたり庚かのえ寅とら，

〈（虎とら易えき注ちゅう：庚かのえ寅とら疑うたぐ為ため甲きのえ寅とら之の誤あやま。）〉

周しゅう而復始はじめ。土木どぼく入にゅう艮うしとら巽たつみ。

〈土木どぼく分ぶん艮うしとら巽たつみ宮みや。〉

五星從位起太陰，

〈太陰たいいん水星すいせい入にゅう卦け用よう。〉

危宿從したがえ位い降くだ辛からし酉とり金きん，

〈二十八宿にじゅうはっしゅく，危宿入にゅう巽たつみ歸き魂たましい山風やまかぜ蠱，九きゅう三さん辛からし酉とり金位きんい上じょう。〉

分ぶん氣候きこう二に十じゅう八はち。

〈起おこり積算せきさん數すう二に十じゅう八はち，卦け宮みや定吉さだきち凶きょう。〉

木き上見うわみ土ど，風ふう落山，貞さだ，幹みき于父事ごと。陰陽いんよう復位ふくい，長幼ちょうよう分ぶん焉。八卦はっけ迴圈，始はじめ於巽，歸かえり魂たましい內象見み還元かんげん。六ろく爻進退しんたい，吉凶きっきょう在ざい於四よん時じ。積算せきさん起おこり宮みや，從したがえ乎建始はじめ。

〈卦け用よう及身也。〉

升ます陰陽いんよう，巽たつみ宮みや適てき變へん入いれ離はなれ，文ぶん柔やわら分ぶん矣。陰かげ入にゅう陽ひ退すさ，見み中ちゅう虛きょ，次じ水中すいちゅう女おんな。

〈（虎とら易えき注ちゅう：「水みず」字じ疑うたぐ為ため「入いれ」或ある者もの「降くだ」字じ之の誤あやま。）〉

八卦はっけ相しょう蕩とろけ，陰陽いんよう定位ていい，遷入離宮りきゅう八卦はっけ，純じゅん火ひ，以日用事ようじ。

䷝　離はなれ下か離はなれ上じょう　離はなれ

本ほん于純陽ひ，陰氣いんき貫中かんちゅう，稟於剛健ごうけん，見み乎文明ぶんめい。故こ《易えき》曰：「君子くんし以繼明あきら照あきら于四方しほう」。

〈（虎とら易えき注ちゅう：此句出で於象辭やめ，原はら句く為ため：「象ぞう曰：明あきら兩りょう作さく，離はなれ，大人おとな以繼明あきら照あきら于四方しほう。」其中的てき「君子くんし」當為とうい「大人おとな」之の誤あやま。）〉

〈離はなれ卦け中ちゅう虛むなし，始はじめ於乾象ぞう。純じゅん則のり健けん，不能ふのう柔やわら明あきら，故ゆえ以北いほく方かた陰氣いんき貫中かんちゅう，柔やわら剛つよし而文明也あきや。〉

陽ひ為ため陰かげ主ぬし，陽ひ伏ふく于陰也。

〈成なり卦け義よし在ざい六ろく五ご。〉

是ぜ以體離はなれ，為ため日び為ため火ひ，始はじめ于陽象ぞう而假以陰氣き。純じゅん用よう剛健ごうけん，不能ふのう明あかり照あきら，故こ以陰氣いんき入にゅう陽ひ，柔やわら於剛健ごうけん而能順じゅん柔やわ，中ちゅう虛きょ見み火ひ象ぞう也。

〈是ぜ以離取と中ちゅう虛きょ，氣炎きえん方かた能のう照あきら物ぶつ，日にち昌あきら火ひ，本ほん陽ひ象ぞう也。純じゅん以陰，又また不能ふのう乾いぬい於物，純じゅん以陽，又また暴於物ぶつ，故こ取と陰かげ柔やわら於中女おんな，能成よしなり於物也。〉

與あずか坎為飛ひ伏ふく。

〈己おのれ巳み火ひ，戊子ぼし土ど。〉

〈（虎とら易えき注ちゅう：戊子ぼし土ど當為とうい戊子ぼし水すい之の誤あやま。）〉

宗廟そうびょう為ため世よ，應おう上見うわみ三さん公おおやけ。

〈上うえ九きゅう，九きゅう三さん。〉

建たて始はじめ戊つちのえ申さる至いたり癸みずのと丑うし，

〈立秋りっしゅう至いたり大寒だいかん。〉

積算せきさん起おこり癸みずのと丑うし至いたり壬みずのえ子こ，

〈火取ひど胎月至いたり本ほん月がつ。〉

周しゅう而復始はじめ。土ど水すい二象入離火位，

〈土ど水すい二に位い入いれ卦け起算きさん。〉

五星從位起歲星，

〈木星もくせい入いれ火ひ宮みや卦け。〉

室しつ宿やど從したがえ位い降くだ己おのれ巳み火ひ，

〈二十八宿にじゅうはっしゅく，分室ぶんしつ宿やど入にゅう離宮りきゅう上じょう九己巳火上也。〉

分ぶん氣候きこう三さん十じゅう六ろく。

〈積算せきさん起おこり數すう三さん十じゅう六ろく，立だて位い定てい吉凶きっきょう。〉

內外二に象ぞう，配はい於火土ど為ため祥さち。

〈土ど火入ひいれ離はなれ為ため祥さち。〉

互見悅えつ順じゅん，著ちょ于明麗うらら。

〈兌巽二に象ぞう。〉

陰陽いんよう升ます降くだ入にゅう初はつ九きゅう，適てき變へん從したがえ陰かげ，止とめ於艮象ぞう。

〈內卦變へん也。〉

吉凶きっきょう從したがえ位い，起おこり至いたり六ろく五ご，休きゅう廢はい在ざい何なん爻。

〈看み當とう何なん位い金きん水木みずき火ひ土ど，與本よもと宮刑きゅうけい宮みや。〉

次つぎ降くだ入にゅう火山かざん旅たび卦け。

〈初はつ九きゅう爻變之の。〉

䷷　艮うしとら下か離はなれ上じょう　旅たび

陰かげ中ちゅう見み陽ひ，蕩とろけ入にゅう陽ひ中ちゅう。陰陽いんよう二に氣き交互こうご，見本みほん象ぞう。火ひ居きょ山上さんじょう，為ため旅たび之の義ぎ。

〈離はなれ為ため陰かげ，初はつ九きゅう為ため陽ひ；艮うしとら為ため陽ひ，初はつ六ろく為ため陰かげ。二に氣き交互こうご，上うえ下見したみ木き也。火ひ在ざい上うえ，無む止とめ象ぞう，旅たび之の義ぎ。〉

《易えき》曰：「旅人たびびと先さき笑わらい後ご號ごう咷」。又また曰：「得とく其資斧おの」。仲なか尼に為ため旅人たびびと，固かた可知かち矣。

〈旅たび卦け為ため取と象ぞう，火ひ在ざい山上さんじょう顯あきら露ろ無む止とめ，五ご行ぎょう入いれ卦け消息しょうそく，去さ此遷也。〉

與あずか艮うしとら為ため飛ひ伏ふく。

〈丙へい辰たつ土ど，己おのれ卯木うつぎ。〉

其居初はつ六ろく元げん士し，九きゅう四よん諸侯しょこう見み應おう。

建たて始はじめ己おのれ酉とり至いたり甲きのえ寅とら，

〈秋分しゅうぶん，立春りっしゅん。〉

積算せきさん起おこり甲きのえ寅とら至いたり癸みずのと丑うし，周しゅう而復始はじめ。火ひ土木どぼく入いれ離はなれ艮うしとら。

〈火ひ木き土入どうにゅう卦け起おこり積算せきさん。〉

五星從位起熒惑，

〈火星かせい入にゅう卦け見本みほん象ぞう。〉

壁かべ宿やど從したがえ位い降くだ丙へい辰たつ，

〈二十八宿にじゅうはっしゅく，壁かべ宿やど入にゅう旅たび卦け初はつ六丙辰土位上起算。〉

分ぶん氣候きこう三さん十じゅう六ろく。

〈分ぶん三さん十じゅう六ろく數すう起おこり卦け推算すいさん。〉

火ひ土ど同どう宮みや，二に氣合きあい應おう，陰陽いんよう相對そうたい，吉凶きっきょう分ぶん乎陰位い。上うえ九きゅう陽ひ居きょ宗廟そうびょう，得喪とくそう于易。六ろく五ご為ため卦け之の主おも，不ふ系けい於一凶きょう，其宜也。

內象適てき變へん，蕩とろけ陰かげ入にゅう陽ひ，巽たつみ順じゅん於外，進退しんたい意い器き，外そと象ぞう明あきら，應おう內，為ため鼎かなえ。次つぎ降くだ火ひ從したがえ風ふう入にゅう鼎かなえ。

〈初はつ九きゅう之の初はつ六ろく，六ろく二に之の九きゅう二に，巽たつみ為ため風ふう，離はなれ象ぞう火ひ，曰鼎。〉

䷱　巽たつみ下か離はなれ上じょう　鼎かなえ

木き能のう巽たつみ火ひ，故こ鼎かなえ之の象ぞう。亨とおる飪見新しん，供きょう祭さい明あきら矣。《易えき》曰：「鼎かなえ取と新しん」。

〈（虎とら易えき注ちゅう：此句出で於雜卦け傳でん，原はら句く為ため「鼎かなえ，取と新也しんや」。）〉

〈木見きみ火中かちゅう，發火はっか木き相しょう資し，象ぞう鼎かなえ之の兆ちょう。下した穴あな為ため足あし，中ちゅう虛きょ見み納おさめ，飪熟之の義明よしあき矣。凡飪熟じゅく，享とおる祀まつ為ため先さき。故こ曰供祭まつり明あきら矣。變へん生せい也。〉

陰陽いんよう得とく應おう，居中きょちゅう履くつ順じゅん，三公みつきみ之の義よし，繼つぎ於君也。

〈九三成鼎之德，六ろく五ご委任いにん得とく賢けん臣しん，假かり之これ位い，以斯明あかり矣。〉

陰かげ穴見あなみ火ひ，順じゅん於上也；中ちゅう虛きょ見み納おさめ，受辛於內也。金玉きんぎょく之の鉉在乎陽，饗きょう新しん亨とおる飪在乎陰。與あずか巽たつみ為ため飛ひ伏ふく。

〈辛からし亥い水すい，己おのれ丑うし土ど。〉

九二立大夫為世，六ろく五ご居きょ尊みこと見み應おう。

建たて始はじめ庚かのえ戌いぬ至いたり乙おつ卯う

〈寒露かんろ，春分しゅんぶん。〉

積算せきさん起おこり乙おつ卯う至いたり甲きのえ寅とら，周しゅう而復始はじめ。分ぶん土木どぼく入いれ離はなれ巽たつみ。

〈分ぶん土木どぼく二象入離巽，配はい鼎かなえ卦け。〉

五星從位起鎮星，

〈土星どせい入いれ火ひ宮みや。〉

奎宿從したがえ位い降くだ辛からし亥い水すい，

〈二十八宿にじゅうはっしゅく，分ふん奎宿入にゅう鼎かなえ卦け九きゅう二に辛からし亥い位い上じょう。〉

分ぶん氣候きこう三さん十じゅう六ろく。

〈起おこり宮みや數すう三さん十じゅう六宮配卦算吉凶。〉

火ひ居きょ木上きのうえ，二に氣き交合こうごう，陰陽いんよう巽たつみ順じゅん，器具きぐ形成けいせい。金玉きんぎょく堅けん剛つよし，配はい象ぞう陰陽いんよう，升しょう降くだ六ろく位い，遞相遷次，

九きゅう三さん適てき變へん，以陽入にゅう陰かげ，見み乎坎險けわし。

〈鼎かなえ九きゅう三さん爻之義よし，陰かげ成なり坎卦，外そと象ぞう，內坎外がい離はなれ，二に氣き不ふ交，見み未濟みさい卦け。〉

降くだ入水じゅすい火ひ未濟みさい卦け。

〈（虎とら易えき注ちゅう：水火すいか未濟みさい，當為とうい火水ひみず未濟みさい之の誤あやま。）〉

䷿　坎下離はなれ上じょう　未濟みさい

陰陽いんよう二に位い，各かく復ふく本體ほんたい，六ろく爻交互こうご，異い於正象ぞう，

〈離はなれ炎上えんじょう，坎務下か，二に象ぞう不ふ合ごう，各かく殊こと。陰陽いんよう交納，是ぜ以異於本象ぞう也。〉

故こ取と未濟みさい名めい之の。世よ應おう得とく位い，陰陽いんよう殊こと途と，

〈九きゅう二に，六ろく五ご。〉

性せい命いのち不ふ交，吉凶きっきょう列れつ矣。

〈坎性，離はなれ命いのち。〉

與あずか坎為飛ひ伏ふく。

〈戊つちのえ午うま火ひ，己おのれ亥い水すい。〉

六ろく三さん三さん公おおやけ為ため世よ，應おう宗廟そうびょう。

〈上うえ九きゅう。〉

建たて始はじめ辛からし亥い至いたり丙へい辰たつ，

〈小雪こゆき，清明せいめい。〉

積算せきさん起おこり丙へい辰たつ至いたり丁ちょう卯しげる，

〈（虎とら易えき注ちゅう：丁ちょう卯しげる疑うたぐ為ため乙おつ卯う之の誤あやま。）〉

水みず土ど二象入離坎。

〈分水ぶんすい土入どうにゅう卦け。〉

五星從位起太白，

〈金星かなぼし入にゅう離宮りきゅう，卦け分ぶん六ろく爻。〉

婁宿從したがえ位い降くだ戊つちのえ午うま火ひ，

〈二十八宿にじゅうはっしゅく，分ふん婁宿入にゅう未濟みさい九きゅう二に戊つちのえ午うま火ひ位い上じょう，定てい吉凶きっきょう，入にゅう積算せきさん。〉

分ぶん氣候きこう二に十じゅう八はち。

〈積算せきさん二に十じゅう八はち數すう至いたり吉凶きっきょう處しょ。〉

水火すいか二に象ぞう，坎離相しょう納おさめ，受性本ほん異こと，立だて位い見み隔へだた，睽於上下じょうげ，吉凶きっきょう生せい也。

〈子こ午うま之の位くらい。〉

受刑じゅけい見み害がい，氣き不ふ合ごう也。

陰陽いんよう升ます降くだ，入にゅう於外卦け，適てき離はなれ為ため艮うしとら，上うえ著ちょ於象。

〈艮うしとら上じょう著ちょ離はなれ也。〉

天地てんち盈虛えいきょ，與あずか時とき消息しょうそく，其大也。次つぎ降くだ入にゅう山水さんすい蒙こうむ卦け。

䷃　坎下艮うしとら上じょう　蒙こうむ

積せき陽ひ居きょ陰かげ，止とめ於坎陷。養やしなえ純正じゅんせい素もと，居中きょちゅう得とく位い。《易えき》云うん：「山下やました出いずる泉いずみ，蒙こうむ」。

〈（虎とら易えき注ちゅう：此句出で象ぞう辭じ。）〉

二に象ぞう摽正，天下てんか通どおり也。擊げき暗くら釋しゃく疑うたぐ，陽ひ道行みちゆき也；內實外がい正ただし，暗くら得え明あきら，陰かげ附ふ于陽，稚やや道どう亨とおる也。故こ曰：「蒙こうむ養やしなえ正ただし」。與あずか艮うしとら為ため飛ひ伏ふく。

〈丙へい戌いぬ土ど，乙おつ酉とり金きん。〉

〈（虎とら易えき注ちゅう：乙おつ酉とり金きん當為とうい己おのれ酉とり金きん之の誤あやま。）〉

諸しょ位い立りつ世よ，

〈（虎とら易えき注ちゅう：諸しょ位い當とう是ぜ諸侯しょこう之の誤あやま。）〉

元もと士し為ため應おう。

〈六ろく四よん，初はつ六ろく。〉

建たて始はじめ壬みずのえ子こ至いたり丁ひのと巳み，

〈大雪おおゆき，小滿しょうまん。〉

積算せきさん起おこり丁ひのと巳み至いたり丙へい辰たつ，周しゅう而復始はじめ。火ひ土入どうにゅう艮うしとら坎。

〈火ひ土ど二象入卦同算。〉

五星從位起太陰，

〈水星すいせい北方ほっぽう，入にゅう宮みや起算きさん。〉

胃い宿やど從したがえ位い降くだ丙へい戌いぬ土ど，

〈二十八宿にじゅうはっしゅく，分ふん胃い宿やど入いれ蒙こうむ卦け六ろく四よん丙へい戌いぬ土ど上じょう。〉

分ぶん氣候きこう三さん十じゅう六ろく。

〈起おこり數すう二に十じゅう八はち，從したがえ六ろく位い推算すいさん。〉

〈（虎とら易えき注ちゅう：二に十じゅう八はち當為とうい三さん十じゅう六ろく之これ誤あやま。）〉

山やま下見したみ水すい，畜聚居中きょちゅう，分流ぶんりゅう萬まん派は，六ろく位い不ふ居い，吉凶きっきょう適てき變へん，水みず土ど分ぶん也。

〈五ご行ぎょう入いれ卦け算さん吉凶きっきょう，逐四よん時じ行ぎょう囚しゅう廢はい王おう，吉則よしのり王おう，凶きょう則そく廢はい。〉

〈（虎とら易えき注ちゅう：王おう通とおる旺之義ぎ。）〉

陰陽いんよう進退しんたい，歲さい時じ物ぶつ也。六ろく五ご陽ひ中ちゅう積せき陰かげ，入にゅう巽たつみ見み陰かげ中陽ちゅうよう，二に氣き相しょう蕩とろけ，不可ふか盈みつる望もち。次つぎ降くだ入にゅう風水ふうすい渙きよし卦け。

〈六ろく五ご變へん入いれ九きゅう五ご，陽ひ中陰ちゅういん入にゅう陽ひ中陽ちゅうよう，適てき變へん往于他た宮みや，位い不出ふしゅつ本宮ほんぐう。〉

䷺　坎下巽たつみ上じょう　渙きよし

水上すいじょう見み木き，渙きよし然しか而合，

〈渙きよし者しゃ，散ち也。〉

內外健けん而順，納おさめ實じつ居中きょちゅう正ただし，互見動どう而上，

〈（虎とら易えき注ちゅう：上うえ疑うたぐ為ため止とめ之の誤あやま。）〉

〈虛きょ舟行しゅうこう也。〉

陰陽いんよう二に象ぞう，資し而益也。風ふう行水ぎょうずい上じょう，處ところ險けわし非ひ溺おぼれ也。

〈木き浮于水すい也。〉

九五履正思順，非ひ偪也。

〈（虎とら易えき注ちゅう：偪通逼，音義おんぎ同どう。）〉

與あずか巽たつみ為ため飛ひ伏ふく。

〈辛からし巳み火ひ，己おのれ未み土ど。〉

九きゅう五ご居きょ尊みこと，大夫たいふ應おう。

〈九きゅう二に爻也。〉

建たて始はじめ癸みずのと丑うし至いたり戊つちのえ午うま，

〈大寒だいかん，芒すすき種しゅ。〉

積算せきさん起おこり戊つちのえ午うま至いたり丁ひのと巳み，周しゅう而復始はじめ。火ひ土入どうにゅう坎巽。

〈火ひ土ど二に象ぞう入にゅう坎巽，配はい火ひ宮みや渙きよし卦け起算きさん。〉

五星從位起歲星，

〈木星もくせい入いれ火ひ宮本みやもと象ぞう。〉

昴すばる宿やど從したがえ位い降くだ辛からし巳み火ひ，

〈二十八宿にじゅうはっしゅく，分ふん昴すばる宿やど入にゅう渙きよし九きゅう五ご辛からし巳み火ひ位い上じょう。〉

分ぶん氣候きこう其數二に十じゅう八はち。

〈起算きさん從したがえ二に十じゅう八位上推六爻吉凶，歲月さいげつ日時にちじ為ため候こう。〉

內卦坎中滿まん，一陽いちよう居中きょちゅう，積せき實じつ於內，風ふう在外ざいがい行ぎょう，虛きょ聲ごえ外がい順じゅん。吉凶きっきょう之の位くらい，考こう乎四序じょ，盛衰せいすい之の道みち，在ざい乎機要よう。陰陽いんよう死し于位，生なま於時；死し于時，生なま於位。進退しんたい不可ふか詰つめ，正せい盛もり則そく衰おとろえ來らい，正せい衰おとろえ則そく盛もり來らい。《易えき》曰：「積善せきぜん之の家いえ必有餘慶よけい，積せき不善ふぜん之の家いえ必有餘あまり殃」。

八卦はっけ始終しじゅう，六ろく虛きょ反復はんぷく，遊ゆう魂たましい生せい巽たつみ入いれ乾ひ，為ため天水てんすい訟卦。

䷅　坎下乾いぬい上じょう　訟

生生せいせい不ふ絕ぜっ之の謂いい道どう。六ろく位い不ふ居い，返かえし為ため遊ゆう魂たましい。離宮りきゅう八卦以訟為反四，

〈五ご至いたり四よん也。〉

天與てんよ水すい違たがえ，曰訟。

〈天道てんとう西行さいぎょう，水みず東ひがし流りゅう，其路背せ也。外そと象ぞう乾ひ，西北せいほく方かた之の卦け；內坎水すい，正せい北方ほっぽう之の卦け，其流東ひがし也。二に氣き不ふ交，曰訟。〉

五ご行ぎょう所しょ占うらない六ろく位い定じょう吉凶きっきょう，非ひ所しょ背せ，順じゅん為ため正ただし。金かね與あずか水みず，二に氣き相しょう資し，父子ふし之の謂いい。健けん與あずか險けわし，內外相がいしょう激げき，家いえ國こく之の義ぎ。出で象かたど故こ以則，斯可驗けん矣。與あずか巽たつみ為ため飛ひ伏ふく。

〈壬みずのえ午うま火ひ，辛からし未み土ど。〉

諸侯しょこう居きょ世よ，元もと士し見み應おう。

〈九きゅう四よん，初はつ六ろく。〉

建たて始はじめ戊つちのえ午うま至いたり癸みずのと亥い，

〈芒すすき種しゅ，小雪こゆき。〉

積算せきさん起おこり癸みずのと亥い至いたり壬みずのえ戌いぬ，周しゅう而復始はじめ。火水ひみず入にゅう卦け。

〈火水ひみず二に象ぞう入にゅう離宮りきゅう，配はい六ろく位い積算せきさん，推日月がつ歲とし時じ。〉

五星從位起熒惑，

〈火星かせい入いれ火ひ宮みや，同どう起おこり積算せきさん。〉

畢宿從したがえ位い降くだ壬みずのえ午うま火ひ，

〈二十八宿にじゅうはっしゅく，分ふん畢宿東方とうほう宿やど，入にゅう離はなれ遊ゆう魂たましい天水てんすい訟卦九四壬午火上也。〉

分ぶん氣候きこう三さん十じゅう六ろく。

〈起おこり宮みや從したがえ三さん十じゅう六ろく位い算さん吉凶きっきょう。〉

天てん下見したみ水すい，陰陽いんよう相しょう背せ，二に氣き不ふ交，物もの何なん由よし生せい。吉凶きっきょう宗むね於上九きゅう，進退しんたい見み於九四よん，二に居中きょちゅう履くつ正せい，得とく其宜也。

陰陽いんよう升ます降くだ，復歸ふっき內象。

〈陰かげ去さ陽ひ來復らいふく本位ほんい，內見離はなれ，同人どうじん。〉

次つぎ降くだ天火てんか同人どうじん卦け。

〈次つぎ本ほん陽ひ上下じょうげ，二に爻陰，適てき變へん從したがえ離はなれ也。〉

䷌　離はなれ下か乾いぬい上じょう　同人どうじん

二に氣き同どう進すすむ，健けん而炎上じょう，

〈乾いぬい務つとむ上じょう，離はなれ務つとむ下か。〉

同どう途と異い致，性せい則そく合ごう也。《易えき》曰：「出で門もん同人どうじん，又また誰だれ咎とがめ也」。

〈（虎とら易えき注ちゅう：初はつ九きゅう象ぞう辭じ。）〉

九きゅう二に得とく位い居中きょちゅう，六ろく三さん積せき陰かげ待まち應おう。

〈（虎とら易えき注ちゅう:此兩句く疑うたぐ為ため有ゆう誤あやま。）〉

《易えき》曰：「先さき號ごう咷而後ご笑わらい」。

〈（虎とら易えき注ちゅう：九きゅう五ご爻辭。）〉

〈隔へだた于陽位い，不能ふのう決勝けっしょう，先さき故こ曰號咷；後ご獲え合方あいかた喜き也，故こ曰後笑也えみや。〉

八卦はっけ復位ふくい，六ろく爻遷次じ，周しゅう而復始はじめ。上下じょうげ不ふ停とま，生生せいせい之の義よし，易えき道祖どうそ也。天與てんよ火ひ，明あきら而健；陽ひ道正どうしょう，陰氣いんき和也かずや。

〈六ろく二に居きょ內卦中ちゅう，能のう奉たてまつ于陽。〉

吉凶きっきょう故こ象ぞう，五ご行ぎょう昭あきら然しか。

〈金木かなぎ水火すいか土ど，配はい六ろく位い相生あいおい。〉

與あずか坎為飛ひ伏ふく。

〈己おのれ亥い水すい，戊つちのえ午うま火ひ。〉

歸かえり魂たましい立りつ三さん公おおやけ為ため世よ，上うえ九きゅう宗廟そうびょう為ため應おう候こう。

建たて始はじめ丁ちょう巳み至いたり壬みずのえ戌いぬ，

〈小滿しょうまん，寒露かんろ。〉

積算せきさん起おこり壬みずのえ戌いぬ至いたり辛からし酉とり，周しゅう而復始はじめ。火ひ土入どうにゅう乾いぬい離はなれ。

〈火ひ土ど二象入乾離，配はい六ろく宮みや起おこり積算せきさん。〉

五星從位起鎮星，

〈土星どせい入にゅう卦け，定てい其吉凶きっきょう。〉

觜宿從したがえ位い降くだ己おのれ亥い水すい，

〈二十八宿にじゅうはっしゅく，分ふん觜宿入にゅう離はなれ歸き魂たましい，配はい天火てんか同人どうじん九きゅう三さん己おのれ亥い水上すいじょう。〉

分ぶん氣候きこう二に十じゅう八はち。

〈起おこり積算せきさん二に十じゅう八はち位い數すう，巡じゅん六ろく爻有吉凶きっきょう入いれ何なん位い。〉

火ひ上見うわみ金きん，二に氣き雖同，五ご行ぎょう相しょう悖もと。六ろく爻定位い，吉凶きっきょう之の兆ちょう在ざい乎五二に，得とく時じ則のり順じゅん，失しつ時じ則のり逆ぎゃく。陰陽いんよう升ます降くだ，歲月さいげつ分ぶん焉，爻象相しょう蕩とろけ，內外適てき變へん，八卦はっけ巡じゅん迴，歸かえり魂たましい復ふく本ほん。本ほん靜せい則そく象ぞう生せい，故こ適てき離はなれ為ため兌入少女しょうじょ，分ふん八卦はっけ於兌象ぞう。

〈坎入兌宮八卦はっけ。〉

〈（虎とら易えき注ちゅう：坎字應おう為ため降くだ，遷字之の誤あやま。）〉

䷹　兌下兌上　兌

積せき陰かげ為ため澤さわ，純金じゅんきん用よう體たい，畜水凝しこり霜しも，陰かげ道どう同どう也。上うえ六ろく陰かげ生せい，與あずか艮うしとら為ため合あい。

〈兌下六ろく陰かげ凝しこり，艮うしとら土ど于陽健けん，納おさめ兌為妻つま，二に氣合きあい也。〉

土木どぼく入にゅう兌，水火すいか應おう之の，二に陰かげ合體がったい，積せき於西郊。

〈秋あき王おう。〉

沖おき艮うしとら入いれ乾ひ，氣き類るい陰かげ也；配はい象ぞう為ため羊ひつじ，物もの類同るいどう也。與あずか艮うしとら為ため飛ひ伏ふく。

〈丁ちょう未み土ど，丙へい寅とら木き。〉

上うえ六ろく宗廟そうびょう在世ざいせい，六ろく三さん三さん公おおやけ為ため應おう。

建たて始はじめ乙おつ卯う至いたり庚申こうしん，

〈春分しゅんぶん，立秋りっしゅう。〉

積算せきさん起おこり庚申こうしん至いたり己おのれ未み，周しゅう而復始はじめ。金かね土入どうにゅう兌宮。

〈金きむ土入どうにゅう兌宮起おこり積算せきさん。〉

五星從位起太白，

〈太白たいはく金星かなぼし入にゅう卦け。〉

參まいり宿やど從したがえ位い降くだ丁未ていみ土ど，

〈二十八宿にじゅうはっしゅく，分ふん參まいり宿やど入にゅう兌上六ろく丁ちょう未み土ど上じょう。〉

分ぶん氣候きこう三さん十じゅう六ろく。

〈起おこり宮みや算さん從したがえ三さん十じゅう六ろく數すう，起おこり定てい吉凶きっきょう。〉

內卦互體見み離はなれ巽たつみ，配はい火ひ木き入金にゅうきん宮みや，分ふん貴き賤於強弱きょうじゃく，

〈火ひ強きょう木き弱じゃく。〉

吉凶きっきょう隨ずい爻算，歲月さいげつ運氣うんき逐休王おう。

陰陽いんよう升ます降くだ，變へん初はつ九きゅう入いれ初はつ六ろく，陽ひ入にゅう陰かげ，為ため坎象。正體しょうたい見み陽ひ位い，剛つよし柔やわら分ぶん，吉凶きっきょう見み也。適てき變へん內象入にゅう坎，為ため困こま卦け。

〈兌內卦け初はつ九きゅう變へん入にゅう坎。〉

䷮　坎下兌上　困こま

澤入さわいり坎險，水みず不通ふつう，困こま。外そと稟內剛つよし，陰かげ道長みちなが也，陰陽いんよう不順ふじゅん，吉凶きっきょう生せい也。《易えき》云うん：「困こま于石，據よりどころ於蒺藜あかざ，入にゅう于其宮みや，不ふ見み其妻，凶きょう」。

〈（虎とら易えき注ちゅう：六ろく三さん爻辭。）〉

上下じょうげ不ふ應おう，陰陽いんよう不ふ交，二に氣き不ふ合ごう。

〈困こま卦け上下じょうげ無む應おう，陰陽いんよう不ふ交。六ろく三さん陰かげ，上うえ六ろく亦また陰かげ，無む匹ひき。入いれ九きゅう五ご求もとめ陽ひ，陽ひ亦また無む納おさめ也。〉

五ご行ぎょう配はい六ろく位い，生なま悔吝，四よん時じ休きゅう王おう。金木かなぎ交爭，萬物之情在乎幾微。與あずか坎為飛ひ伏ふく。

〈戊つちのえ寅とら木き，丁ちょう巳み火ひ。〉

初はつ六ろく元げん士し為ため世よ，九きゅう四よん諸侯しょこう在ざい應おう。

建たて始はじめ丙へい辰たつ至いたり辛からし酉とり，

〈清明せいめい，秋分しゅうぶん。〉

積算せきさん起おこり辛からし酉とり至いたり庚申こうしん，周しゅう而復始はじめ。土ど金入かねいれ坎兌。

〈分ぶん土ど金入かねいれ坎兌，配はい金きん宮みや起算きさん。〉

五星從位起太陰，

〈水みず宿やど入にゅう兌卦起算きさん。〉

井い宿やど從したがえ位い降くだ戊つちのえ寅とら，

〈二十八宿にじゅうはっしゅく，分ふん井い宿やど入いれ困こま卦け初はつ六ろく戊つちのえ寅とら木き。〉

分ぶん氣候きこう其數二に十じゅう八はち。

〈二に十じゅう八はち起おこり宮入みやいり積算せきさん，定てい吉凶きっきょう。〉

坎象互見離はなれ火入ひいれ兌，金きむ水みず見み運うん，配はい吉凶きっきょう。陰陽いんよう升ます降くだ，坎入坤ひつじさる，陰氣いんき凝しこり盛もり，降くだ入にゅう萃。

〈變通へんつう入にゅう萃卦。〉

䷬　坤ひつじさる下か兌上　萃

金きむ火ひ分ぶん氣候きこう，土木どぼく入にゅう兌宮升ます降くだ，陰氣いんき盛もり，剛つよし柔やわら相應そうおう，合ごう九きゅう五ご，定じょう群ぐん陰かげ，二に氣き悅えつ而順。

〈萃卦丁ひのと酉とり金きん，乙おつ巳み火ひ，二象刑而合也。〉

〈（虎とら易えき注ちゅう：此注疑うたぐ為ため有ゆう誤あやま。）〉

澤上さわかみ於地，積せき陰かげ成なり萃。《易えき》曰：「萃者，聚也」。

〈（虎とら易えき注ちゅう：彖辭。）〉

吉凶きっきょう生せい，陽氣ようき合あい而悅。

〈凡聚眾，必慎防ぼう閑假。陽ひ為ため主ぬし，成なり萃之義よし，伏ふく戎えびす必豫備よび，眾聚去疑心ぎしん。〉

與あずか坤ひつじさる為ため飛ひ伏ふく。

〈乙おつ巳み火ひ，丁ちょう卯木うつぎ。〉

六ろく二に大夫たいふ居きょ世よ，九きゅう五ご至尊しそん見み應おう。

建たて始はじめ戊つちのえ寅とら至いたり癸みずのと未み，

〈立春りっしゅん，大暑たいしょ。〉

積算せきさん起おこり癸みずのと未み至いたり壬みずのえ午うま，周しゅう而復始はじめ。土木どぼく入にゅう坤ひつじさる兌。

〈分ぶん土木どぼく入にゅう兌宮起算きさん。〉

五星從位起熒惑，

〈火星かせい入金にゅうきん水すい宮みや推吉凶きっきょう也。〉

〈（虎とら易えき注ちゅう：熒惑當為とうい歲とし星ぼし之の誤あやま。其注也誤也。）〉

翼つばさ宿やど從したがえ位い降くだ乙おつ巳み，

〈二十八宿にじゅうはっしゅく，分ふん翼つばさ宿やど入にゅう萃六ろく二に位い上じょう。〉

分ぶん氣候きこう二に十じゅう八はち。

〈積算せきさん起おこり二に十じゅう八はち數すう，六ろく爻見吉凶きっきょう。〉

澤さわ下見したみ坤ひつじさる，二に氣き順じゅん，土木どぼく入にゅう宮みや有ゆう愛あい惡あく。

〈木き惡あく土ど愛あい也。〉

陰陽いんよう升ます降くだ，陽氣ようき來き，止とめ於坤象ぞう，互見艮うしとら。

〈艮うしとら為ため陽ひ。〉

兌象納おさめ艮うしとら，陰氣いんき強きょう，

〈男おとこ下女げじょ。〉

次つぎ降くだ澤山たくさん咸卦。

䷞　艮うしとら下か兌上　咸

山下やました有澤ありさわ，

〈（虎とら易えき注ちゅう：下しも字じ當為とうい上じょう字じ之の誤あやま。《咸》象ぞう曰：山上さんじょう有澤ありさわ，咸；君子くんし以虛受人。）〉

虛きょ已やめ畜物，陽ひ中ちゅう積せき陰かげ，感かん於物也。陽ひ下か于陰，男女だんじょ之の道みち，內外相應そうおう，感かん類るい於象也。六ろく二に待まち聘，九きゅう五ご見み召，二に氣き交感こうかん，夫婦ふうふ之の道みち，體たい斯合也。《易えき》曰：「咸，感かん也，利り取と吉よし女おんな。」

〈（虎とら易えき注ちゅう：此處ここ錯句。《咸》彖曰：咸，感かん也。柔やわら上じょう而剛下か，二氣感應以相與，止とめ而說，男おとこ下女げじょ，是ぜ以亨利貞としさだ，取と女じょ吉きち也。）〉

〈艮うしとら少しょう男おとこ，兌少女しょうじょ，男おとこ下か於女，取と婦ふ之の象ぞう。〉

與あずか艮うしとら為ため飛ひ伏ふく。

〈丙へい申さる金きん，丁ちょう丑うし土ど。〉

九きゅう三さん三さん宮居みやい世よ，上うえ六ろく宗廟そうびょう為ため應おう。

建たて始はじめ戊つちのえ午うま之の癸みずのと亥い，

〈芒すすき種しゅ，小雪こゆき。〉

積算せきさん起おこり癸みずのと亥い至いたり壬みずのえ戌いぬ，周しゅう而復始はじめ。火ひ土入どうにゅう艮うしとら兌。

〈分ぶん火ひ土ど象ぞう入にゅう艮うしとら兌也。〉

五星從位起熒惑，

〈火星かせい南方なんぽう入金にゅうきん宮みや。〉

柳やなぎ宿やど從したがえ位い降くだ丙へい申さる，

〈二十八宿にじゅうはっしゅく，分ふん柳やなぎ宿やど入にゅう咸九三さん丙へい申さる金きん爻上。〉

分ぶん氣候きこう三さん十じゅう六ろく。

〈積算せきさん起おこり數すう，分ふん三さん十じゅう六ろく位い起おこり吉凶きっきょう。〉

土ど上見うわみ金きん，母子ぼし氣き和わ，陰陽いんよう相應そうおう，剛つよし柔やわら定位ていい。吉凶きっきょう隨ずい爻，受氣出で則そく吉きち，刑けい則そく凶きょう。陰陽いんよう等とう降くだ入にゅう外そと險けわし，止とめ於內象ぞう，為ため山水さんすい蹇あしなえ卦け。

〈（虎とら易えき注ちゅう：當為とうい水山みずやま蹇あしなえ卦け之の誤あやま。）〉

〈九四爻之入陰中剛。〉

䷦　艮うしとら下か坎上　蹇あしなえ

利り於西南せいなん，民みん道どう通どおり也。水みず在ざい山上さんじょう，蹇あしなえ險難けんなん進しん，陰陽いんよう二に氣き否ひ也。陰かげ待まち于陽，柔道じゅうどう牽也，險けん而逆止どめ，陽ひ固かた陰かげ長ちょう。處しょ能のう竭至誠しせい，於物為ため合あい，蹇あしなえ道どう，亨とおる也。《易えき》曰：「王おう臣しん蹇あしなえ蹇あしなえ，匪躬之の故ゆえ」。

〈六ろく二に。〉

〈（六ろく二に：王おう臣しん蹇あしなえ蹇あしなえ，匪躬之の故こ。）〉

與あずか坎為飛ひ伏ふく。

〈戊つちのえ申さる金きん，丁ちょう亥い水すい。〉

六ろく四よん諸侯しょこう居きょ世よ，初はつ六ろく元げん士し在ざい應おう。

建たて始はじめ己おのれ未み至いたり甲子きのえね，

〈大暑たいしょ，大寒だいかん。〉

積算せきさん起おこり甲子きのえね至いたり癸みずのと亥い，周しゅう而復始はじめ。土ど水すい入にゅう坎艮。

〈水みず土ど二に象ぞう入にゅう艮うしとら，配はい金きん宮みや起算きさん。〉

五星從位起鎮星，

〈土星どせい入金にゅうきん宮みや。〉

星宿せいしゅく從したがえ位い降くだ戊つちのえ申さる，

〈二十八宿にじゅうはっしゅく，分ふん星宿せいしゅく入にゅう蹇あしなえ六ろく四よん戊つちのえ申さる金きん上じょう。〉

分ぶん氣候きこう其數三さん十じゅう六ろく。

〈積算せきさん起おこり數すう三さん十じゅう六ろく，從したがえ六ろく位い五ご行ぎょう。〉

土ど上見うわみ水すい，柔やわら而和此，五ご行ぎょう相しょう推二に氣合きあい，取と象ぞう則そく陰陽いんよう相しょう背せ也。九五適變入坤宮，宮みや比ひ得とく朋とも，陰かげ氣合きあい也。

〈外そと卦け九きゅう五ご，變へん入にゅう坤ひつじさる內，見み艮うしとら，故こ曰得朋とも也。將はた入にゅう謙けん卦け取と象ぞう。〉

坎降，入地いりじ山さん謙けん。

䷎　艮うしとら下か坤ひつじさる上じょう　謙けん

六ろく位い謙けん順じゅん，四よん象ぞう無む凶きょう，一陽居內卦之上，為ため謙之けんじ主ぬし。《易えき》曰：「謙けん謙けん君くん子こ，利り涉わたる大川おおかわ」。

〈（初はつ六ろく：謙けん謙けん君くん子こ，用よう涉わたる大川おおかわ，吉きち。）〉

陰陽いんよう不ふ爭そう，處しょ位い謙けん柔やわら，陰かげ中ちゅう見み陽ひ，止とめ順じゅん於謙。有無うむ之の位くらい，上下じょうげ皆みな通どおり。《易えき》曰：「撝謙，無む不順ふじゅん也」。

〈（六ろく四よん：無む不利ふり，撝謙。）〉

與あずか坤ひつじさる為ため飛ひ伏ふく。

〈癸みずのと亥い水すい，丁ちょう酉とり金きん。〉

六ろく五ご居きょ世よ，大夫たいふ在ざい應おう。

建たて始はじめ庚申こうしん至いたり乙おつ丑うし，

〈立秋りっしゅう，大寒だいかん。〉

積算せきさん起おこり乙おつ丑うし至いたり甲子きのえね，周しゅう而復始はじめ。金かね土入どうにゅう坤ひつじさる艮うしとら。

〈金きむ土ど二に象ぞう，入にゅう兌宮起算きさん也。〉

五星從位起太白，

〈太白たいはく金星かなぼし入にゅう兌宮卦け。〉

張ちょう宿やど從したがえ位い降くだ癸みずのと亥い，

〈二十八宿にじゅうはっしゅく，分ふん張ちょう宿やど入にゅう謙けん六ろく五ご癸みずのと亥い水上すいじょう。〉

分ぶん氣候きこう二に十じゅう八はち。

〈積算せきさん起おこり數すう，二に十じゅう八はち位い。〉

坤ひつじさる在ざい艮うしとら上うえ順じゅん而止，五行入位象謙柔。

〈吉凶きっきょう隨ずい爻適變へん。〉

陰陽いんよう升ます降くだ，至いたり六ろく五ご位い返かえし入にゅう遊ゆう魂たましい，變へん歸き六ろく四よん，

〈謙けん六ろく四よん，一いち爻入陽ひ也。〉

八卦はっけ相しょう離はなれ，四よん象ぞう分ぶん也。次つぎ降くだ入にゅう雷山らいざん小しょう過か卦け。

䷽　艮うしとら下か震ふるえ上じょう　小しょう過か

六ろく四よん適てき變へん，血脈けちみゃく通どおり也。陽ひ入にゅう陰かげ，陰かげ入にゅう陽ひ，二氣降內外象。上下じょうげ返かえし應おう，二に剛ごう相しょう適てき。

〈九きゅう三さん，九きゅう四よん。〉

土木どぼく入にゅう卦け，分ふん於二に象ぞう。

〈內艮外がい震ふるえ。〉

雷かみなり處しょ高山こうざん，亢之極ごく也。內柔無む正せい性せい，危及於外。《易えき》曰：「飛鳥ひちょう遺のこ之これ音おん，不ふ宜よろし上じょう宜むべ下した」。

〈（卦け辭じ）〉

與あずか坤ひつじさる為ため飛ひ伏ふく。

〈庚午こうご火ひ，癸みずのと丑うし土ど。〉

反はん歸き九きゅう四よん，諸侯しょこう立りつ世よ，元もと士し見み應おう。

建たて始はじめ乙おつ丑うし至いたり庚午こうご，

〈大寒だいかん，芒すすき種しゅ。〉

積算せきさん起おこり庚午こうご至いたり己おのれ巳み，周しゅう而復始はじめ。土ど火入ひいれ震ふるえ艮うしとら。

〈外そと土ど火ひ二に象ぞう入にゅう兌宮。〉

五星從位起太陰，

〈水星すいせい入にゅう卦け遊ゆう魂たましい。〉

翼つばさ宿やど從したがえ位い降くだ庚午こうご，

〈二十八宿にじゅうはっしゅく，分ふん翼つばさ宿やど入にゅう兌宮遊ゆう魂たましい，小しょう過か卦け九きゅう四よん庚午こうご火ひ上じょう。〉

分ぶん氣候きこう三さん十じゅう六ろく。

〈積算せきさん三さん十じゅう六ろく數すう，六ろく位い吉凶きっきょう。〉

木き下見したみ土ど，二に陽ひ畜陰，六ろく位相いそう刑けい，吉凶きっきょう生せい也。上うえ升ます下か陰陽いんよう反應はんのう，各かく私わたし其黨。六ろく爻適變へん，陰かげ道どう悖もと也。升ます降くだ進退しんたい，其道同どう也。之これ艮うしとら入にゅう兌，陰かげ納おさめ與あずか陽ひ也。反復はんぷく其位，次じ降くだ入にゅう歸き魂たましい，雷かみなり澤さわ歸き妹いもうと卦け。

䷵　兌下震ふるえ上じょう　歸かえり妹いもうと

陰かげ復ふく於本，悅えつ動どう於外，二に氣き不ふ交，故こ曰歸妹いもうと。

〈歸き者しゃ，嫁よめ也。〉

互見離はなれ坎，同どう於未濟ずみ，適てき陽ひ從したがえ陰かげ，剛つよし從したがえ外がい至いたり。九きゅう四よん至いたり剛つよし，六ろく三さん悅えつ柔やわら，返かえし無む其應，凶きょう。兌羊涉わたる卦け之の終おわり，長ちょう何なん吉きち也。與あずか艮うしとら為ため飛ひ伏ふく。

〈丁ちょう丑うし土ど，丙へい申さる金きん。〉

三公歸魂之世，上じょう六ろく宗廟そうびょう見み應おう。

建たて始はじめ甲子きのえね至いたり己おのれ巳み，

〈大雪おおゆき，小滿しょうまん。〉

積算せきさん起おこり己おのれ巳み至いたり戊つちのえ辰たつ，周しゅう而復始はじめ。水みず土入どうにゅう震ふるえ兌。

〈分水ぶんすい土ど二に象ぞう入にゅう兌宮。〉

五星從位起歲星，

〈木星もくせい東方とうほう入にゅう兌宮歸き魂だましい。〉

軫宿從したがえ位い降くだ丁ちょう丑うし土ど，

〈二十八宿にじゅうはっしゅく，分ふん軫宿入にゅう兌歸魂たましい六ろく二に〉

〈（三さん之これ誤あやま）〉

〈丁ちょう丑うし土ど上じょう，分ふん吉凶きっきょう起算きさん。〉

分ぶん氣候きこう三さん十じゅう八はち。

〈積算せきさん起おこり三さん十じゅう八はち數すう，六ろく位い推五ご行ぎょう數すう吉凶きっきょう。〉

〈（虎とら易えき注ちゅう：此處ここ的てき三さん十じゅう八はち，疑うたぐ為ため有ゆう誤あやま。）〉

雷かみなり居きょ澤上さわかみ，剛つよし氣き亢盛，陰陽いんよう不ふ何なに，進退しんたい危也。

〈震ふるえ長男ちょうなん，兌少女しょうじょ，少女しょうじょ匹ひき長男ちょうなん，氣き非ひ合ごう也。〉

吉凶きっきょう在ざい上うえ六ろく，處しょ於動極ごく，適てき變位へんい定じょう，時じ不可ふか移うつり之の道也みちや。五ご行ぎょう考こう象ぞう，非ひ合ごう斯義，陰陽いんよう運動うんどう，適當てきとう何なん爻。或ある陰かげ或ある陽ひ，或ある柔やわ或ある剛つよし，升ます降くだ六ろく位い，非ひ取と一也かずや。

〈兌歸魂たましい，配はい六ろく十じゅう四卦之終也。〉

京きょう氏し易えき傳でん卷まき下か

夫おっと易者えきしゃ，象ぞう也；爻者，效こう也。聖人せいじん所以ゆえん仰おおせ觀かん俯察，象ぞう天地てんち日月じつげつ星辰せいしん，草木くさき萬物ばんぶつ。順じゅん之の則和のりかず，逆ぎゃく之の則のり亂らん。

夫おっと細ほそ不可ふか窮きゅう，深ふか不可ふか極ごく，故こ揲蓍布ぬの爻，用よう之の於下おした。筮分六ろく十じゅう四よん卦け，配はい三さん百ひゃく六ろく十じゅう四よん爻，

〈（虎とら易えき注ちゅう：此處ここ的てき「三さん百ひゃく六ろく十じゅう四よん爻」，當為とうい「三さん百ひゃく八はち十じゅう四よん爻」之の誤あやま。）〉

序じょ一いち萬まん一いち千せん五ご百ひゃく二に十じゅう策さく，

〈（虎とら易えき注ちゅう：此數為ため《系けい辭じ上じょう》揲蓍之の數かず。）〉

定てい天地てんち萬物ばんぶつ之の情狀じょうじょう。故こ吉凶きっきょう之の氣き順じゅん六ろく爻上下じょうげ，次じ之の八はち九きゅう六ろく七なな之これ數すう，內外承うけたまわ乘じょう之の象ぞう。故こ曰：「兼けん三さん才さい而兩之の」。孔子こうし曰：「陽ひ三さん陰かげ四よん，位い之の正也まさや」。三者さんしゃ東方とうほう之の數すう，東方とうほう日び之の所出しょしゅつ，又また園えん者しゃ徑みち一いち而開三也みつや。四よん者しゃ西方せいほう之の數すう，西方せいほう日び之これ所しょ入いれ，又また方かた者しゃ徑みち一いち而取四よん也。言げん日月じつげつ終おわり天てん之の道みち。故こ易えき卦け六ろく十じゅう四よん，分ふん上下じょうげ，象ぞう陰陽いんよう也。奇偶きぐう之の數かず，取と之これ於乾坤けんこん。乾坤けんこん者しゃ，陰陽いんよう之の根本こんぽん；坎離者しゃ，陰陽いんよう之の性せい命いのち。分ぶん四營而成易，十有八變而成卦。卦け象ぞう定てい吉凶きっきょう，明あきら得失とくしつ。

降くだ五ご行ぎょう，分ふん四よん象ぞう，順じゅん則そく吉きち，逆ぎゃく則のり凶きょう。故こ曰：「吉凶きっきょう悔吝生せい乎動」。

〈（系けい辭じ下か：吉凶きっきょう悔吝者しゃ，生なま乎動者しゃ也。）〉

又また曰：「明あきら得失とくしつ於四序じょ」。

〈言げん吉凶きっきょう生せい乎動，五ご行ぎょう休きゅう廢はい，內犯胎養，合ごう五ご行ぎょう。〉

運うん機き布ぬの度ど，其氣轉きてん易えき，王おう

〈（通つう旺）〉

者しゃ亦また當とう則のり天てん而行，與あずか時とき消息しょうそく。安やす而不忘亡，將はた以順性せい命いのち之の理り。極ごく蓍めどぎ龜かめ之の源みなもと，重じゅう三さん成なり六ろく，能事のうじ畢矣。

分ぶん天地てんち乾坤けんこん之の象ぞう，益えき之の以甲乙おつ壬みずのえ癸みずのと，

〈乾坤けんこん二に分ふん天地てんち陰陽いんよう之の本ほん，故こ分ぶん甲乙こうおつ壬みずのえ癸みずのと，陰陽いんよう之の始終しじゅう。〉

震ふるえ巽たつみ之の象ぞう配はい庚かのえ辛からし，

〈庚かのえ陽ひ入いれ震ふるえ，辛からし陰かげ入にゅう巽たつみ。〉

坎離之の象ぞう配はい戊つちのえ己おのれ，

〈戊つちのえ陽ひ入にゅう坎，己おのれ陰かげ入いれ離はなれ。〉

艮うしとら兌之象ぞう配はい丙へい丁ひのと。

〈丙へい陽ひ入にゅう艮うしとら，丁ちょう陰かげ入にゅう兌。〉

八卦はっけ分ぶん陰陽いんよう，六ろく位い，五ご行ぎょう。光明こうみょう四よん通つう，變へん易えき立りつ節ぶし，天地あまち若わか不變ふへん易えき，不能ふのう通氣つうき。五ご行ぎょう迭終，四よん時じ更さら廢はい，變動へんどう不ふ居い，周しゅう流りゅう六ろく虛きょ，上下じょうげ無常むじょう，剛つよし柔やわら相しょう易えき。不可ふか以為典てん要よう，惟おもんみ變へん所しょ適てき。吉凶きっきょう共ども列れつ於位，進退しんたい明あかり乎機要よう，易えき之の變化へんか，六ろく爻不可ふか據よりどころ，以隨時じ所しょ占うらない。

《周しゅう禮あや、太ふとし卜ぼく》：「一いち曰連山れんざん，二に曰歸藏ぞう，三さん曰周易えき」。初はつ為ため陽ひ，二に為ため陰かげ，三さん為ため陽ひ，四よん為ため陰かげ，五ご為ため陽ひ，六ろく為ため陰かげ。一いち三さん五ご七なな九きゅう陽ひ之の數すう，二に四よん六ろく八はち十じゅう陰かげ之の數かず。

〈陰かげ主ぬし賤，陽ひ主おも貴とうと。〉

陰かげ從したがえ午うま，陽ひ從したがえ子こ，子し午うま分ぶん行ぎょう。子こ左ひだり行ぎょう，午うま右みぎ行ぎょう，左右さゆう凶きょう吉きち。吉凶きっきょう之の道みち，子し午うま分ぶん時じ。

立春りっしゅん正月しょうがつ節ぶし在ざい寅とら，坎卦初はつ六ろく，立秋りっしゅう同どう用よう。雨水あまみず正月しょうがつ中在なかざい丑うし，巽たつみ卦け初はつ六ろく，處暑しょしょ同どう用よう。

驚おどろき蟄二に月がつ節ぶし在ざい子こ，震ふるえ卦け初はつ九きゅう，白露しらつゆ同どう用よう。春分しゅんぶん二に月がつ中ちゅう在ざい亥い，兌卦九きゅう四よん，春秋しゅんじゅう分ぶん同どう用よう。

清明せいめい三さん月がつ節ぶし在ざい戌いぬ，艮うしとら卦け六ろく四よん，寒露かんろ同どう用よう。穀雨こくう三さん月がつ中ちゅう在ざい酉とり，離はなれ卦け九きゅう四よん，霜降しもふり同どう用よう。

立夏りっか四よん月がつ節ぶし在ざい申さる，坎卦六ろく四よん，立冬りっとう同どう用よう。小滿しょうまん四よん月がつ中在なかざい未み，巽たつみ卦け六ろく四よん，小雪こゆき同どう用よう。

芒すすき種しゅ五ご月がつ節ぶし在ざい午うま，乾いぬい宮みや九きゅう四よん，大雪おおゆき同どう用よう。夏至げし五ご月がつ中ちゅう在ざい巳み，兌宮初はつ九きゅう，冬至とうじ同どう用よう。

小暑しょうしょ六ろく月がつ節ぶし在ざい辰たつ，艮うしとら宮みや初はつ六ろく，小寒しょうかん同どう用よう。大暑たいしょ六ろく月がつ中ちゅう在ざい卯う，離宮りきゅう初はつ九きゅう，大寒だいかん同どう用よう。

孔子こうし云うん：「易えき有ゆう四よん易えき，一世いっせい二に世せい為ため地ち易えき，三さん世せい四よん世せい為ため人じん易えき，五ご世せい六ろく世せい為ため天てん易えき，遊ゆう魂たましい歸き魂たましい為ため鬼おに易えき」。

八卦鬼為系爻，財ざい為ため制せい爻，天地てんち為ため義ぎ爻，

〈天地あまち即そく父母ちちはは也。〉

福德ふくとく為ため寶たから爻，

〈福德ふくとく即そく子孫しそん也。〉

同氣どうき為ため專せん爻。

〈兄弟きょうだい爻也。〉

龍りゅう德いさお十一月じゅういちがつ在ざい子こ，在ざい坎卦左ひだり行ぎょう；虎とら刑けい五ご月がつ午うま，在ざい離はなれ卦け右みぎ行ぎょう。甲乙こうおつ庚かのえ辛からし天てん官かん，申さる酉とり地ち官かん；丙へい丁ひのと壬みずのえ癸みずのと天てん官かん，亥子いのこ地ち官かん；戊つちのえ己おのれ甲乙こうおつ天てん官かん，寅とら卯う地ち官かん；壬みずのえ癸みずのと戊つちのえ己おのれ天てん官かん，辰たつ戌いぬ地ち官かん。靜せい為ため悔，發はつ為ため貞さだ，貞さだ為本ためもと，悔為末まつ。

初はつ爻上，二に爻中，三さん爻下；三さん月がつ之の數すう，以成一いち月がつ。初はつ爻三さん日にち，二に爻三さん日にち，三さん爻三さん日にち，名めい九きゅう日にち；餘あまり有ゆう一いち日にち，名めい曰閏餘あまり。初はつ爻十じゅう日にち為ため上旬じょうじゅん，二に爻十じゅう日にち為ため中旬ちゅうじゅん，三さん爻十じゅう日にち為ため下旬げじゅん；三さん旬しゅん三さん十じゅう，積せき旬しゅん成なり月がつ，積せき月がつ成年せいねん。

八はち八はち六ろく十じゅう四よん卦け，分ふん六ろく十じゅう四よん卦け配はい三さん百ひゃく八はち十じゅう四よん爻，成なり萬まん一いち千せん五ご百ひゃく二に十じゅう策さく，定てい氣候きこう二に十じゅう四よん，考こう五ご行ぎょう於運命いのち，人事じんじ天道てんとう，日月じつげつ星辰せいしん，局きょく於指掌てのひら，吉凶きっきょう見み乎其位い。《系けい》云うん：「吉凶きっきょう悔吝生せい乎動」。

〈（系けい辭じ下か：吉凶きっきょう悔吝者しゃ，生なま乎動者しゃ也；）〉

寅とら中ちゅう有生ゆうせい火ひ，亥い中有ちゅうう生木なまき，巳み中ちゅう有生ゆうせい金きん，

〈亦また云うん上生わぶ之の位くらい。〉

申さる中有ちゅうう生水なまみず。丑うし中有ちゅうう死金しにがね，戌いぬ中有ちゅうう死し火ひ，未み中有ちゅうう死し木き，辰たつ中有ちゅうう死水しにみず，土ど兼けん於中。

建子けんし陽ひ生せい，建けん午うま陰かげ生せい，二に氣き相しょう沖おき，吉凶きっきょう明あかり矣。積算せきさん隨ずい卦け起おこり宮みや，乾坤けんこん震ふるえ巽たつみ坎離艮うしとら兌，八卦はっけ相しょう蕩とろけ，二に氣き陽ひ入にゅう陰かげ，陰かげ入にゅう陽ひ，二氣交互不停。故こ曰：「生生せいせい之の謂いい易えき」。天地てんち之の內，無む不通ふつう也。

乾いぬい起おこり巳み，坤ひつじさる起おこり亥い，震ふるえ起おこり午うま，巽たつみ起おこり辰たつ，坎起子こ，離はなれ起おこり丑うし，艮うしとら起おこり寅とら，兌起

〈缺かけ〉

。于六ろく十じゅう四よん卦け，遇ぐう王おう則そく吉きち，廢はい則そく凶きょう，沖おき則そく破やぶ，刑けい則そく敗はい，死し則そく危，生なま則のり榮さかえ。考こう其義理ぎり，其可通どおり乎。

分ぶん三さん十じゅう為ため中ちゅう，六ろく十じゅう為ため上じょう，三さん十じゅう為ため下か，總そう一いち百ひゃく二に十じゅう，通つう陰陽いんよう之の數也かずや。新しん新しん不ふ停とま，生生せいせい相續そうぞく，淡泊たんぱく不ふ失しつ其所，確然かくぜん示しめせ人じん。

陰陽いんよう運行うんこう，一いち寒かん一いち暑あつ，五ご行ぎょう互用，一いち吉きち一いち凶きょう。以通神明しんめい之の德とく，以類萬物ばんぶつ之の情じょう。故こ易えき所以ゆえん斷だん天下でんか之の理り，定之さだゆき以人倫じんりん，而明王道おうどう。

八卦はっけ建けん，五ご氣き立りつ，五常ごじょう法ほう象ぞう乾坤けんこん，順じゅん於陰陽ひ，以正君臣くんしん父子ふし之の義ぎ。故こ易えき曰：「元げん亨とおる利貞としさだ」。夫おっと作さく易えき所以ゆえん垂たれ教きょう，教之のりゆき所しょ被ひ，本ほん被ひ於有無うむ，且易者しゃ包つつみ備有無うむ。有吉ありよし則のり有ゆう凶きょう，有ゆう凶きょう則そく有吉ありよし。生なま吉凶きっきょう之の義よし，始はじめ於五ご行ぎょう，終おわり於八卦はっけ。從したがえ無む入いれ有ゆう，見み災わざわい於星辰也たつや。從したがえ有ゆう入いれ無な，見み象ぞう於陰陽ひ也。陰陽いんよう之の義よし，歲月さいげつ分ぶん也，歲月さいげつ既すんで分ぶん，吉凶きっきょう定てい矣。故こ曰：「八卦はっけ成なり列れつ，象ぞう在ざい其中矣」。六ろく爻上下じょうげ，天地てんち陰陽いんよう運轉うんてん，有無うむ之の象ぞう，配はい乎人事じんじ。八卦はっけ仰おおせ觀かん俯察，在ざい乎人；隱顯いんけん災わざわい祥さち在ざい乎天。考こう天てん時じ，察人事じんじ，在ざい乎卦。八卦はっけ之の要よう，始はじめ於乾坤けんこん，通つう乎萬物ぶつ。故こ曰：「易えき窮きゅう則そく變へん，變則へんそく通どおり，通則つうそく久ひさ」。久ひさ於其道どう，其理得とく矣。

卜筮ぼくぜい非ひ襲かさね于吉，唯ただ變へん所しょ適てき。窮理きゅうり盡つき性せい於茲矣。

晁あきら氏し公武こうぶ曰：《漢かん、藝文げいぶん志こころざし》，《易えき、京きょう氏し》凡三さん種しゅ，八はち十じゅう九きゅう篇へん。《隋ずい、經籍けいせき志こころざし》，有ゆう《京きょう氏し章句しょうく》十じゅう卷かん，又また有ゆう《占うらない候こう》十じゅう種しゅ，七なな十じゅう三さん卷かん。《唐とう、藝文げいぶん志こころざし》，有ゆう《京きょう氏し章句しょうく》十じゅう卷かん，而《易えき占うらない候こう》存そん者しゃ五ご種しゅ，二に十じゅう三さん卷かん。今こん其章句く亡ほろび矣，乃略見み於僧一行及李鼎祚之書。

今こん傳つて者しゃ曰：《京きょう氏し積算せきさん易えき傳でん》三さん卷かん，《雜ざつ占うらない條例じょうれい法ほう》一いち卷かん，或ある共きょう題だい《易えき傳でん》四よん卷かん，而名皆みな與あずか古こ不同ふどう。

今いま所謂いわゆる《京きょう氏し易えき傳でん》者しゃ，或ある題だい曰《京きょう氏し積算せきさん易えき傳でん》者しゃ，疑うたぐ隋ずい唐から志こころざし之の《錯卦》是也これや。《雜ざつ占うらない條例じょうれい法ほう》者しゃ，疑うたぐ唐から志こころざし之の《逆ぎゃく刺とげ占うらない災わざわい異こと》是也これや。《錯卦》在ざい隋ずい七なな卷かん，唐から八はち卷かん。所謂いわゆる《積算せきさん雜ざつ逆ぎゃく刺とげ占うらない災わざわい異こと》十じゅう二に卷かん是也これや。至いたり唐とう《逆ぎゃく刺とげ》三さん卷かん，而亡其八はち卷かん。元げん佑たすく八はち年ねん

〈（1093年ねん）〉

，高麗こうらい進すすむ書しょ，有ゆう《京きょう氏し周しゅう易えき占うらない》十じゅう卷かん。疑うたぐ隋ずい《周しゅう易えき占うらない》十じゅう二に卷かん是也これや。是ぜ故こ：易えき家か有ゆう書しょ，而無傳でん者しゃ多た矣。京きょう氏し之の書しょ，幸こう而與存そん者しゃ，才さい十じゅう之の一いち，尚なお何なに離はなれ夫おっと師し說せつ邪よこしま。

景けい迂まが嘗曰：余あまり自じ元もと豐ゆたか壬みずのえ戌いぬ

〈（1082年ねん）〉

，偶脫去だっきょ舉子事業じぎょう，便びん有志ゆうし學がく易えき，而輒好こう王おう

〈（注ちゅう：王おう弼）〉

氏し。本ほん妄以謂いい弼之外がい，當とう自じ有名ゆうめい象ぞう者しゃ，果はて得とく京きょう氏し傳でん。而文字もじ顛倒てんとう舛ます訛なまり，不可ふか訓くん知ち。迨其服ふく習甚久ひさし，漸やや有ゆう所しょ窺。今いま三さん十じゅう有ゆう四よん年ねん矣，乃能以其象ぞう數すう，辨わきまえ正せい文字もじ之の舛ます謬，于邊郡山こおりやま房ぼう寂寞せきばく之の中なか，而私識之。曰：是ぜ書しょ兆ちょう乾坤けんこん之の二に象ぞう，以成八卦はっけ，凡八變へん而六ろく十じゅう有ゆう四よん。於其往來おうらい升ます降くだ之これ際さい，以觀消息しょうそく盈虛えいきょ於天地ち之の元もと，而酬酢す乎萬物ぶつ之の表ひょう者しゃ，炳然在ざい目め也。

大抵たいてい辨べん三さん易えき，運うん五ご行ぎょう，正せい四よん時じ，謹二きんじ十じゅう四よん氣き，志こころざし七なな十じゅう二に候こう，而位五ご星ほし，降くだ二に十じゅう八はち宿しゅく，其進退しんたい以幾。而為一いち卦け之の主おも者しゃ，謂いい之の世よ。奇偶きぐう相しょう與あずか，據よりどころ一いち以起二に，而為主ぬし之の相者そうしゃ，謂いい之の應おう。世よ之これ所しょ位い，而陰陽ひ之の肆者，謂いい之の飛ひ。陰陽いんよう肇はじめ乎所配はい，

〈乾ひ與あずか坤ひつじさる，震ふるえ與あずか坎，巽たつみ與あずか離はなれ，艮うしとら與あずか兌。〉

而終不ふ脫だつ乎本。

〈以飛某ぼう位い之の卦け，乃伏某ぼう宮みや之の位くらい。〉

以隱顯いんけん佐さ神明しんめい者しゃ，謂いい之の伏ふく。起おこり乎世而周乎內外がい，參まいり乎本數すう以紀月がつ者しゃ，謂いい之の建けん。終おわり之の始はじめ之の，極ごく乎數而不可ふか窮きゅう以紀日び者しゃ，謂いい之の積せき。會かい於中，而以四よん為ため用よう，一卦備四卦者，謂いい之の互。

乾いぬい建けん甲子こうし於下おした，坤ひつじさる建けん甲かぶと午うま於上。八卦はっけ之の上うえ，乃生一いち世せい之の初はつ。初はつ一いち世せい，之これ五ご位い，乃分而為五ご世せい之の位くらい。其五ご世せい之の上うえ，乃為遊ゆう魂たましい之の世よ；五ご世せい之の初はつ，乃為歸き魂だましい之の世よ。而歸魂たましい之の初はつ，乃生後ご卦け之の初はつ。其建，剛つよし日にち則そく節氣せっき，柔やわら日び則そく中氣ちゅうき。其數虛きょ則そく二に十じゅう有ゆう八はち，盈みつる則のり三さん十じゅう有ゆう六ろく。蓋ぶた其可言げん者しゃ如此。

若わか夫おっと象ぞう遺のこ乎意，意い遺のこ乎言，則のり錯綜さくそう其用，唯ただ變へん所しょ適てき。或ある兩りょう相あい配はい而論內外二に象ぞう，若わか世よ與あずか內，

〈革かわ水火すいか配はい位い，離はなれ火ひ四よん世せい水すい。〉

若わか世よ與あずか外そと。

〈用金ようきん木き交爭，外そと先さき金きん初はつ世よ木き。〉

或ある不ふ論ろん內外之の象ぞう，而論其內外がい之の位くらい。

〈萃土木どぼく入にゅう艮うしとら兌，初はつ土ど四よん水みず。〉

或ある三相參而論內外與飛，

〈賁土火ひ木き分ぶん陰陽いんよう，艮うしとら土ど離はなれ火ひ飛ひ水すい。〉

若わか伏ふく。

〈旅たび火ひ土木どぼく入いれ離はなれ艮うしとら，離はなれ火ひ艮うしとら土ど休きゅう伏木ふしき。〉

或ある相あい參さん而論內外世よ應おう建けん伏ふく。

〈觀かん金きん土ど火ひ木き，互為體たい建けん，金きむ水みず應おう內，土ど伏ふく火ひ外がい木き。〉

或ある不ふ論ろん內外，而論世よ建けん與あずか飛ひ伏ふく。

〈益金えききん土入どうにゅう震ふるえ巽たつみ，世せい與あずか飛ひ土ど，建けん與あずか伏ふく金きん。〉

或ある兼けん論ろん世よ應おう飛ひ伏ふく。

〈復ふく水すい土ど見み候こう，世せい應おう水すい土ど，飛ひ伏ふく水すい土ど。屯たむろ土木どぼく應おう象ぞう，世せい應おう土木どぼく，飛ひ伏ふく土ど水すい。〉

或ある專せん論ろん世よ應おう。

〈夬金木き合あい乾いぬい兌，入にゅう坤ひつじさる象ぞう，世せい金きん應おう木き。蠱金木き入にゅう艮うしとら巽たつみ，世せい金きん應おう木き。〉

或ある論ろん世よ之これ所しょ忌き。

〈履くつ金きん火入ひいれ卦け，初はつ九きゅう火ひ闕九四よん火ひ，克かつ九きゅう五ご世せい金きん爻，及乾爻金。〉

或ある論ろん世よ之の所生しょせい。

〈巽たつみ火ひ木與きよ巽たつみ同どう宮みや，世せい木き巽たつみ木見きみ火ひ。〉

於其所しょ起おこり，見み其所滅めつ。

〈大だい壯たけし起おこり於子，滅めつ於亥。〉

于其所しょ刑けい，見み其所生せい。

〈隨ずい金木かなぎ交刑，水火すいか相しょう激げき，兌金巽たつみ木き。〉

故こ曰：死し于位，生なま於時；死し于時，生なま於位。苟非彰あきら往而察來，微ほろ顯あらわ而闡幽かそけ者しゃ，曷足以與此。

前ぜん是ぜ小しょう王おう

〈（注ちゅう：王おう弼）〉

變へん四よん千せん九きゅう十じゅう有ゆう六ろく卦け，後ご有ゆう管かん輅定乾いぬい之の軌七なな百ひゃく六ろく卦け，復ふく有ゆう八坤之軌六百七十有二，其知之これ者しゃ，將はた可か以語邵康節ぶし三さん易えき也。從したがえ小しょう王おう之の徒と，唯ただ知し尚なお其詞耳みみ，其謂斯何。

昔むかし魯商瞿子木き，受易孔子こうし。五傳而至漢田何子壯，何なん授洛陽ひ丁ちょう光ひかり，光ひかり授碭田た王おう孫まご，王おう孫まご授東海とうかい孟はじめ喜き，孟はじめ喜き授梁焦こげ贑延壽ことぶき，延壽えんじゅ授房。房ぼう授東海とうかい殷いん嘉よしみ，河東かわとう姚平，河南かなん乘じょう弘ひろし。由よし是ぜ易えき有ゆう京きょう房ぼう之の學まなべ，而傳盛もり矣。

有ゆう瞿牧自生じせい者しゃ，不ふ肯學京きょう氏し，曰：京きょう非ひ孟はじめ氏し學がく也。劉りゅう向こう亦また疑うたぐ京きょう托たく之の孟はじめ氏し，予よ不知ふち當時とうじ為ため何なん說せつ也。今こん以當時とうじ之これ書しょ驗けん之の，蓋ぶた有ゆう孟はじめ氏し京きょう房ぼう十じゅう一いち篇へん，以大災わざわい異い；孟はじめ氏し京きょう房ぼう六ろく十じゅう六ろく篇へん，與あずか夫おっと京きょう氏し殷いん嘉よしみ十じゅう二に篇へん；同どう為ため一家いっか之の學まなべ，則のり其源委い，孰可誣哉。此亦學者がくしゃ不可ふか不ふ知也ともや。

若わか小しょう王者おうじゃ，果はて何なん所しょ授受じゅじゅ邪よこしま。蓋ぶた自じ京きょう氏し，為ため王おう學がく有餘ゆうよ力りょく，而王學がく之の適てき京きょう氏し，則のり無む繇矣。或ある傳つて是ぜ書しょ，而文字もじ舛ます謬，得とく以予言よげん，而考諸しょ凡學，不可ふか就正者しゃ，缺かけ以待來らい哲あきら。

《積算せきさん雜ざつ占うらない條例じょうれい法ほう》，具ぐ如別錄ろく。

乾いぬい　 姤　 遁　 否いや　 觀かん　 剝　 晉すすむ　 大だい有ゆう

震ふるえ　 豫よ　 解かい　 恆つね　 升ます　 井い　 大過たいか 隨ずい

坎　 節ふし　 屯たむろ　 既濟きさい 革かわ　 豐ゆたか　 明あきら夷えびす 師し

艮うしとら　 賁　 大だい畜 損そん　 睽　 履くつ　 中なか孚まこと 漸やや

坤ひつじさる　 復ふく　 臨　 泰たい　 大だい壯たけし 夬　 需　 比ひ

巽たつみ　 小しょう畜 家人かじん 益えき　 無む妄 噬嗑 頤　 蠱

離はなれ　 旅たび　 鼎かなえ　 未濟みさい 蒙こうむ　 渙きよし　 訟　 同人どうじん

兌　 困こま　 萃　 咸　 蹇あしなえ　 謙けん　 小しょう過か 歸き妹いもうと