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滋賀県立大学人間文化学部2019年度前期科目「家族論」(担当:村上潔)
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むこと、“はは[はは]する”ことをつかみなお
――資本しほん主義しゅぎせいあい家族かぞく、そのさき地平ちへい

Re-grasping the Birthing and 'Mothering':
Capitalism and Sex/Love/Family, and the Horizon Beyond Them


滋賀県立大学しがけんりつだいがく人間にんげん文化ぶんか学部がくぶ2019年度ねんど前期ぜんき科目かもく家族かぞくろん
"Theories of Family" [The First Semester of the 2019 Academic Year]
at School of Human Cultures, The University of Shiga Prefecture.
授業じゅぎょう期間きかん[Class Term]:2019/04/09 - 2019/07/23(ぜん15かい[Total 15 lectures])
担当たんとう教員きょういん[Lecturer]:村上むらかみ きよしMURAKAMI Kiyoshi

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last update: 20191231


【Index】
授業じゅぎょう日程にってい ■授業じゅぎょう概要がいよう方法ほうほう ■受講じゅこうせい到達とうたつ目標もくひょう ■講義こうぎ内容ないよう ●だい1かい ●だい2かい ●だい3かい ●だい4かい ●だい5かい ●だい6かい ●だい7かい ●だい8かい ●だい9かい ●だい10かい ●だい11かい ●だい12かい ●だい13かい ●だい14かい ●だい15かい ■参考さんこう ●シラバス ●げられなかった文献ぶんけん@ ●げられなかった文献ぶんけんA ●新着しんちゃく文献ぶんけんメモ ●関連かんれんする情報じょうほう

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授業じゅぎょう日程にってい

@2019ねん4がつ9にち A4がつ16にち B4がつ23にち C5がつ7にち D5月14にち休講きゅうこう→5月21にち E5がつ28にち F6がつ4にち G6がつ11にち H6がつ18にち I6がつ25にち J7がつ2にち K7がつ9にち L7がつ16にち M7がつ23にち N7がつ30にち補講ほこう ◎定期ていき試験しけん:8がつ6にち
火曜かよう3げん(13:10〜14:40)

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授業じゅぎょう概要がいよう方法ほうほう

ほん授業じゅぎょうは、「さん」(生殖せいしょく妊娠にんしん出産しゅっさん)と「はは」(育児いくじ・ケア・母性ぼせい)という側面そくめんさい検討けんとうとおして、「家族かぞく」のありかたの問題もんだいにアプローチするものである。
メインのキーワードは、「マザリング[Mothering]」である。この言葉ことばをあえて包括ほうかつてき一語いちご日本語にほんごにすれば「はは[はは]する」という造語ぞうごとなる。これには、生命せいめいみ・そだてること、「はぐくむ」こと、「まもる」こと、「ケア」すること、親密しんみつ愛情あいじょうそそぐこと、ははという「身体しんたい」をきること、社会しゃかいてきな「はは役割やくわりになうこと、といった多様たよう要素ようそふくまれていて、それらは(一見いっけんわからないが、深層しんそうで)連動れんどうしている。そうした現象げんしょうのダイナミズムを、なるべく内在ないざいてきに・まるごとつかみとることで、「さん」と「はは」をめぐってこれまでなされてきた・こってきたことの歴史れきしと、現在げんざい状況じょうきょう、そして今後こんごの「家族かぞく」の展望てんぼうについてかんがえてみたい。それは、すくなくともわたしたちがいま前提ぜんていとしている家族かぞくぞうとはことなるものとなるだろうが、そのことの意味いみふくめて理解りかいすることで、家族かぞくという枠組わくぐ自体じたい根本こんぽんてきとらなおすことが可能かのうになるだろう。
具体ぐたいてきには、イギリス・アメリカなどしょ外国がいこくにおいて、
(1)革新かくしんてきかつ自律じりつてきな「はは」・「母性ぼせい規定きてい
(2)ラディカルな共同きょうどう保育ほいく実践じっせん
(3)オルタナティブなケアの体系たいけい構築こうちく
といったことが、いかように構想こうそうされ・模索もさくされ・まれ・共有きょうゆうされ・問題もんだいされてきた/いるのかを確認かくにんし、日本にっぽん歴史れきし現状げんじょう比較ひかくすることをとおして、家族かぞく育児いくじ・ケア・労働ろうどうさい生産せいさん・コミュニティ(共同きょうどうせい)・ジェンダー・セクシュアリティにかんするあらたな/オルタナティブな/本質ほんしつてきかつ内在ないざいてき知見ちけんることを目指めざす。
さらにそこから、わたしたちが前提ぜんていとしている「家族かぞく」のありかたならびにその機能きのう役割やくわり批判ひはんてきとらえ、状況じょうきょう変革へんかくけたなんらかの実践じっせん模索もさくしていく視座しざ獲得かくとくすることを最終さいしゅうてき目標もくひょうとする。
授業じゅぎょう方法ほうほうとしては、最新さいしん英語えいご文献ぶんけん各種かくしゅ検討けんとう中心ちゅうしんとするが、比較ひかく対照たいしょう目的もくてきから、最新さいしん日本語にほんご文献ぶんけん検討けんとう対象たいしょうとする。

参考さんこう――あつかうこと・あつかわないこと

以下いかに、ほん授業じゅぎょうあつか内容ないようあつかわない内容ないようをキーワードで列挙れっきょする。
あつかうこと
@資本しほん主義しゅぎせい(ジェンダー/セクシュアリティ)
A家父長制かふちょうせい[Patriarchy]
Bせい役割やくわり[Gender Role]
C労働ろうどうさい生産せいさん労働ろうどう[Reproductive Labor]
D身体しんたいせい[Embodiment]
E人種じんしゅ階級かいきゅう[Race/Class]
Fケア[Care]の社会しゃかい民主みんしゅ
Gだい2フェミニズム・だい3フェミニズム
Hエコフェミニズム[Ecofeminism]
Iアナキズム[Anarchism]
あつかわない――もしくは批判ひはんてきあつかう――こと
@少子化しょうしか対策たいさく
A子育こそだ支援しえん
B待機たいき児童じどう問題もんだい
C「かつ」・「ママかつ
D「イクメン」
E「女性じょせい活躍かつやく
F「ワーク・ライフ・バランス[Work-life Balance]」
G福祉ふくし政策せいさく[Welfare Policy]
H生殖せいしょく医療いりょう[Reproductive Medicine]
Iリベラル・フェミニズム[Liberal Feminism]

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受講じゅこうせい到達とうたつ目標もくひょう

(1)授業じゅぎょう提示ていじされた内容ないようただしく把握はあくする。
(2)授業じゅぎょう内容ないよう理解りかいとおして、授業じゅぎょうテーマにかんするみずからの問題もんだい意識いしき形成けいせいする。
(3)みずからが従来じゅうらい無条件むじょうけん前提ぜんていとしていた「家族かぞく母性ぼせい育児いくじ」などにかんするイメージを、批判ひはんてき相対そうたいする。
(4)オルタナティブかつ抵抗ていこうてき育児いくじ/ケア/コミュニティ形成けいせい実践じっせんを、主体しゅたいてき(・共同きょうどうてき)に構想こうそうする。
(5)@授業じゅぎょうとおしてられた知見ちけん、Aそれに連関れんかんするみずからの問題もんだい意識いしき、Bならびに実践じっせんてき模索もさく内容ないよう構想こうそう)、の3要素ようそすべてを、自身じしん言葉ことば整理せいり表現ひょうげんできる段階だんかい到達とうたつする。

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講義こうぎ内容ないよう

だい1かい:オリエンテーション[2019/04/09]

担当たんとう教員きょういん紹介しょうかい
◇シラバスの確認かくにん
成績せいせき評価ひょうかについて
講義こうぎ展開てんかいについて
授業じゅぎょうようWebページの紹介しょうかい

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だい2かい:「なぜいま「マザリング」なのか(1)」[2019/04/16]

導入どうにゅう
担当たんとう教員きょういん研究けんきゅう@:アナーカ・フェミニズム[Anarcha-feminism]
国家こっか資本しほん連動れんどうする家父長制かふちょうせいへの対抗たいこう
さい生産せいさん生活せいかつ身体しんたいせい重視じゅうし
脆弱ぜいじゃく立場たちば人々ひとびとへの/による親密しんみつせいもとづいた相互そうご扶助ふじょ
担当たんとう教員きょういん研究けんきゅうA:ジン・カルチャー[Zine Culture]
無視むしされ価値かちづけられない「言葉ことばにならない感情かんじょうさけび」を表現ひょうげんする
無数むすうの・無名むめい人々ひとびとつづる(育児いくじのようなありふれたテーマではあっても)かけがえのない各々おのおの記録きろく
しめされたいかり・絶望ぜつぼうよろこびを共有きょうゆうすること
現象げんしょう問題もんだいとらえる視座しざ
時代じだいせい状況じょうきょう――グローバリゼーション/しん自由じゆう主義しゅぎ/ネット社会しゃかい……
 ――に注目ちゅうもくすると同時どうじに――
安易あんいに「歴史れきし」(区分くぶん分断ぶんだん)しない――連続れんぞくせい差異さい変化へんか)に注目ちゅうもくする
 ex. しん自由じゆう主義しゅぎ時代じだいにおいて家父長制かふちょうせいはいかにして延命えんめい変容へんよう増強ぞうきょうさせられているのか?――といったいを
‐ (マクロな/大文字おおもじの)「政治せいじ経済けいざい社会しゃかい」のうらかくれてえない(ミクロな/微細びさいな)「生活せいかつ習性しゅうせい表現ひょうげん」にらす/みみます
 ――(研究けんきゅうしゃ/ジャーナリスト/学生がくせいは)それを記録きろくする
 ――記録きろくする以前いぜんにそれを感知かんちする技術ぎじゅつ/センスをまなびとり言語げんごする

◆Elkin, Lauren, 2018, "Why All the Books About Motherhood?", The Paris Review, July 17, 2018. 【1】
ははであること/母性ぼせい:すべてのひと関係かんけいする普遍ふへんてきテーマ
◇「ははとはニッチな存在そんざいではない――文字通もじどおりすべてのひとすのだ」[A. N. Devers]
◇Rich, Adrienne, 1976, Of Woman Born: Motherhood as Experience and Institution, London: Virago.=1990 高橋たかはしかや香子きょうこやくおんなからまれる――アドリエンヌ・リッチ女性じょせいろん晶文社しょうぶんしゃ
だい2フェミニズム:む/まないこと(意義いぎ)の主体しゅたいてきさい定義ていぎ
育児いくじ母性ぼせい:ありふれた話題わだいではあっても、その重要じゅうようせいについてほか女性じょせいたちにはなすことを喫緊きっきん必要ひつようとしている。
‐ ☆個別こべつせい普遍ふへんせい ☆経験けいけん共有きょうゆう――への欲望よくぼう
妊娠にんしん出産しゅっさん産後さんご経験けいけん記述きじゅつすること:以前いぜん無視むしされ、病的びょうてきとものとみなされ(病理びょうりされ)、文学ぶんがくてき世界せかい位置いちめることはなかったが、いまようやく近年きんねん作家さっかたちによってその場所ばしょ獲得かくとくされている。[Lily Gurton-Wachter]
妊娠にんしん出産しゅっさん産後さんご経験けいけんつづったほんはセルフヘルプや心理しんりがくたな発見はっけんされる傾向けいこうがあった
‐ 「母性ぼせい以上いじょうにひどい(だめな)文章ぶんしょうさせるテーマはない」[Judith Newman]
 ☆文学ぶんがくてき文化ぶんかてき価値かちがないもの――異端いたんなもの/「異常いじょう」のなもの/病理びょうりてきなもの/むにあたいしないくだらないもの――となされてきた状況じょうきょう
近年きんねん一群いちぐん書物しょもつ際立きわだっているてん:そのたしかな深刻しんこくさ・熱意ねつい、ならびに、すべての臓器ぞうきのなかにあるははとしての経験けいけん文学ぶんがく作品さくひんとして真剣しんけんめてほしいとねがうありかた。
‐ ☆(全体ぜんたいせい*をゆうした)身体しんたいてき経験けいけん(のリアリティ)を文学ぶんがくてき位置いちづける
‐ *臓器ぞうきのみならず皮膚ひふ粘膜ねんまくなみだも、ははとしての経験けいけん証明しょうめいし、かたるもの。
作者さくしゃらは「はは」とそのパースペクティヴを関心かんしん中心ちゅうしんいた
‐ ☆男性だんせい社会しゃかい構築こうちくした/要請ようせいするはは母性ぼせいぞう踏襲とうしゅうするのではなく、当事とうじしゃせいもとづいた主体しゅたいてきな「はは」パースペクティヴ。
わたしたちは母性ぼせい規範きはん基準きじゅんいてきたが、いまそれがかたちになりはじめたようにえる。
‐ ☆規範きはん基準きじゅん――が女性じょせいたちのいとなみの集積しゅうせきによって構築こうちくされている

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だい3かい:「なぜいま「マザリング」なのか(2)――しん自由じゆう主義しゅぎ母性ぼせい」[2019/04/23]

◆Elkin, Lauren, 2018, "Why All the Books About Motherhood?", The Paris Review, July 17, 2018. 【2】
現在げんざいされている母性ぼせいかんする著作ちょさくぶつは、その強烈きょうれつかつ一見いっけん急激きゅうげき集積しゅうせきつうじて、母性ぼせいかんしてくことの近代きんだいてき伝統でんとう――シルヴィア・プラスからアン・セクストン、アドリエンヌ・リッチ、ナンシー・ヒューストンまで――を可視かししている。
‐ ☆不可視ふかしされていた(「歴史れきし」されていた)現象げんしょう現代げんだいいとなみが可視かし――アクチュアルにもど
母性ぼせいかんする近年きんねん書物しょもつ母性ぼせい文学ぶんがくじょうおおきなテーマであるのみならず、より容易ようい認知にんちされてきた関心かんしん事項じこう――戦争せんそう平和へいわあい喪失そうしつ都市とし地方ちほう殺人さつじん狂気きょうき人種じんしゅ階級かいきゅう啓示けいじ疎外そがい――と密接みっせつ関係かんけいにあることを、文化ぶんかてき世界せかい業界ぎょうかい)にみとめさせた。
‐ ☆テーマの「社会しゃかい」/普遍ふへん
◇21世紀せいき初頭しょとう母性ぼせいはブランドされている
母性ぼせいはいま「トレンド」[Natalie Alcala]
‐ ☆消費しょうひてき側面そくめん前面ぜんめん
さい生産せいさん不可能ふかのうせいたいする不安ふあんが、母親ははおや産業さんぎょうならびに母親ははおやあいだあらそいのたねをまく競争きょうそう維持いじさせる消費しょうひしょうじさせる。
‐ ☆消費しょうひによる分断ぶんだん対立たいりつ
◇フェミニスト社会しゃかい学者がくしゃアンジェラ・マクロビーが「マザリングのネオリベラルな激化げきか」とべたものを、わたしたちはいまたりにしている。[Jacqueline Rose]
‐ ☆しん自由じゆう主義しゅぎ
‐ 「理想りそうてき仕事しごと理想りそうてきおっとをもち、理想りそうてき結婚けっこん生活せいかつおくる、完璧かんぺきこなしの、中産ちゅうさん階級かいきゅうの、おも白人はくじん母親ははおやたち――彼女かのじょらの恒常こうじょうてき自己じこ満足まんぞくかんは、そのイメージに合致がっちしない(まずしかったり黒人こくじんだったり、まさに人間にんげんてき困難こんなんせいおくる)すべての女性じょせいたちに全面ぜんめんてき挫折ざせつ敗北はいぼくかんあたえることを目的もくてきとしている。」[Jacqueline Rose]
‐ ☆階級かいきゅうてき断絶だんぜつ

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だい4かい:「なぜいま「マザリング」なのか(3)――身体しんたい具体ぐたいせいから」[2019/05/07]

◆Elkin, Lauren, 2018, "Why All the Books About Motherhood?", The Paris Review, July 17, 2018. 【3】
▼【しん自由じゆう主義しゅぎ母性ぼせい
‐ ☆ども産業さんぎょうどもふくブランド/レジャー施設しせつとう)やママ商品しょうひん展開てんかい化粧けしょうひん/バッグとう)という既存きそん消費しょうひわくえて:はははは予備よびぐん女性じょせいのメンタルや身体しんたいのありようにまで直接ちょくせつ介入かいにゅうしてくる(〔本来ほんらいありはしない〕ある「べき」妊娠にんしん出産しゅっさん育児いくじ母性ぼせいもとめさせる)――がゆえに、当事とうじしゃ際限さいげんなく不安ふあん競争心きょうそうしんをかきてられ、その解消かいしょうのための消費しょうひへとかわされる。
‐ ☆そもそも「はは」の「運動うんどう」は消費しょうひ社会しゃかい子育こそだての商業しょうぎょう/サービス産業さんぎょう)に対抗たいこうしてきた:母親ははおや運動うんどう消費しょうひしゃ運動うんどう共同きょうどう保育ほいく……
 ――が――しん自由じゆう主義しゅぎてき行動こうどう様式ようしき価値かちかん席巻せっけんもど回路かいろをどこにもとめるのか
‐ ☆「女性じょせい活躍かつやく」:さらなる労働ろうどうりょく活用かつよう従来じゅうらい母親ははおや役割やくわり+さらなる消費しょうひ促進そくしん:「はたら女性じょせい」×「専業せんぎょう主婦しゅふ」といった図式ずしき失効しっこう――にもかかわらずあふられる対立たいりつ分断ぶんだん
 cf. 堅田かただ香緒里かおり 20181120 「フェミニズムとベーシックインカム――「ゆる・ふぇみカフェ」の実践じっせんから」エノ・シュミット/山森やまもりあきら堅田かただ香緒里かおり山口やまぐちじゅん『おかねのためにはたら必要ひつようがなくなったら、なにをしますか?』光文社こうぶんしゃ光文社こうぶんしゃ新書しんしょ976),163-198. *→引用いんよう

◇〔妊娠にんしんで〕おなかまるくなり、〔産後さんごに〕生活せいかつがおむつやどものあそびの約束やくそくでいっぱいになっても、ははになること/ならないことが意味いみするものと、〔ははになるうえで〕存在そんざいするまよい(矛盾むじゅんする感情かんじょう)を評価ひょうかする方法ほうほう理解りかいするために、わたしたちははじめる。
◇いまの世代せだいのアプローチ:具体ぐたい〔されたもの〕――わたしたちがきている身体しんたいわたしたちの世界せかい経験けいけん形作かたちづくるという事実じじつ――に注意ちゅういはら
‐ ×ぜん世代せだい:「あなたたちはなんでもできる(すべてをれる)」――抽象ちゅうしょうせい
◇21世紀せいきはじめの母性ぼせい現象げんしょうろんてき経験けいけん高度こうど感受性かんじゅせい記録きろくする
わたしたちは世界せかいのなかでいかにして存在そんざいする身体しんたいであるのかをかんがえるよううなが
子宮しきゅうをもってまれたという生物せいぶつがく生態せいたいじょうはなしだけでなく特定とくてい身体しんたいという条件じょうけんをもとにして
‐ ☆身体しんたい起点きてん)から社会しゃかいとらえる道筋みちすじ当事とうじしゃのリアリティの集積しゅうせき
人種じんしゅ能力のうりょく欲望よくぼうといった観点かんてんから――それらすべてが社会しゃかいにおいていかようにかさなりっているのかについても
白人はくじん中産ちゅうさん階級かいきゅう女性じょせい人種じんしゅ階級かいきゅうがいかに母性ぼせい経験けいけん影響えいきょうするか、にふかれることを警戒けいかいする。
‐ ☆人種じんしゅ階級かいきゅう・セクシュアリティ(クィア)の規定きていせい
母性ぼせいのピクセル全体ぜんたいのなかの個別こべつぞうをぼかし・かすこと)――それは経験けいけんをフラットし、わたしたちがしそこなったこととしそこなったありようについて、より一層いっそう不安ふあんかんじさせる――にたいする反応はんのうとして
‐ ☆えない抑圧よくあつへの防御ぼうぎょ抵抗ていこう

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だい5かい:「しん自由じゆう主義しゅぎ母性ぼせい・メンタルヘルス(1)」[2019/05/21]

導入どうにゅう
男女だんじょ共同きょうどう参画さんかく通信つうしんVol.47「「名前なまえのない家事かじ」って、っていますか?」(2019-03/京都きょうと文化ぶんか市民しみんきょく共同きょうどう参画さんかく社会しゃかい推進すいしん男女だんじょ共同きょうどう参画さんかく推進すいしん
cf. 《ジェンダーカフェ》「もなき家事かじ(2019ねん3がつ22にち/ウィングス京都きょうと
cf. 「ある勇気ゆうきしていまのパートナーに、炊事すいじとか洗濯せんたくとかの“名前なまえある家事かじ”は全部ぜんぶあなたの担当たんとうね、とったことがあって。当然とうぜん反発はんぱついました。でも、名前なまえすらないいえ仕事しごとのほうがずっとりょうおおいんですよ。」(写真しゃしん長島ながしま有里ありえだ――“女性じょせい”という役割やくわりについてかんがえ、表現ひょうげんすることで社会しゃかいとゆるやかにつながっていく」〔『雛形ひながた』2016/07/24〕)
◇アンペイド・ワーク[Unpaid Work/不払ふばら労働ろうどう
感情かんじょう労働ろうどう[Emotional Labour]
◇マニュアルとメンタルヘルス
ふるくてあたらしい
近代きんだい合理ごうり【→/+】しん自由じゆう主義しゅぎ
競争きょうそう原理げんり【×/=】個性こせい追求ついきゅう
‐ マニュアルできないこともたか完成かんせい要求ようきゅうされる
特定とくてい個別こべつせい各々おのおの母子ぼし状況じょうきょう環境かんきょう)と普遍ふへんてき状況じょうきょう搾取さくしゅ抑圧よくあつ)をつなぐ視角しかく認識にんしき枠組わくぐみが必要ひつよう
◇「母性ぼせい」の物語ものがたり
‐ (社会しゃかいたいする)反抗はんこうと(自律じりつてきな)創造そうぞう
‐ ▽村上むらかみきよし 20150516+19 「『生存せいぞんがく Vol.8』内容ないよう紹介しょうかい特集とくしゅう「クリエイティブはは」」立命館大学りつめいかんだいがく生存せいぞんがく研究けんきゅうセンター Facebook
‐ 「断片だんぺん」を共有きょうゆうすること――差異さいたもちつつ複数ふくすうであること(だい3フェミニズム)
◇「物語ものがたり」そのものをいかにして「対抗たいこうてきに/ラディカルに」むか・共有きょうゆうするか
‐ ▽村上むらかみきよし 20140126 対談たいだんにあたって」だい76かい西荻にしおぎブックマーク:「女子じょし作文さくぶん×主婦しゅふ労働ろうどう」(出演しゅつえん近代きんだいナリコ・村上むらかみきよし
‐ ▽村上むらかみきよし 20160424 西山にしやま敦子あつこふるえる指先ゆびさき」にせて」
◇「社会しゃかいがくする」ことのあやうさ――合理ごうりせい分析ぶんせき枠組わくぐみへの回収かいしゅう
大文字おおもじ政治せいじとの距離きょり関係かんけいせい:「対策たいさく」・「支援しえん」のあなめる/をえるシステムをいかに自律じりつてき構築こうちくするか
議論ぎろん展開てんかいから運動うんどうとの接続せつぞく
‐ コミュニティ・レベルの実践じっせん

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だい6かい:「しん自由じゆう主義しゅぎ母性ぼせい・メンタルヘルス(2)」[2019/05/28]

朝井あさいリョウ 201905 「[インタビュー]朝井あさいリョウさん「素晴すばらしき“多様たようせい時代じだいかげにある地獄じごく」」NHK NEWS WEB
‐ “そとから順位じゅんいをつけられたり、あなたはこうだよとめつけられたりする機会きかいまったくなくなると、むしろ、それまではなにかにえることができていた自分じぶん自身じしん存在そんざい価値かち意義いぎをずっとつづける感覚かんかくつよまるのではないでしょうか”
‐ “わたし多様たようせいという言葉ことばから、自分じぶん自分じぶんのことをめていい快適かいてきさと同時どうじに、自分じぶん自分じぶん意義いぎ価値かち見出みいだしていかなくてはならない地獄じごくった実感じっかんがあります。”
‐ “多様たようせい礼賛らいさん世界せかいなかにいながら自分じぶんだれかとくらつづける矛盾むじゅん自分じぶん自分じぶん意義いぎ価値かちをジャッジしつづける行為こういは、内側うちがわからくさっていくというか、そとからてもきずがよくわからないんですよね。だから、あまえのようにもかんじられる”
‐ “自分じぶん自分じぶん存在そんざい意義いぎ価値かち定義ていぎしようとなったとき、もっと簡単かんたんなのは自分じぶんの『生産せいさんせい』を数値すうちすることですよね。何人なんにんどもをそだてているとか、これだけのがく納税のうぜいしているとか”
‐ “自分じぶん存在そんざいをどうしても実感じっかんできない――そうおもなやんでいたとき、『多様たようせい社会しゃかいだからそれでいいんだよ』なんて言葉ことばげかけられたら、わたしはそのひとのことをきずつけてしまうかもしれない。多様たようせいなんてどうでもいいから数値すうちできる生産せいさんせいをくれよ、と、おもわない自信じしんがない”
菊地きくち夏野なつの 20190510 「「女子じょしりょく」という言葉ことばは、どんなふうにわたしたちを呪縛じゅばくしているのか――アンケート調査ちょうさからえてきたこと」現代げんだいビジネス
‐ “女性じょせいむかしから「社会しゃかい」に存在そんざいしてますし、家事かじだけでなくいわゆる仕事しごともしています。近年きんねん変化へんかでいうならむしろ、女性じょせい正規せいき労働ろうどうのほうが深刻しんこくなのですが、「社会しゃかい進出しんしゅつ」という言葉ことばが、そのあたりをぼかしてしまいます。
こうしたジェンダーをめぐる、ふわふわした言葉ことば代表だいひょうてきなひとつが「女子じょしりょく」です。”(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64468)
‐ “調査ちょうさ結果けっかえてきたのは、「女子じょしりょく」という言葉ことばがいかに「おんならしくいるよう努力どりょくすること」を評価ひょうかするものであるかということ、その結果けっか、この言葉ことば女性じょせいに「努力どりょく」をいるものになっているということ、そして、その背景はいけいにある社会しゃかい変化へんかです。”(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64468)
‐ “「女子じょしりょく」という言葉ことば重点じゅうてん力点りきてんは、そういった「おんならしいこと」にけて「努力どりょくすること」にあるのです。ひとえないところで、家事かじがうまくなるように、また綺麗きれいになるように日々ひびこまかく努力どりょくすること、それ自体じたいが「女子じょしりょく」なのです。”(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64468?page=3)
‐ “「おんならしい」という言葉ことば意味いみするものは、もともと、生来せいらいてき女性じょせいそなわっている「特質とくしつ」「性質せいしつ」です。女性じょせいならだれでももっている(とかんがえられている)それが、たまたまそとあらわれるときに「おんならしい」といわれます。
それにたいして「女子じょしりょく」は日々ひびたゆまず努力どりょくするひとのみがにつけられるものです。「女子じょしりょく」は、後天的こうてんてき獲得かくとくされるのです。”(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64468?page=3)
‐ “「女子じょしりょく」はふるいジェンダーの秩序ちつじょまもりながらも、政治せいじ経済けいざいあたらしいネオリベラルな要請ようせい柔軟じゅうなんこたえること、そのために日々ひびたゆみなく努力どりょくすることを期待きたいされています。
いかえれば、家事かじ子育こそだてといったふるい「おんならしさ」を発揮はっきすることと同時どうじに、その「おんならしさ」をかしながら労働ろうどうりょくとしても柔軟じゅうなんちから発揮はっきすること、この両者りょうしゃもとめられているということでしょう。”(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64468?page=4)

える家父長制かふちょうせいシステム(地方ちほう旧家きゅうかだい家族かぞくのような)の瓦解がかい:but 家父長制かふちょうせいがなくなったわけではない:べつの(しん自由じゆう主義しゅぎ適応てきおうした)かたちで再編さいへん強化きょうかされてきた/いる
◇「女子じょしりょくてき規範きはんははになるという条件じょうけん前提ぜんていとしてんだもの:当然とうぜん実際じっさいははをもしば
‐ (よりい)子育こそだてだけでなく(より自分じぶんらしく・能力のうりょく発揮はっきして)はたらくこと
ははであっても/あるがゆえに外見がいけん内面ないめんみがつづけること
はは家庭かていとの比較ひかく差異さい競争きょうそう
‐ →はは同士どうしの(恒常こうじょうてきな)分断ぶんだん当事とうじしゃ個々人ここじん不安ふあん疲弊ひへい
◇「女子じょしりょく」のなかに/延長線えんちょうせんじょうに「母性ぼせい」や育児いくじのスキルが位置いちづけられる
‐ そうした(「多様たよう」・「自由じゆう」の獲得かくとくうらにある)ネオリベラルな抑圧よくあつ構造こうぞう規範きはんからどう自身じしんを/「母性ぼせい」をがせるか
家父長制かふちょうせい企業きぎょう社会しゃかい国家こっかからもとめられる母性ぼせいとはことなる(それらに対抗たいこうする)「わたしたちの」母性ぼせい
‐ わたしの/わたしたちの「母性ぼせい」をうばられない・わたさないという意識いしき

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だい7かい:「脆弱ぜいじゃくせいかかえつつサヴァイヴする――ためのフィールドをもどす」[2019/06/04]

導入どうにゅう
◆2019/05/26 「[Lecture & Workshop]セーファースペースとしてのジン・コミュニティをつくる」
 14:00〜17:00 於:ナゴヤ駅西えきにし サンサロ*サロン
 ゲスト講師こうし/ファシリテーター:村上むらかみきよし

西山にしやま敦子あつこ[Atsuko Nishiyama] 20190415 「「ソフトボイルド・マニフェスト」C.I.P. Books主宰しゅさい西山にしやま敦子あつこ」『i-D Japan No.7』→20190530 https://i-d.vice.com/jp/article/pajaxg/soft-boiled-is-the-new-hard-boiled
“ソフトボイルドであること。とりみだすこと、ふるえてしまうこと。こえげることのつよさをしんじながら、ときに沈黙ちんもくせざるをえない状況じょうきょうがあるのをいつも意識いしきすること。どうしてもさだまらないこと、矛盾むじゅんかかえること。”
講義こうぎない朗読ろうどく

個人こじんつよさ・努力どりょく才能さいのう成功せいこう差別さべつ抑圧よくあつをはねのけること(:男性だんせい社会しゃかい女性じょせい推奨すいしょうされる問題もんだい解決かいけつ方法ほうほうろん)=現実げんじつ差別さべつ抑圧よくあつ構造こうぞう温存おんぞん(・強化きょうか)する
‐ ――であればその「つよさ」(をもとめる姿勢しせい自体じたい拒否きょひすること
男性だんせい基準きじゅん家父長制かふちょうせい×企業きぎょう社会しゃかい)の能力のうりょく主義しゅぎ競争きょうそう)の土俵どひょうらないこと
‐ 「評価ひょうか」されるために立派りっぱつま立派りっぱはは立派りっぱなビジネスウーマンであることを目指めざ努力どりょくする:その労働ろうどう過程かてい成果せいかがいかなる社会しゃかいシステムに寄与きよしてしまうのかを見抜みぬくこと
おんなはは(+さまざまなマイノリティ属性ぞくせいをもつひとたち)がきるフィールドはそこではなくそのそとに(身近みぢか足元あしもとに・複数ふくすう)あることをしめ
‐ →そのフィールドを共同きょうどうととのえていく(共同きょうどう保育ほいく協同きょうどう労働ろうどう・ピアカン……)
◇ヴァルネラビリティ(Vulnerability:脆弱ぜいじゃくせい)を基軸きじくとしたつながり
‐ 「できる」ヒーロー(男性だんせいけないエリート)が先導せんどうするのではなく
移民いみん障害しょうがいしゃ/シングルマザー/DV被害ひがいしゃ生活せいかつ保護ほご受給じゅきゅうしゃ/セックスワーカー/トランス/クィア/メンタルヘルス……
内部ないぶでヒエラルキーが形成けいせいされないようにする模索もさく実践じっせん必要ひつようせい
きずつき・きずつけって・いたみ・み・くるしむ女性じょせいたちがサヴァイヴ[Survive]するための最後さいごりどころとしての「母性ぼせい
共同きょうどうせいをもとに・主体しゅたいてきに・自律じりつてきつくすもの
搾取さくしゅされることのないケア・さい生産せいさんいとなみ(の模索もさく
過去かこの・他所よそ見知みしらぬ無数むすうの「はは」たちとつながりあう(ポテンシャルをもつ)もの
cf. 中村なかむら佑子ゆうこ 20180106− 「[連載れんさいわたしたちはここにいる――現代げんだいははなる場所ばしょ『すばる』40(2): 218-232[だい1かい]*以降いこう隔月かくげつ連載れんさい
中村なかむら佑子ゆうこ 20180106− 「[連載れんさいわたしたちはここにいる――現代げんだいははなる場所ばしょ『すばる』40(2): 218-232[だい1かい]*以降いこう隔月かくげつ連載れんさい
妊娠にんしん出産しゅっさん子育こそだてのなかで経験けいけんした「ははなる時間じかん」は、どもと心身しんしん自己じこ溶解ようかい体験たいけんであり、社会しゃかいてき属性ぞくせいをはぎられる原初げんしょ体験たいけんだった。そのことをきっかけにづいたのは、そもそも女性じょせい身体しんたいひらいた「あな」によって、自己じこ同一どういつせいがもたらされる多孔たこうてき感覚かんかくをもっているということだった。この本質ほんしつてき形容けいよう不可能ふかのうな「女性じょせいせい」に言葉ことばあたえることは、わたしたちの社会しゃかい固定こていしたシステムをうちやぶする可能かのうせいをもたないだろうか。この社会しゃかい息苦いきぐるしさをかんじるすべてのひとひらかれた「母性ぼせい」をさぐるため、わたし女性じょせいたちのこえあつめていくことにした……。”

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だい8かい:「おんな身体しんたいせいからはじめる――合理ごうりのプレッシャーにあらがって」[2019/06/11]

導入どうにゅう
佐藤さとう由美子ゆみこ×村上むらかみきよし司会しかい堅田かただ香緒里かおり) 20190531 「[トークセッション]オリンピックとジェントリフィケーション――ジェンダー・文化ぶんか・アクティヴィズムの観点かんてんから」,『支援しえん』9: 151-181

西山にしやま敦子あつこ近代きんだいナリコ 20190515 「かれるような葛藤かっとうかかえて――ケイト・ザンブレノ『ヒロインズ』(C.I.P. BOOKS)をめぐって」『なnD』7: 6-27
cf. ◆Zambreno, Kate, 2012, Heroines, Los Angeles: Semiotext(e).=ケイト・ザンブレノ(西山にしやま敦子あつこやく) 20180704 『ヒロインズ』C.I.P. Books(425p.)
いたみのリアリティからかたす:男性だんせい社会しゃかいの(性的せいてき)ファンタジーに適応てきおうしない
◇(男性だんせい企業きぎょう社会しゃかい国家こっか基盤きばんとする)生産せいさんせい合理ごうりせい至上しじょう主義しゅぎ土俵どひょう自体じたいらない:ってそこで頑張がんばることで結果けっかてきにそれを補強ほきょうしてしまう=そのシステムに貢献こうけんしてしまうことを拒否きょひする
かたらない/かたれない(抵抗ていこうする=こえげる意志いし手段しゅだんすらうばわれた)しゃたちの存在そんざい――を認知にんち尊重そんちょうしそれでも接続せつぞく可能かのうせいさぐ
言葉ことば論理ろんりつうじてではない共振きょうしん共鳴きょうめいのありかたを模索もさくする
◇リアルな身体しんたいせいとそれにつらなる精神せいしんせいというフォーマット:差異さい普遍ふへんせい――をもとに(周縁しゅうえんされた多様たよう存在そんざいへと)拡張かくちょうしていくこと ☆(ポスト)だい3フェミニズム

▼『ヒロインズ』:「訳者やくしゃあとがき」(西山にしやま敦子あつこ)より

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だい9かい:「「はは」の疎外そがいじょうきょうめ・あらわし・感知かんちしあう――その方法ほうほう多様たようせい」[2019/06/18]

◆クラークソン瑠璃るり(Ruri Clarkson) 20190531 「刺繍ししゅうでフェミニズムをえがくまで」支援しえん』9: 68-72
言葉ことば論理ろんりかいさない主体しゅたい構築こうちく他者たしゃへの接続せつぞく――自己じこ承認しょうにんできない「主婦しゅふ」・「はは」として
‐ 「労働ろうどうしゃ」でもない・「主婦しゅふ」でもない・「はは」でもない自分じぶん
 ‐ たとえちん労働ろうどう家事かじ労働ろうどう育児いくじ労働ろうどうそれぞれに従事じゅうじしていても
‐ どこからもちゅうぶらりんの(場所ばしょがない)立場たちばせい
‐ であるからこそおな状況じょうきょう他者たしゃとの接続せつぞく必要ひつようとする
‐ であるからこそ(差異さいゆうしつつ)接続せつぞくできる可能かのうせい
 ‐ 「アイデンティティ」のような枠組わくぐみではなく/をえて
手仕事てしごと表現ひょうげん女性じょせいせい母性ぼせい)への便宜べんぎてき依拠いきょ/コミュニケーションにおける女性じょせいせい母性ぼせい)の手段しゅだん
自身じしんの(個人こじんてき感情かんじょう意識いしきする → 「政治せいじせい」の獲得かくとく発露はつろ
政党せいとうかかげる政策せいさく子育こそだ支援しえん/ワーク・ライフ・バランス/ダイバーシティ……)のような大文字おおもじの「政治せいじ」ではかたられない・あつかわれない・見過みすごされる範疇はんちゅう:そこにある本質ほんしつてき政治せいじてきなこと――を見出みいだす/に辿たどくこと
解釈かいしゃく多様たようせい個々ここ現実げんじつ反映はんえい
差異さい共同きょうどうせい

西山にしやま敦子あつこ 20160406 「ふるえる指先ゆびさき『すばる』38(5): 80-81
cf. ◆村上むらかみきよし 20160424 西山にしやま敦子あつこふるえる指先ゆびさき」にせて」
家事かじ触覚しょっかく感知かんち
村上むらかみきよし 20140126 対談たいだんにあたって」だい76かい西荻にしおぎブックマーク》「女子じょし作文さくぶん主婦しゅふ労働ろうどう」(出演しゅつえん近代きんだいナリコ・村上むらかみきよし
記号きごうせい/リテラシー
中村なかむら佑子ゆうこ 20180106− 「[連載れんさいわたしたちはここにいる――現代げんだいははなる場所ばしょ『すばる』40(2): 218-232[だい1かい]*以降いこう隔月かくげつ連載れんさい
みず空洞くうどう境界きょうかい内包ないほう産出さんしゅつ轟音ごうおん静謐せいひつふう……

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だい10かい:「差異さいをもとにした共同きょうどうせい構築こうちくする実践じっせんけて」[2019/06/25]

言葉ことばにならない「こえ」をす・つたえる・く――ために必要ひつよう条件じょうけん
空間くうかん[Space]・場所ばしょ[Place]
◇それをだれもが共有きょうゆうできること――ともざい[あ]れること

●@公的こうてき公共こうきょう空間くうかん[Public Space]
公園こうえん
広場ひろば路上ろじょう街角まちかど(ストリート)
‐ (空間くうかんとしての)商店しょうてんがい
公民館こうみんかん図書館としょかん
大学だいがく
@':そこでしょうじる/実践じっせんされること
世間せけんばなし愚痴ぐち[ぐち]
なやみの共有きょうゆう相談そうだん
共同きょうどう保育ほいく青空あおぞら保育ほいく
@'':性格せいかく
無償むしょうせい
無条件むじょうけん排除はいじょしない:年齢ねんれい性別せいべつ学歴がくれき職業しょくぎょう(の有無うむ)・世帯せたい構成こうせい
 ‐ シングルマザー/DVサバイバー/セックスワーカー/クィア……
 ‐ 移民いみんてい所得しょとくしゃ失業しつぎょうしゃ生活せいかつ保護ほご受給じゅきゅうしゃ/ホームレス……
相互そうご扶助ふじょこまったときはおたがいさま)
贈与ぞうようごけるひとうごく/得意とくいひとがやる/必要ひつようひとる)
●A私的してき私有しゆう私営しえいされた空間くうかん[Privatized Spaces]
‐ ショッピングモール
‐ テナントビル
‐ エンタメ/アミューズメント施設しせつ
‐ それらのなかのキッズルーム
A':そこでしょうじる/実践じっせんされること
消費しょうひ
‐ サービス享受きょうじゅ
自分じぶんみがき/どもへの投資とうし
A'':性格せいかく
商業しょうぎょうてき消費しょうひ促進そくしん
支払しはら金額きんがく該当がいとうするサービス:対価たいか/「う」
えざる排除はいじょ選別せんべつ序列じょれつ
 ‐ 利用りよう要件ようけんおっと職業しょくぎょうおっと勤務きんむさき企業きぎょうおっと年収ねんしゅう……

◇ジェントリフィケーション[Gentrification]:@の縮減しゅくげん・Aの拡大かくだい
◇あらゆる都市とし郊外こうがい大学だいがく……)における私有しゆう論理ろんり秩序ちつじょ[Order]の浸透しんとう
◇@をまもる/もどこころみ――をること・共有きょうゆうすること

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だい11かい:「Revolutionary Mothering(1)」[2019/07/02]

導入どうにゅう
◇ゼミ/サークル(部活ぶかつとう縮小しゅくしょう展開てんかいされ持続じぞくする家父長制かふちょうせい
ちち長男ちょうなんははむすめ
男性だんせいあいだ権限けんげん委譲いじょう
女性じょせい役割やくわり家長かちょう後継あとつぎ・成員せいいんのケア

◆Gumbs, Alexis Pauline; Martens, China; Williams, Mai'a eds., 2016, Revolutionary Mothering: Love on the Front Lines, Oakland, CA: PM Press.
“Inspired by the legacy of radical and queer black feminists of the 1970s and ’80s, Revolutionary Mothering places marginalized mothers of color at the center of a world of necessary transformation. The challenges we face as movements working for racial, economic, reproductive, gender, and food justice, as well as anti-violence, anti-imperialist, and queer liberation are the same challenges that many mothers face every day. Oppressed mothers create a generous space for life in the face of life-threatening limits, activate a powerful vision of the future while navigating tangible concerns in the present, move beyond individual narratives of choice toward collective solutions, live for more than ourselves, and remain accountable to a future that we cannot always see. Revolutionary Mothering is a movement-shifting anthology committed to birthing new worlds, full of faith and hope for what we can raise up together.”
◇Ratliff, Marcia, 2016, "'Radical caretaking': Poet, activist Mai'a Williams on building real communities", Winona Daily News, April 3, 2016, (https://www.winonadailynews.com/news/local/radical-caretaking-poet-activist-mai-a-williams-on-building-real/article_942fe47b-7ff0-5a62-a895-1b0f0f00cfcc.html).
“If you’re an activist in community organizations and you’re wondering why there are no people of color there, or why there are no women of color there, historically, women of color just have children earlier. And they aren’t going to be able to get paid childcare, necessarily.”
◇Parenting for Liberation, 2016, "Revolutionary Mothering: Interview with Mai’a Williams", Parenting for Liberation, June 2, 2016, (https://parentingforliberation.org/2016/06/02/maia-williams-revolutionary-mothering/).
◇Motapanyane, Maki, 2017, "BOOK REVIEW: Revolutionary mothering: Love on the front lines, edited by A.P. Gumbs, C. Martens, & M. Williams. (2016). Oakland, CA: PM Press.", Journal of Critical Race Inquiry 4(1): 78-80.
方法ほうほう
社会しゃかい周縁しゅうえん(margin)にあるマザリングを
 ――マザリングと貧困ひんこん人種じんしゅ/セクシュアリティの関係かんけいならびにマザリングのコミュニティ構築こうちく様態ようたい注目ちゅうもく
問題もんだい
‐ マザリングにかんする主流しゅりゅう覇権はけんてき見方みかた適合てきごうしない人々ひとびと基幹きかん資源しげんへのアクセス/コミュニティ形成けいせい可能かのうにするアクセスが(マジョリティにくらべ)大幅おおはば減少げんしょうする
目的もくてき
‐ @援助えんじょてき(supportive)で・Aよりケアを重視じゅうしする・B(社会しゃかいてき周縁しゅうえんにあるははたちの存在そんざい中心ちゅうしんえたコミュニティ形成けいせいかんする対話たいわはじめる
◇イメージ
想定そうていは「標準ひょうじゅん家族かぞく世帯せたい)」ではない
‐ ラディカルなケア
 ――生物せいぶつがくてき範疇はんちゅうにとどまらずわたしたちがおたがいにケアをするさまざまな方法ほうほうのすべて
 ――これまで不払ふばらいで過小かしょう評価ひょうかされてきた仕事しごと
 ――女子じょし女性じょせいはこれらのスキルをまなぶことを余儀よぎなくされてきた
  →すべてのひとわか時期じきにこれらのスキルをまなぶことがのぞまれる
◇コミュニティを構築こうちくするにあたって
資本しほん主義しゅぎせい差別さべつ人種じんしゅ差別さべつといた世界せかい存在そんざいする暴力ぼうりょくびるために必要ひつようなシステムをつくりあげる
生活せいかつ保護ほご受給じゅきゅうしゃ母親ははおや貧困ひんこん状態じょうたい母親ははおや移民いみん母親ははおやども:いわれなき(あやまった)攻撃こうげき対象たいしょうとなる存在そんざい
彼女かのじょらは最前線さいぜんせん(front line)にいる――もっとも(容易よういに)きずつく(きずつけられる)立場たちば+もっともいえうしな可能かのうせいたか
 →彼女かのじょたちがおたがいにケアしあうシステムがもとめられる

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だい12かい:「国境こっきょうえる暴力ぼうりょく構造こうぞう――ヴァルネラブルなははたち」[2019/07/09]

導入どうにゅう
中村なかむら佑子ゆうこ 20190706 「わたしたちはここにいる――現代げんだいははなる場所ばしょだい9かい]」『すばる』41-8(2019-08): 290-309
 ◇村上むらかみきよし 20190708 中村なかむら佑子ゆうこわたしたちはここにいる――現代げんだいははなる場所ばしょだい9かい]」をんで」

父権ふけんてき父性ふせいてき権力けんりょく暴力ぼうりょく
◇グローバリズム/ポスト植民しょくみん主義しゅぎ
‐ 「開発かいはつ」/経済けいざい進出しんしゅつ
◇トランスナショナル:暴力ぼうりょく搾取さくしゅ抑圧よくあつ(×抵抗ていこう連帯れんたい・エンパワーメント)
‐ アジアの女性じょせい労働ろうどうしゃ母親ははおや若年じゃくねん女性じょせい
◇ヴァルネラビリティ(脆弱ぜいじゃくせい
底辺ていへん労働ろうどうりょく育児いくじ責任せきにん
先進せんしん国内こくないでの構造こうぞう
移民いみんのシングルマザー
‐ セックスワーカー
生活せいかつ保護ほご受給じゅきゅうする母親ははおや
◇「包摂ほうせつ」のうらにある排除はいじょ
‐ ピンクウォッシュ[Pinkwash]/レインボー・キャピタリズム[Rainbow Capitalism]
‐ ジェントリフィケーション[Gentrification]/社会しゃかいてき浄化じょうか[Social Cleansing]
◇ネットワーキング
‐ サヴァイヴ(生存せいぞん
資源しげんへの接続せつぞく
‐ 「援助えんじょ」?

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だい13かい:「Revolutionary Mothering(2)」[2019/07/16]

導入どうにゅう
◇「ガラスの天井てんじょうろんあやうさ
‐ 「ワーク・ライフ・バランス」・「両立りょうりつ支援しえん」・「子育こそだ支援しえん」・「イクメン」etc.(=男女だんじょ共同きょうどう参画さんかくてき概念がいねん政策せいさく標語ひょうご)が最初さいしょからとどかない場所ばしょ対象たいしょう)の存在そんざい――埒外らちがいははたち
‐ 「ゆか」の存在そんざい――その上下じょうげけるちからだれ行使こうししているのか
行政ぎょうせいが/マジョリティが「ないことにする」(→断絶だんぜつさい生産せいさんする)ははたちの存在そんざい――自力じりき(+支援しえんちから)で母子ぼし生存せいぞん生活せいかつ維持いじする+直接ちょくせつ行動こうどうによる運動うんどう

変革へんかく実践じっせん[transformative practice]としてのマザリング――そのための構築こうちくする
中心ちゅうしん周縁しゅうえん(マージン)のBorder(境界きょうかいせん)を可視かしする・やぶる→中心ちゅうしん周縁しゅうえんというOrder(秩序ちつじょ)を問題もんだいする・るがす
特定とくてい人々ひとびとを(とき無自覚むじかくに)周縁しゅうえん[marginalize]しているがわ(=中心ちゅうしんがわ)の立場たちばをあぶり
‐ マザリング(のためのみ)そのものが変革へんかく実践じっせんとなるポテンシャル
‐ マザリングがめる多様たような(認識にんしきされにくい)「政治せいじせい
社会しゃかいなかのもろい・不安定ふあんていな[fragile/precarious]存在そんざい中心ちゅうしん
人種じんしゅ階級かいきゅう(/ジェンダー/セクシュアリティ)
連関れんかんせいふく合性あいしょう交差こうさせい
労働ろうどう×ケア?
 cf. ◆Dow, Dawn Marie, 2019, Mothering While Black: Boundaries and Burdens of Middle-Class Parenthood, Oakland: University of California Press.
◇メディアにおけるマザリング=白人はくじんによるもの――そうした状況じょうきょうへの対抗たいこう言説げんせつ実践じっせん)=ラディカル・マザリング
有色ゆうしょく人種じんしゅのシングルマザー[single mothers of color]の運動うんどうからまなぶもの
◇70〜80年代ねんだい保育ほいく運動うんどう[radical childcare]
だい2フェミニズム
日本にっぽんでも(ウーマンリブ/生活せいかつしゃ運動うんどう
現在げんざいにいたる「マザリング運動うんどう」[revolutionary mothering activism]というとらかた
◇マザリングという運動うんどう運動うんどうにおけるマザリング
‐ cf. ブラックパンサー[Black Panther Party]
◇マザリングのクィア
‐ LGBTQのははたち――セクシュアリティの問題もんだい
分断ぶんだんせん無効むこうする

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だい14かい:「Revolutionary Mothering(3)」[2019/07/23]

導入どうにゅう
映像えいぞう資料しりょう
@‘I’ve run out of tears’: inside London’s temporary housing crisis
AFocus E15
BFocus E15 mothers - Occupy!
CFeminist group Sisters Uncut: ‘Social housing is a right, not a privilege’
DSisters Uncut Celebrates ‘Win’ Over Hackney Social Housing With Town Hall Stunt
――cf. [a][b][c][d][e]
居住きょじゅう[Housing]をめぐる運動うんどう――はインフラ・経済けいざい条件じょうけん問題もんだいのみならずコミュニティの維持いじ母親ははおやのメンタルヘルスの問題もんだいにもつながっている
直接ちょくせつ行動こうどうのもつちから――それを可能かのうにする力強ちからづよいアクセシブルなコミュニティの存在そんざい
抗議こうぎ行動こうどう空間くうかん同時どうじにマザリングの空間くうかんにしてしまう

◇マザリングのエートス
他者たしゃ身体しんたい生存せいぞん成長せいちょう関与かんよすることを(それ自体じたいとして)価値かちづけること
わたしたちを分断ぶんだんする資本しほん主義しゅぎのロジックを根源こんげんてき否定ひていする
◇マザリングの主体しゅたいをケアするみの必要ひつようせい
従来じゅうらい秩序ちつじょにおけるマザリングはけっして「平等びょうどう」ではなかった
有色ゆうしょく人種じんしゅ女性じょせいはマザリングにおいて暴力ぼうりょくてきばっせられ、スティグマを付与ふよされてきた。
みずからのではなく白人はくじん女性じょせい家庭かていをケアすることを強要きょうようされた過去かこみずからの里子さとごさざるをえない/自分じぶんのこ海外かいがい出稼でかせぎ……
白人はくじん人類じんるい資源しげん増大ぞうだいさせる存在そんざいとして祝福しゅくふくされる一方いっぽう黒人こくじん先住民せんじゅうみんぞくだいさん世界せかいどもたちは――国家こっか資源しげん枯渇こかつさせる存在そんざいとして/将来しょうらい犯罪はんざいしゃとして/近年きんねんでは人口じんこう過剰かじょう文脈ぶんみゃく環境かんきょう悪化あっか加害かがいしゃとして――なげかれる
‐ そうした(差別さべつてき均衡きんこう問題もんだいとしないマザリングのみはありえない
白人はくじん至上しじょう主義しゅぎ性愛せいあい主義しゅぎ家父長制かふちょうせいてき資本しほん主義しゅぎ対抗たいこうし、抑圧よくあつされた女性じょせいたちのせい(・せい)を回復かいふくさせるコミュニティが必要ひつよう
◇マザリングの十全じゅうぜん主体しゅたいとなることを当事とうじしゃとしてもとめる
しん自由じゆう主義しゅぎのもとでは、フォーマルかつインフォーマル(パートタイム/派遣はけん/フレキシブル労働ろうどう)な賃金ちんぎん獲得かくとくすることにたいする貧困ひんこん女性じょせい個人こじんてき責務せきむは――家族かぞく共同きょうどうたいのメンバーへのケア〔労働ろうどう〕にたいする国家こっかてき支援しえん削減さくげんされる一方いっぽうで――増大ぞうだいし・ふかまりつづけている。
‐ そのなかでの疲弊ひへい絶望ぜつぼう孤立こりつじょうきょう当事とうじしゃとして問題もんだいする
国家こっか資本しほんへの隷従れいじゅうじょうきょうから
社会しゃかい関係かんけいさい構築こうちく――マザリングをその革命かくめいてき手段しゅだんとして
革命かくめいてき試行しこう実践じっせんとしてのマザリング
抵抗ていこうする自律じりつてきコミュニティと同様どうよう回復かいふくりょくのある個人こじん育成いくせいする能力のうりょくふく共通きょうつうのニーズに対応たいおうするためわたしたち自身じしんさい構築こうちくする――その方法ほうほうさぐ
革命かくめいてき家庭かてい管理かんりのマニフェスト
◇「ホーム(家庭かてい)」は個人こじんてき私的してき資源しげんではない:
白人はくじん至上しじょう主義しゅぎ性愛せいあい主義しゅぎ家父長制かふちょうせいてき資本しほん主義しゅぎ構成こうせいされる人間にんげん生活せいかつ維持いじするシステムのさい前部ぜんぶ
◇コミュニティのなかに要素ようそ
@完全かんぜんさい生産せいさんと(それにおける)すべての女性じょせい先住民せんじゅうみん女性じょせい有色ゆうしょく人種じんしゅ女性じょせい/クィア/トランス/障害しょうがいしゃ女性じょせい貧困ひんこん女性じょせい)の自己じこ決定けっていのためのたたか
孤立こりつ隔離かくり)・欠乏けつぼう剥奪はくだつ)のない妊娠にんしん出産しゅっさんを――身体しんたい精神せいしん安全あんぜんまも
産婆さんば助産婦じょさんぷ)のコレクティブの必要ひつようせい
Aせいてき正義せいぎけた
性愛せいあい主義しゅぎてき家父長制かふちょうせいイデオロギーからは「逸脱いつだつしゃ性的せいてき倒錯とうさくしゃ)」とラベリングされている存在そんざいのために
安全あんぜん尊厳そんげんある、自己じこ決定けっていもとづく性的せいてき充足じゅうそくのためのアクセスのおける物質ぶっしつてき条件じょうけん平等びょうどう
‐ セックスワークの犯罪はんざいけて
Bケアの共同きょうどう責任せきにん
他者たしゃ利益りえき利潤りじゅん)のために女性じょせい自身じしんこわす(犠牲ぎせいにする)ことを当然とうぜんなすのをやめる――時間じかん労力ろうりょく政治せいじてき資源しげんなす
育児いくじ共同きょうどう保育ほいく/ケア提供ていきょうしゃのコレクティブをつくる――まずしいはは/ケア提供ていきょうしゃ日々ひび生存せいぞん戦略せんりゃく支援しえんするため
家事かじ労働ろうどうしゃとしてのだいさん世界せかい女性じょせいへの搾取さくしゅ対決たいけつする――その身体しんたい保護ほご
C「家族かぞくあい」の政治せいじ
権力けんりょくわたしたちの欲求よっきゅう特定とくてい身体しんたい親密しんみつ関係かんけいするものへと方向ほうこうづける
相互そうご関与かんよ依存いぞん同盟どうめいとしての協力きょうりょく関係かんけい実践じっせん
資源しげんをシェアすることで家族かぞくあいからコミュニティへと拡張かくちょうしていく
Dせいてき暴力ぼうりょくサバイバーをコミュニティでケアする構造こうぞう
性的せいてき暴力ぼうりょく人々ひとびと居住きょじゅう家族かぞく・コミュニティ・経済けいざいてき支援しえん、そして身体しんたいてき感情かんじょうてき精神せいしんてき完全かんぜんせいへのアクセスをる。
‐ あらゆる抵抗ていこうのコミュニティは、サバイバーの安全あんぜん確保かくほ加害かがいしゃ責任せきにん構造こうぞう発展はってんさせる必要ひつようがある。
自分じぶんたち自身じしん防衛ぼうえいするために、わたしたちは(自律じりつてき統治とうちけん身体しんたいてき能力のうりょくもどさねばならない。
E身体しんたい健康けんこうたもつための自律じりつ空間くうかん
国家こっかによる暴力ぼうりょくたたか抵抗ていこうのなかで/国家こっか提供ていきょうするヘルスケアに容易よういにアクセスできない人々ひとびと生活せいかつにおいて必要ひつようとされる
抑圧よくあつたいする反応はんのう制度せいどてき病理びょうりあらが
‐ あらゆる抵抗ていこうのコミュニティにはヒーラー[healer(s)]のコレクティブが必要ひつよう[☆→だい15かい
F支配しはいてき教育きょういく構造こうぞうから排除はいじょされたども・若者わかものしゅたる対象たいしょうとした自律じりつてきフリースクール
公的こうてき教育きょういくシステムは、ども・若者わかものたちから、国家こっか資本しほん要請ようせいする要素ようそはんする言語げんご思考しこう主観性しゅかんせいうばう。
教育きょういくだつ植民しょくみん[decolonize]しなければならない――法則ほうそく形式けいしきさい定義ていぎすることによって
G必要ひつよう物資ぶっし共同きょうどう配給はいきゅうのシステム
衣類いるい交換こうかん/コミュニティ・ガーデン/食料しょくりょう食事しょくじをシェアするネットワーク(cf. コミュニティ・キッチン)
各人かくじん能力のうりょくにみあった寄付きふ貢献こうけんによる
安全あんぜん尊厳そんげんたもてる空間くうかんへのアクセス:いえのシェア
 ――標準ひょうじゅん家族かぞくという規範きはん解体かいたいする
いえをシェアするネットワークを危険きけん状況じょうきょうにある人々ひとびとにまで拡張かくちょうしなければならない
 ――貧困ひんこん状態じょうたいのシングルマザーとその:(彼女かのじょらの生活せいかつはやっかいで不安定ふあんていだと理解りかいされているため)をシェアするのに「てきさない」となされつづける
革命かくめいてき接続せつぞく接合せつごう)として機能きのうしうる(としての)「いえ」を創造そうぞうする
H共同きょうどうたい批判ひはんてきアイデア/つながり/インスピレーションをうながすためにアートをもど
社会しゃかいてき過程かてい[social process]としてのアート
 ――わたしたちの現実げんじつづき・接合はぎあわし・だつ構築こうちくする
 ――革命かくめいてきヴィジョンを能力のうりょく育成いくせいするために必要ひつようなもの
世代せだいのアーティストのコレクティブを発展はってんさせる
I地球ちきゅう環境かんきょうならびに生物せいぶつとの関係かんけいだつ植民しょくみんする
地域ちいき生態せいたいけい破壊はかいからまもたたかいの意義いぎ
地球ちきゅう環境かんきょう生物せいぶつとの互恵ごけい関係かんけい維持いじするための社会しゃかい構造こうぞう修復しゅうふくし・まも

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だい15かい:「Revolutionary Mothering(4)――過去かこ現在げんざい未来みらい」[2019/07/30]

導入どうにゅう
◆Focus E15 Campaign, 2019, "Stranded in Southend: expectant mother told by Newham Council that she hasn’t been moved far enough away yet", Focus E15 Campaign, July 26, 2019, (https://focuse15.org/2019/07/26/stranded-in-southend-expectant-mother-told-by-newham-council-that-she-hasnt-been-moved-far-enough-away-yet/).
“We call on the Mayor and the Council to immediately move this mother and her children back to Newham. She is asking for her right to be housed in her community for the long term benefit of her children. A pregnant mother should not be left to give birth alone or be cast out. She needs to be back in her community so that she can get the support she needs at this vulnerable time in her life just before she goes into labour. The issues of class, race and gender are present in this case and Newham have left her in a very precarious situation far away from all those she knows and trusts.”
◇ロンドン以外いがい一時いちじてき宿泊しゅくはく施設しせつへの入居にゅうきょれなければ「意図いとてきホームレス」とされる危機ききにある母子ぼし
どもたちの長期ちょうきてき利益りえきのためにみずからのコミュニティのなかで居住きょじゅうする権利けんり
◆Carter, Leah, 2019, "Diving into sex work", Bangkok Post, July 21, 2019, (https://www.bangkokpost.com/thailand/special-reports/1716055/diving-into-sex-work).
“According to Ms Hilton, 80% of sex workers are mothers. Working for 325 baht per day in Thailand just won't cut it if you have other people depending on you.|Many women, like Mai, are also supporting their parents and younger siblings, and sex work is one of the only types of work that allows unskilled labourers to make a high enough wage that allows them to save some money on the side. Mai also works at the Can Do Bar, the Empower Foundation's entirely sex worker run and operated bar.”
◇セックスワーカーの80%は母親ははおや養育よういく費用ひよう捻出ねんしゅつする必要ひつようせい
◇セックスワーカーたち自身じしんたすうためのバーを共同きょうどう運営うんえい

産婆さんば/ヒーラー[☆←だい14かい
◆Ehrenreich, Barbara & English, Deirdre, [1973] 2010/2011, Witches, Midwives, & Nurses: A History of Women Healers [Second Edition] + Complaints & Disorders: The Sexual Politics of Sickness [Second Edition], The Feminist Press.=バーバラ・エーレンライク/ディアドリー・イングリッシュ 20150918 長瀬ながせ久子ひさこやく魔女まじょ産婆さんば看護かんご――女性じょせい医療いりょう歴史れきし増補ぞうほ改訂かいていばん]』法政大学ほうせいだいがく出版しゅっぱんきょく
ゆたかな知恵ちえ経験けいけん身近みぢか人々ひとびと治療ちりょうしていたおんなたちを、資格しかく免許めんきょがないという理由りゆう迫害はくがいし、排除はいじょし、めてきた歴史れきしあきらかにする。1970年代ねんだいにアメリカでパンフレットとして出版しゅっぱんされ、フェミニズムの古典こてんとなった「魔女まじょ産婆さんば看護かんご」と「おんなのやまい」をおさめた初版しょはんに、その社会しゃかい変化へんかくわしく解説かいせつした序文じょぶんくわえ、訳文やくぶん全面ぜんめんてきあらためた。”
 ☆→書籍しょせき情報じょうほうページ(作成さくせい村上むらかみきよし
内田うちだ麻理まり 20151101 「[書評しょひょう]『魔女まじょ産婆さんば看護かんご――女性じょせい医療いりょう歴史れきし』」『毎日新聞まいにちしんぶん東京とうきょう朝刊ちょうかん11ぺーじ今週こんしゅう本棚ほんだな
前半ぜんはんのヨーロッパの医療いりょう従事じゅうじしゃ魔女まじょりと、後半こうはん米国べいこく女性じょせいの「やまい」では、話題わだいきゅう転換てんかんするようにおもえるだろう。しかし、当時とうじ権力けんりょくと「医学いがく」らしきものが結託けったくして、女性じょせい制限せいげんしていたことは共通きょうつうしている。”/“女性じょせいやまいにし、または病原菌びょうげんきんにしたのは、当時とうじ権力けんりょく医学いがくのイデオロギーであった。そのくびき(くびき)からみずからを解放かいほうしたのは、女性じょせい自身じしんだ。”
◆Federici, Silvia, 2004, Caliban and the Witch: Women, the Body and Primitive, Autonomedia.=シルヴィア・フェデリーチ 20170201 小田原おだわら琳・後藤ごとうあゆみやく『キャリバンと魔女まじょ――資本しほん主義しゅぎこうする女性じょせい身体しんたい以文しゃ
“16、17世紀せいき欧米おうべい席巻せっけんした魔女まじょりによって迫害はくがい処刑しょけいされた女性じょせいたちとその身体しんたいこそ、〈資本しほん主義しゅぎ〉がおそれ、強制きょうせいてき統治とうちしなければならなかった存在そんざいであり、シェイクスピアの戯曲ぎきょくあらし(テンペスト)』に登場とうじょうするキャリバンこそ、資本しほん主義しゅぎんだ植民しょくみん支配しはいへの象徴しょうちょうてき抵抗ていこうしゃだった……。|「家事かじ労働ろうどう賃金ちんぎんを!」のスローガンをかかげ、フェミニズム運動うんどう中心ちゅうしんてき活動かつどうのひとりであるシルヴィア・フェデリーチは膨大ぼうだい歴史れきし資料しりょう民族みんぞく読解どっかいつうじて、マルクスの本源ほんげんてき蓄積ちくせき、フーコーの身体しんたいろん批判ひはんてき検討けんとうかれらがえがききれなかった魔女まじょりから植民しょくみん支配しはい今日きょうのグローバルな規模きぼ実施じっしされるIMF・世界銀行せかいぎんこう構造こうぞう調整ちょうせいプログラムによる搾取さくしゅを、資本しほん主義しゅぎによる女性じょせいへの暴力ぼうりょく支配しはい歴史れきしとして、フェミニストの視点してんからえる意欲いよくさく。”
 ☆→書籍しょせき情報じょうほうページ(作成さくせい村上むらかみきよし
渋谷しぶやのぞむ 20190531 「[書評しょひょう資本しほん主義しゅぎのもうひとつのかお――統治とうち技術ぎじゅつとしての魔女まじょり(『キャリバンと魔女まじょ』シルヴィア・フェデリーチちょ)」支援しえん』9: 197-203
資本しほん主義しゅぎとジェンダーの関係かんけいについてかたることがむずかしい理由りゆうひとつは、おおくのジェンダー平等びょうどうについての議論ぎろんが、資本しほん主義しゅぎをデフォルトとみなし、「オルタナティブはない」ことを前提ぜんていとしているからではないか。本書ほんしょ『キャリバンと魔女まじょ』は、こうした前提ぜんてい解除かいじょし、資本しほん主義しゅぎ相対そうたいし、同時どうじにオルタナティブなジェンダー秩序ちつじょについての思考しこうひら契機けいきあたえてくれる。”
◇「医療いりょう」からの女性じょせい排除はいじょ
女性じょせいによる自律じりつてきケアの否定ひてい
女性じょせい身体しんたい管理かんり統制とうせい搾取さくしゅ貫徹かんてつ
‐ 「さん」のコントロール・利用りよう動員どういん
国民こくみん国家こっか資本しほん近代きんだい産業さんぎょう)・家父長制かふちょうせいせい分業ぶんぎょう
◇(ケア主体しゅたいへの)魔女まじょり/(ケア対象たいしょうへの)病理びょうり
迫害はくがい差別さべつ対象たいしょうに:生身なまみせいあたえる・はぐくむ・やす存在そんざいゆえ
‐ メンタルの処置しょちこわれ・パニックをのぞ
‐ トータルなケア/やし
植民しょくみん主義しゅぎ:「開発かいはつ」――産業さんぎょうとしてだけでなく現地げんち女性じょせい身体しんたい
◇コミュニティ・信仰しんこう文化ぶんか)・自然しぜん環境かんきょう破壊はかい
展望てんぼう排除はいじょへの抵抗ていこうだけでなくあった/ありえた/ありえる別様べつようのケアのシステムを追求ついきゅう
◇cf.
ははたちのコミュニティの内部ないぶくち[クチ]コミでつたえられるおさんばあさん情報じょうほう女性じょせいだけが近代きんだい医療いりょう制度せいど裏側うらがわ培養ばいようする地下茎ちかけいてき身体しんたい
‐ アヴァン・ガーデニング[Avant Gardening]:治癒ちゆ・ケアのための素材そざいをコミュニティで(既存きそん共有きょうゆう活用かつようして)そだてる→無償むしょうのケアの提供ていきょう

抵抗ていこうとしてのマザリングの基軸きじく
身体しんたいのリアリティそのもの
せい暴力ぼうりょく性的せいてき抑圧よくあつ
‐ メンタルヘルスの問題もんだい
労働ろうどう現場げんば育児いくじ
◇クリエティヴィティ――経済けいざいてき運動うんどう文化ぶんかとして
‐ オルタナティヴな創作そうさくのコレクティヴ:(児童じどう文学ぶんがく手芸しゅげい=クラフティヴィズム[Craftivism]
‐ 互酬せい/エンパワーメント
国家こっか枠組わくぐみと資本しほん主義しゅぎ経済けいざい支配しはい相対そうたいする
人種じんしゅ民族みんぞく本質ほんしつ主義しゅぎを(差異さい担保たんぽしつつ)解体かいたいする
‐ ジェンダー/セクシュアリティ(規範きはん)をクィア[Queer]する
過去かこははたちの運動うんどうつたえる/現在げんざいははたちの運動うんどう架橋かきょうする
‐ (国家こっか資本しほん家父長制かふちょうせいの)支配しはい道具どうぐとしての「母性ぼせい」を解体かいたいする
‐ ヴァルネラブル[Vulnerable]な存在そんざい結節けっせつてんりどころとしてのオルタナティヴな「母性ぼせい」を(自力じりきで/共同きょうどうで)げ・構築こうちくする
‐ オルタナティヴな「母性ぼせい秩序ちつじょ適用てきよう範囲はんい拡張かくちょうしまだぬ「はは」たちと連携れんけいしていく

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参考さんこう

シラバス

http://www.usp.ac.jp/edu/syllabus/

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げられなかった文献ぶんけん@(シラバス掲載けいさい

◇Westervelt, Amy, 2018, "Is Motherhood the Unfinished Work of Feminism?", The Guardian, May 26, 2018.
◇Doyle, Sady, 2019, "How Capitalism Turned Women Into Witches", In These Times, January 31, 2019.
◇Shure, Natalie, 2018, "Second-Wave Feminism's Unfinished Business", Jacobin, December 20, 2018.
◇Swinth, Kirsten, 2018, Feminism's Forgotten Fight: The Unfinished Struggle for Work and Family, Cambridge, MA: Harvard University Press.
◇Thompson, Mary, 2016, "Third Wave Feminism and the Politics of Motherhood", Genders: University of Colorado Boulder, 1(2), Fall 2016.
“At the time when I wrote “Third Wave Feminism and the Politics of Motherhood,” I lacked a critical frame for understanding neoliberalism. Instead, my concerns over the ideological reshaping of twenty-first century reproductive lives gravitated towards my dissatisfaction with so-called third wave feminism and its practitioners’ uncritical celebration of “choice.””
◇Leite, Marianna, 2013, "(M)Othering: Feminist Motherhood, Neoliberal Discourses and the Other'", Studies in the Maternal, 5(2): 1-23.
◇Leesin, Eakachai, 2018, "Neoliberalism Has Led to a Crisis in Care: and We Urgently Need to Solve It", The Conversation, December 11, 2018.
◇Brenner, Johanna, 2017, "Democratizing Care", Verso Blog, December 15, 2017.

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げられなかった文献ぶんけんA(その

◇Boland, Stephanie, 2018, "The Millennial Motherhood Trap: Why Are So Many Young, Successful Women Conflicted about Having Children?", Prospect Magazine, June 2018 Issue.
▽シェイラ・ヘティ[Sheila Heti]/ジャクリーン・ローズ[Jacqueline Rose]
母性ぼせい経験けいけんであると同時どうじ存在そんざい状態じょうたい
‐ 「はは」=ひと階級かいきゅう[Class]:そのステイタスは羨望せんぼうあこがれ・おそれ・嫌悪けんおしょうじさせる
はは秘密ひみつ知識ちしきもしくは不可解ふかかい動機どうきをもつもの
社会しゃかいははたちの欲望よくぼうと、彼女かのじょたちが(子育こそだての)目的もくてき疑念ぎねんをもつことをおそれる。
ははたちにたいする理想りそう関連かんれんする疑念ぎねんは――たとえ当事とうじしゃどもらしいひとであっても――のがれがたい
生殖せいしょく能力のうりょくたかものという視線しせん秘密ひみつ知識ちしきをもつものというこわ
ははになったことでれいのうしゃのようにあつかわれる
▽ヘティ
母性ぼせい障害しょうがい無力むりょく状態じょうたいとしてみなす評価ひょうか男性だんせい管理かんりかれているゆえ
‐ 「女性じょせいどもをもたなければならない。なぜなら女性じょせい支配しはいされねばならないから。」
中絶ちゅうぜつ禁止きんししようするすべての人々ひとびとについてえることはひとつ:かれらは女性じょせいのどんなよりも育児いくじ仕事しごとをさせたい
はは時間じかん育児いくじ吸収きゅうしゅうされる――彼女かのじょはは「にしか」なれないという程度ていどまで
母性ぼせい(・はは役割やくわり)にまれたはは晩年ばんねんいえでひとりの時間じかんごすことでやっと解放かいほうされる
◇Rose, Jacqueline, 2018, Mothers: An Essay on Love and Cruelty, London: Faber & Faber.
◇Bhattacharya, Tithi ed., 2017, Social Reproduction Theory: Remapping Class, Recentering Oppression, London: Pluto Press.
◇Donath, Orna, 2017, "Women Who Regret Motherhood Share Their Stories", BUST, October/November 2017.
"Mothers and Mothering in Today’s World", Journal of the Motherhood Initiative for Research and Community Involvement 8(1,2) [Spring/Fall 2017], The Motherhood Initiative for Research and Community Involvement (MIRCI).
◇Brouillette, Sarah, 2017, "Couple Up: Review of 'Family Values: Between Neoliberalism and the New Social Conservatism'", boundary 2, June 2, 2017.
◇Brown, Adrienne Maree, 2017, "Love as Political Resistance: Lessons from Audre Lorde and Octavia Butler", Bitch Media, February 14, 2017.
◇Brenner, Johanna, 2016, "Beyond Essentialism: Feminist Theory and Strategy in the Peace Movement", Verso Blog, December 8, 2016.
◇Shin, Sarah, 2015, "Feminism and the Politics of Pleasure: Lynne Segal on Straight Sex, Second Time Around", Verso Blog, February 18, 2015.
三浦みうらまり 20150323 しん自由じゆう主義しゅぎてき母性ぼせい――「女性じょせい活躍かつやく政策せいさく矛盾むじゅん『ジェンダー研究けんきゅう:おちゃ水女子大学みずじょしだいがくジェンダー研究けんきゅうセンター年報ねんぽう』18: 53-68

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新着しんちゃく文献ぶんけんメモ

重要じゅうよう
◆Lewis, Sophie, 201905, Full Surrogacy Now: Feminism Against Family[いまこそ完全かんぜんなる代理だいり出産しゅっさんを――家族かぞくこうするフェミニズム], London: Verso.
 ☆→書籍しょせき情報じょうほうページ(作成さくせい村上むらかみきよし

◆Brown, Jenny, 20190301, Birth Strike: The Hidden Fight over Women's Work[バース・ストライキ――おんなはたらきをめぐるかくれたあらそい], Oakland, CA: PM Press.
 ☆→書籍しょせき情報じょうほうページ(作成さくせい村上むらかみきよし

◇Featherstone, Liza, 2019, "Not In Labor: An interview with Jenny Brown", Jacobin, April 23, 2019.
◇Sutherland, Matt, 2019, "Reviewer Matt Sutherland Talks Women's Work with Jenny Brown, Author of Birth Strike", Foreword Reviews, June 21, 2019, (https://www.forewordreviews.com/articles/article/reviewer-matt-sutherland-talks-womens-work-with-jenny-brown-author-of-birth-strike/).
“This week’s interview is with Jenny Brown, the author of Birth Strike: The Hidden Fight over Women’s Work, one of the most thought provoking titles we’ve seen in years. In a nutshell, Jenny believes women have finally had enough: They’re refusing to have more babies until this country’s leadership recognizes the work they do is vitally important and worthy of government support.”

◆20190424 思想しそう』1141(2019-05)岩波書店いわなみしょてん,160p.
 《特集とくしゅう生殖せいしょくども》

◆Knott, Sarah, 20190307, Mother: An Unconventional History, Penguin.
◆Knott, Sarah, 20190402, Mother Is a Verb: An Unconventional History, Sarah Crichton Books.
◇Feder, Rachel, 2019, "A Piece of the Action: Rachel Feder interviews Sarah Knott", Los Angeles Review of Books, July 26, 2019, (https://lareviewofbooks.org/article/a-piece-of-the-action).

■ その
白井しらい千晶ちあき写真しゃしんこうれん麻紀まき) 20190307 『フォスター――里親さとおや家庭かてい養子ようし縁組えんぐみ家庭かてい・ファミリーホームと社会しゃかいてき養育よういく生活せいかつ書院しょいん,208p. ISBN-10: 4865000925 ISBN-13: 978-4865000924 2200+ [amazon][kinokuniya]
◇Manguso, Sarah, 2019, "Writing Postpartum: A Conversation between Kate Zambreno and Sarah Manguso", The Paris Review, April 24, 2019.
◇Brown, Adrienne Maree, 2019, "Relinquishing the Patriarchy", adrienne maree brown, May 28, 2019, (http://adriennemareebrown.net/2019/05/28/relinquishing-the-patriarchy/).
“patriarchy (the system of society/government in which men hold the power and women are excluded from it) is collapsing, and it's time for you, too, to give it up, to get yourself out.”
◇Unsworth, Emma Jane, 2019, "'I lie to my health visitor. I lie to myself': the truth about postnatal depression", The Guardian, June 8, 2019, (https://www.theguardian.com/society/2019/jun/08/lie-health-visitor-lie-friends-truth-postnatal-depression).
“It took months for me to accept a diagnosis for the pain and outrage I felt. Could I find my way through?”
◇Roberts, Roshan, 2019, "This is what it's like being a young black carer in the UK", gal-dem, June 14, 2019, (http://gal-dem.com/this-is-what-its-like-being-a-young-black-carer-in-the-uk/).

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関連かんれんする情報じょうほう

◆arsvi.com:立命館大学りつめいかんだいがく生存せいぞんがく研究けんきゅうセンター
家族かぞく family
さんせい
せい(gender/sex)
育児いくじ
保育ほいく保育ほいくしょ
ケア
母性ぼせい関連かんれん文献ぶんけん
女性じょせい労働ろうどう家事かじ労働ろうどう性別せいべつ分業ぶんぎょう
フェミニズム (feminism)/家族かぞくせい
『ちいさい・おおきい・よわい・つよい』(『ち・お』/Chio)

立岩たていわしん也・村上むらかみきよし 20111205 家族かぞくせい分業ぶんぎょうろん前哨ぜんしょう生活せいかつ書院しょいん,360p. ISBN-10: 4903690865 ISBN-13: 978-4903690865 2200+ [amazon][kinokuniya]

村上むらかみきよし 20120331 主婦しゅふ労働ろうどうのもつれ――その争点そうてん運動うんどうらくきた出版しゅっぱん,334p. ISBN-10: 490312715X ISBN-13: 978-4903127156 3200+ [amazon][kinokuniya]

村上むらかみきよし 20100320 「「主婦しゅふせい」はてられない――女性じょせい労働ろうどう生活せいかつ桎梏しっこくにあえてう」(特集とくしゅう1:労働ろうどう、その思想しそう地図ちず行動こうどう地図ちず),立命館大学りつめいかんだいがく生存せいぞんがく研究けんきゅうセンターへん[2010:83-95]*
立命館大学りつめいかんだいがく生存せいぞんがく研究けんきゅうセンターへん 20100320 生存せいぞんがく Vol.2』生活せいかつ書院しょいん,416p. ISBN-10: 4903690512 ISBN-13: 978-4903690513 2200+ [amazon][kinokuniya]
村上むらかみきよし 20130225 「主婦しゅふ防衛ぼうえいする――らし・ども・自然しぜん」,現代げんだい理論りろん研究けんきゅうかいへん[2013:150-175]*
現代げんだい理論りろん研究けんきゅうかいへん 20130225 被曝ひばく社会しゃかい年報ねんぽう #01――2012-2013』しん評論ひょうろん,230p. ISBN-10: 4794809344 ISBN-13: 978-4794809346 2000+ [amazon][kinokuniya]
村上むらかみきよし 20130315 「おんな領地りょうちせん――始原しげん資源しげんもどす」(特集とくしゅう2:都市とし),立命館大学りつめいかんだいがく生存せいぞんがく研究けんきゅうセンターへん[2013:379-393]*
立命館大学りつめいかんだいがく生存せいぞんがく研究けんきゅうセンターへん 20130315 生存せいぞんがく Vol.6』生活せいかつ書院しょいん,397p. ISBN-10: 4865000100 ISBN-13: 978-4865000108 2200+ [amazon][kinokuniya]

立命館大学りつめいかんだいがく産業さんぎょう社会学部しゃかいがくぶ2018年度ねんどあき学期がっき科目かもく比較ひかく家族かぞくろん(S)》
現代げんだい日本にっぽんにおけるオルタナティヴな「み・子育こそだて」の思想しそう実践じっせん――「はは」なるものをめぐって」担当たんとう村上むらかみきよし
["Alternative Thoughts and Practices on Childbearing and Parenting in Contemporary Japan: Especially Concerning Something 'Mother'" as a Class of "Comparative Analysis of the Family (S)" (The Second Semester of the 2018 Academic Year) at College of Social Sciences, Ritsumeikan University.]

村上むらかみきよし 20190425 「アナーカ・フェミニズム」,『現代げんだい思想しそう』47(6): 170-173
 *2019ねん5がつ臨時りんじ増刊ぞうかんごうそう特集とくしゅう現代げんだい思想しそう43のキーワード》

佐藤さとう由美子ゆみこ×村上むらかみきよし司会しかい堅田かただ香緒里かおり) 20190531 「[トークセッション]オリンピックとジェントリフィケーション――ジェンダー・文化ぶんか・アクティヴィズムの観点かんてんから」,『支援しえん』9: 151-181

立命館大学りつめいかんだいがく産業さんぎょう社会学部しゃかいがくぶ2019年度ねんどあき学期がっき科目かもく比較ひかく家族かぞくろん(S)》
「マザリング[Mothering]の現在げんざい――をめぐる議論ぎろん実践じっせん動向どうこう担当たんとう村上むらかみきよし
["The Present of 'Mothering': The Trend of Arguments and Practices about It" as a Class of "Comparative Analysis of the Family (S)" (The Second Semester of the 2019 Academic Year) at College of Social Sciences, Ritsumeikan University.]



作成さくせい村上むらかみ きよしMURAKAMI Kiyoshi
UP: 20190408 REV: 20190410, 11, 15, 17, 22, 23, 24, 25, 0507, 08, 23, 25, 0603, 04, 05, 06, 07, 12, 18, 19, 20, 24, 26, 0704, 0710, 17, 22, 24, 25, 26, 29, 30, 31, 0805, 1105, 1231
事項じこう
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