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和歌山ＡＬＳ介護訴訟（2010～2012）

和歌山わかやまＡＬＳ介護かいご訴訟そしょう（2010～2012）

ＡＬＳ　ＡＬＳ・2010　ＡＬＳ・2011　ＡＬＳ・2012

・2010/07　審査しんさ請求せいきゅう
・2011/09/28　仮かりの義務付ぎむづけ
・2012/01/25　結審けっしん
・2012/04/25　判決はんけつ

■言及げんきゅう

■報道ほうどう

・2011/09/28仮かりの義務付ぎむづけ

◆2011/03/18　「ＡＬＳ：患者かんじゃらへの介護かいご時間じかん、再さい検討けんとうを県けんが和歌山わかやま市しへ／和歌山わかやま?」
　『毎日新聞まいにちしんぶん』2010-03-15
http://mainichi.jp/area/wakayama/news/20110318ddlk30040408000c.html

　和歌山わかやま市しが決きめた介護かいごサービスの支給しきゅう時間じかんでは不十分ふじゅうぶんとして、難病なんびょうの筋すじ萎縮いしゅく（いしゅく）性せい側がわ索さく硬化こうか症しょう（ＡＬＳ）を患わずらう７０歳さい代だいの男性だんせい２人にん＝いずれも同市どうし＝が申もうし立たてた審査しんさ請求せいきゅうについて、県けんは１５日にち、請求せいきゅうを認みとめる裁決さいけつをした。うち１人にんに対たいする同様どうようの裁決さいけつは３回かい目め。県けんによると、０６年ねんの障害しょうがい者しゃ自立じりつ支援しえん法ほう施行しこう以降いこう、同どう一いち患者かんじゃへの決定けっていを３回かいも取とり消けすのは県内けんない初はつという。
　２人ふたりは、同どう法ほうに基もとづき同市どうしが定さだめた月つき２６８時間じかん（１日にち当あたり約やく８時じ間あいだ）の介護かいごサービス時間じかんを取とり消けし、２４時じ間あいだ介護かいごするよう求もとめる訴訟そしょうを起おこし和歌山わかやま地裁ちさいで審理しんり中ちゅう。提訴ていそ前まえの昨年さくねん７月がつに県けんに審査しんさ請求せいきゅうをしていた。
　裁決さいけつ書しょは市しに対たいして「主治医しゅじいの意見いけんを聴きくなどして支給しきゅう時間じかんの再さい検討けんとうが必要ひつよう」などとしている。【岡村おかむら崇たかし】

◆2011/04/13　「左足ひだりあし小指こゆびで意思いし伝つたえる　和歌山わかやま市しを提訴ていそのＡＬＳ患者かんじゃ訪たずねる　／和歌山わかやま県けん」
　『朝日新聞あさひしんぶん』
http://mytown.asahi.com/wakayama/news.php?k_id=31000001104130002
　「全身ぜんしんの筋肉きんにくが徐々じょじょに動うごかなくなる難病なんびょうの筋すじ萎縮いしゅく性せい側がわ索さく硬化こうか症しょう（ＡＬＳ）の患者かんじゃ２人にんが、和歌山わかやま市しに１日にち２４時じ間あいだの公的こうてき介護かいごの提供ていきょうを求もとめる訴訟そしょうを起おこして半年はんとしあまりが過すぎた。ＡＬＳは進行しんこう性せいの病気びょうきで、裁判さいばんが長引ながびく間あいだも患者かんじゃらは闘たたかい続つづけている。原告げんこくの一人ひとりを訪たずねた。
　和歌山わかやま市内しないの住宅じゅうたく街がい。男性だんせい患者かんじゃ（７４）が住すむ古ふるびた木造もくぞう住宅じゅうたくに、近ちかくの診療しんりょう所しょの内科ないか医いと看護かんご師しがやってきた。往診おうしんは月つき２回かい。男性だんせいに聴診ちょうしん器きを当あてたり、体温たいおんや血圧けつあつを測はかったりしたあと、人工じんこう呼吸こきゅう器きと身体しんたいをつないでいるカニューレと呼よばれる医療いりょう器具きぐを交換こうかんする。看護かんご師しが呼吸こきゅう器きのパイプを外はずし、医師いしが新あたらしいカニューレを挿入そうにゅうした。
　ものの数すう分ぶんの作業さぎょうだが、男性だんせいの口くちから何なん度どもつばがあふれ出でた。呼吸こきゅう器きを着つけていると、つばをのみ込こむことができない。ベッドの横よこから男性だんせいの妻つま（７３）が小柄こがらな体からだを精せいいっぱい伸のばして細ほそいチューブでつばを吸引きゅういんする。ヘルパーを含ふくめて４人にんがかりの作業さぎょうだ。
　処置しょちを終おえて医師いしらが帰かえったあと、男性だんせいの呼吸こきゅうにゴゴゴ……という雑音ざつおんが混まじり始はじめた。気管きかんにたんがたまり始はじめたサインだ。妻つまは呼吸こきゅう器きを外はずして、チューブをさし込こんだ。数すう秒間びょうかんかけてたんを吸すい取とり、呼吸こきゅう器きを元もとに戻もどす。この作業さぎょうが３０分ふんほどの間あいだに３、４回かいあった。
　男性だんせいがＡＬＳと診断しんだんされたのは２００６年ねん６月がつ。１１月じゅういちがつからは訪問ほうもん介護かいごを受うけるようになり、その年としの暮くれごろからは自力じりき歩行ほこうが出来できなくなった。その後ご、自発じはつ呼吸こきゅうが困難こんなんになり、翌年よくねん３月がつにのどを切開せっかいして人工じんこう呼吸こきゅう器きを着つけた。現在げんざいでは指ゆびを動うごかす力ちからも衰おとろえ、手足てあしのうち、左足ひだりあしの小指こゆびがかすかに動うごかせるだけだ。
　男性だんせい宅たくには、ヘルパーが交代こうたいしながら常つねに１人にんいて、実質じっしつ２４時じ間あいだの介護かいご態勢たいせいになっている。ただし、市しが公的こうてき負担ふたんの対象たいしょうとしているのは１日にち約やく１２時じ間あいだで、これを超こえる分ぶんはヘルパーのボランティアによって無償むしょうで提供ていきょうされている。
　和歌山わかやま地裁ちさいで係争けいそう中ちゅうの裁判さいばんで男性だんせい側がわは、必要ひつような介護かいごは公的こうてき負担ふたんによって提供ていきょうされるべきだと主張しゅちょうしている。
　男性だんせいのように全身ぜんしんが不自由ふじゆうで長時間ちょうじかんの介護かいごを必要ひつようとする障害しょうがい者しゃには、障害しょうがい者しゃ自立じりつ支援しえん法ほうに基もとづき公的こうてき負担ふたんで介護かいごサービスが提供ていきょうされる。これを重度じゅうど訪問ほうもん介護かいごといい、市しが提供ていきょう時間じかんを決きめる。男性だんせいについて市しは１日にち約やく８時じ間あいだと決定けっていしているが、男性だんせいは介護かいご保険ほけんを併用へいようしているため約やく１２時じ間あいだが公的こうてき負担ふたん分ぶんとなっている。
　市しは、妻つまが自みずからの生活せいかつを一定いってい程度ていど制限せいげんしても夫おっとの介護かいごに当あたることは当然とうぜんだ、などとし、２４時じ間あいだの公的こうてき介護かいごは必要ひつようないと主張しゅちょうしている。しかし妻つまも足あしが悪わるく、たんの吸引きゅういんなどの介護かいごには昼ひるも夜よるもない。
　妻つまは言いう。「自分じぶんの体からだも不自由ふじゆうなのに一人ひとりで介護かいごはできない。市しの福祉ふくしの担当たんとう者しゃは病気びょうきのことを理解りかいしてほしい」。近所きんじょには長男ちょうなん（４７）が暮くらしているが、迷惑めいわくをかけたくないという思おもいもある。
　ＡＬＳは、神経しんけいが障害しょうがいを受うけ筋肉きんにくがだんだん衰おとろえていく。エアコンの温度おんどを変かえてほしい、たんを吸引きゅういんしてほしいといったことを、男性だんせいは口くちをぱくぱくと動うごかしたりまばたきを繰くり返かえしたりすることで妻つまに伝つたえているが、こうした意思いし表示ひょうじもいつまでできるか分わからない。
　男性だんせいの体からだがけいれんで震ふるえだした時とき、妻つまが「お父とうさん、たまには入院にゅういんした方ほうが気分きぶん転換てんかんになるよ」と冗談じょうだん交まじりに話はなしかけると、男性だんせいはぎこちなく口くちを開あけ、歯はを見みせた。それが「笑わらい」だということは記者きしゃにも伝つたわった。
　言葉ことばで伝つたえたいことがあれば、左足ひだりあしの小指こゆびの先さきに触ふれるパソコンの端末たんまつを操作そうさする。妻つまの吸引きゅういんの仕方しかたが気きに入いらなければ「へ・た・く・そ」と入力にゅうりょくすることもある。記者きしゃが妻つまへの気持きもちを尋たずねると、男性だんせいはこう返かえしてきた。
　「よ・く・や・っ・て・く・れ・る」
　（北川きたがわ慧とし一いち）

◆2011/09/28　「判決はんけつまで介護かいご時間じかん延長えんちょう　ＡＬＳ訴訟そしょう　和歌山わかやま地裁ちさい、初はつの義務付ぎむづけ」
　『読売新聞よみうりしんぶん』
「　和歌山わかやま市しに住すむ筋すじ萎縮いしゅく性せい側がわ索さく硬化こうか症しょう（ＡＬＳ）の７０歳さい代だい男性だんせいが、障害しょうがい者しゃ自立じりつ支援しえん法ほうに基もとづき１日にち２４時じ間あいだの介護かいごサービスを同市どうしに求もとめている訴訟そしょうで、和歌山わかやま地裁ちさい（高橋たかはし善久よしひさ裁判さいばん長ちょう）は２６日にち付づけで、判決はんけつの出でるまでの間あいだ、１日にち１６・５時じ間あいだの介護かいごサービスを行おこなうよう仮かりに義務付ぎむづける命令めいれいを出だした。男性だんせいは介護かいご保険ほけんによるサービス（３・５時じ間あいだ）を合あわせると、１日にち２０時じ間あいだの介護かいごを受うけられることになる。
　命令めいれいでは、男性だんせい患者かんじゃが人工じんこう呼吸こきゅう器きの管理かんりやたんの吸引きゅういんなどでほぼ常時じょうじ、介護かいごサービスが必要ひつようと認定にんていした。
　原告げんこく側がわの長岡ながおか健太郎けんたろう弁護士べんごしは「障害しょうがい者しゃ自立じりつ支援しえん法ほうに基もとづく介護かいごに関かんして仮かりの義務付ぎむづけ命令めいれいは全国ぜんこく初はつ。市しの決定けっていが違法いほうと認定にんていしており、本裁ほんだち判ばんに大おおきな影響えいきょうがある」と指摘してき。同市どうしは「内容ないようを精査せいさして対応たいおうを決定けっていしたい」としている。」（全文ぜんぶん）

◆2011/09/28　「難病なんびょう介護かいご、時間じかん増ぞう命めいじる　和歌山わかやま地裁ちさい、仮かり義務ぎむづけ　市しに「１日にち２０時じ間あいだ」　【大阪おおさか】」
　『朝日新聞あさひしんぶん』
　「和歌山わかやま市しに住すむ難病なんびょうの筋すじ萎縮いしゅく性せい側がわ索さく硬化こうか症しょう（ＡＬＳ）の男性だんせい（７５）が「障害しょうがい者しゃ自立じりつ支援しえん法ほうに基もとづく重度じゅうど訪問ほうもん介護かいごサービス＝キーワード＝の提供ていきょう時間じかんを市しが１日にち約やく１２時じ間あいだと決きめたのは不当ふとうだ」として決定けっていの取とり消けしを求もとめた訴訟そしょうで、和歌山わかやま地裁ちさいの高橋たかはし善久よしひさ裁判さいばん長ちょうは提供ていきょう時間じかんを２０時じ間あいだとするよう仮かりに義務ぎむづける決定けっていを出だした。高橋たかはし裁判さいばん長ちょうは決定けってい理由りゆうで「現状げんじょうでは男性だんせいの生命せいめいや身体しんたいに重大じゅうだいな危険きけんが生しょうじる可能かのう性せいがある」との判断はんだんを示しめした。
　男性だんせい側がわは「早急そうきゅうな２４時じ間あいだのサービス提供ていきょうが必要ひつよう」として、訴訟そしょうとともに改正かいせい行政ぎょうせい事件じけん訴訟そしょう法ほうに基もとづく「仮かりの義務ぎむづけ」＝キーワード＝を求もとめていた。男性だんせいの弁護べんご団だんによると、自治体じちたいの重度じゅうど訪問ほうもん介護かいごサービスをめぐる訴訟そしょうで、司法しほうが緊急きんきゅう性せいを認定にんていして「仮かりの義務ぎむづけ」の決定けっていを出だしたのは全国ぜんこく初はつという。
　ＡＬＳは脳のうから筋肉きんにくへ指令しれいを伝つたえる神経しんけいが障害しょうがいを受うけ、手足てあしなどの筋肉きんにくがやせて力ちからがなくなっていく病気びょうきで、症状しょうじょうが進すすむと食事しょくじや呼吸こきゅうができなくなる。高橋たかはし裁判さいばん長ちょうは２６日にち付づけの決定けっていで「男性だんせいはほぼ常時じょうじ、介護かいご者しゃがそばに付つき添そい、見守みまもりを含ふくめた介護かいごサービスが必要ひつような状態じょうたい」と認定にんてい。２人ふたり暮くらしの妻つま（７３）の年齢ねんれいや健康けんこう状態じょうたいなどを考かんがえると、男性だんせいにはヘルパーによる１日にち２０時じ間あいだの介護かいごが必要ひつようだと判断はんだんした。訴訟そしょうの審理しんりは続つづき、判決はんけつは別べつにい渡いわたされる。
　訴状そじょうなどによると、男性だんせいは２００６年ねん６月がつにＡＬＳと診断しんだんされ、０７年ねん４月がつに和歌山わかやま市しに介護かいごサービスの提供ていきょうを申請しんせい。市しは介護かいご保険ほけんを含ふくめて１日にち当あたり約やく７・５時じ間あいだと決きめ、その後ごに約やく１２時じ間あいだまで増ふやしたが、男性だんせい側がわが不服ふふくとして別べつの男性だんせい患者かんじゃとともに昨年さくねん９月がつに提訴ていそした。弁護べんご団だんによると、この患者かんじゃは今月こんげつ８日にちに亡なくなったという。
　○原告げんこくのＡＬＳ、提訴ていそ後ごも進行しんこう
　「自分じぶんの身体しんたいは毎年まいとし大変たいへんになる。少すこしでも（介護かいごサービスの）提供ていきょう時間じかんが増ふえればうれしい」。決定けっていを受うけ、２７日にちに和歌山わかやま市内しないで記者きしゃ会見かいけんを開ひらいた男性だんせいの妻つまは喜よろこびをあらわにした。
　妻つまらによると、男性だんせいは昨年さくねん９月がつの提訴ていそ後ごも症状しょうじょうが進行しんこう。ヘルパーと一緒いっしょに介護かいごを続つづけている妻つまは、１時じ間あいだに何なん度ども人工じんこう呼吸こきゅう器きを外はずしてたんをチューブで吸引きゅういんしたり、体からだの汗あせをふいたりしている。男性だんせいが周囲しゅういに意思いしを伝つたえる方法ほうほうは左足ひだりあしの小指こゆびを動うごかしてパソコンに文字もじを入力にゅうりょくするしかなく、その小指こゆびもマッサージしないとうまく動うごかせないという。　男性だんせいの代理人だいりにんを務つとめる長岡ながおか健太郎けんたろう弁護士べんごしは今回こんかいの決定けっていについて「障害しょうがい者しゃ自立じりつ支援しえん法ほうに基もとづく介護かいごサービスの提供ていきょう時間じかんを決きめる基準きじゅんを示しめしたといえる。（重度じゅうどの障害しょうがい者しゃが）他たの自治体じちたいを相手あいてに起おこしている訴訟そしょうにも影響えいきょうを与あたえるだろう」と指摘してき。継続けいぞくする訴訟そしょうについては「裁判官さいばんかんは同おなじで、判決はんけつでも認みとめられるべきだ」と語かたった。
　一方いっぽう、和歌山わかやま市し障害しょうがい福祉ふくし課かは「抗告こうこくするかどうか弁護士べんごしと相談そうだんして決きめたい」としている。（楢崎ならさき貴司たかし、北川きたがわ慧とし一いち）
　◇キーワード
　＜重度じゅうど訪問ほうもん介護かいごサービス＞
　障害しょうがい者しゃ自立じりつ支援しえん法ほうに基もとづいて行政ぎょうせいから提供ていきょうされる介護かいご給付きゅうふの一ひとつ。介護かいごを必要ひつようとする重度じゅうどの身体しんたい障害しょうがい者しゃに対たいし、ヘルパーが自宅じたくで入浴にゅうよくや排泄はいせつ（はいせつ）、食事しょくじの介助かいじょ、外出がいしゅつ時じの移動いどう支援しえんなどをする。サービスの提供ていきょう時間じかんは自治体じちたいが障害しょうがいの程度ていどなどに応おうじて決きめている。
　＜仮かりの義務ぎむづけ＞
　取とり返かえしがつかない損害そんがいを避さけるため、判決はんけつが確定かくていするまでの早期そうき救済きゅうさい措置そちとして裁判所さいばんしょが行政ぎょうせいに必要ひつような処分しょぶんを命めいじる決定けってい。民事みんじ訴訟そしょうの仮処分かりしょぶんのような効力こうりょくがあり、０５年ねん４月がつ施行しこうの改正かいせい行政ぎょうせい事件じけん訴訟そしょう法ほうに新設しんせつされた。
　【写真しゃしん説明せつめい】決定けっていを受うけ、弁護士べんごしとともに記者きしゃ会見かいけんする男性だんせいの妻つま（右みぎ）＝２７日にち午後ごご、和歌山わかやま市し、楢崎ならさき写うつす」（全文ぜんぶん）

◆2011/09/28　「ＡＬＳ介護かいご訴訟そしょう：２０時じ間あいだ介護かいご、市しに仮かり義務付ぎむづけ－－和歌山わかやま地裁ちさい」
　『毎日新聞まいにちしんぶん』
「　難病なんびょうの筋すじ萎縮いしゅく性せい側がわ索さく硬化こうか症しょう（ＡＬＳ）を患わずらう和歌山わかやま市しの男性だんせいが、同市どうしに２４時じ間あいだの介護かいごサービスを求もとめている訴訟そしょうで、和歌山わかやま地裁ちさい（高橋たかはし善久よしひさ裁判さいばん長ちょう）が市しに対たいし、現行げんこうの１日にち約やく１２時じ間あいだのサービスを２０時じ間あいだに増ふやすよう仮かりに義務付ぎむづける決定けっていを出だしたことが分わかった。
　決定けっていは２６日にち付づけ。原告げんこく側がわが訴訟そしょう手続てつづきの中なかで、仮かりの義務付ぎむづけを申もうし立たてていた。原告げんこく側がわの弁護士べんごしによると、障害しょうがい者しゃ自立じりつ支援しえん法ほうに基もとづく介護かいごに関かんする訴訟そしょうで、裁判所さいばんしょが仮かりの義務付ぎむづけを命めいじるのは全国ぜんこく初はつという。決定けっていは「同居どうきょする妻つまの健康けんこう状態じょうたいなどを鑑かんがみると、緊急きんきゅうの必要ひつよう性せいがある」としている。
　訴うったえによると、市しは同どう法ほうに基もとづき１日にち当あたり約やく８時間じかん（月つき２６８時じ間あいだ）の介護かいごを公費こうひ負担ふたん。介護かいご保険ほけん分ぶんを加くわえ１日にち約やく１２時じ間あいだの介護かいごを受うけているが、２４時じ間あいだ介護かいごが必要ひつようであることは明あきらかとしている。２人ふたりが提訴ていそしたが、１人ひとりは死亡しぼうしている。
　市し障害しょうがい福祉ふくし課かは「決定けっていの中身なかみを精査せいさして方針ほうしんを決きめる」とコメントした。【岡村おかむら崇たかし】」（全文ぜんぶん）

◆2012/09/13　「ひと：長岡ながおか健太郎けんたろうさん＝「障害しょうがい者しゃに当あたり前まえの暮くらしを」と活動かつどうする弁護士べんごし」
　『毎日新聞まいにちしんぶん』
　「◇長岡ながおか健太郎けんたろう（ながおか・けんたろう）さん（３１）
　難病なんびょうの筋すじ萎縮いしゅく性せい側がわ索さく硬化こうか症しょう（ＡＬＳ）の男性だんせい患者かんじゃが、公的こうてき介護かいごの時間じかん拡大かくだいを求もとめて和歌山わかやま地裁ちさいに訴うったえた全国ぜんこく初はつの訴訟そしょうで、弁護べんご団だんの中心ちゅうしんとなって男性だんせいの窮状きゅうじょうを訴うったえた。４月しがつの判決はんけつで１日にち約やく１２時じ間あいだから２１時間じかん以上いじょうへの介護かいごサービス拡充かくじゅうを勝かち取とった。一昨年いっさくねん、障害しょうがい者しゃのサービス利用りよう費ひ１割わり負担ふたんの廃止はいしなどを求もとめた障害しょうがい者しゃ自立じりつ支援しえん法ほう違憲いけん訴訟そしょうで、同どう法ほう廃止はいしを国くにと基本きほん合意ごういした時ときは、和歌山わかやま弁護べんご団だんの事務じむ局長きょくちょうを務つとめた。
　原点げんてんは小学生しょうがくせい時代じだいだ。母親ははおやの勧すすめでボーイスカウトに入はいり、障害しょうがい者しゃ施設しせつで知的ちてき障害しょうがいのある子こどもたちと接せっした。「意識いしきせずに交流こうりゅうし、身近みぢかな存在そんざいに感かんじた」。高校こうこう、大学だいがくもボランティアサークル。脳性のうせいまひの人ひとを支ささえる介護かいごヘルパーを経験けいけんした。
　ある時とき、車くるまいす男性だんせいの無料むりょう法律ほうりつ相談そうだんに付つき添そった。時間じかんは３０分ふん。弁護士べんごしから「明日あした、事務所じむしょで詳くわしく聞きく」と冷つめたく言いわれた。「いつも付つき添そいを確保かくほできるとは限かぎらないのに」と歯はがゆかった。障害しょうがい者しゃを理解りかいする弁護士べんごしの少すくなさを痛感つうかんし、「自分じぶんの介護かいご体験たいけんを生いかしたい」と司法しほう試験しけん受験じゅけんを決意けついした。合格ごうかく後ごは「障害しょうがい者しゃの問題もんだいを扱あつかいたい」と、法律ほうりつ事務所じむしょを回まわった。
　今いまは、知的ちてき障害しょうがい者しゃが公的こうてき介護かいごサービス時間じかんの拡大かくだいを求もとめた高松たかまつ地裁ちさい訴訟そしょうの原告げんこく団だんメンバーを務つとめる。裁判さいばんで声こえを上あげないと、障害しょうがい者しゃの生活せいかつ環境かんきょうはよくならない。だが裁判さいばんは障害しょうがい者しゃにとって大おおきな負担ふたんだ。生せいの声こえを拾ひろい、法律ほうりつを駆使くしし、障害しょうがい者しゃが地域ちいきで自立じりつして当あたり前まえの暮くらしができる手助てだすけを続つづける覚悟かくごだ。＜文ぶんと写真しゃしん・岡村おかむら崇たかし＞
　□人物じんぶつ略歴りゃくれき
　堺さかい市し生うまれ。大阪大おおさかだい法学部ほうがくぶ卒そつ。０７年ねんから和歌山わかやま市しの法律ほうりつ事務所じむしょで勤務きんむ。趣味しゅみは各駅かくえき停車ていしゃの列車れっしゃでの旅たび。」（全文ぜんぶん）

◆2012/01/26　「ＡＬＳ介護かいご訴訟そしょう：地裁ちさいで結審けっしん、４月がつに判決はんけつ　２４時じ間あいだ介護かいごサービス求もとめ　／和歌山わかやま」
　『毎日新聞まいにちしんぶん』

　「難病なんびょうの筋すじ萎縮いしゅく性せい側がわ索さく硬化こうか症しょう（ＡＬＳ）を患わずらう和歌山わかやま市しの男性だんせいが、同市どうしに一いち日にち２４時じ間あいだの介護かいごサービスなどを求もとめている訴訟そしょうは２５日にち、和歌山わかやま地裁ちさい（高橋たかはし善久よしひさ裁判さいばん長ちょう）で結審けっしんした。判決はんけつは４月がつ２５日にち。
　男性だんせいの公的こうてき介護かいごサービスは現在げんざい、同市どうしが障害しょうがい者しゃ自立じりつ支援しえん法ほうに基もとづき公費こうひ負担ふたんする１日にち当あたり８時間じかん（月つき２６８時じ間あいだ）に、介護かいご保険ほけん分ぶんを加くわえた１日にち約やく１２時じ間あいだ。男性だんせい側がわはたん吸引きゅういんなどのため２４時じ間あいだ介護かいごが必要ひつようであることは明あきらかと主張しゅちょうしている。
　介護かいご時間じかんの拡大かくだいと慰謝いしゃ料りょう１００万まん円えんなどを求もとめて１０年ねん９月がつに提訴ていそ。昨年さくねん９月がつに死亡しぼうしたもう１人にんの原告げんこくの男性だんせいについては、慰謝いしゃ料りょうの支払しはらいについてのみ判断はんだんされる。
　男性だんせい側がわは訴訟そしょう手続てつづきの中なかで仮かりの義務付ぎむづけを申もうし立たて、同どう地裁ちさいが同年どうねん９月がつ２６日にち、市しに対たいし、サービスを２０時じ間あいだに増ふやすよう仮かりに義務付ぎむづける決定けっていを出だした。大阪おおさか高裁こうさいは地裁ちさい決定けっていを取とり消けし、男性だんせい側がわが特別とくべつ抗告こうこくするなどして係争けいそう中ちゅう。【岡村おかむら崇たかし】」（全文ぜんぶん）

◆2012/03/09　「健すこやかわかやま：障害しょうがい者しゃ施策しさく考かんがえる　２４日にち、和歌山わかやまビッグ愛あいでシンポ　／和歌山わかやま」
　『毎日新聞まいにちしんぶん』

　「障害しょうがい者しゃ施策しさくについて考かんがえるシンポジウム（ＮＰＯ法人ほうじん自立じりつ生活せいかつ応援おうえんセンターわかやま主催しゅさい）が２４日にち午後ごご１時じから、和歌山わかやま市し手平てびら２の和歌山わかやまビッグ愛あいで開ひらかれる。障さわがい者しゃ制度せいど改革かいかく推進すいしん会議かいぎの委員いいん、尾上おがみ浩二こうじ氏しの講演こうえんやパネルディスカッションがある。資料しりょう代だい５００円えん。

　尾上おがみ氏しは、障害しょうがい者しゃ自立じりつ支援しえん法ほうを廃止はいしして新法しんぽうを検討けんとうする同どう会議かいぎなどについて語かたる。パネルディスカッションには、尾上おがみ氏しやＡＬＳ訴訟そしょうの代理人だいりにんを務つとめる長岡ながおか健太郎けんたろう弁護士べんごし、重度じゅうど身体しんたい障害しょうがい者しゃの石田いしだ雅俊まさとしさんら５人にんが参加さんかする。
　問とい合あわせは、ＮＰＯ法人ほうじん自立じりつ生活せいかつ応援おうえんセンターわかやま（０７３・４７２・６７３１）。【岡村おかむら崇たかし】」（全文ぜんぶん）

　……

UP: 20200623　REV:20200624

◇ＡＬＳ　 ◇重度じゅうど訪問ほうもん介護かいご（重じゅう訪おとずれ）　 ◇「難病なんびょう nambyo」　 ◇病者びょうしゃ障害しょうがい者しゃ運動うんどう史し研究けんきゅう　

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