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ＡＬＳ・2011

ＡＬＳ・2011

als 2011 (english)　 als 2011 (korea)
難病なんびょう／神経しんけい難病なんびょう／特定とくてい疾患しっかん　2011
ＡＬＳ　和歌山わかやまＡＬＳ介護かいご訴訟そしょう（2010～2012）

last update:20111110

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◆2011年ねん3月がつ24日にち　asahi.com（朝日新聞あさひしんぶん）
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000001103240001
「停電ていでん　在宅ざいたく医療いりょうに影かげ」（My Town群馬ぐんま）

　東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいに伴ともなう計画けいかく停電ていでんは、自宅じたくで医療いりょう用よう機器ききを利用りようする人ひとたちには深刻しんこくな問題もんだいだ。患者かんじゃや家族かぞくらは不安ふあんな日々ひびを送おくっている。（渕ふち沢さわ貴子たかこ、木村きむら浩之ひろゆき）
　前橋まえばし市し若宮わかみや町まち３丁目ちょうめの住宅じゅうたくで１７日にち午後ごご２時じ過すぎ、電気でんきやストーブが一斉いっせいに消きえた。計画けいかく停電ていでんが始はじまった。「良よかったー」。訪問ほうもん看護かんごステーション「ひまわり」から来きた看護かんご師しの井口いぐち麻由美まゆみさんは息いきをついた。青木あおき彦太郎ひこたろうさん（９０）の電動でんどうベッドを動うごかし終おえた直後ちょくごだった。「途中とちゅうで止とまると変へんな姿勢しせいのまま固定こていされてしまうから」。たんを吸引きゅういんする機械きかいのスイッチを入いれた。ぶーんと音おとを立たて、吸すい出だしていく。「大丈夫だいじょうぶですね」と井口いぐちさんは顔かおをほころばせた。バッテリーつきで、３時じ間あいだほど停電ていでんしても大丈夫だいじょうぶだ。「実際じっさいに使つかってみて、ちゃんと動うごくので安心あんしんしました」。きちんと吸引きゅういんしないと肺炎はいえんを引ひき起おこす。窒息ちっそくして命いのちにかかわることすらある。寝ねたきりの要よう介護かいご者しゃで、吸引きゅういん機きを利用りようする人ひとは多おおい。だが高価こうかなバッテリーつきを持もっている人ひとは多おおくない。電気でんきが止とまれば針はりのない注射ちゅうしゃ器きを使つかって吸すい取とるしかない。前橋まえばし市しの訪問ほうもん看護かんごステーション「たんぽぽ」の羽鳥はとり清野きよの・看護かんご師しは「機械きかいを使つかわず吸引きゅういんするのは、慣なれた看護かんご師しでも難むずかしい。介護かいごできる家族かぞくに、２人ふたりがかりで吸すい取とる方法ほうほうを教おしえたが、うまくいかず主治医しゅじいと相談そうだんして入院にゅういんさせた人ひともいる」という。青木あおきさんの長男ちょうなん（５９）は夕方ゆうがたから仕事しごとに出でる。しばらくの間あいだは吸引きゅういんしなくても大丈夫だいじょうぶというが、留守るすを母親ははおやに任まかせるのは気きがかりだという。「停電ていでんになれば固定こてい電話でんわは使つかえないし、私わたしも母ははも携帯けいたい電話でんわがない。懐中かいちゅう電灯でんとうが売うり切きれていたので、母ははが神棚かみだな用ようのろうそくを出だした。火事かじには気きをつけないと」。身みの筋肉きんにくを動うごかせなくなっていく難病なんびょう「筋すじ萎縮いしゅく（い・しゅく）性せい側がわ索さく硬化こうか症しょう」（ＡＬＳ）患者かんじゃの牛久保うしくぼ結ゆい紀き（ゆう・き）さん（４９）は１６日にち午前ごぜん６時じ、伊勢崎いせざき市しの自宅じたくのベッドで目めを覚さました。６時じ２０分ふんからの計画けいかく停電ていでんに備そなえ、酸素さんそ発生はっせい器きの電源でんげんを自家じか発電はつでん機きに切きり替かえるためだ。しかし、停電ていでんはなかった。「電源でんげんが切きれて酸素さんそを吸入きゅうにゅうできなかったら、『朝あさが来こない』と言いわれている。不安ふあんな毎日まいにちです」。自分じぶんで呼吸こきゅうをするのが難むずかしいため、人工じんこう呼吸こきゅう器きと酸素さんそ発生はっせい器きは欠かかせない。人工じんこう呼吸こきゅう器きには６時間じかんもつバッテリーがあるが、酸素さんそ発生はっせい器きには自家じか発電はつでんが必要ひつようだ。１５日にちは午前ごぜん中ちゅうに３時じ間あいだほど停電ていでんした。ちょうど看護かんご師しが来きていて安心あんしんだったが、看護かんご師しの携帯けいたい電話でんわには、ほかの在宅ざいたく患者かんじゃから「不安ふあんだ」「すぐ来きて欲ほしい」などの連絡れんらくが４件けんあった。元もと訪問ほうもん看護かんご師しの牛久保うしくぼさん。「患者かんじゃが恐怖きょうふと闘たたかっているのは痛いたいほど分わかる。すぐに対応たいおうできない看護かんご師しのもどかしさも理解りかいできる」。東京電力とうきょうでんりょくには要望ようぼうがある。「大だい地震じしんで混乱こんらんするのは仕方しかたないが、早はやめに、分わかりやすく、停電ていでんの情報じょうほうを国民こくみんに伝つたえて欲ほしい」と話はなす。県けん保健ほけん予防よぼう課かによると、県内けんないに自宅じたくで人工じんこう呼吸こきゅう器きを使つかっているＡＬＳ患者かんじゃは地震じしん発生はっせい時じ３２人にんいた。各かく保健ほけん福祉ふくし事務所じむしょは、バッテリーや自家じか発電はつでん機きがあるかを確認かくにんし、機器ききを貸かし出だすなどした。前橋まえばし市し保健所ほけんじょでは、急せきょ入院にゅういんする手てはずをとった患者かんじゃもいる。１日にちに２回かい、停電ていでんするとバッテリーがもたないと考かんがえたからだ。酸素さんそ発生はっせい器きは、慢性まんせい呼吸こきゅう不全ふぜんなどＡＬＳ患者かんじゃ以外いがいにも使つかう人ひとが少すくなくない。ただ、バッテリー付つきは高価こうかで持もっている人ひとは少すくない。停電ていでん時じは携帯けいたい用ようの酸素さんそボンベに頼たよるが、早はやい人ひとは１本ほんが１時じ間あいだ余あまりでなくなってしまう。認知にんち症しょうの人ひとがボンベを使つかうためのスイッチを押おし忘わすれていた例れいもあるという。　「たんぽぽ」の工藤くどう玲子れいこ所長しょちょうは「夕食ゆうしょく時じに停電ていでんで電動でんどうベッドを動うごかせず、寝ねたまま食事しょくじ介助かいじょを受うけたという話はなしも聞きく。訪問ほうもんサービスは時間じかんの融通ゆうずうが難むずかしく、在宅ざいたくの人ひとは本当ほんとうに大変たいへんだ」と嘆なげく。

　

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◆2011年ねん3月がつ26日にちasahi.com（朝日新聞あさひしんぶん）
　http://mytown.asahi.com/shimane/news.php?k_id=33000001103260004
　◆非常ひじょう電源でんげんの確保かくほを／「私わたしたちに出来できることは―２◆　（My Town島根しまね）

　運動うんどう神経しんけいの細胞さいぼうが侵おかされ、全身ぜんしんの筋肉きんにくが萎縮いしゅく（い・しゅく）する難病なんびょう「筋すじ萎縮いしゅく性せい側がわ索さく硬化こうか症しょう」（ＡＬＳ）の在宅ざいたく患者かんじゃで、呼吸こきゅう器きを着つけている人ひとは県内けんないに２０人にんいるとされる。自力じりきでの移動いどうは難むずかしく、電気でんきがないと人工じんこう呼吸こきゅう器きやたん吸引きゅういん器きが動うごかせず命いのちにかかわる。日本にっぽんＡＬＳ協会きょうかい県けん支部しぶ副ふく支部しぶ長ちょうで、患者かんじゃの療養りょうよう環境かんきょう改善かいぜんに取とり組くむ谷田たにだ人司ひとし（ひと・し）さん（４９）と妻つま佳よ和子かずこ（み・わ・こ）さん（４７）に、「災害さいがい弱者じゃくしゃ」となる人ひとたちへ出来できることを尋たずねた。（岡田おかだ慶子けいこ）
　
　◆震災しんさいインタビュー／ＡＬＳ患者かんじゃの谷田たにだ人司ひとしさん・妻つまの佳よ和子かずこさん ◆
　――東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいはどのように映うつりましたか
　　佳よ和子かずこ　予想よそう以上いじょうに早はやく津波つなみがきたようで、寝ねたきりの人ひとは助たすけようがなかったと思おもう。（呼吸こきゅう器きやたんの吸引きゅういん器きなどの）道具どうぐを持もって逃にげなければならないが、夫おっとを置おいて逃にげられない。
　　谷田たにた　東北とうほくには１００人にんくらい（日本にっぽんＡＬＳ協会きょうかいの）患者かんじゃ会員かいいんがいると思おもう。消息しょうそく情報じょうほうが出でてこないので在宅ざいたく患者かんじゃの動向どうこうがわからない。
　――体からだの自由じゆうがきかず、避難ひなんが難むずかしい
　　佳よ和子かずこ　リハビリで病院びょういんへ行いくにも、準備じゅんびを始はじめて玄関げんかんを出でるまでに２０分ふんくらいかかる。１人ひとりでは無理むりだし、マンションのエレベーターが止とまったら終おわりだと思おもう。
　　谷田たにた　近所きんじょの支援しえんが必要ひつよう。法吉ほっき地区ちく（松江まつえ市し）は地区ちく内ないの障害しょうがい者しゃを把握はあくして、専用せんようの訓練くんれんもしている。
　　佳よ和子かずこ　マンションでは毎年まいとし、避難ひなん訓練くんれんをしているが、一人暮ひとりぐらしのお年寄としよりや赤あかちゃんがいる家庭かてい、災害さいがい弱者じゃくしゃがいるかどうかもわからない。近所きんじょ付つき合あいを通とおし、もしものときに助たすけられるようにしておかないと。三重みえ県内けんないの病院びょういんの避難ひなん訓練くんれんでは、近所きんじょの人ひとがＡＬＳ患者かんじゃを運はこび出だして、アンビューバッグ（手動しゅどうの呼吸こきゅう器き）も使つかったという。
　――停電ていでんも重大じゅうだいな問題もんだい
　　佳よ和子かずこ　うちには呼吸こきゅう器きやたんの吸引きゅういん器きなど、電気でんきを使つかう機器ききが７台だい以上いじょうある。発電はつでん機きもあるが持もっていない人ひとも多おおいと思おもう。アンビューバッグを交代こうたいでやるしかない。計画けいかく停電ていでんは最初さいしょ、いつ停電ていでんするのかはっきりせず、テレビでも地区ちく名めいが映うつし出だされるだけだった。見みていなかった人ひとや視覚しかく障害しょうがい者しゃ、高齢こうれい者しゃはびっくりしたでしょうね。
　　谷田たにた　呼吸こきゅう器きはもつが吸引きゅういん器きが動うごかないと、たんで窒息ちっそくする。日頃ひごろから非常ひじょう電源でんげんを確保かくほし、使つかう訓練くんれんもしておくことが大切たいせつ。ただバッテリーも限度げんどがあり、停電ていでんが長ながいとかなり厳きびしい。行政ぎょうせいや電力でんりょく会社かいしゃが在宅ざいたく患者かんじゃ用ようの発電はつでん機きを用意よういし、保健所ほけんじょと連携れんけいして配くばる。そうなると助たすかるが、患者かんじゃ側がわも自己じこ責任せきにんで１日にち程度ていどの対策たいさくをしておくべきだろう。
　――今後こんごの取とり組くみは
　　谷田たにた　実情じつじょうと対策たいさくをまとめて、ホームページや保健所ほけんじょとの連携れんけいで仲間なかまに啓発けいはつしたい。普段ふだんから危機きき管理かんり意識いしきを持もつのが大事だいじ。患者かんじゃを運はこび出だす手伝てつだいや電源でんげんの運搬うんぱんなど、有事ゆうじに協力きょうりょくしてもらえることをリストに挙あげて、なるべく多おおくの協力きょうりょく者しゃを確保かくほしたい。（敬称けいしょう略りゃく）

　

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◆東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい：停電ていでんで必死ひっしの介助かいじょ　仙台せんだいのＡＬＳ患者かんじゃ家族かぞく
　2011年ねん3月がつ26日にち　毎日まいにちjp(毎日新聞まいにちしんぶん)
　http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110323k0000e040050000c.html
日本にっぽん大震災だいしんさいは、人工じんこう呼吸こきゅう器きを使つかって自宅じたく療養りょうようする患者かんじゃとその家族かぞくを、長期ちょうき停電ていでんという形かたちで不意打ふいうちした。仙台せんだい市しのＡＬＳ（筋すじ萎縮いしゅく性せい側がわ索さく硬化こうか症しょう）患者かんじゃ、土屋つちや雅史まさしさん（５３）宅たくでも地震じしん直後ちょくごに電気でんきが止とまり、一いち晩ばん中ちゅう、妻つま佳代子かよこさん（５０）ら家族かぞくが交代こうたいでゴム製せいの袋ふくろを手てで押おし、土屋つちやさんに空気くうきを送おくり続つづけた。翌日よくじつからは知人ちじんや主治医しゅじいの支援しえんで電源でんげんが確保かくほされ、ぎりぎりのところで窮状きゅうじょうを脱だっした。佳代子かよこさんは「自分じぶんたちだけでは乗のり越こえられなかった」と話はなす。【遠藤えんどう和行かずゆき】　ＡＬＳは全身ぜんしんの筋力きんりょくが衰おとろえる難病なんびょうで、進行しんこうすると呼吸こきゅうに必要ひつような筋力きんりょくも弱よわまり、２４時じ間あいだの介助かいじょが必要ひつようになる。１０万まん人にんに数すう人にんの割合わりあいで発症はっしょうし、１０年ねん３月がつ末まつ現在げんざい、全国ぜんこくで８４９２人にん、宮城みやぎ県内けんないには１５５人にんの患者かんじゃがいる。
　０６年ねんに発症はっしょうした土屋つちやさんは、０９年ねんに人工じんこう呼吸こきゅう器きを装着そうちゃくした。１１日にち、地震じしん直後ちょくごの停電ていでんで人工じんこう呼吸こきゅう器きの電源でんげんが内蔵ないぞうバッテリーに切きり替かわった。もって１時じ間あいだ。佳代子かよこさんは呼吸こきゅう器きを非常ひじょう用ようの外部がいぶバッテリーにつないだ。それも深夜しんやに切きれた。
　あとは手動しゅどうの呼吸こきゅう器きしかない。厚あついゴムの袋ふくろを手てで押おして空気くうきを送おくるきつい作業さぎょうだが、佳代子かよこさんが１時じ間あいだ、息子むすこ２人にんが２時じ間あいだずつ交代こうたいで押おした。この間あいだに自家用車じかようしゃから外部がいぶバッテリーに充電じゅうでんした。懐中かいちゅう電灯でんとうの薄うす明あかりの中なか、３人にんは代用だいよう器具きぐを使つかって土屋つちやさんのたんを取とり除のぞく作業さぎょうもし、ほとんど眠ねむれなかった。
　翌日よくじつ、知人ちじんから次々つぎつぎに助たすけの手てが伸のびた。「自家じか発電はつでん機きを貸かすよ」「うちの太陽光たいようこう発電はつでんでバッテリーを充電じゅうでんできる」「ガソリンを譲ゆずるよ」。食事しょくじを持もってきてくれる人ひともいた。発電はつでん機きを借かり、停電ていでん３日にち目めに主治医しゅじいからガソリン２０リットルが届とどいて不安ふあんが和やわらいだ。それでも発電はつでん機きは騒音そうおんのため夜よるは使つかえず、深夜しんやに１～２時じ間あいだ、手動しゅどうの呼吸こきゅう器きを使つかう日ひが続つづいた。
　電力でんりょくが復旧ふっきゅうしたのは１５日にち夜よる。佳代子かよこさんが「良よかった。頑張がんばったね」と声こえをかけると、土屋つちやさんは起動きどうした会話かいわ用ようの専用せんようパソコン上じょうに「みんなありがとう」とつづった。　仙台せんだい市しの「仙台せんだい往診おうしんクリニック」は人工じんこう呼吸こきゅう器きを使つかって自宅じたく療養りょうようする患者かんじゃ４５人にんを支援しえんしている。今回こんかいの停電ていでんでは、発電はつでん機きの燃料ねんりょう不足ふそくなどから約やく２０人にんが緊急きんきゅう入院にゅういんせざるを得えなかった。そのうち一人ひとりは電力でんりょく復旧ふっきゅうとともに退院たいいんを迫せまられたが、ヘルパーが確保かくほできずに帰宅きたくを断念だんねん。山形やまがた県けんの病院びょういんにヘリで搬送はんそうされ、家族かぞくと離はなればなれになっている。クリニックの川島かわしま孝一こういち郎ろう院長いんちょうは「過去かこの地震じしんの経験けいけんから、停電ていでんは６時じ間あいだ程度ていどで復旧ふっきゅうすると考かんがえており、長期ちょうき停電ていでんは想定そうてい外がいだった。全ぜん患者かんじゃ宅たくに発電はつでん機きを装備そうびし、長期ちょうき停電ていでんに備そなえたい」と話はなした。

＊作成さくせい：長谷川はせがわ唯ゆい・山本やまもと晋すすむ輔・有吉ありよし玲子れいこ

up:2011 　rev:20110324, 26, 0730, 1110

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