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本田昌義
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本田ほんだ 昌義まさよし

ほんだ・まさよし



日本にっぽんALS協会きょうかい大分おおいたけん支部しぶ支部しぶちょう

◆19991121 「療友たちため行動こうどうこそうと決意けついしたとき自分じぶんみちけました。」
 大分医科大学おおいたいかだいがく医大いだいさい」での講演こうえん
 http://www.cts-net.ne.jp/~tamasu/als/als03.htm全文ぜんぶん

 *その一部いちぶ上記じょうきホームページをごらんください)

 「発症はっしょう以来いらい今日きょうまでいちにちかすことく「明日あしためれば、病気びょうきなおっているかもしれない。あるいはなに奇跡きせききて突然とつぜん病気びょうき完治かんじするかもしれない。」と、無駄むだゆめ毎日まいにちみてごしています。だから、ALS患者かんじゃのみならす難病なんびょう患者かんじゃには「もしかして…」とはたらいて、民間みんかん療法りょうほうをこころみるひとおお所以ゆえんであるかとおもいます。」

 「ついに、主治医しゅじいのご指導しどうで、人工じんこう栄養えいよう直接ちょくせつながむ「ろう」の手術しゅじゅつ平成へいせいねん11がつけました。さら病状びょうじょう進行しんこうして、いよいよ呼吸こきゅう困難こんなんになり早朝そうちょう仮死かし状態じょうたい救急きゅうきゅうしゃのお世話せわになって、緊急きんきゅう入院にゅういんをしました。そのとき臨死りんし体験たいけんなる貴重きちょう体験たいけんをしました。正直しょうじきもうして、いまとなってはあれが臨死りんし体験たいけんなのか、ゆめなのか、げん(うつつ)なのか、あるいはたんなる幻想げんそうなのか、かりません。いずれにしても2がつまつ気管きかん切開せっかいして人工じんこう呼吸こきゅう装着そうちゃくしました。」

 「予想よそうしたとおりの病状びょうじょう進行しんこうであり、いえには年老としおいた父母ちちははもいることにかかるので、看護かんごやくつまれれば帰宅きたくして在宅ざいたく療養りょうようろうとかんがえていました。しかし当時とうじ大分おおいたけんではレスピレーターを装着そうちゃくして自宅じたく療養りょうようしているALS患者かんじゃは、わたしかぎりでは一人ひとりもありませんでした。人工じんこう呼吸こきゅう病院びょういん管理かんりするものだとかんがかた一般いっぱんてきで、療友のなかにはややかにているものりました。しかし、主治医しゅじいはげまされ、すうかい試験しけん外泊がいはくのちいたのは、おなねんあきさかりの青空あおぞら印象いんしょうてきな10がつ上旬じょうじゅんでした。わたし信頼しんらいできる主治医しゅじいめぐえたしあわせをめるゆとりを退院たいいんしました。
 勿論もちろん周囲しゅうい方々かたがたのおちからをおりして生活せいかつっていることもうまでもありません。
 以後いご拙宅せったくには「門前もんぜんす」かのごとくのにぎわいとなりました。地元じもとテレビ局てれびきょくはじめ、切実せつじつ自宅じたくかえりたい患者かんじゃ家族かぞく医療いりょう行政ぎょうせい関係かんけいしゃ、はては野次馬やじうまと、まるで動物どうぶつえんのパンダなみ毎日まいにちでした。
 此のときわたしは、もし人様ひとさまのおやくことであればえてパンダになろうと決心けっしんをしました。
 これはわたし持論じろんですが、「ALSは病気びょうきではない。ただ全身ぜんしん運動うんどう神経しんけいおかされた障害しょうがいしゃです。だから介助かいじょがあればなにでも出来できるのです。」と。」

 「健康けんこう唯一ゆいいつものにしてきたわたしに、病気びょうきおよべつ世界せかいはなしおもっていました。すこはたらぎたので、61さい以降いこうはのんびりつま趣味しゅみかした生活せいかつ心掛こころがけようとめていたのに、チョットしたボタンのちがいから、べつ世界せかいはなしとばかりしんじていたかいが、じつはドアをけたとなり部屋へやとはゆめにもおもっていませんでした。
 今後こんごわたし使命しめいとして、かい住人じゅうにんため再度さいどはたらこうと決意けついした次第しだいです。そして、「仕事しごとには美学びがくがある。ゆめとロマンをもとめて」と、よくはたらいたが、此の仕事しごとなにが「ゆめ」でなにが、「ロマン」やら、みな見当けんとうがつきませんがみなさんのおをおりして出来でき事柄ことがらからはじめます。
 わたしは療友たち手紙てがみげるときに、大要たいようことくことにしています。「栄光えいこうある過去かこは、いさぎよわすれなさい。そして、現在げんざい素直すなお気持きもちでつめなさい。現実げんじつ自分じぶん自身じしんをあるがままに表現ひょうげんしなさい。いたいときにはまわりに遠慮えんりょせずに、いたいとってください。きたいときはおも大声おおごえいてください。あなたの周囲しゅうい人々ひとびともあなたの我侭わがままゆるしてくださるでしょう。そしてあなたも、本来ほんらいのあなたらしい自分じぶんもどすでしょう。」と。
 病魔びょうまとのたたかいにやぶれても、人間にんげんという動物どうぶつはやいかおそいかのちがいこそあるものの、人間にんげん本能ほんのうかならなおろうとする方角ほうがくはたらくとわたし確信かくしんしています。些細ささいなアドバイスが意外いがい役立やくだことを、わたし経験けいけんからっています。これもわたしせられた、重要じゅうよう使命しめいひとつだと心得こころえています。」

 「ず、「告知こくち」にかんしてはわたし経験けいけん見聞けんぶんから推測すいそくして、医療いりょう関係かんけいしゃだい部分ぶぶん得意とくいとはえないようにおもいます。これは偏差へんさ教育きょういく受験じゅけん戦争せんそう悲劇ひげきかとおもいます。「人間味にんげんみ」のある教育きょういく全然ぜんぜんけた形跡けいせきかったように見受みうけました。最近さいきん一部いちぶ医科いかだい医学部いがくぶ入試にゅうしに、面接めんせつ試験しけんれられたこと大変たいへんこのましいことであり、今後こんごわか医学いがく期待きたいします。」

 「最後さいごに、人工じんこう呼吸こきゅう装着そうちゃくこばまれる患者かんじゃ意外いがいおお現実げんじつけなければなりません。責任せきにんかんつよほう割合わりあいおおいように見受みうけますが、彼等かれら彼女かのじょとう社会しゃかいてきにも有能ゆうのう人物じんぶつです。彼等かれら彼女かのじょとうは、家族かぞく社会しゃかい迷惑めいわくおよことおそれて選択せんたくするのでしょうが、「きる」こと大切たいせつさを理解りかいさせるのが、「告知こくち」のもうひとつの大切たいせつ側面そくめんであることを、告知こくちする医師いしはよく意識いしきして告知こくちをしてしいとかんがえています。」


本田ほんだ 昌義まさよし* 20000211 「大分おおいた医大いだいでの講演こうえんから」
 『JALSA』49:31-36

 
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立岩たていわ『ALS――不動ふどう身体しんたいいきする機械きかいにおける引用いんよう言及げんきゅう

 [162]「人工じんこう呼吸こきゅう装着そうちゃくこばまれる患者かんじゃ意外いがいおお現実げんじつけなければなりません。責任せきにんかんつよほう割合わりあいおおいように見受みうけますが、彼等かれら彼女かのじょとう社会しゃかいてきにも有能ゆうのう人物じんぶつです。彼等かれら彼女かのじょとうは、家族かぞく社会しゃかい迷惑めいわくおよことおそれて選択せんたくするのでしょうが、「きる」こと大切たいせつさを理解りかいさせるのが、「告知こくち」のもうひとつの大切たいせつ側面そくめんであることを、告知こくちする医師いしはよく意識いしきして告知こくちをしてしいとかんがえています。」(本田ほんだ[1999])

※おことわり
・このページは、公開こうかいされている情報じょうほうもとづいて作成さくせいされた、ひと組織そしき「について」のページです。そのひと組織そしき「が」作成さくせいしているページではありません。
・このページは、文部もんぶ科学かがくしょう科学かがく研究けんきゅう補助ほじょきんけている研究けんきゅう基盤きばん(C)・課題かだい番号ばんごう12610172)のための資料しりょう一部いちぶでもあります(〜2004.3)。
作成さくせい立岩たていわ しん
REV:20011206,20020803,0911
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