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【特集】火星(2022年12月1日 地球最接近) - アストロアーツ

【特集】火星(2022年12月1日 地球最接近)

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2022ねん12月1にちやく2ねん2かげつぶりに火星かせい地球ちきゅうさい接近せっきんします。やく8100まんkmまでちかづきます。

2022ねん9がつから2023ねん3がつごろまであかるくえます。ふゆほし々ときそうようにあかかがや光景こうけいものです。おうしなかうごきまわる様子ようすたのしめます。

かけサイズはややちいさめですが、天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょうでも観察かんさつしてみましょう。晩秋ばんしゅう初冬しょとう木星もくせい土星どせいともに、3惑星わくせい好機こうきです。

火星かせいつけよう

ひときわをひくあかほし

火星かせい地球ちきゅうとの位置いち関係かんけい距離きょり)によってあかるさがおおきくわる惑星わくせいです。こんシーズンの火星かせいは2022ねん8がつ下旬げじゅんから2021ねん2がつ上旬じょうじゅんまでのやく半年はんとしあいだ、マイナス等級とうきゅうで(いわゆる1とうぼしよりもあかるく)かがやきます。12月1にち地球ちきゅうさい接近せっきん前後ぜんごにはマイナス1.9等級とうきゅうたっし、どう時期じきよいそらかがや木星もくせいにはおよばないものの、よく目立めだちます。

2023年5月中旬 20時の星図

2023ねん5がつ中旬ちゅうじゅん 20そら東京とうきょう)。画像がぞうクリックで表示ひょうじ拡大かくだいステラナビゲータ星図せいず作成さくせい)。
(2022ねん8月(19月(010月(2311月(2212月(21/2023ねん1月(212月(2030ふん3月(2030ふん4月(205月(20

星座せいざなかうご火星かせい

地球ちきゅうからると、火星かせい背景はいけいほし々のあいだうごいていくようにえます。

火星かせい天球てんきゅうじょう西にしからひがしへと「順行じゅんこう(じゅんこう)」しながら、2022ねん8がつ上旬じょうじゅんに「おひつじ」から「おうし」の領域りょういきへとうつります。10月30にちの「とめ(りゅう)」まで順行じゅんこうつづけたのち天球てんきゅうじょうひがしから西にしへと「逆行ぎゃっこう(ぎゃっこう)」するようになり、逆行ぎゃっこう期間きかんちゅうの12月1にち地球ちきゅうさい接近せっきん、8にちに「衝(しょう)」となります。

その、2023ねん1がつ13にちふたたび「とめ」をむかえると、火星かせいうごきは逆行ぎゃっこうから順行じゅんこうへとわります。そして3がつ下旬げじゅんに、7かげつはんおよぶおうし期間きかんえて、火星かせいは「ふたご」の領域りょういきはいります。

期間きかんちゅう火星かせいうごきを、スケッチや写真しゃしん記録きろくのこすと面白おもしろいでしょう。おうしのアルデバランや「オリオン」のベテルギウスと、あかいろあかるさをきそ光景こうけいあわせておたのしみください。

2022ねん7がつから2023ねん5がつ火星かせいうごき。かこない火星かせい拡大かくだいぞうせい立像りつぞう)(ステラナビゲータでシミュレーション)。
[YouTube]

2022ねん7がつから2023ねん5がつ火星かせいの、宇宙うちゅう空間くうかんないでのうごきとかけのうごき(ステラナビゲータでシミュレーション)。

火星かせいかんする現象げんしょうカレンダー

2022ねん8がつ~2023ねん5がつごろにこる、火星かせいつきとの接近せっきんなどは、以下いかのとおりです。つきとの接近せっきんは、やや間隔かんかくおおきくなりますが前後ぜんごにもることができます。恒星こうせい星団せいだんなどとの接近せっきんは、すう日間にちかんられます。

日付ひづけ 現象げんしょう備考びこう
8がつ16にち 西にしのり(せいく)太陽たいようから90西にしはなれる(深夜しんやのぼり、のころみなみえる)
黄道こうどう座標ざひょうけいでは27にち
8がつ20日はつか つき月齢げつれい22)と接近せっきん
›› 解説かいせつ
未明みめいがた
8がつ中旬ちゅうじゅん
下旬げじゅん
おうし散開さんかい星団せいだん
M45プレアデス星団せいだんなら
深夜しんやがた
さい接近せっきん21にちごろ
8がつ下旬げじゅん
~9がつ上旬じょうじゅん
おうし散開さんかい星団せいだん
Mel 25ヒヤデス星団せいだん接近せっきん
›› 解説かいせつ
深夜しんやがた
さい接近せっきん9がつ3にちごろ
9がつ上旬じょうじゅん
中旬ちゅうじゅん
おうしの1とうほし
アルデバランと接近せっきん
›› 解説かいせつ
深夜しんやがた
さい接近せっきん7にちごろ
9月17にち つき月齢げつれい20)と接近せっきん
›› 解説かいせつ
未明みめいがた
10月14にち つき月齢げつれい19)となら深夜しんやよく15にちがた
10月15にち つき月齢げつれい20)とならよい深夜しんや
10がつ上旬じょうじゅん
下旬げじゅん
おうし超新星ちょうしんせい残骸ざんがい
M1かに星雲せいうんだい接近せっきん
よいがた
さい接近せっきん16にちごろ
10月30にち とめ(りゅう)このさかいに、天球てんきゅうじょうひがし西にしうごく(逆行ぎゃっこうする)ようになる
11月11にち つき月齢げつれい17)とだい接近せっきん
›› 解説かいせつ
よいよく12にちがた
11月上旬じょうじゅん
下旬げじゅん
おうしの2とうほし
エルナトと接近せっきん
よいがた
さい接近せっきん21にちごろ
12月 1にち 地球ちきゅうさい接近せっきん
›› 解説かいせつ
1117ふん/8145まんkm
12月 8にち つき月齢げつれい14)となら未明みめいがた
北米ほくべい~ヨーロッパで火星かせいしょく日本にっぽん時間じかん13ごろ)
12月 8にち 衝(しょう)
›› 解説かいせつ
太陽たいよう反対はんたいる(りのころのぼり、深夜しんやみなみえ、のころしずむ)
12月 8にち つき月齢げつれい14)と接近せっきん
›› 解説かいせつ
よいよく9にち未明みめい
1がつ 3にち つき月齢げつれい11)とだい接近せっきん
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夕方ゆうがたよく4にち未明みめい
アフリカで火星かせいしょく日本にっぽん時間じかん4にち5ごろ)
1がつ13にち とめ(りゅう)このさかいに、天球てんきゅうじょう西にしひがしうごく(順行じゅんこうする)ようになる
1がつ31にち つき月齢げつれい9)となら未明みめい
1がつ31にち つき月齢げつれい9/10)と接近せっきん
›› 解説かいせつ
夕方ゆうがたよく2がつ1にち未明みめい
太平洋たいへいよう中米ちゅうべい火星かせいしょく日本にっぽん時間じかん13ごろ)
2がつ11にち ズィーティーエフ彗星すいせい(C/2022 E3)とだい接近せっきん
›› 解説かいせつ
夕方ゆうがたよく12にち未明みめい
2がつ28にち つき月齢げつれい8)と接近せっきん
›› 解説かいせつ
夕方ゆうがたよく3がつ1にち未明みめい
北極ほっきょくかい火星かせいしょく日本にっぽん時間じかん28にち14ごろ)
2がつ下旬げじゅん
~3がつ中旬ちゅうじゅん
おうしの2とうほし
エルナトと接近せっきん
夕方ゆうがた未明みめい
さい接近せっきん3がつ9にちごろ
3月15にち ひがしのり(とうく)太陽たいようから90ひがしはなれる(りのころみなみえ、深夜しんやしずむ)
黄道こうどう座標ざひょうけいでは17にち
3月28にち つき月齢げつれい7)とだい接近せっきん
›› 解説かいせつ
夕方ゆうがたよく29にち未明みめい
3がつ中旬ちゅうじゅん
~4がつ上旬じょうじゅん
ふたご散開さんかい星団せいだん
M35とだい接近せっきん
夕方ゆうがた深夜しんや
さい接近せっきん3がつ30にちごろ
4がつ上旬じょうじゅん
下旬げじゅん
ふたごの3とうほし
メブスタと超大ちょうだい接近せっきん
夕方ゆうがた深夜しんや
さい接近せっきん14にちごろ
4がつ26にち つき月齢げつれい6)と接近せっきん
›› 解説かいせつ
夕方ゆうがた深夜しんや
4がつ下旬げじゅん
~5がつ中旬ちゅうじゅん
ふたごの1とうほし
ポルックスとなら
夕方ゆうがた深夜しんや
さい接近せっきん5がつ9にちごろ
5月24にち つき月齢げつれい5)と接近せっきん
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夕方ゆうがた深夜しんや
5がつ下旬げじゅん
~6がつ上旬じょうじゅん
かに散開さんかい星団せいだん
M44プレセペ星団せいだん超大ちょうだい接近せっきん
›› 解説かいせつ
夕方ゆうがたよい
さい接近せっきん6がつ2にちごろ

※2023ねん6がつ以降いこう現象げんしょうについては星空ほしぞらガイド」天文てんもん現象げんしょうカレンダー」順次じゅんじ紹介しょうかいします。

モバイルアプリを活用かつよう

星空ほしぞらナビ

無料むりょうモバイルアプリ星空ほしぞらナビ」は、スマートフォンをそらにかざすだけで、そのさきにある天体てんたいなどの情報じょうほうおしえてくれます。ナビゲーション機能きのう使つかえば火星かせい方向ほうこうまで星空ほしぞらナビが案内あんないします。

ちかいうちにこる天文てんもん現象げんしょうだけでなく、最新さいしん天文てんもんニュースもスマホにとどきます。火星かせいるだけでなく、探査たんさ研究けんきゅうのニュースをつうじてくわしくることでもたのしめます。また、1年間ねんかん天文てんもん情報じょうほうをいつでもられるなどの特典とくてんられる有料ゆうりょうプランもあります。

□
iOS/Androidよう
星空ほしぞらナビ」

星空ナビ

iステラ・スマートステラシリーズ

iOSよう「iステラ」「iステラ HD」、アンドロイドよう「スマートステラ」も、端末たんまつけた方向ほうこうそら画面がめんにシミュレーション表示ひょうじするので、火星かせい位置いちまわりのほし星座せいざ名前なまえなどが簡単かんたんにわかります。日付ひづけえて星座せいざなかうご様子ようすをシミュレーションすることもできます。

□
iPhone/iPod touchよう
「iステラ」
□
iPadよう
「iステラ HD」
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Androidよう
「スマートステラ」
各社かくしゃ「アプリ使つか放題ほうだいサービス」でもご利用りよういただけます

スマートステラでのシミュレーション

火星かせいさい接近せっきん星空ほしぞら様子ようすをスマートステラでシミュレーション。画像がぞうクリックで表示ひょうじ拡大かくだい

土星どせい木星もくせいよう

12月ごろまでは土星どせい、さらに2がつごろまで木星もくせいもよくえます。惑星わくせいウォッチングをたのしみましょう。

【特集】土星(2022~2023年)
【特集】木星とガリレオ衛星(2022~2023年)

表面ひょうめん模様もよう観察かんさつしよう

火星かせいちいさい惑星わくせいなので、地球ちきゅう接近せっきんするといってもかけはあまりおおきくなりません。表面ひょうめん模様もようるためには天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう必要ひつようです。

火星かせいやく24あいだ40ふん自転じてんしているので、える模様もよう日時にちじによって変化へんかします。シミュレーションソフトなどで、どんな模様もようやすいのかたしかめておきましょう。とくに目立めだつのは「だいシルチス」とばれるくら部分ぶぶんです。

火星の地図

NASAの探査たんさ「バイキング」が撮影さつえいした画像がぞうからつくられた火星かせい地図ちずおも地名ちめいれたもの。望遠鏡ぼうえんきょうたイメージにちかいように、うえみなみにしている。画像がぞうクリックで表示ひょうじ拡大かくだい(クレジット:NASA / JPL / USGS、オリジナル画像がぞう)。

  • ぞうれるとづらいので、かぜよわいときが観察かんさつてきしています。冬季とうきふうつよく、気流きりゅうみだれていることがおおいですが、好条件こうじょうけんのがさないようにしましょう。また、火星かせい南中なんちゅうする(みなみる)前後ぜんこうたかいところにあるときは大気たいき影響えいきょうちいさくなり、ひくいときよりもやすくなります。
  • 一見いっけんしただけでは、模様もよう濃淡のうたんえません。じっくりながめていると、すこしずつわかるようになってきます。
  • 公開こうかい天文台てんもんだい科学かがくかんなどで開催かいさいされる観望かんぼうかい観察かんさつかい観測かんそくかい)では、おおきい望遠鏡ぼうえんきょう火星かせいることができます。おちかくのイベント情報じょうほうは、全国ぜんこくプラネタリウム&公開こうかい天文台てんもんだい情報じょうほうページ「パオナビ」検索けんさくしてみてください。
    新型しんがたコロナウイルス感染かんせんしょう対策たいさくとして、事前じぜんもうみや人数にんずう制限せいげんなどの可能かのうせいがあります。くわしくは施設しせつやイベント主催しゅさいしゃなどにご確認かくにんのうえ、安全あんぜん注意ちゅういしてご参加さんかください。

かけのおおきさ

地球ちきゅうさい接近せっきんとなる12月1にち火星かせいかけのおおきさ(直径ちょっけい)は17.2びょうかくで、おな木星もくせいの4わりじゃくです。また、100ばい拡大かくだいすると、肉眼にくがん満月まんげつとほぼどうサイズになります。火星かせい直径ちょっけいが15びょうかくえるのは11~12がつで、この2かげつあいだ口径こうけい10cm程度ていど天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょうでも模様もようやすいでしょう。

  • 天体てんたいかけのおおきさは角度かくどあらわします。1びょう=1/60ふん=1/3600です。満月まんげつかけのおおきさはやく0.5(=30ふん=1800びょう)です。
  • 満月まんげつ直径ちょっけい0.5は、2.2mさきにある1えんだま直径ちょっけい2cm)を肉眼にくがんかた相当そうとうします。つまり、地球ちきゅうさい接近せっきんのころの火星かせいを100ばい天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょうると、これとおなじようなおおきさにえます。220ばいであればやく1mさきの1えんだまおなじようなほうです。
  • 地球ちきゅう火星かせいとの位置いち関係かんけいによっては、火星かせいけてえることがあります(半月はんつき満月まんげつあいだくらいのかたちのイメージです)。
  • つぎ直径ちょっけいが15びょうかくえるのは、2031ねん4がつ中旬ちゅうじゅんです。

2022~2023年の惑星の見かけの大きさ

2022~2023ねん火星かせい木星もくせい土星どせいたまき長径ちょうけい)のかけのおおきさ。たてじくひだり単位たんいびょうかくたてじくみぎ満月まんげつ(30ふんかく)にたいするおおきさ。よこじく目盛めもり各月かくつき1にちにあたる。画像がぞうクリックで表示ひょうじ拡大かくだい

ステラナビゲータでシミュレーション

天文てんもんシミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」では、火星かせい模様もようかた星空ほしぞらちゅううごきを正確せいかくにシミュレーションできます。火星かせいなんごろどの方向ほうこうえるか、どんな模様もようがあるのか、位置いちあかるさの変化へんかはどうなるのか、などを調しらべて観測かんそく撮影さつえい活用かつようしましょう。火星かせいから星空ほしぞら表示ひょうじするという、シミュレーションならではのたのしみかたもできます。

体験たいけんばんはこちら。1かげつあいだ無料むりょう機能きのうをおためしいただけます。

火星かせい撮影さつえいしてみよう

カラーCMOSカメラを天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう接続せつぞくして惑星わくせい動画どうが撮影さつえいし、そのなかからうつりのいフレームだけをえらんで多数たすうまいコンポジットすると、精緻せいちなめらかな惑星わくせいぞうることができます。天体てんたい画像がぞう処理しょりソフトウェア「ステライメージ」使つかうと、動画どうがからのコンポジットはもちろん、カラーバランス調整ちょうせいやディテール強調きょうちょうまで簡単かんたんかつ詳細しょうさいおこなえます。画像がぞうを「作品さくひん」に仕上しあげてみましょう。

›› 天体てんたい写真しゃしんギャラリー「火星かせい」 【2023ねん 【2022ねん 【2021ねん

惑星を撮影しよう CMOSカメラで動画撮影、ステライメージで処理

ほしナビ」連載れんさい記事きじ

  • 2018ねん6がつごう:「CMOSカメラで惑星わくせいる 1. 惑星わくせい撮影さつえいよう望遠鏡ぼうえんきょうとカメラ」
  • 2018ねん7がつごう:「CMOSカメラで惑星わくせいる 2. 惑星わくせい撮影さつえいよう準備じゅんび実際じっさい
  • 2018ねん8がつごう:「CMOSカメラで惑星わくせいる 3. 惑星わくせい動画どうが撮影さつえい

星ナビ2018年6月号 紹介記事

星ナビ2018年7月号 紹介記事

星ナビ2018年8月号 紹介記事

オンラインショップ

アストロアーツのオンラインショップでは天文てんもんグッズを多数たすうあつかっています。天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう火星かせい模様もよう観察かんさつしてみましょう。火星かせいつきとの接近せっきん現象げんしょうなどをながめるときには双眼鏡そうがんきょう便利べんりです。赤色あかいろライトきボールペン火星かせいなどもあります。

天体望遠鏡やグッズはアストロアーツオンラインショップで

火星かせいかんするマメ知識ちしき

あか大地だいち

太陽系たいようけい地球ちきゅうの1つ外側そとがわ公転こうてんしている火星かせいは、おおきさ(直径ちょっけい)が地球ちきゅう半分はんぶんほどしかない、水星すいせいいでちいさい惑星わくせいです。表面ひょうめんだい部分ぶぶんめる平原へいげん酸化さんかてつてつさび)でおおわれているため、火星かせいあかっぽいいろえます。うみばれるくら部分ぶぶんや、ながさ3000kmふかさ8kmにおよ太陽系たいようけい最大さいだいきゅう峡谷きょうこく「マリネリス峡谷きょうこく」、周囲しゅういくらべて27kmもたか太陽系たいようけい最大さいだいきゅうやまである「オリンポスさん」といった地形ちけいもあります。

両極りょうきょく部分ぶぶんにはみず二酸化炭素にさんかたんそこおりでできた極冠きょっかん(きょくかん)があり、しろっぽくえます。極冠きょっかんおおきさは火星かせいぶし変化へんかおうじて変化へんかし、なつにはちいさく、ふゆにはおおきくなります。

北極冠

きた極冠きょっかん探査たんさマーズ・エクスプレスが撮影さつえいした画像がぞうをモザイク合成ごうせいして作成さくせいされた。画像がぞうクリックでリリースもとページへ(クレジット:ESA / DLR / FU Berlin; NASA MGS MOLA Science Team)

北極冠

探査たんさバイキング1ごう撮影さつえいした火星かせい中央ちゅうおうややしたにマリネリス峡谷きょうこくびている。画像がぞうクリックでリリースもとページへ(クレジット:NASA / USGS)。

ダストストームに覆われた火星

ハッブル宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょうが2016ねん5がつと2018ねん7がつ撮影さつえいした火星かせい。2018ねんだい規模きぼなダストストーム(砂嵐すなあらし)が発生はっせいし、火星かせい模様もようがほとんどえない時期じきがあった。画像がぞうクリックでリリースもとページへ(クレジット:NASA, ESA, STScI)。

2ねん2かげつごとにこる
地球ちきゅうとの接近せっきん

火星かせい公転こうてん周期しゅうき太陽たいようまわりを1しゅうする期間きかん)はやく687にちです。火星かせい太陽たいようまわりを1しゅうするあいだ地球ちきゅうやく2しゅうします。この公転こうてん周期しゅうきちがいから、2つの惑星わくせいやく2ねん2かげつごとに距離きょりちかづき、軌道きどうじょうとなわせになります。

2020ねん10がつ6にち前回ぜんかいさい接近せっきん)から2025ねん1がつ12にち次回じかいさい接近せっきん)まで、4ねん3かげつあいだ地球ちきゅう火星かせいうごき(ステラナビゲータでシミュレーション)。

地球ちきゅう火星かせいさい接近せっきん距離きょりは、毎回まいかいことなります。火星かせい軌道きどう楕円だえんがたなので、軌道きどうじょうのどこで地球ちきゅう接近せっきんするかによって距離きょりおおきく変化へんかするのです(地球ちきゅう軌道きどう楕円だえんがたですが、火星かせいほどはつぶれていません)。2018ねん7がつ31にちには6000まんkmじゃくまでちかづき「だい接近せっきん」として話題わだいとなりました。反対はんたいに「しょう接近せっきん」のときには1おくkmもはなれます。

接近せっきん度合どあいは「だい接近せっきん」「ちゅう接近せっきん」「しょう接近せっきん」などと表現ひょうげんされますが、「○まんkm以内いないだい接近せっきん」のような明確めいかく基準きじゅんはありません。

今後こんごさい接近せっきん

日付ひづけ日本にっぽん時間じかん 接近せっきん距離きょり
2022ねん12月01にち8145まんkm
2025ねん01がつ12にち9608まんkm
2027ねん02がつ20日はつか1おく0141まんkm
2029ねん03がつ29にち9682まんkm
2031ねん05がつ12にち8278まんkm
2033ねん07がつ05にち6328まんkm
2035ねん09がつ11にち5691まんkm
2037ねん11月11にち7384まんkm
2039ねん12月28にち9139まんkm

2022年から2039年までの火星と地球の最接近

2022ねんから2039ねんまでの火星かせい地球ちきゅうさい接近せっきん画像がぞうクリックで表示ひょうじ拡大かくだい

火星かせい探査たんさ

火星かせい生命せいめい存在そんざいするのか(過去かこ存在そんざいしたのか)、液体えきたいみずはある(あった)のか、地形ちけいはどのようにつくられたのか、大気たいきうすいのはなぜか、2つの衛星えいせいフォボスとダイモスの起源きげんは、…。惑星わくせい太陽系たいようけい形成けいせい進化しんか時間じかん変化へんか)といった科学かがくてき興味きょうみから、将来しょうらい人類じんるい移住いじゅう可能かのうせいという観点かんてんまで、火星かせい人々ひとびとしんけてやまない惑星わくせいです。

1960年代ねんだいにははやくもアメリカときゅうソ連それん火星かせい探査たんさはじめ、マリナー計画けいかくやバイキング計画けいかくによってくわしい地表ちひょう様子ようすなどがあきらかにされていきました。現在げんざいはアメリカNASAの「マーズ・リコナサンス・オービター(MRO)」「メイブン(MAVEN)」、ヨーロッパ宇宙うちゅう機関きかん「マーズエクスプレス」、インドの「マンガルヤーン」、アラブ首長しゅちょうこく連邦れんぽう「HOPE」などが火星かせい周回しゅうかいしながら探査たんさおこなっています。

ダニエルソン・クレーター

MROが撮影さつえいしたダニエルソン・クレーターの内部ないぶ堆積岩たいせきがん層状そうじょうになっている(いろ強調きょうちょう)。MROは軌道きどうじょうから非常ひじょうこう解像度かいぞうど地形ちけい撮影さつえいしている。画像がぞうクリックでリリースもとページへ(クレジット:NASA / JPL-Caltech / University of Arizona)。

周回しゅうかい軌道きどうからだけでなく、地表ちひょう着陸ちゃくりくした探査たんさしゃによる調査ちょうさもこれまでに複数ふくすうおこなわれています。NASAの「キュリオシティ」は2012ねん着陸ちゃくりく以来いらい、10ねん以上いじょうにわたって地表ちひょう移動いどうしながら土壌どじょう調査ちょうさなどの探査たんさおこなっています。

2021ねん着陸ちゃくりくしたNASAの「パーサビアランス」のミッションでは、地球ちきゅうがい天体てんたいでははつとなる小型こがたヘリ「インジェニュイティ」の飛行ひこう実験じっけんにも成功せいこうしました。おなじく2021ねんには中国ちゅうごくの「てんとい1ごう」も火星かせい到着とうちゃくし、周回しゅうかい探査たんさしゃ祝融しゅくゆう」での探査たんさおこなっています。

キュリオシティ

キュリオシティのセルフィー。キュリオシティはこうしたセルフィーやパノラマ画像がぞうなどを多数たすう撮影さつえいしている。画像がぞうクリックでリリースもとページへ(クレジット:NASA / JPL-Caltech / MSSS)。

ダストデビル

パーサビアランスの撮影さつえいデータからつくられたパノラマ画像がぞう。ダストデビル(dust devil)とばれるつむじかぜうつっている。画像がぞうクリックでリリースもとページへ(クレジット:NASA / JPL-Caltech / SSI)。

インジェニュイティ

小型こがたヘリ・インジェニュイティ。2022ねん6がつまでに29かいのフライトを実施じっしみで、今後こんご計画けいかくされている。画像がぞうクリックでリリースもとページへ(クレジット:NASA / JPL-Caltech)。

フォボスによる日食

パーサビアランスが撮影さつえいした、フォボスによる日食にっしょくかけサイズの関係かんけいじょう、せいぜい巨大きょだい金環きんかん日食にっしょくにしかならない(ダイモスはさらにちいさくとおいので、太陽たいようめん通過つうかにしかえない)。画像がぞうクリックでリリースもとページへ(クレジット:NASA / JPL-Caltech / ASU / MSSS / SSI)。

日本にっぽんでは、火星かせい衛星えいせいからのサンプルリターンをこころみる「MMX」計画けいかくすすめられていて、2024年度ねんどげを目指めざしています。今後こんご火星かせいかんする様々さまざま発見はっけん研究けんきゅう成果せいか期待きたいされます。