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新刊しんかんでは海外かいがいの最新さいしん研究けんきゅう動向どうこうをふまえ、嘘うそ・間違まちがいだらけの日本にっぽんのカレー史し研究けんきゅうを全面ぜんめん的てきに刷新さっしんします。 『新あたらしいカレーの歴史れきし　上うえ』冒頭ぼうとう部分ぶぶん無料むりょう公開こうかい　その２です。 第だい一いち章しょう　謎なぞの幻視げんしと『美味おいしんぼ』から始はじまった、間違まちがいだらけのカレー史し研究けんきゅう２．謎なぞの幻視げんしと『美味おいしんぼ』から始はじまった、間違まちがいだらけのカレー史し研究けんきゅう ヘースティングズ総督そうとくがイギリスに初はじめてカレーをもたらした、Ｃ＆Ｂが初はじめてカレー粉こを商品しょうひん化かしたといった日本人にっぽんじんだけが騙だまされている嘘うそ情報じょうほうは、1989年ねんに出版しゅっぱんされた新書しんしょ版ばん・森もり枝えだ卓士たくし『カレーライスと日本人にっぽんじん』によって提唱ていしょうされた（ただしヘースティングズ伝承でんしょう説せつは2015年ねんの文庫ぶんこ化かの際さいに撤回てっかい）。 そして翌年よくねん1990年ねんに出版しゅっぱんされた当時とうじの国民こくみん的てき人気にんきマンガ『美味おいしんぼ』第だい24巻かんにこの本ほんが取とり上あげられたことで、嘘うそ情報じょうほうが日本にっぽん全体ぜんたいに拡散かくさんされ、定着ていちゃくしてしまったのである。 『美味おいしんぼ』第だい24巻かんには森もり枝えだ本人ほんにんが登場とうじょうし、マンガの登場とうじょう人物じんぶつ

新刊しんかんでは海外かいがいの最新さいしん研究けんきゅう動向どうこうをふまえ、嘘うそ・間違まちがいだらけの日本にっぽんのカレー史し研究けんきゅうを全面ぜんめん的てきに刷新さっしんします。 それでは『新あたらしいカレーの歴史れきし　上うえ』、冒頭ぼうとう部分ぶぶんをお楽たのしみください。 第だい一いち章しょう　謎なぞの幻視げんしと『美味おいしんぼ』から始はじまった、間違まちがいだらけのカレー史し研究けんきゅう１．ガラパゴス・デマが跋扈ばっこする日本にっぽんのカレー史し研究けんきゅう ・イギリスに初はじめてカレーをもたらしたのは、初代しょだいインド総督そうとくヘースティングズ ・初はじめてカレー粉こを商品しょうひん化かしたのは、イギリスの会社かいしゃＣ＆Ｂ これらの史実しじつは、カレーの歴史れきしに関かんする日本語にほんごの書籍しょせきにおいて繰くり返かえし述のべられてきた、ありふれた史実しじつである。カレーの歴史れきしに少すこしでも興味きょうみあるものならば、これらの史実しじつは誰だれでも知しっていることだろう。 ところが、これらの史実しじつが載のっていないカレー史しの書籍しょせきがある。リジー・コリンガムの『インドカレー伝でん』と、コリーン・テイラー・センの『カレーの歴史れきし』だ。 この二に冊さつだけではない。英語えいご圏けんで出版しゅっぱんされたカレー史しの

一いちヶ月かげつ前まえに公開こうかいした東洋とうよう経済けいざいオンライン記事きじ、補足ほそくするのを忘わすれていました。 19世紀せいきの三さん都と（京きょう、大坂おおさか、江戸えど）では、麦飯むぎめしにとろろやだし汁じるをかけて食たべていました。しかも農村のうそんでは質素しっそな食事しょくじであった麦飯むぎめしが、三さん都とでは贅沢ぜいたく品ひんだったのです。 なぜ三さん都とでは、とろろやだし汁じるをかけた麦飯むぎめしを贅沢ぜいたく品ひんとして食たべていたのか、その理由りゆうについて書かいた記事きじです。 その背景はいけいには、三さん都との人々ひとびとは貧まずしい人ひとも富とめる人ひとも「白しろ飯めし」を常食じょうしょくとしていた、という事情じじょうがあります。 それでは三さん都とでは「いつ」「なぜ」白しろ飯めしが標準ひょうじゅん食しょくとなったのでしょうか。この点てんについて補足ほそく説明せつめいしたいと思おもいます。 １．いつ三さん都とで白米はくまい食しょくが普及ふきゅうしたのか白米はくまい食しょくが普及ふきゅうすると、糠ぬかに含ふくまれていたビタミンＢ1の摂取せっしゅが不足ふそくし脚気かっけ患者かんじゃが増ふえます。麦飯むぎめしが健康けんこう（養生ようじょう）によいという考かんがえが江戸えど時代じだいに広ひろまった背景はいけいには、この脚気かっけの存在そんざいがあったのでしょう。 江戸えどにおける脚気かっけのことを「江戸えど患わずらい」といいました。1

かつてアメリカの国民こくみん食しょくであったハンバーグ・ステーキとホットドッグ。しかしながら現在げんざいでは、その地位ちいをハンバーガーとピザにゆずってしまいました。 ハンバーグ・ステーキからハンバーガーへ、ホットドッグからピザへの主役しゅやく交代こうたいは、1980年代ねんだい以降いこうに起おこった現象げんしょうと思おもわれます。 1968年ねんから77年ねんにかけて、アメリカの食生活しょくせいかつと健康けんこう問題もんだいを検討けんとうする上院じょういん特別とくべつ委員いいん会かいUnited States Senate Select Committee on Nutrition and Human Needsが開ひらかれました。 委員いいん会かいが当初とうしょ問題もんだいとしたのは、貧まずしい人々ひとびとの不十分ふじゅうぶんな栄養えいよう摂取せっしゅ問題もんだいでしたが、1970年代ねんだい後半こうはんになるとむしろ、過剰かじょうな栄養えいよう摂取せっしゅによる健康けんこう問題もんだいに焦点しょうてんが当あたるようになります。肥満ひまんによる慢性まんせい疾患しっかんが問題もんだいとなったのです。 この上院じょういん特別とくべつ委員いいん会かいの報告ほうこくは、主導しゅどうした上院じょういん議員ぎいんマクガバンにちなんで、マクガバン・レポートという名なで日本にっぽんで有ゆう

日本にっぽんの国民こくみん的てき洋食ようしょくハンバーグは、アメリカにその起源きげんがあります。アメリカにおいてもかつては、国民こくみん食しょくといえるほどにハンバーグ・ステーキが愛あいされていたのです。 カメラマンの名取なとり洋之助ようのすけは、1936年ねんにフォーチュン誌しの企画きかくでアメリカ横断おうだん撮影さつえい旅行りょこうに挑いどみます。その道中どうちゅうの食事しょくじは“普段ふだんはだいたいハンバーグ・ステーキかホットドッグ”というものでした（『アサヒカメラ』1950年ねん9月がつ号ごう所収しょしゅう「アメリカ撮影さつえい旅行りょこうの思おもい出で」名取なとり洋之助ようのすけ）。 雑誌ざっし『主婦しゅふと生活せいかつ』1950年ねん9月がつ号ごうには、ハンバーグ・ステーキを頻繁ひんぱんに食たべていたころのニューヨーク食しょく事情じじょうがレポートされています。 “ニューヨークの人達ひとたちは、今いまとてもハンバーグがお好すき。例れいの挽肉ひきにくのおだんごを、ジュッと燒やいたもの” 「ほんとにアメリカ不思議ふしぎなお国くに（その六ろく）」 外交がいこう官かんの妻つまとしてアメリカ滞在たいざい経験けいけんのある料理りょうり研究けんきゅう家か・飯田いいだ深雪みゆきは、1960年ねんの『世界せかいの家庭かてい料理りょうり 5』において、当時とうじアメリカで人ひと

池波いけなみ正太郎しょうたろうも、東京とうきょうの下町したまち洋食ようしょくの代表だいひょう例れいとして、ハンバーグではなくメンチボールをあげています。 池波いけなみ正太郎しょうたろう『むかしの味あじ』池波いけなみ正太郎しょうたろうが下町したまち洋食ようしょくの代表だいひょうとして例示れいじしたチキンライスは、カレーライスとともにイギリスから渡来とらいした料理りょうり。 パン粉ぱんこ揚あげのカツレツもイギリス料理りょうり。ポテトコロッケも、元々もともとはフランス料理りょうりですが、イギリス経由けいゆで渡来とらいした料理りょうりです（なのでウスターソースをかける）。 詳くわしい理由りゆうについては『なぜアジはフライでとんかつはカツか？』を参照さんしょうしていただきたいのですが、日本にっぽんにおいてまず普及ふきゅうした西洋せいよう料理りょうりは、イギリス料理りょうりだったのです。 ということは「メンチボール」もやはりイギリスからきた料理りょうり、と考かんがえるべきかと思おもいます。メンチはmince、ボールはballという英語えいごを語源ごげんとしていますし。 実際じっさいの所ところ、19世紀せいきのイギリス都市とし部ぶの中流ちゅうりゅう家庭かてい料理りょうりにおいては、挽肉ひきにくをボール状じょうにして食たべることが習慣しゅうかん化かしていました。ただし、名前なまえ

新刊しんかん無料むりょう公開こうかい『なぜアジはフライでとんかつはカツか？』　その６　「第だい二に章しょう　カツレツの登場とうじょうと普及ふきゅう」（冒頭ぼうとう部分ぶぶん） （無料むりょう公開こうかいの先頭せんとうはこちらから→） 新刊しんかん『なぜアジはフライでとんかつはカツか？』発売はつばい中ちゅうです。 １．『西洋せいよう料理りょうり指南しなん』の豕いのこ（ブタ）ノ油あぶら煮に明治めいじ５年ねんに出版しゅっぱんされた『西洋せいよう料理りょうり指南しなん　下した』（敬たかし学堂がくどう主人しゅじん）の「小しょう犢ノ油あぶら煮に」。 『西洋せいよう料理りょうり指南しなん　下した』　敬たかし学堂がくどう主人しゅじん　（国会図書館こっかいとしょかん蔵ぞう）右みぎ下かに半円はんえん形がたの骨ほね付つき肉にくの挿絵さしえがある。この肉にくの形かたちが非常ひじょうに重要じゅうよう（著者ちょしゃがわざわざ挿絵さしえを入いれた理由りゆうも、この形かたちが重要じゅうようであるため）なので、記憶きおくしておいていただきたい。 小しょう犢ノ油あぶら煮には、この骨ほね付つき肉にくの骨ほねを取とり、小麦粉こむぎこ、卵黄らんおう、パン粉ぱんこの衣ころもをつけて牛脂ぎゅうしで揚あげた料理りょうり。現在げんざいの日本にっぽんで言いうところの仔こ牛うしのカツレツである。そして同様どうようの料理りょうりに、「羊ひつじノ油あぶら煮に」と「豕いのこ（ブタ）ノ油あぶら煮に」がある。 つまりこの「豕いのこ（ブタ）ノ油あぶら煮に」こそが、ポークカツレツの資料しりょう上じょうの初出しょしゅつである。 さて、現げん

新刊しんかん無料むりょう公開こうかい『なぜアジはフライでとんかつはカツか？』　その５「第だい一いち章しょう　煉瓦れんが亭ていという名なのモンスター 」３．四よん代目だいめによるカツレツ発明はつめい話はなしの大幅おおはば改変かいへん（後編こうへん） 新刊しんかん『なぜアジはフライでとんかつはカツか？』発売はつばい中ちゅうです。 （無料むりょう公開こうかいその１「序ついで」はこちら→） （無料むりょう公開こうかいその２「第だい一いち章しょう　煉瓦れんが亭ていという名なのモンスター 」１．煉瓦れんが亭ていという名なのモンスターはこちら→） （無料むりょう公開こうかいその３「第だい一いち章しょう　煉瓦れんが亭ていという名なのモンスター 」２．煉瓦れんが亭ていをめぐる証言しょうげんの不可解ふかかいさはこちら→） （無料むりょう公開こうかいその４「第だい一いち章しょう　煉瓦れんが亭ていという名なのモンスター 」３．四よん代目だいめによるカツレツ発明はつめい話はなしの大幅おおはば改変かいへん（前編ぜんぺん）はこちら→） 四よん代目だいめ木田きだ明利あきとしの代だいになって、煉瓦れんが亭ていのポークカツレツ発明はつめい話はなしの信用しんようは地ちに落おちた。というのも明利あきとしが、父ちちである三さん代目だいめ木田きだ孝一こういちのポークカツレツ発明はつめい話はなしの筋書すじがきを、大おおきく改変かいへんしてしまったからだ。 なぜ木田きだ明利あきとしは、改変かいへんがばれて信用しんようを無なくすかもしれないと

新刊しんかん無料むりょう公開こうかい『なぜアジはフライでとんかつはカツか？』　その２「第だい一いち章しょう　煉瓦れんが亭ていという名なのモンスター 」１．煉瓦れんが亭ていという名なのモンスター 新刊しんかん『なぜアジはフライでとんかつはカツか？』発売はつばい中ちゅうです。 （無料むりょう公開こうかいその１「序ついで」はこちら→） 銀座ぎんざを南北なんぼくに貫つらぬく目抜めぬき通どおり、銀座ぎんざ通どおりを一本いっぽん西にしに入はいった静しずかな路地ろじ、銀座ぎんざガス灯がすとう通どおりに、煉瓦れんが亭ていという名なの老舗しにせ西洋せいよう料理りょうり店てんがある。 とんかつの原型げんけいたるポークカツレツは、この煉瓦れんが亭ていで誕生たんじょうしたというのが、現時点げんじてん（２０２２年ねん）において広ひろく信しんじられている「定説ていせつ」である。 四よん代目だいめ店主てんしゅ木田きだ明利あきとしの妻つま、木田きだ和子かずこの著書ちょしょ『煉瓦れんが亭ていいまむかし』によると、明治めいじ28年ねん６月がつ16日にちに山本やまもと音次郎おとじろうというコックが創業そうぎょうしたフランス料理りょうり店てんが、そもそもの煉瓦れんが亭ていのはじまり。 ところが開店かいてんして２～３年ねんたった頃ころ、山本やまもと音次郎おとじろうは体調たいちょう不良ふりょうにより引退いんたい。その後ご、山本やまもとの縁者えんじゃであった木田きだ元次もとつぐ郎ろうが二に代目だいめとして店みせを引ひき継ついだ。 この木田きだ元次もとつぐ郎ろうの

新刊しんかん『なぜアジはフライでとんかつはカツか？』発売はつばい中ちゅうです。 新刊しんかんではカツレツ、とんかつ、魚さかなのフライ、コロッケの様々さまざまな謎なぞを解とき明あかすとともに、嘘うそ・デタラメだらけの日本にっぽん西洋せいよう料理りょうり近代きんだい史しを、膨大ぼうだいな資料しりょうをもとにゼロから書かき直なおします。 それでは『なぜアジはフライでとんかつはカツか？』、冒頭ぼうとう部分ぶぶんをお楽たのしみください。 １８５３年ねん７月がつ８日にち、黒船くろふね来航らいこう。１８５８年ねん７月がつ２９日にちに日米にちべい修好しゅうこう通商つうしょう条約じょうやくが結むすばれ、翌年よくねん横浜よこはまが開港かいこうすることとなる。 外国がいこく人じんを迎むかえるにあたってまず日本人にっぽんじんがしたこと。それは遊女ゆうじょ街がいすなわち遊郭ゆうかくの設置せっちであった。 日本にっぽん各地かくちから横浜よこはまに遊女ゆうじょを集あつめるとともに、饗応きょうおうの場ば（揚屋あげや）において西洋せいよう料理りょうりも提供ていきょうされることとなり、メニュー表ひょう「横浜よこはま揚屋あげや料理りょうり献立こんだて」が作成さくせいされた。 （「横濱よこはま揚屋あげや料理りょうり献立こんだて」　画像がぞう提供ていきょう：京都きょうとの古書こしょ店てん・青あお羽わ古書こしょ店てん様さま）雑誌ざっし『食道楽くいどうらく　昭和しょうわ６年ねん５月がつ号ごう』記事きじ「横濱よこはま開港かいこう當時とうじの西洋せいよう料理りょうり」（高岸たかぎし拓川たくせん）に、横浜よこはま開港かいこうの年とし、１８５

（2021年ねん5月がつ25日にち　原本げんぽん改訂かいていにつき更新こうしん） kindle版ばん『お好このみ焼やきの戦前せんぜん史し　第だい二に版はん』は、その旧版きゅうばんをもとにした紙かみの書籍しょせき版ばん『お好このみ焼やきの物語ものがたり』と比較ひかくし、様々さまざまな点てんで新あたらしくなっています。 特とくにその一部分いちぶぶんである「来き々軒のきと支ささえ那なそばの普及ふきゅう」については、ラーメンの起源きげんに迫せまるべく大量たいりょうに資料しりょうを追加ついかし、全面ぜんめん更改こうかいを行おこなっています。 もともとはお好このみ焼やきの歴史れきしに関かんする本ほんであり、お好このみ焼やきの一種いっしゅであるソース焼やきそばの歴史れきしを語かたる上じょうで必要ひつよう最低限さいていげんの、ラーメンの歴史れきしの一部分いちぶぶんに触ふれただけに過すぎませんでした。 ところが、世よにあふれるラーメンの歴史れきし本ほんが、貧弱ひんじゃくな資料しりょうをベースにしたでたらめな推論すいろんに満みちているため、次第しだいに（反論はんろんを込こめた）内容ないよう改訂かいていを重かさねるうちに、ついにお好このみ焼やきとは縁遠えんどおい「ラーメン起源きげんの章あきら 」になってしまいました。 それでは、ラーメンの起源きげんに迫せまる「来き々軒のきと支ささえ那なそばの普及ふきゅう」の冒頭ぼうとう部分ぶぶんをお楽たのしみください。（記事きじトップの画像がぞう

後編こうへんである本書ほんしょが扱あつかう串くしかつは、牛丼ぎゅうどんや焼鳥やきとりとは正せい反対はんたいの歴史れきしをたどって生うまれた食たべ物ものである。 牛丼ぎゅうどんや焼鳥やきとりは、下層かそう階級かいきゅうの卑いやしい食たべ物ものとして生うまれ、その後ご牛丼ぎゅうどんは大正たいしょう時代じだいから、焼鳥やきとりは大正たいしょう時代じだい後半こうはんから上中かみなか流りゅう階級かいきゅうの人々ひとびとに受うけ入いれられていった。いわば、底辺ていへんから成なり上あがっていった食たべ物ものである。 一方いっぽうの串くしかつは、西洋せいよう料理りょうりの大衆たいしゅう化かによって生うまれた食たべ物もの。 明治めいじ時代じだいのはじめに上流じょうりゅう階級かいきゅうの人々ひとびとが食たべていた高級こうきゅう西洋せいよう料理りょうり店てんのフルコース料理りょうりは、最終さいしゅう的てきに労働ろうどう者しゃが屋台やたいでコップ酒しゅ片手かたてに立たち食ぐいする串くしかつにまで、大衆たいしゅう化かしていった。いわば、西洋せいよう料理りょうりの大衆たいしゅう化かが行いき着ついた究極きゅうきょくの姿すがたが、串くしかつなのである。 串くしかつの誕生たんじょうの歴史れきしは、西洋せいよう料理りょうりの大衆たいしゅう化かの歴史れきしそのものだ。なので本書ほんしょにおいて串くしかつそのものに割さかれたページはさほど多おおくない。本書ほんしょのページの大だい部分ぶぶんは、西洋せいよう料理りょうりが大衆たいしゅう化かしていくステップと、その社会しゃかい背景はいけいの説明せつめいに割わり当あてられることとなる。 従したがって本ほん

「ホルモン焼やき」 ｜ 分わけ入はいっても分わけ入はいっても日本語にほんご ｜ 飯間いいま浩明ひろあき ｜ 連載れんさい ｜ 考かんがえる人ひと ｜ 新潮社しんちょうしゃ 「このことばはどうして生うまれたのだろう？」 そんな疑問ぎもんがふと頭あたまをよぎったことはありませんか。膨大ぼうだいな日本語にほんごと日々ひび向むき合あう国語こくご kangaeruhito.jp 大変たいへん素晴すばらしい内容ないようです。 ホルモン＝ほうるもん説せつは、『モノになる動物どうぶつのからだ』（中島なかじま久恵ひさえ）、『焼肉やきにくの誕生たんじょう』（佐々木ささき道雄みちお）、そして拙著せっちょ『焼鳥やきとりの戦前せんぜん史し』において、誤あやまりであることが証明しょうめいされてきました。 しかしながら、ホルモン＝ほうるもん説せつはいまだに根強ねづよく流ながれています。こういった形かたちで、いわば日本語にほんごのプロフェッショナルである国語こくご辞典じてん編纂へんさん者しゃの飯間いいま浩明ひろあきさんから批判ひはん的てき検討けんとうが加くわえられたことは、私わたしにとって頼たのもしいかぎりです。 さて、『分わけ入はいっても分わけ入はいっても日本語にほんご』「ホルモン焼やき」の内容ないようについてですが、食しょく文化ぶんか史し研究けんきゅうの観点かんてんからすると若干じゃっかん気きになる表現ひょうげんがありま

関西かんさい風ふう薄うす味あじおでんは、実じつは東京とうきょう生うまれだった？！（東洋とうよう経済けいざいオンライン記事きじ） 先頭せんとうの写真しゃしんは、「銀座ぎんざお多幸たこう」の真まっ黒くろなおでん鍋なべ。これが本来ほんらいの関西かんさい風ふうおでん（かんとだき）だというのだからおどろきです。 新しん記事きじ公開こうかいしました。 稲田いなだ俊輔しゅんすけ『異国いこくの味あじ』に「東京とうきょうエスニック」代表だいひょうとして出でてくる銀座ぎんざお多幸たこうなんですが、おでん研究けんきゅう家かの新井あらい由ゆかり己おのれ『日本にっぽん全国ぜんこくおでん物語ものがたり』によると、アレが伝統でんとう的てきな関西かんさい風ふうおでん＝関東かんとう煮になんだそうです。 稲田いなださんはダシに昆布こぶの味あじを感かんじたそうで、さすが味覚みかくが鋭するどい。 私わたしは昆布こぶの味あじ、わかりませんでした。 新井あらい氏しによると「お多幸たこう」の醤油じょうゆも、濃口こいくちではなく薄口うすくち

（この記事きじは2020年ねん12月22日にち-25日にちにかけてのtwitter連載れんさいを編集へんしゅうしたものです） 新横浜しんよこはまラーメン博物館はくぶつかんで、来き々軒のきの「らうめん（青竹あおだけ打うち）」を食たべました。（先頭せんとうの写真しゃしん） 伝説でんせつの浅草あさくさの店みせ、来き々軒のきの１１０年ねん前まえの味あじを復刻ふっこくするというプロジェクトから生うまれた一いち杯はい。私好わたしごのみの味あじで大変たいへん美味おいしゅうございました。 復刻ふっこくには様々さまざまな苦労くろうがあったことでしょうし、実じつに意義いぎ深ふかい事業じぎょうだと思おもいます。 ですがこのラ博はくの「らうめん」、昭和しょうわ初期しょきの復刻ふっこく版ばんとしては正ただしいのでしょうが、「１１０年ねん前まえの来らい々軒のきのらうめん」、つまり明治めいじ時代じだい末まつから大正たいしょう時代じだいのらうめんとは全まったく異ことなっている可能かのう性せいがあります。 ニュースリリースによると、ラ博はく来らい々軒のきのらうめんは浅草あさくさ来らい々軒のき三さん代目だいめの故こ・尾崎おざき一郎いちろうさんら、親族しんぞくの方ほうの証言しょうげんをもとに復刻ふっこくされたそうです。尾崎おざき一郎いちろうさんの証言しょうげんは、『にっぽんラーメン物語ものがたり』（小菅こすが桂子けいこ）にも収録しゅうろくされています。 ”来らい々軒のきのシナそばですか？

2020年ねん6月がつ4日にち更新こうしん『焼鳥やきとりの戦前せんぜん史し』、販売はんばい開始かいししました。 エアコミケには当選とうせんサークル以外いがいも参加さんか可能かのうということで、久ひさしぶりに参加さんか気分きぶんを味あじわってみたいと思おもいます。 現在げんざい執筆しっぴつ中ちゅうの、おそらく日本にっぽん初はつの焼鳥やきとりの歴史れきし書しょ『焼鳥やきとりの戦前せんぜん史し』の冒頭ぼうとう部分ぶぶんを無料むりょう公開こうかいいたします。「新刊しんかん落おちでごめんなさい冒頭ぼうとう部分ぶぶんをコピー本ほんとして無料むりょう頒布はんぷします」の体からだで。 既刊きかん『お好このみ焼やきの戦前せんぜん史し』『牛丼ぎゅうどんの戦前せんぜん史し』の冒頭ぼうとう部分ぶぶんも無料むりょう公開こうかいしていますので、「無料むりょうサンプルを送信そうしん」ボタンでkindleに送信そうしんしてください（スマホ、PCもkindleアプリを入いれると読よむことができます）。 『お好このみ焼やきの戦前せんぜん史し』 『牛丼ぎゅうどんの戦前せんぜん史し』 それでは、『焼鳥やきとりの戦前せんぜん史し』の冒頭ぼうとう部分ぶぶんをお楽たのしみください。 第だい一いち章しょう　廃棄はいき物ぶつと食品しょくひん偽装ぎそうから生うまれた焼鳥やきとり １．詩人しじん、焼鳥やきとり屋やになる 詩人しじん、草野くさの心こころ平たいらは途方とほうに暮くれていた。 中国ちゅうごくの嶺みね南みなみ大学だいがく留学りゅうがく中ちゅうに詩しに目覚めざめた草野くさのは、日本語にほんご教師きょうしの職しょくのかたわら