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もはや世界遺産?名古屋喫茶店文化の正体…朝から晩までボリューミーなモーニング付き | ビジネスジャーナル
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山田やまだまさる「一緒いっしょかんがえよう! ちょうPRてきマーケティング講座こうざ

もはや世界せかい遺産いさん名古屋なごや喫茶店きっさてん文化ぶんか正体しょうたいあさからばんまでボリューミーなモーニング

ぶん山田やまだまさる/インテグレートCOO、コムデックス代表だいひょう取締役とりしまりやく社長しゃちょう
もはや世界遺産?名古屋喫茶店文化の正体…朝から晩までボリューミーなモーニング付きの画像1喫茶店きっさてん「ホワイトベア」

県民けんみんしょく(ケンミンショク)」とは、その地方ちほうならではのソウルフードのことである。他府県たふけんからやってきた部外ぶがいしゃからすると、意表いひょうかれるスタイルに衝撃しょうげきけつつ、一旦いったんそのあじとりこになるとくせになる不思議ふしぎ世界せかいである。

 これまでごえんがなかったのだが、昨年さくねんあたりからちょくちょく名古屋なごやにお邪魔じゃまする機会きかいえた。そこで、仕事しごと時間じかんわせで、うわさ名古屋なごや喫茶店きっさてん体験たいけんしたのである。うえ写真しゃしんは、衝撃しょうげきけたはつ体験たいけんのおみせである。2016ねん8がつ最初さいしょおとずれた名古屋なごやスタイルの喫茶店きっさてんが「ホワイトベア」さん。そのとおり、等身とうしんだいのシロクマのはくせいがお出迎でむかえ。のインパクトも絶大ぜつだいであった。

 おとずれたのが昼食ちゅうしょくませた午後ごご3ごろだったので、レトロな喫茶店きっさてんにあわせてレモンスカッシュを注文ちゅうもんしてみた。すると「モーニングつけますか」と店員てんいんかれた。「午後ごご3にモーニング?」とおもったが、俄然がぜん興味きょうみがわいて「おねがいします」とセットをつけてみた。5ふんてきたプレートのうえには、レモンスカッシュにサラダ、ジャムトースト、さらにふとし寿司ずし2つ。「これはレモンスカッシュ定食ていしょくか?」といたくなるボリューミーなセットメニューがてきた。

 地元じもと名古屋なごやじんにとっては、これがたりまえらしいことをる。コーヒーはもちろん、希望きぼうをすればソフトドリンクにもこのようなセットが無料むりょうサービスでついてくる。ちなみにホワイトベアでは、あさからばんまでモーニングセットがつけられる。もはや、モーニングですらない。

もはや世界遺産?名古屋喫茶店文化の正体…朝から晩までボリューミーなモーニング付きの画像2レモンスカッシュ

 わたしにはケンミンしょく記憶きおくがある。小学しょうがく5年生ねんせいとき家族かぞく旅行りょこうおとずれた香川かがわ、そのせいめんしょ軒先のきさきべた讃岐さぬきうどんはとにかくめん主役しゅやくで、めんだけがられた状態じょうたいうつわる。そこにかける出汁だしも、も、ネギも、適当てきとう自分じぶんでやってねというセルフサービススタイル。ただしめんだけは、とにかく気合きあいと自信じしんあふれていた。

 社会しゃかいじんになってはつ体験たいけんした博多はかたのラーメンてんいちらん」。べるまえ記入きにゅうするオーダーようのアンケート、おしゃべりをゆるさない間仕切まじきしょくテーブル。そして、「だま」。いずれも、おいしさと同時どうじに「独特どくとく」のサービスをふくめたスタイルにおどろいた。それらに匹敵ひってきする名古屋なごや喫茶店きっさてん以降いこう機会きかいがあるたびに名古屋なごや喫茶店きっさてん探査たんさしている。

鉄板てっぱん小倉こくらトースト、きそば定食ていしょく

 おつぎのおみせは、名古屋なごやなのに「喫茶きっさ 神戸こうべかん」という、ガラス張がらすばりの外観がいかん特徴とくちょう有名ゆうめいてん。5かいての1かい喫茶店きっさてんで、5かい宴会えんかいじょう結婚式けっこんしき二次会にじかいでよく使つかわれ、名古屋なごやひとには馴染なじみのおみせらしい。

 そんな神戸こうべかんのイチオシが、「鉄板てっぱん小倉こくらトーストwithとろけるきなこ」である。これも名古屋なごや喫茶店きっさてん特徴とくちょうなのか。鉄板てっぱんきである。こだわりのコーヒーシロップをかけると、期待きたいどおり「ジュワー」とおとがする。さらに、おなじく名古屋なごやまれた「とろけるきなこ」がかけ放題ほうだいだ。

 そして、神戸こうべかんのランチメニューでカレーやパスタになら存在そんざいかんはなつのが「きそば定食ていしょく」である。これまた鉄板てっぱんに、ライスにのソースあじきそばがられ、目玉焼めだまやきがのっている。これにあかだしの味噌汁みそしるがついてくる。

 喫茶店きっさてんに「きそば定食ていしょく」は名古屋なごやではたりまえだそう。

もはや世界遺産?名古屋喫茶店文化の正体…朝から晩までボリューミーなモーニング付きの画像3鉄板てっぱん小倉こくらトースト

 東京とうきょうでも名古屋なごや喫茶店きっさてん文化ぶんかあじわいたいというニーズにこたえてくれるのが、「コメダ珈琲こーひーてん」だ。名物めいぶつは「シロノワール」。あついデニッシュパンのうえにたっぷりソフトクリームがのっており、熱々あつあつひや々をたのしめるところが、いかにも名古屋なごやメシらしい。いまや、全国ぜんこく店舗てんぽすうは700てんえている。名古屋なごや喫茶店きっさてん共通きょうつうする前述ぜんじゅつの「モーニング」。さきほどのように、ものにトーストやサラダ、たまご料理りょうりがついてくる。

 コメダ珈琲こーひーてんでは、トースト+A「定番ていばんゆで玉子たまご」、B「手作てづくりたまごペースト」、C「名古屋なごや名物めいぶつおぐらあん」の3種類しゅるいからえらべる。提供ていきょう時間じかん開店かいてんからあさ11まで。さすがに全国ぜんこくチェーンだけあって、かなり洗練せんれんされたかんじである。ホワイトベアのようにお寿司すしやおにぎりはついてこない。

 メニューだけではない。店内てんないにはスポーツ新聞しんぶん雑誌ざっし豊富ほうふそろえられ、せきはソファでゆったりくつろぎけい。ビジネスしょ絵本えほんなどが充実じゅうじつしているみせもある。長居ながい前提ぜんていにしていることも、名古屋なごや喫茶店きっさてんのサービスの特徴とくちょうだ。それと、コーヒーチケットとばれる9まいつづりの回数かいすうけん使つか常連じょうれんさんもおおい。

軽食けいしょくどう

 名古屋なごやスタイルの喫茶店きっさてん文化ぶんかかたさいに、もうひとつかせないことがある。それはみせ顧客こきゃくとの関係かんけいだ。名古屋なごや喫茶店きっさてんは、あさひる午後ごご夕方ゆうがたよると、いつおとずれてもさまざまな客層きゃくそうみせにぎわっている。ビジネスそうだけでなく、近所きんじょのおじさんやおばさんの友人ゆうじんグループ、ろう夫婦ふうふちいさな子供こどものいる家族かぞくれなど、とにかく客層きゃくそうひろいので、時間じかんたいかたよりがなく集客しゅうきゃくができている。

 そしてみな、ただ「おちゃをする」「時間じかんつぶす」のではなく、なにかをべながらおしゃべりや読書どくしょたのしんでいるのである。くもわるくも雑多ざった気軽きがる空間くうかんである。わたしかられば名古屋なごや喫茶店きっさてんは、おちゃをするためのカフェというより、コンパクトながら食事しょくじ間食かんしょく、おちゃたのしむ“軽食けいしょくどう”なのである。

 ケンミンしょく文化ぶんか、それが名古屋なごやでも香川かがわでも博多はかたでもみな共通きょうつうしているのは、かなら食材しょくざい調味ちょうみ調理ちょうり方法ほうほう、メニュー、サービスなどに、シンプルで際立きわだ特徴とくちょうがあるというてんだ。それは地元じもと県民けんみんにとって「こうでなければならない」「こうあるべし」というおきて(おきて)のようなものだろうし、そとかられば奇妙きみょうにさえうつる「独特どくとく」の世界せかいだ。しかも、その「独特どくとく」が、まち風景ふうけいなかみ、すっかりんでいる。つまり、「独特どくとく」と「お馴染なじみ」が時間じかんをかけて共存きょうぞんしているのが、すぐれたケンミンしょくなのだ。

 最近さいきん、あるテレビ番組ばんぐみ讃岐さぬきうどんをかんむりにする「丸亀まるがめせいめん」が、じつ兵庫ひょうごはつとりチェーンだったけん紹介しょうかいされ、ネットでは「そうだったのか」「本物ほんものではない?」などと物議ぶつぎかもしたらしい。わたしわせてもらえば、出自しゅつじがどうであろうと「独特どくとく」をしっかりと踏襲とうしゅうし、それぞれのまちなかで「お馴染なじみ」をつくることができるかが勝負しょうぶなのではないかとおもう。

 複数ふくすうのカフェやレストランを経営けいえいしている外食がいしょくチェーンの社長しゃちょうさんにおはなしいたときに、「最終さいしゅうてき目標もくひょうは、1店舗てんぽ1店舗てんぽがそのまち風景ふうけいになること、そのまちひとたちにとって、なくてはならないみせになることだ」とおっしゃっていたことをおもす。そういう1てん1てん集積しゅうせきが、ケンミンしょく文化ぶんかをつくっているのだろう。
ぶん山田やまだまさる/インテグレートCOO、コムデックス代表だいひょう取締役とりしまりやく社長しゃちょう

山田まさる

山田やまだまさる

株式会社かぶしきがいしゃインテグレートCOO、株式会社かぶしきがいしゃコムデックス代表だいひょう取締役とりしまりやく社長しゃちょう

1965ねん 大阪おおさかまれ。1988ねん 早稲田大学わせだだいがくだいいち文学部ぶんがくぶ卒業そつぎょう。1992ねん 株式会社かぶしきがいしゃコムデックス入社にゅうしゃ。1997ねん 常務じょうむ取締役とりしまりやく、2002ねん 取締役とりしまりやくふく社長しゃちょう就任しゅうにん。2003ねん 藤田ふじた康人やすひとげん株式会社かぶしきがいしゃインテグレートCEO)とB2B2C戦略せんりゃく立案りつあん着手ちゃくしゅ。2005ねん 食物しょくもつ繊維せんいしんコンセプト「ファイバー・デトックス」を仕掛しかけ、だい2ファイバー・ブームをこした。どうキャンペーンは、日本にっぽんPRアワードグランプリ・キャンペーン部門ぶもんしょう受賞じゅしょう。2007ねん5がつ、IMC(Integrated Marketing Communication)を実践じっせんする日本にっぽんはつのプランニングブティックとして、株式会社かぶしきがいしゃインテグレートを設立せつりつ、COOに就任しゅうにん。2008ねん 株式会社かぶしきがいしゃコムデックス 代表だいひょう取締役とりしまりやく社長しゃちょう就任しゅうにん同年どうねん魚鱗ぎょりん癬」啓発けいはつ活動かつどうにて日本にっぽんPRアワードグランプリ・日常にちじょう広報こうほう部門ぶもん最優秀さいゆうしゅうしょう受賞じゅしょう著書ちょしょに『スープをりたければ、パンをれ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『統合とうごう~“ややこしい問題もんだい”を解決かいけつするためのコミュニケーション~』(講談社こうだんしゃ)、『だつ広告こうこくちょうPR』(ダイヤモンド社だいやもんどしゃ)がある。


株式会社かぶしきがいしゃインテグレート

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