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岡田おかだ正彦まさひこゆがめられた現代げんだい医療いりょうのエビデンス:ただしい健康けんこうほうはこれだ!」

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ぶん岡田おかだ正彦まさひこ新潟大学にいがただいがく名誉めいよ教授きょうじゅ
有名うつ病薬、服用で殺人や自殺多発…製薬会社の研究データ捏造蔓延を衝撃告発の画像1「Thinkstock」より

 厚生こうせい労働省ろうどうしょうのデータによれば、日本人にっぽんじんの100にんちゅう3~16にん生涯しょうがいに1かいは「うつびょう」を経験けいけんすることになるそうです。だれにとっても関心かんしんではいられない、うつびょうくすりにまつわるおどろきの数々かずかずをご紹介しょうかいします。

 ジュード・ロウ主演しゅえん映画えいが『サイド・エフェクト(副作用ふくさよう)』(2013ねん)は、うつびょう治療ちりょうやく副作用ふくさよう次々つぎつぎ悲惨ひさん事件じけんこるというストーリーでした。架空かくうくすりがテーマでしたが、セリフのなかに「パキシル」という実在じつざいくすりてきました。以下いかは、このくすりをめぐって実際じっさいこった事件じけんで、映画えいがづくりのヒントになっていたとおもわれるものです。

 米国べいこくワイオミングしゅう男性だんせい、ドン・シェル当時とうじ60さい)には、37年間ねんかんったつま2人ふたり子供こどもがいて、初孫はつまごまれたばかりでした。家庭かてい生活せいかつはハッピーだったものの仕事しごとのストレスがおおきく、以前いぜんから近所きんじょ精神せいしんクリニックでうつびょうくすり処方しょほうされていました。しかし、ちょっとした副作用ふくさようがあり、服薬ふくやく中断ちゅうだんしていたそうです。

 ふたたねむれない日々ひびつづくようになり、べつのクリニックを受診じゅしんしたところ、うつびょうによる不眠症ふみんしょう診断しんだんされ、パキシルが処方しょほうされました。まえんでいたくすり同系どうけいのものであることを、医師いし本人ほんにんづかなかったようです。

 はじめて2にち、シェル突然とつぜん、2ちょう拳銃けんじゅうし、なんとつまむすめ、それにまごの3にん射殺しゃさつしてしまいました。むすめ婿むこは、1年間ねんかんなやんだすえ、「自分じぶん家族かぞくこった悲劇ひげきくすりのせいだ」として、製薬せいやく会社かいしゃうったえることにしました。そのころ全米ぜんべい各地かくちでこのくすりんだひと自殺じさつさわぎが相次あいつぎ、5,000けんともいわれる訴訟そしょうこされていました。

 おおくの裁判さいばん進行しんこうする過程かていで、このくすりをめぐるさまざまなスキャンダルが暴露ばくろされました。まず18さい未満みまん青少年せいしょうねん対象たいしょうにした追跡ついせき調査ちょうさが、すくなくとも3けんおこなわれていたにもかかわらず、1つしか論文ろんぶんとして公表こうひょうされておらず、しかもその内容ないよう捏造ねつぞうおこなわれていたと、司法しほう当局とうきょくによって断定だんていされました。

 きわめつけは、このくすり効果こうかが、プラセボ(偽薬ぎやく)よりおとっていることをしめすデータが隠蔽いんぺいされていたという事実じじつです。つまり、このくすりはうつびょう症状しょうじょうをむしろ悪化あっかさせてしまうものだったのです。しばらくして米国べいこく政府せいふ機関きかんFDA(米国べいこく食品しょくひん医薬品いやくひんきょく)も、ようやくおもこしをあげ、製薬せいやく企業きぎょうたいして「18さい以下いか青少年せいしょうねん使用しようすると自殺じさつのリスクがたかまる」という一文いちぶん添付てんぷ文章ぶんしょうくわえるよう指示しじしました。日本にっぽん国内こくないでも同様どうよう措置そちられたのはうまでもありません。

捏造ねつぞう隠蔽いんぺい日常にちじょう茶飯事さはんじ

 しかし、はなしはこれでわりませんでした。米国べいこく発行はっこうされている「ザ・ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」は、サイエンスのあらゆる分野ぶんやつうじて世界せかい最高さいこうレベルと評価ひょうかされる医学いがく専門せんもんです。その編集へんしゅうちょうつとめていた医師いしマーシャ・エンジェルが、「このくすりかぎらず、精神せいしん治療ちりょう使つかわれるくすりはすべて疑惑ぎわくつつまれており、信用しんようができない」という主旨しゅし告発こくはつほん『ビッグ・ファーマ(巨大きょだい製薬せいやく企業きぎょう)』を発表はっぴょうしたのです。

 世界せかい巨大きょだい製薬せいやく企業きぎょうにとって、論文ろんぶん捏造ねつぞう隠蔽いんぺい日常にちじょう茶飯事さはんじ。それどころか、科学かがくてき研究けんきゅうよそおった巧妙こうみょうな「くすり調査ちょうさ」をおこない、いつわりのエビデンスを日々ひびつくりしているという内容ないようでした。この事実じじつについては、同氏どうし見解けんかい発表はっぴょうするよりずっとまえわたしづき、2001年刊ねんかんの『治療ちりょうだい成功せいこう、でも患者かんじゃさんは早死はやじににした』(講談社こうだんしゃ)にまとめています。

 同氏どうしほんには、わたし想像そうぞうをはるかにえた記述きじゅつもありました。巨大きょだい製薬せいやく企業きぎょうは、たんにデータを操作そうさしているだけでなく、なんとあたらしい病名びょうめいをつくりしてなか不安ふあんあおり、くすり販売はんばいりょうやしていたというのです。

 01ねん9がつ11にち世界せかい貿易ぼうえきセンタービルがテロ攻撃こうげきによって破壊はかいされたあと、このくすりのメーカーは、ビル崩壊ほうかい映像えいぞうとともに「ソーシャル・アングザイエティ・ディスオーダー(社交しゃこう不安ふあんしょう)」というあたらしい病名びょうめいと「がたおそれ、絶望ぜつぼうかんなどに」というコマーシャルフレーズをかえながしたのだそうです(ちゅう1)。

 このくすりは、日本にっぽん国内こくないでも2000ねん発売はつばいされ、ひろ使つかわれています。わたしのもとをおとずれる患者かんじゃさんのなかにも、すでに病院びょういん処方しょほうされているというひとおおくいます。一連いちれん出来事できごとは、すべて巨大きょだい製薬せいやく企業きぎょう有名ゆうめい医師いしとの癒着ゆちゃく起因きいんしたものでした。次回じかい以降いこう、これらの実態じったいくわしく紹介しょうかいしていくことにします。
ぶん岡田おかだ正彦まさひこ新潟大学にいがただいがく名誉めいよ教授きょうじゅ

参考さんこう文献ぶんけん
ちゅう1)Sunset B, Social anxiety disorder campaign. Marketing Campaign Case Studies, on line, 2009.

岡田正彦/新潟大学名誉教授

岡田おかだ正彦まさひこ新潟大学にいがただいがく名誉めいよ教授きょうじゅ

医学いがく博士はかせげん水野みずの介護かいご老人ろうじん保健ほけん施設しせつちょう。1946ねん京都きょうとまれる。1972ねん新潟大学にいがただいがく医学部いがくぶ卒業そつぎょう、1990ねんよりどう大学だいがく医学部いがくぶ教授きょうじゅ。1981ねん新潟にいがた日報にっぽう文化ぶんかしょう、2001ねん臨床りんしょう病理びょうりがく研究けんきゅう振興しんこう基金ききん小酒井こさかいのぞむしょう」を受賞じゅしょうせんもん予防よぼう医療いりょうがく長寿ちょうじゅ科学かがく。『ひとはなぜふとるのか-肥満ひまん科学かがくする』(岩波いわなみ新書しんしょ)など著書ちょしょ多数たすう


岡田おかだ正彦まさひこ

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