家いえなんて200％買かってはいけない！資産しさん価値かちゼロ、賃貸ちんたいより多額たがくの負担ふたん…危険きけんな取引とりひき

経済けいざい評論ひょうろん家かの上うえ念ねん司し氏し

　日銀にちぎんのマイナス金利きんり導入どうにゅうによる住宅じゅうたくローン金利きんり低下ていかを受うけ、「住宅じゅうたくは今いまが買かいどき」という論調ろんちょうも強つよくなる一方いっぽう、各種かくしゅ税金ぜいきん・手数料てすうりょうの負担ふたんや資産しさん価値かちの低下ていか、多額たがくの修繕しゅうぜん費ひ発生はっせいなど持家もちいえのリスクに関かんする指摘してきも多おおい。「持家もちいえか賃貸ちんたいか」というテーマはこれまで多おおくのメディアでも取とり上あげられ、「永遠えいえんのテーマ」ともいえる。

　そこで今回こんかいは、1月がつに『家いえなんて200％買かってはいけない！』（きこ書房しょぼう）を上梓じょうしした経済けいざい評論ひょうろん家かの上うえ念ねん司し氏しに、

「持家もちいえにより発生はっせいする大おおきなリスク」
「総そう支払しはらい額がくは、賃貸ちんたいより持家もちいえのほうが大おおきくなる」
「日本人にっぽんじんの“持家もちいえ信仰しんこう”の間違まちがい」
「マンションバブル崩壊ほうかいの可能かのう性せい」

　などについて聞きいた。

『家いえなんて200％買かってはいけない！』（上うえ念ねん司し／きこ書房しょぼう）

――「住宅じゅうたくを買かってはいけない」理由りゆうは、なんでしょうか。

上うえ念ねん司し氏し（以下いか、上うえ念ねん）　新築しんちく物件ぶっけんには新築しんちくプレミアムが乗のっているため、入居にゅうきょした翌日よくじつには2割わりぐらい値下ねさがりします。戸建こだては築ちく20年ねんで資産しさん価値かちがゼロになります。どんなにリフォームをしても資産しさん価値かちはゼロです。持家もちいえ派はの考かんがえや不動産ふどうさん業者ぎょうしゃのい分いぶんは「家賃やちんを払はらい続つづけても何なにも残のこらないが、ローンなら資産しさんが残のこる」という主旨しゅしですが、現実げんじつには資産しさんとして残のこりません。

　もちろん、ローンで買かった家いえを人ひとに貸かして賃料ちんりょうで稼かせいで、20年ねん経たって資産しさん価値かちがゼロになった時点じてんで自分じぶんが住すんで相続そうぞく税ぜいをゼロで済すませる、というような賢かしこいことをするなら問題もんだいありません。

――ローンと家賃やちんの支払しはらいを比較ひかくすると、どちらのほうが少すくなくて済すむのですか。

上うえ念ねん　ローンと家賃やちんの支払しはらい総額そうがくをシミュレートすると、どうなるでしょうか。4000万まん円えんの家いえを頭金あたまきん1000万まん円えんで購入こうにゅうし、ローンは35年ねん、金利きんりは1％、1.5％、1.7％の3パターンを想定そうていし、修繕しゅうぜん費ひは10年ねんごとに150万まん円えんと想定そうていします。一方いっぽう、賃貸ちんたいは子育こそだてに応おうじて1～10年ねん目めは15万まん円えん、11～26年ねん目めは20万まん円えん、子供こどもが独立どくりつした27～35年ねん目めは10万まん円えん、2年ねんごとに更新こうしん料りょう1カ月かげつを想定そうていします。

　すると、金利きんりが1.7％になると購入こうにゅうと賃貸ちんたいの支出ししゅつがほぼ同額どうがくになりますが、購入こうにゅうの場合ばあいはローン手数料てすうりょう、売買ばいばい仲介ちゅうかい料りょう、各種かくしゅ保険ほけん代だいなどで400～500万まん円えんが上乗うわのせされます。しかも、マンションの修繕しゅうぜん積立つみたて金きんは、大だい規模きぼな修繕しゅうぜんが発生はっせいすれば値上ねあがりする可能かのう性せいがあります。戸建こだてなら修繕しゅうぜん積立つみたて金きんはありませんが、それでも通常つうじょうの維持いじ費ひや老朽ろうきゅう化かした時ときにリフォーム費用ひようがかかります。つまり家かを買かうほうが支払しはらい総額そうがくが大おおきい上うえに、資産しさんがゼロになってしまうため、買かったほうがよいという結論けつろんにはなりません。

――賃貸ちんたいなら収入しゅうにゅうが減へったら住すみ替かえればよいのですが、家いえを買かうと、生活せいかつを切きり詰つめなければならないケースが多おおい。まして、会社かいしゃ員いんなら雇用こようリスクが付つきものです。

上うえ念ねん　たとえば田園都市線でんえんとしせんの沿線えんせんには、多おおくのエリート層そうの会社かいしゃ員いんが―戸建こだてを所有しょゆうしています。50歳さい前後ぜんこうで子供こどもが2人にんいるという平均へいきん的てきな家庭かていを例れいにしてみましょう。この沿線えんせんの一戸建いっこだては高額こうがくなので、ローンの支払しはらいは年間ねんかん200万まん円えん前後ぜんこうでしょう。

　しかも、この沿線えんせんの住民じゅうみんは教育きょういく水準すいじゅんが高たかく、子供こどもは2人ふたりとも私立しりつに入いれた場合ばあい、年間ねんかんの学費がくひは2人ふたり分ぶんで200万まん円えん前後ぜんこうになると思おもいます。ローンと学費がくひで年間ねんかんに約やく400万まん円えんかかります。年収ねんしゅうが1000万まん円えんあっても手取てどりは800万まん円えん程度ていどなので、奥おくさんに収入しゅうにゅうがなければ、家族かぞく4人にん分ぶんの生活せいかつ費ひは400万まん円えんしか残のこりません。

　収入しゅうにゅうが増ふえた分ぶん、支出ししゅつも増ふえるという生活せいかつをしていては“貧乏びんぼう父とうさん”になりかねません。さらに50歳さい前後ぜんこうという年齢ねんれいからして、リストラの対象たいしょうになる段階だんかいです。実際じっさい、こういう人ひとは少すくなくありません。

FX取引とりひきより危険きけん

――不動産ふどうさんの証券しょうけん化かをきっかけに、不動産ふどうさんは金融きんゆう商品しょうひんに変化へんかしました。それ以降いこう、家いえを買かうことは金融きんゆう商品しょうひんを買かうことになったのですが、持家もちいえ派はにその認識にんしきはないでしょう。

上うえ念ねん　ないでしょうね。都心としんの新築しんちくマンションを賃貸ちんたいした場合ばあい、利回りまわりは年とし4％程度ていどに低下ていかしました。マンションを買かうということは、この利回りまわりで、きわめて流動りゅうどう性せいの低ひくいマンションという商品しょうひんに対たいして、自己じこ資金しきんの何なん倍ばいものレバレッジをかけて数すう千せん万まん円えんを1点てん投資とうしするのと同おなじです。FX取引とりひきよりも、よっぽど危険きけんな取引とりひきですよ。FXなら損失そんしつが出でたらすぐに売うれますが、住宅じゅうたくは流動りゅうどう性せいが低ひくくそうはいきませんから。

　しかも、金融きんゆう商品しょうひんとして高たかい利回りまわりを出だせる土地とちは、すでにREIT（不動産ふどうさん投資とうし信託しんたく）として証券しょうけん化かされています。お金かねに余裕よゆうがあるのなら、REITを買かって、毎月まいつき（または隔月かくげつ、半年はんとし払ばらいなど）振ふり込こまれる分配ぶんぱい金きんを家賃やちんの足たしにして賃貸ちんたいに住すむことが現実げんじつ的てきです。

――どうして、多おおくの人ひとがその現実げんじつに気きづかないのですか。

上うえ念ねん　FXなどと違ちがって、元本がんぽんが変動へんどうしていることが見みえないからです。家いえを買かうという金融きんゆう取引とりひきは、買かった時点じてんで2割わり程度ていど値下ねさがりし、そこからスタートします。しかし流動りゅうどう性せいが低ひくいので、元本がんぽんの現在げんざい値ちが見みえません。

　売うらない限かぎりは、買かった時ときの価値かちが保たもたれていると思おもい込こんでいて、売うる時ときになって初はじめて元本がんぽんが毀損きそんされていることを知しり、愕然がくぜんとするわけです。マンションの場合ばあい、駅えきからの徒歩とほ時間じかんと間取まどりぐらいしか評価ひょうかされず、大手おおて不動産ふどうさん会社かいしゃの物件ぶっけんでもブランド価値かちはありません。

変化へんかに対応たいおうできなくなる

――では、中古ちゅうこ住宅じゅうたくや中古ちゅうこマンションを買かうのはどうなのでしょう。

上うえ念ねん　消耗しょうもう品ひんを買かうようなもので、いずれ想定そうてい以上いじょうの修繕しゅうぜん費ひがかさんでくるでしょう。新潟にいがた県けん湯沢ゆざわ町まちのリゾートマンションと同おなじです。湯沢ゆざわ町まちのリゾートマンションは安やすい物件ぶっけんなら20～30万まん円えんで買かえますが、毎月まいつきの管理かんり費ひが3～10万まん円えんもかかります。

――“持家もちいえ信仰しんこう”と言いわれるように、家いえを買かうことは金銭きんせん的てきな損得そんとくを超こえた精神せいしん的てきな行為こういですね。

上うえ念ねん　家いえを買かうという考かんがえ方かたは宗教しゅうきょうと同おなじです。投資とうし家かでベストセラー『金持かねもち父とうさん　貧乏びんぼう父とうさん』の著者ちょしゃであるロバート・キヨサキ氏しは「金持かねもちはお金かねを出だして資産しさんを買かう。貧乏人びんぼうにんはお金かねを出だして負債ふさいを買かう」と言いいましたが、まさに神かみの言葉ことばです。

　そもそも土地とち神話しんわが生うまれたのは、戦後せんごになってからです。背景はいけいは新築しんちく物件ぶっけんをどんどんつくる業者ぎょうしゃが増ふえたことです。結局けっきょく、土地とち神話しんわを一生懸命いっしょうけんめい支ささえる人ひとと、それに釣つられてしがみつく人ひとがいるので、不健全ふけんぜんな状態じょうたいが続つづいてしまったのです。

　しかし、空あき家やがこれだけ増ふえてくるとさすがに土地とち神話しんわは崩壊ほうかいすると思おもいます。そもそも、家いえさえあればなんとかなるという発想はっそうが間違まちがっているのです。

――信仰しんこうや神話しんわになってしまうと、いくら経済けいざいを理解りかいしても修正しゅうせいできませんね。

上うえ念ねん　もはや宗教しゅうきょうなので理詰りづめの説得せっとくは無理むりです。大損おおそんしないことには気きづきません。かく言いう私わたしも20代だいの時ときには土地とち神話しんわにこだわっていて、大手おおてハウスメーカーの注文ちゅうもん住宅じゅうたくを5000万まん円えんで買かいました。そして3年ねん半はんで売却ばいきゃくした時ときに、約やく1000万まん円えんの損失そんしつを出だすという経験けいけんをしました。トイレを1階かいと2階かいに設置せっちして、床ゆか暖房だんぼうを付つけたのですが、評価ひょうかされたのは築ちく年数ねんすうと間取まどりと駅えきからの徒歩とほ時間じかんのみで、住宅じゅうたく市場いちばの実態じったいを学まなびました。

　私わたしは「俺おれは騙だまされていたんだ！」と大損おおそんして初はじめて気きづいたのです。家いえを売うったのは33歳さいの時ときで、そこから持もち直なおして今いまがあるのです。ところが、大抵たいていの人ひとは60歳さいや70歳さいになって家いえに価値かちがないことに気きづいて、愕然がくぜんとするわけです。30～40代だいの人ひとは、持家もちいえのリスクに今いま気きがつけば、まだやり直なおしができます。もう終身しゅうしん雇用こようはとっくに終おわりました。いまは、変化へんかに対たいする復元ふくげん力りょくが求もとめられます。しかし、家いえを買かってしまうと変化へんかに対応たいおうできなくなります。

――転勤てんきんした時ときに、持家もちいえを定期ていき借家しゃくやにする人ひともいます。

上うえ念ねん　悪わるあがきですね。定期ていき借家しゃくやにしても期限きげんが3年ねんだったりするので、多おおくの場合ばあいは借かり手てが見みつかりません。

老人ろうじんでも住すむところには困こまらない

――家いえを買かう理由りゆうのひとつに、定年ていねん後ごに毎月まいつき家賃やちんを払はらい続つづけるのは大変たいへんだから、定年ていねん前まえに住宅じゅうたくローンを払はらい終おえてスッキリしたいという心理しんりがあります。

上うえ念ねん　しかし、かりに退職たいしょく金きんで残のこりのローンを返済へんさいしたらどうなるでしょうか。もともとローンの支払しはらいで貯金ちょきんが少すくない上うえに、新築しんちくして20年ねんが過すぎて資産しさん価値かちを失うしなった不動産ふどうさんを抱かかえたまま、老後ろうごの資金しきんもなくなってしまいます。

　以前いぜんは「老人ろうじんには賃貸ちんたいしない」という大家たいかもいましたが、人口じんこう減少げんしょうの時代じだいに、そんなことをしたら賃貸ちんたい収入しゅうにゅうを得えられなくなります。これからは、老人ろうじんでも住すむところには困こまらなくなるでしょう。

――持家もちいえが増ふえるのは、ローンを貸かし付つける銀行ぎんこうにも問題もんだいがあるでしょう。

上うえ念ねん　銀行ぎんこうはローン申込もうしこみ者しゃのリスク審査しんさ能力のうりょくがないため、上場じょうじょう企業きぎょうに勤つとめていて終身しゅうしん雇用こようっぽい人ひとにはどんどん貸かし付つけます。ところが、その人ひとがリーマンショックなどで失業しつぎょうしたり、子会社こがいしゃに転籍てんせきさせられて給料きゅうりょうが下さがったりして返済へんさいが滞とどこおった時ときに、初はじめてリスクに気きづくのです。

――たぶん不動産ふどうさん会社かいしゃの社員しゃいんや銀行ぎんこう員いんは、持家もちいえの経済けいざい的てきなリスクを理解りかいしていると思おもいます。彼かれら自身じしんの家いえは、持家もちいえと賃貸ちんたいのどちらが多おおいのでしょうか。

上うえ念ねん　統計とうけいがないので詳くわしいことはわかりませんが、不動産ふどうさん会社かいしゃの社員しゃいん自身じしんが土地とち神話しんわに騙だまされていますし、また彼かれらには周囲しゅういの空気くうきに弱よわい人ひとが多おおいので、持家もちいえが多おおいのではないでしょうか。銀行ぎんこう員いんについては、保守ほしゅ的てきで横並よこならび志向しこうが強つよいので、持家もちいえが多おおいでしょう。行員こういん対象たいしょうの優遇ゆうぐう金利きんりを使つかって家いえを買かい、得とくをしたと思おもっているのではないでしょうか。じつはリスクを抱かかえ込こんでしまっているのですが。

――欧米おうべいでは、会社かいしゃ員いんの住宅じゅうたくは持家もちいえと賃貸ちんたいのどちらが主流しゅりゅうになっていますか。

上うえ念ねん　持家もちいえが多おおいのですが、それは中古ちゅうこ市場いちばが発達はったつしていることが背景はいけいになっています。日本にっぽんの住宅じゅうたく市場いちばの中古ちゅうこ比率ひりつは14％ですが、アメリカは90％、イギリスに至いたっては84％を占しめています。欧米おうべいの人ひとは家いえをリフォームして、買かった時ときよりも高たかく売うるのが一般いっぱん的てきです。彼かれらは住宅じゅうたくをハコとしてとらえ、リフォームする際さいにも標準ひょうじゅん的てきな間取まどりにして、流通りゅうつうしやすいようにしています。

　一方いっぽう、日本にっぽんではテレビ番組ばんぐみでよく紹介しょうかいされるように、その時ときの家族かぞく構成こうせいやライフスタイルに合あわせてカスタマイズし過すぎた家いえを作つくるため、流通りゅうつう価値かちがなくなってしまうのです。

マンションバブル崩壊ほうかいの危険きけんも

――日本にっぽんでは、これから人口じんこうが減少げんしょうしていくなかで住宅じゅうたくは供給きょうきゅう過剰かじょうになっていきますね。

上うえ念ねん　野村のむら総合そうごう研究所けんきゅうじょの計算けいさんによると、2040年ねんに空あき家や率りつが40％になるそうです。空あき家やには登録とうろく制度せいどがないので正確せいかくな数字すうじは把握はあくできませんが、いろいろなサンプル調査ちょうさから割わり出だすと現在げんざいの空あき家や率りつは全国ぜんこく平均へいきん13％で、都心としんのワンルームマンションでは空室くうしつ率りつが28％に達たっしています。

――それでも、オリンピック景気けいきを煽あおって東京とうきょうの臨海りんかい地区ちくではマンションの建設けんせつラッシュが続つづいています。オリンピック後ごに約やく6000戸この選手せんしゅ村むらが民間みんかんに分譲ぶんじょうされますが、これが滞とどこおるようだと、一気いっきに市況しきょうが悪化あっかするのではないでしょうか。

上うえ念ねん　港南こうなん、芝浦しばうらから築地つきじ、勝かちどき、晴海はるみ、豊洲とよす、月島つきしま、辰巳たつみ、東雲しののめあたりにかけてのベルト地帯ちたいには、タワーマンションが増ふえてマンションバブルが起おきています。将来しょうらい的てきにこれは大おおきな爆ばく弾だんになると思おもいます。オリンピック後ごに市況しきょうが悪化あっかすれば、マンションバブルが崩壊ほうかいし、このエリアは全滅ぜんめつしてブラックホールになる可能かのう性せいもあります。

――こうした供給きょうきゅう過剰かじょうに対たいして、国土こくど交通省こうつうしょうは需給じゅきゅうバランスを調整ちょうせいする政策せいさくを打うたないのですか。

上うえ念ねん　国交こっこう省しょうは、住宅じゅうたくメーカーと不動産ふどうさん会社かいしゃに新築しんちく物件ぶっけんをどんどんつくらせて儲もうけさせてきました。この方針ほうしんは変かわらないでしょう。ただ、市場いちばメカニズムが働はたらいて、新築しんちくが売うれなくなると、住宅じゅうたくメーカーはリフォームメーカーに転業てんぎょうするのではないでしょうか。「日経新聞にっけいしんぶん」の記事きじによると、1969年ねん以降いこう、住宅じゅうたくに対たいする累計るいけい投資とうし額がくと現在げんざいの資産しさん価値かちを引ひくと500兆ちょう円えんあるそうです。500兆ちょう円えんの資産しさんが失うしなわれ、住宅じゅうたく業者ぎょうしゃの懐ふところに入はいったわけで、まったくの無駄むだです。日本にっぽんの住宅じゅうたくは単たんなる消費しょうひ財ざいになっています。

――家いえを買かうことが損そんだとわかっていても、借家しゃくや住ずまいでは不安ふあんだから、どうしても家いえが欲ほしいという人ひとは多おおいでしょう。どうすればよいのですか。

上うえ念ねん　40坪つぼ程度ていどの土地とちを親おやから相続そうぞくするとか、田舎いなかなので土地とちが二束三文にそくさんもんで手てに入はいるとか、あらかじめ貸家かしやとして建たてて、家賃やちんで建設けんせつ費用ひようの半額はんがくぐらいを補填ほてんできるといった前提ぜんていがあるなら検討けんとうしてもいいです。その前提ぜんていで家いえを建たてるなら選択肢せんたくしはひとつ。「カーサキューブ」の注文ちゅうもん住宅じゅうたくをオススメします。私わたしの好このみかもしれませんが、オシャレで防犯ぼうはん性せいにも優すぐれ、低ていコスト。なんと、1400万まん～1900万まん円えん台だいで建たてられます。『家いえなんて200％買かってはいけない！』の著者ちょしゃである私わたしが勧すすめるのは矛盾むじゅんしているかもしれませんが、どうしても家いえが欲ほしいのならカーサキューブしかないですね。
（構成こうせい＝小野おの貴史たかし／経済けいざいジャーナリスト）