所得1億円超だと税負担率はこんなに低い、金持ち優遇の実態

政府せいふ税制ぜいせい調査ちょうさかい議論ぎろんが、大詰おおづめをむかえている。報道ほうどうでは配偶はいぐうしゃ控除こうじょげやビールぜい一本いっぽんなどが注目ちゅうもくされているが、じつかくれた重要じゅうようなテーマがある。それは日本にっぽん所得しょとくぜい金持かねも優遇ゆうぐうになりぎているのではないかというてんだ。

日本にっぽん所得しょとくぜいふたつのおおきな課題かだいかかえている。ひとつは、共働ともばたらきやパートタイムなどはたらかた多様たようしているいまはたらかた影響えいきょうあたえない税制ぜいせいにいかにリフォームしていくか。もうひとつは、格差かくさ拡大かくだい是正ぜせいするために、いかに所得しょとくさい配分はいぶん機能きのう回復かいふくしていくか、である。金持かねも優遇ゆうぐう後者こうしゃ関連かんれんする。

所得しょとく金額きんがくやく1おくえんちょうから
ぜい負担ふたんかるくなる

日本にっぽん所得しょとく税率ぜいりつ現在げんざい、5%~45%まで7段階だんかい累進税るいしんぜいとなっている。最高さいこう税率ぜいりつは45%で、4000まんえん以上いじょう課税かぜい所得しょとく適用てきようされる。よく誤解ごかいされがちだが、たとえば、課税かぜい所得しょとくが5000まんえん場合ばあい丸々まるまる5000まんえんに45%が適用てきようされるのではなく、4000まんえんえる1000まんえんたいして45%の税率ぜいりつ適用てきようされる。いわゆる超過ちょうか累進税るいしんぜいりつ方式ほうしき採用さいようしている。

 グラフをていただきたい。これは分母ぶんぼ所得しょとく分子ぶんし所得しょとくぜいって、所得しょとくぜい負担ふたんりつ計算けいさんしたものだ。対象たいしょうしゃ確定かくてい申告しんこくおこなった申告しんこく納税のうぜいしゃだけで、企業きぎょう税金ぜいきん徴収ちょうしゅう代行だいこう源泉げんせん徴収ちょうしゅう)しているほとんどの会社かいしゃいんふくまれていないという限定げんていつきながら、おおきな傾向けいこうしめしているとえる。

 グラフの実線じっせん負担ふたんりつ。ひとかるように2013ねん、2014ねんとも所得しょとくぜい負担ふたんりつは1おくえん近辺きんぺんをピークに、それ以上いじょうかせぐと徐々じょじょ低下ていかしていき、100おくえん以上いじょうでは13ねんで11.1%、14ねんで17%しか負担ふたんしていない。それはなぜか。