ジェットエンジン単語たんご

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ジェットエンジン

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記事きじ編集へんしゅう

ジェットエンジンとは、内燃ないねん機関きかんの一種いっしゅである。
そして男おとこのロマン。

概要がいよう

狭義きょうぎのジェットエンジンは、「ジャンボジェットとかにくっついている、樽たるみたいな形かたちでなんか中なかで扇風機せんぷうきのお化ばけみたいなのが回まわっていて後うしろにものすごい勢いきおいで気流きりゅうを吹ふき出だすエンジン」、つまりターボファンエンジンやターボジェットエンジンのことを指ゆびす事ことが多おおいが、広義こうぎでは「高温こうおんのガス流りゅうを発生はっせいさせ、そのガス流りゅうの反作用はんさようで物体ぶったいを動うごかしたりあるいはガス流りゅうのエネルギーを使つかって仕事しごと（機械きかい的てきな運動うんどう）をする機関きかん」全般ぜんぱんを指ゆびす。
つまりターボファンエンジンやターボジェットエンジン以外いがいでも、パルスジェットエンジンやラムジェットエンジンも「ジェットエンジン」の仲間なかまである。

なお航空こうくう学がくの専門せんもん分野ぶんやでは「ジェットエンジン」という単たん語かたりは余あまり使つかわれない。なぜなら意味いみが非常ひじょうに曖昧あいまいで広範囲こうはんいに渡わたるためである。
　　　例れい：　　ロケットも熱あついガスジェットを吹ふき出だして進すすむからジェットエンジンじゃん
　　　　　　　とか
　　　　　　　ターボシャフトはガスジェットを吹ふいてないからジェットエンジンではない　etcetc
通常つうじょうは「ガスタービンエンジン」という単たん語かたりが使用しようされ、ちゃんとした分類ぶんるいがされている。
専門せんもん家いえが一般人いっぱんじんに「ガスタービンエンジン」と言いってもわからないため、あえて「ジェットエンジン」と言いったりするのでツッコまないこと。

（レシプロエンジンと比ひ較して）機構きこう的てきに単純たんじゅんなので信頼しんらい性せいが高たかく、なおかつ重量じゅうりょうの割わりに大出おおいで力ちからなので軽かるさとパワーが命いのちの飛行機ひこうきは、今いまでは余程よほどのことがない限かぎり（ターボプロップエンジンなどを含ふくめた）ジェットエンジンを使用しようする事ことが多おおい。

一方いっぽう、燃費ねんぴの面めんでレシプロやロータリーに劣おとる面めんがあったり（ジェットエンジンの基本きほんは「ガンガン燃料ねんりょうと空気くうきをぶち込こんで、ものすごいパワーを得える」だと思おもえばいい）、アクセルワークに対たいするレスポンスもちょっと難なんがあるため自動車じどうしゃや鉄道てつどう車両しゃりょうなどにはちょっと使つかいづらい部分ぶぶんもある。

ジェットエンジン（ガスタービンエンジン）が使つかわれることがある場面ばめん

飛行機ひこうき（ヘリなどを含ふくむ）
自動車じどうしゃ（試作しさくのみで実用じつよう化かはせず）
戦車せんしゃ（エイブラムス戦車せんしゃ）
鉄道てつどう車両しゃりょう（キハ391系けいなど）
船ふね（ガスタービン船ふね）
発電はつでん所しょ（ガスタービン発電はつでん機き）
除雪じょせつ車くるま（北きたの魔ま工場こうじょうJR北海道ほっかいどう苗穂なえぼ工場こうじょうのあれとか）
男おとこのロマン

etc...

ジェットエンジン（ターボジェットエンジン）の動作どうさ

空気くうきを吸すい込こむ
そのまんま。前方ぜんぽうの吸入きゅうにゅう口こうから吸引力いんりょくの変かわらないただひとつの掃除そうじ機きものすごい勢いきおいで空気くうきを吸入きゅうにゅう。
コンプレッサー（圧縮あっしゅく機き）で空気くうきを圧縮あっしゅくする
取とり込こんだ空気くうきを回転かいてん式しきのコンプレッサーで圧縮あっしゅくする。
ちなみにコンプレッサーはさらに「軸じく流りゅう式しき」と「遠心えんしん式しき」に分わけられるけど、詳くわしく書かくと長ながくなるので割愛かつあい。
ものすごく乱暴らんぼうに言いえば、軸じく流りゅう式しきは「羽根はね車くるまが大量たいりょうに連つらなっている」、遠心えんしん式しきは「掃除そうじ機きの中なかにあるファンみたいなのが入はいっている」くらいに考かんがえればいい。
圧縮あっしゅくした空気くうきに燃料ねんりょうを吹ふき込こんで点火てんかする
圧縮あっしゅく空気くうきに燃料ねんりょうを吹ふき込こみ、さらに点火てんかすることにより高温こうおん高だか圧あつのガス流ながれ（いわゆるジェット）を発生はっせいさせる。
燃焼ねんしょう器きにもまあカン型かた・カニュラー型かた・アニュラー型かたの3種しゅがあるけどやっぱり割愛かつあい。
ガス流りゅうのエネルギーを少すこしだけタービンで回収かいしゅうする
高温こうおん高だか圧あつのガス流りゅうのエネルギーをタービンで回収かいしゅうし、コンプレッサーの動どう力ちからとする。
ガス流りゅうのエネルギーで駆動くどうされるコンプレッサーはさらに圧縮あっしゅく空気くうきを作つくり出だし、それを燃焼ねんしょう器きが高温こうおん高だか圧あつのガス流りゅうに変かえ、そのエネルギーの一部いちぶをタービンが拾ひろって…の繰くり返かえしでエンジンが稼働かどうする。
ノズルから排気はいきガスを噴ふき出だす
高温こうおん高だか圧あつの排気はいきガスを後方こうほうのノズルから噴射ふんしゃ。その反作用はんさようで飛行機ひこうきが前進ぜんしんする。

ジェットエンジンの特徴とくちょう

いいところ

構造こうぞうが単純たんじゅん（中なかにはコンプレッサーやタービンのくっついた軸じくが一本いっぽん通かよっているだけ。パルスジェットやラムジェットに至いたってはただの管かん）→簡潔かんけつな構造こうぞうで信頼しんらい性せいが高たかい
重量じゅうりょうあたりの出だし力ちからが大おおきい
燃料ねんりょうを特とくに選えらばない（ジェット燃料ねんりょうとしてメジャーなケロシン（簡単かんたんに言いえば、精製せいせいされた灯油とうゆ）以外いがいにも、ガソリンだろうがメタンガスだろうがプロパンだろうが水素すいそだろうがアルコールだろうが理論りろん上うえは使用しよう可か能のう）
※但ただし航空機こうくうき用ようを除のぞく
音速おんそく突破とっぱが容易ようい（プロペラのように衝撃波しょうげきはを発生はっせいする要素ようそが無むい、或あるいは少すくない）

悪わるいところ

音おとがうるさい（高こう出いずる力ちからとのトレードオフ）
レシプロやロータリーエンジンと比ひべて燃料ねんりょうをバカ食くい（高こう出いずる力ちからとのトレードオフ）
低てい出だし力ちから（低てい回転かいてん）で動うごかすと燃費ねんぴが非常ひじょうに悪わるくなる
航空機こうくうき用ようの場合ばあい、燃料ねんりょうの種類しゅるいをかなり選えらぶ（ちなみに一般いっぱんの航空機こうくうきはケロシン（精製せいせいされた灯油とうゆと思おもえばいい）、SR-71のような特殊とくしゅな機体きたいの場合ばあいはJP-7というさらに特殊とくしゅな燃料ねんりょうを使つかう）航空こうくう用ようの転用てんようが多おおい舶用はくようも同様どうよう
高温こうおん高だか圧あつ高だか引張ちょう強度きょうどに耐たえる材料ざいりょうと設計せっけいのタービンを必要ひつようとする（＝設計せっけいが難むずかしいし、メンテナンスも特殊とくしゅなものとなる）
アクセルワークに対たいするレスポンスが悪わるい。蒸気じょうきタービンほど壊滅かいめつ的てきではないが、レシプロエンジンのように「アクセルを踏ふんだらすぐ回まわる」というわけには行いかない→自動車じどうしゃに取とっては致命ちめい的てき

ジェットエンジンの種類しゅるい

パルスジェットエンジン

最もっとも原始げんし的てきなジェットエンジンの一ひとつ。

「管かんの途中とちゅうにガス圧あつで動作どうさする逆ぎゃく止とめ弁べんと燃料ねんりょう噴射ふんしゃ口こうのついた燃焼ねんしょう室しつがくっついているだけ」

という非常ひじょうにシンプルな構造こうぞうをしている。（管かんの形状けいじょうを工夫くふうすれば、逆ぎゃく止とめ弁べんすら不要ふようになる）

構造こうぞうがシンプルで作つくりやすい反面はんめん、吸気きゅうきを圧縮あっしゅくしないためにジェットエンジンとしては効率こうりつ面めんで劣おとり、現在げんざいでは動どう力ちから用ようとしては個人こじんの趣味しゅみ以外いがいには使つかわれることはめったにない。
一方いっぽう、熱ねつを得えるための「燃焼ねんしょう器き」として見みた場合ばあいは結構けっこう効率こうりつがいいために、瞬まどか間あいだ湯沸ゆわかし器きや業務ぎょうむ用よう油揚あぶらあげ機きなどの熱ねつ源みなもとにパルスジェットエンジンの機構きこうが使つかわれている。→　パロマ　パルスフライヤー

動どう力ちから用ようとして有名ゆうめいな例れいは、ドイツの開発かいはつしたV1 巡航じゅんこうミサイルに搭載とうさいされたものであろう。

アメリカが戦後せんご、ドイツV-1巡航じゅんこうミサイルのパルスジェットをコピーして作つくったのがこれ

パルスジェットの間あいだ違ちがった使つかい方かた。

動どう力ちから源みなもとではなく、「燃焼ねんしょう器き」としてなら結構けっこう簡単かんたんに作つくれる。

パルスデトネーションエンジン

パルスジェットエンジンの燃焼ねんしょう速度そくどが音速おんそくを超ちょうえたものをパルスデトネーションエンジンという。デトネーションとは爆ばく轟とどろきと訳やくされ、一般いっぱんにはレシプロエンジンのシリンダー内部ないぶで発生はっせいするノッキングと呼よばれる異常いじょう燃焼ねんしょうで知しられている。これが発生はっせいすると場合ばあいによってはエンジンが溶とけてしまうのだが、逆ぎゃくを返かえせばそれだけ燃焼ねんしょう効率こうりつが高たかいとも言いえる。これをパルスジェットエンジンに応用おうようすることで、最大さいだいマッハ５の速度そくどで飛行ひこうすることができるとされる。
パルスジェットエンジン同様どうようシンプルな構造こうぞうなのだが、本来ほんらいレシプロエンジンにおいてはイレギュラーであるノッキングを意図いと的てきに、かつ一いち秒びょうに一いち〇〇〇回かい以上いじょうも繰くり返かえし起おこすのが難むずかしい。具体ぐたい的てきにはエンジン内部ないぶに濃こい混合こんごう気きの領域りょういきを作つくり、これをレシプロエンジンのスパークプラグを上回うわまわるエネルギー（プラズマトーチやレーザーが考かんがえられている）で点火てんかする。
2008年ねんに国くに防ぼう高等こうとう研究けんきゅう計画けいかく庁ちょう(DARPA)は実際じっさいにこれを試作しさくして軽けい飛行機ひこうきに搭載とうさい、10秒びょうほどの低速ていそく、低てい高度こうどの自じ立たて飛ひ行くだりに成功せいこうしたものの直後ちょくご計画けいかくはキャンセルされた。だがそれは表向おもてむきで、実際じっさいにはエリア51でパルスデトネーションエンジンを使用しようした“オーロラ”と呼よばれる極きょく超ちょう音速おんそく機きが開発かいはつ済ずみである、という都市とし伝説でんせつが存在そんざいする。

現在げんざい、宇宙うちゅうベンチャー企業きぎょう「ＰＤエアロスペース」が全日空ぜんにっくうとH.I.S.からの出資しゅっしを得えてパルスデトネーションエンジンを用もちいたサブオービタル観光かんこう用よう宇宙うちゅう船ふねを開発かいはつ中ちゅう。２０２０年ねんまでのサービス開始かいしを表明ひょうめいしている。

モータージェットエンジン

「パルスジェットはなんか効率こうりつ悪わるいな
　　　→　　じゃあ、送おくり込こむ空気くうきを自然しぜん吸気きゅうきじゃなくて圧縮あっしゅく空気くうきにしてやればよくね？」

という発想はっそうで、外部がいぶ動どう力ちからで稼働かどうするコンプレッサーから送おくり込こんだ空気くうきに燃料ねんりょうを送おくり込こんで燃焼ねんしょうさせ、高温こうおん高だか圧あつのガス流りゅうを得えるジェットエンジン。
圧縮あっしゅく空気くうきを送おくり込こむために熱ねつ効率こうりつ面めんでは（パルスジェットに比ひべれば）多少たしょうマシになったが、コンプレッサーの駆動くどう用ように別べつの動どう力ちから（レシプロエンジンなど）が必要ひつようとなるためその分ぶん全体ぜんたいの効率こうりつが劣おとり、機構きこうも複雑ふくざつになるために黎はじむ明あかり期きのジェット機き（カプロニ・カンピーニ/イタリア等ひとし）に使用しようされた程度ていどに留とまる。

ターボジェットエンジン

「モータージェットよりも効率こうりつがよくなる方法ほうほうってなくね？
　　　　→　じゃあ排気はいきガスのエネルギーを少すこし分わけてもらってそれで回転かいてん式しきのコンプレッサーを駆動くどうすればいいじゃん」

という発想はっそうで、高温こうおん高だか圧あつの排気はいきガスのエネルギーをタービンで回収かいしゅうし、それでコンプレッサーを駆動くどうするようにしたジェットエンジン。
コンプレッサー駆動くどう用ようの動どう力ちからを「自給自足じきゅうじそく」で賄まかなうことができるようになったため、効率こうりつはパルスジェット/モータージェットから飛躍ひやく的てきに向上こうじょうした。ジェットエンジンが「航空機こうくうきの動どう力ちから」として一いち人前にんまえになった瞬まどか間あいだである。
このエンジンの登場とうじょうでジェットエンジンの効率こうりつは格段かくだんに上あがり、実用じつよう的てきな航空機こうくうきの動どう力ちからにジェットエンジンが採用さいようされるようになった。
しかし、排気はいきガスの速度そくどが音速おんそくを余裕よゆうで超ちょうえてしまうため、速度そくど命いのちの戦闘せんとう機きや実験じっけん機きならともかく「多少たしょうゆっくりでもいいから大量たいりょうの荷物にもつや乗客じょうきゃくを乗のせるほうが大事だいじ」な輸送ゆそう機き・旅客機りょかくきに使用しようすると効率こうりつが（プロペラ機きに比ひべて）悪わるいという欠点けってんを抱かかえている。
（ちなみに、排気はいきガスの速度そくどと外そとの気流きりゅうの速度そくど≒飛行機ひこうきの飛とぶ速度そくどが同おなじくらいになるのが、一番いちばん効率こうりつがいい）

ターボプロップエンジン

「ターボジェットエンジンはゆっくり目めで使つかうと効率こうりつが悪わるいな
　　　　→　じゃあ、排気はいきガスを噴射ふんしゃして飛とぶんじゃなくて、排気はいきガスのエネルギーでプロペラを回まわしたらよくね？」

ということで、排気はいきガスのエネルギーを直接ちょくせつ推進すいしん力ちからに回まわす以外いがいにも、プロペラの駆動くどう力ちからとしても使つかうエンジン。一般いっぱん的てきに「プロペラ推力ちから：ジェット推力ちから＝７：３」ぐらいである
排気はいきガスのエネルギーをタービンで回収かいしゅうし、歯車はぐるまで減速げんそくした上うえでプロペラを駆動くどうする。
同おなじ分野ぶんやでそれまで使用しようされていた航空機こうくうき用ようのレシプロエンジンと比ひべると、摺すり動どう部ぶ・可動かどう部ぶも少すくない上うえに重量じゅうりょうあたりの推力ちからが大おおきいことなどから、旅客機りょかくきや軍用ぐんよう輸送ゆそう機きなどの大だい型かた機きでは重おもくメンテナンスも煩雑はんざつな大だい型かた多た気筒きとうのレシプロエンジンを駆逐くちくしている。
一方いっぽうでアクセルレスポンスと燃費ねんぴは悪わるく、燃費ねんぴやアクセルレスポンスを要よう求もとむされる軽けい飛行機ひこうき分野ぶんやではそこまで普及ふきゅうしていない。
低速ていそくでの効率こうりつはターボジェットエンジンから飛躍ひやく的てきに向上こうじょうしたものの、プロペラの宿命しゅくめいとして700km/hを超ちょうえる速度そくどを目め指ゆびすと却かえって効率こうりつが悪化あっかするという弱点じゃくてんがある。まあ、どこかの熊くまさんみたいにターボプロップエンジンで900km/hオーバーしちゃったのもいますけど、あれは例外れいがいということで。

どこかの熊くまさん「呼よんだかね？」

ターボシャフトエンジン

排気はいきガスのエネルギーのほとんど～全すべてを出で力ちから軸じく（タービンが回収かいしゅうした運動うんどうエネルギーを回転かいてん運動うんどうとして取とり出だすための軸じく）の駆動くどう力ちからに回まわすエンジン。
排気はいきガス自体じたいからの推進すいしん力ちからはほぼ無むいものとなる。
高温こうおんのガスジェットを吹ふいて進すすむわけではないため、厳密げんみつにはジェットエンジンではない。（前述ぜんじゅつのとおり専門せんもん的てきにはターボジェット、ターボプロップetcも含ふくめたエンジン全般ぜんぱんをガスタービンエンジンという）
現代げんだいのヘリコプターは余程よほどの小しょう型かた機きで無むい限かぎりは、ターボシャフトエンジンを動どう力ちからとしている（俗ぞくにジェットヘリと呼よばれる）。
回転かいてん数すうが数すう万まん回転かいてんという高速こうそくであることとレスポンスが悪わるいこと、低てい回転かいてんで動うごかすと燃費ねんぴ激げき悪あくを除のぞけば、小ちいさい・軽かるい・ハイパワーであるため、ヘリ以外いがいにも、自動車じどうしゃや鉄道てつどう車両しゃりょう・艦かん船ふね（軍艦ぐんかん）、或あるいは発電はつでん機きの動どう力ちから源みなもととしても使つかわれる。特徴とくちょうとしては地上ちじょう付近ふきんで使つかわれることを考慮こうりょして吸気きゅうき口こうにはホコリ除去じょきょ用ようのサイクロンが取とり付つけられている。
特とくに発電はつでん用途ようとに於いては、高温こうおんの排気はいきガスで水みずを沸わかして蒸気じょうきタービンを回まわすGTCC（ガスタービンコンバインドサイクル発電はつでん）でもエネルギーを回収かいしゅうできるため割わりと効率こうりつがいい方法ほうほうとなりうる。従来じゅうらい型かたの石油せきゆ石炭せきたんでお湯ゆを沸わかして蒸気じょうきタービンで発電はつでんするにくらべて起動きどう・停止ていしが短時間たんじかん（数すう分ふん程度ていど）に行おこなうことができるため。ピーク電でん力ちからの補ほ完かん発電はつでんシステムとして使つかわれる。現在げんざいの新規しんき建設けんせつ火力かりょく発電はつでん所ところの主あるじ力ちから商品しょうひんである。
変かわった例れいとしては、Y2KことMTTタービン・スーパーバイクのエンジンとしても使用しようされている。
近年きんねんの戦闘せんとう艦かん（イージス艦かん etc）に多おおく使用しようされるML2 500 ターボシャフトエンジンは、航空機こうくうき用ようエンジン CF6-50（ジャンボジェット用ようターボファンエンジン）を船舶せんぱく用ように転用てんようしたものである。

ターボシャフトエンジン搭載とうさいバイク、Y2K。

プロップファン（アドバンスド・ターボプロップエンジン/ATP）

後述こうじゅつのターボファンエンジンの効率こうりつをさらに改あらため善ぜんするために開発かいはつされた、ターボプロップエンジンの一種いっしゅ。
後退こうたい角かくをつけた多数たすうのブレード（羽根はね）を持もつプロペラを、タービンの軸じくに接続せつぞくする。
ターボプロップエンジンの系譜けいふに当あたるエンジンではあるが、構造こうぞう的てきには「ターボファンエンジンのファン外周がいしゅうにあるダクトを取とっ払ばらったもの」と見みることもできるため、「超ちょう高こうバイパス比ひターボファンエンジン」と呼よばれることもある。
ターボファンエンジンに匹敵ひってきする速度そくど域いきで仕様しようが可か能のうでありながら燃費ねんぴはターボプロップエンジンのそれに迫せまるといういいとこ取とり…になるはずだったが、「騒音そうおんが大おおきい」という欠点けってんが露呈ろていし、一時いちじ開発かいはつが中断ちゅうだん。（実用じつよう機きとしては、ロシアのアントノフAn-70 カブがある）。
しかし、近年きんねんの石油せきゆ価格かかくの高騰こうとうにより開発かいはつが再開さいかいされたらしい。

プロップファンを搭載とうさいした輸送ゆそう機き・An-70「カブ」。

ターボファンエンジン

「うーん、やっぱりターボジェットは燃料ねんりょう食くうし、ターボプロップはパワーがないし、中間ちゅうかんくらいの奴やつが欲ほしいんだけど」という各所かくしょからの要望ようぼうに応こたえ、「ジェット噴流ふんりゅうを生成せいせいする」「空気くうきを掻かいて推力ちからを生うみ出だす」という両りょうエンジンの機き能のうを高こう次元じげんで融合ゆうごうさせた、今いまのジェットエンジンの主あるじ力ちからにあたるものがターボファンエンジンである。
構造こうぞうは、ターボジェットエンジンに巨大きょだいなファンを追加ついかしたものである。ファンで取とり込こんだ空気くうきの一部いちぶを使つかってジェットの「水みず増まし」を行おこなう事ことで、燃費ねんぴおよび低速ていそく域いきでの特性とくせいを改あらため善ぜんする事ことに成功せいこうしている。
ファンを前まえにつけるか後うしろにつけるかで「フロントファン」と「アフトファン」にさらに分わかれるが、アフトファンの採用さいよう例れいは過去かこにコンベア990があるくらいであり、ほとんどはフロントファン方式ほうしきである。
ターボプロップエンジンよりも高速こうそく域いきでの使用しようが可か能のうであり、効率こうりつ面めんでもターボジェットエンジンより改あらため善ぜんされているため、旅客機りょかくきのみならず現在げんざいほとんどの戦闘せんとう機きなどにおいても使用しようされている。
ターボファンエンジンのうち、ファンの直径ちょっけいを大おおきくしてほとんどの推力ちからをファンが発生はっせいさせる気流きりゅうで賄まかなうタイプの「高こうバイパス比ひターボファンエンジン」は、ジェットエンジンとファンの推力ちからの比ひ率りつがターボプロップエンジンのそれに近ちかく、「プロペラ機き（ターボプロップ機き）への回帰かいき」と言いわれることもある。

ラムジェットエンジン

「マッハ3とか4とかで飛とぶと今度こんどはコンプレッサーの羽根はねまで邪魔じゃまになってきた→じゃあ、空気くうき取とり入いれ口こうの形かたちを工夫くふうして吸すい込こむだけで空気くうきを圧縮あっしゅくできるようにすればコンプレッサーすらいらなくね？」というわけで、空気くうき取とり入いれ口こうの形かたちを工夫くふうして空気くうきを吸入きゅうにゅうする段階だんかいで自然しぜんに圧縮あっしゅくできるようにし、タービン式しきのコンプレッサーすら不要ふようとしたエンジン。
形状けいじょう的てきには「燃料ねんりょう噴射ふんしゃ口こうが途中とちゅうに付ついたただの管かん」なので、ダクトエンジンと呼よばれることもある。
マッハ3超ちょうの超ちょう高速こうそく域いきに於いて効率こうりつに優すぐれるエンジンであるが、逆ぎゃくに低速ていそくでは起動きどうすらできない（マッハ0.5以上いじょうでようやく起動きどうできるとも言いわれている）ので、低速ていそく域いきではターボジェットエンジンやロケットエンジンなどで機体きたいを加速かそくする必要ひつようがある。
ラムジェットエンジンは一部いちぶの対たい艦かんミサイルなどで使用しようされるのみで、有人ゆうじん機きで実用じつよう化かされた例れいはない。

スクラムジェットエンジン

ラムジェットエンジンを使用しようできるのはマッハ５まで。それを上回うわまわる速度そくどの場合ばあいはその構造こうぞうをガラリと変かえなければならない。というのも、音速おんそく以下いかの空気くうきは流ながれ路ろを広ひろげて流速りゅうそくを下さげることで圧あつ力ちからを上あげて圧縮あっしゅくするのに対たいして、超ちょう音速おんそくの空気くうきは正せい反対はんたいに流ながれ路ろを狭せばめることで圧あつ力ちからが高たかまるからである。ラムジェットエンジンの場合ばあいは音速おんそくを超ちょうえる際さいは吸気きゅうき口こう前方ぜんぽうで衝撃波しょうげきはを発生はっせいさせることで流速りゅうそくを音速おんそく以下いかに落おとすのだが、マッハ５以上いじょうではこの手法しゅほうは使つかえない。超ちょう音速おんそくの流ながれのまま燃焼ねんしょうさせ、ノズルから噴射ふんしゃするのがスクラムジェットエンジンである。最大さいだいでマッハ１５まで加速かそくできる。
燃料ねんりょうには通常つうじょう水素すいそが使つかわれる。分子ぶんしの大おおきいジェット燃料ねんりょうはエンジン内うちに噴射ふんしゃされて点火てんかしてから燃もえ尽つきるまでに時間じかんがかかり、その間あいだにエンジン外そとに流ながれ出だしてしまうためである。
欠点けってんとしては燃焼ねんしょう温度おんどが3000℃と極きわめて高たかく、新あらたな耐たい熱ねつ素材そざいを開発かいはつせねばならないことと、マッハ５以下いかでは使用しようできないこと。そのためマッハ５まではロケットかラムジェットエンジンで加速かそくせねばならず、ラムジェットエンジンを使つかう場合ばあいはさらにターボジェットエンジンも搭載とうさいせねばならないのでかなりの重量じゅうりょう増加ぞうかとなってしまう。実用じつよう化かされたのは(事実じじつならば)現在げんざいのところロシアの極きょく超ちょう音速おんそくミサイル「アバンガルド」のみである。

原子力げんしりょくジェットエンジン（熱ねつ核かくジェットエンジン）

ジェットエンジンの燃焼ねんしょう室しつを原子げんし炉ろに置おき換かえ、核かく反応はんのうの熱ねつで取とり込こんだ空気くうきを膨張ちょうさせ高温こうおんの排気はいきガスを作つくり出だすもの。
現実げんじつ世界せかいでは地上ちじょう実験じっけん設備せつびの試作しさく機きがあるだけで、実用じつよう化かされた例れいは無むい。というより構造こうぞう上じょう、大気圏たいきけん内ないで実用じつよう化かしてはいけない。
創作そうさく物ものの世界せかいでは、ガンダムシリーズに於いてモビルスーツを筆頭ひっとうとする兵器へいき類るいがメインスラスターとして使用しようしている（ガンダムシリーズの世界せかいではミノフスキー核かく融合ゆうごう炉ろなどの『放射能ほうしゃのう汚染おせんが極端きょくたんに少すくない～無むいに等ひとしい動どう力ちから炉ろ』が実用じつよう化かされており、熱ねつ核かくジェットエンジンも一般いっぱん的てきに使つかわれている）。特とくに「ドム」が、浮上ふじょう・走行そうこうの両方りょうほうに強つよ力ちからな熱ねつ核かくジェットエンジンを使用しようしている機体きたいとして有名ゆうめいである。