[補説](1) 「ある」は、
広く、
五感などを
通して、
空間的、
時間的に
事物・
事柄の
存在が
認められる
意がおおもと。
古くは「
昔、
男ありけり」〈
伊勢・
二〉のように、
人に
関しても
用いたが、
現在ではふつう
人間・
動物以外の
事物についていい、
人間・
動物については「いる」を
用いる。しかし、「
予想外の
参加者があった」「
強い
味方がある」など、
人に
関しても「ある」が
用いられることがあり、この
場合は
人が
概念化・
抽象化した
立場でとらえられていたり、
所有の
意識が
認められていたりする。(2)
補助動詞としての「つつある」
2は
英語などの
進行形の
直訳的表現。
文語の
補助動詞「あり」は
一部の
副詞「かく」「しか」「さ」などや、
助動詞の「ず」「べし」の
連用形に
付いて
用いられることがある。「けり」「たり」「なり」「めり」などのラ
変型活用の
助動詞および
形容詞語尾「かり」、
形容動詞語尾「たり」「なり」などは、いずれも「あり」が
他の
要素と
結合してできたもの。ふつう、
存在する
意の
場合は「
在」を、
所有する
意の
場合は「
有」の
字を
当てるが、かな
書きにすることも
多い。なお、「ある」の
打消しは
文語では「あらず」であるが、
口語では「あらない」とはいわず、
形容詞の「ない」を
用いる。