あ・ける【明あける／開あける／空あける】

の解説かいせつ

［動どうカ下か一いち］［文ぶん］あ・く［カ下か二に］

1. １ （明あける）あるひと続つづきの時間じかん・期間きかん・状態じょうたいが終おわって、次つぎの時間じかん・期間きかん・状態じょうたいになる。

   1. ㋐朝あさになる。「夜よるが—・ける」⇔暮くれる。

   2. ㋑年ねんが改あらたまる。「年としが—・ける」⇔暮くれる。

   3. ㋒ある期間きかんが終おわる。「喪もが—・ける」「梅雨つゆ (つゆ) が—・ける」

1. ２ （空あける）今いままでそこを占しめていたもの、ふさいでいたものを、取とり除のぞいたり、なくしたりする。

   1. ㋐穴あなをつくる。「錐きり (きり) で穴あなを—・ける」

   2. ㋑使つかっていた場所ばしょから他たへ移うつり、そのまま使つかわないでおく。あったものを出だし、新あらたに入いれないで、からの状態じょうたいにする。「一いち〇時じまでに部屋へやを—・けてください」

   3. ㋒すいている空間くうかんや空白くうはくをつくる。間隔かんかくを置おいたり、広ひろげたりする。「間あいだを—・ける」「一いち行ぎょう—・けて書かく」

   4. ㋓器きの中なかのものを出だしたり、他たの器うつわや他たの場所ばしょへ移うつしたり、また、使つかい尽つくしたりしてからにする。「水筒すいとうの水みずをバケツに—・ける」「大だいジョッキを—・ける」

   5. ㋔ある時間じかんを、拘束こうそくなしに使つかえるようにしておく。暇ひまな時間じかんをつくる。「その日ひは君きみのために—・けておく」

   6. ㋕留守るすにする。「旅行りょこうで家いえを—・ける」

1. ３ （開あける）

   1. ㋐隔へだてや仕切しきりになっているものを取とり除のぞく。閉とじていたものを開ひらく。「窓まどを—・ける」「封ふうを—・ける」「鍵かぎ (かぎ) を—・ける」「目めを—・ける」⇔閉しめる。

   2. ㋑営業えいぎょうを始はじめる。営業えいぎょうを行おこなう。「午前ごぜん一いち〇時じに店みせを—・ける」⇔閉しめる。

[補ほ説せつ]2は「明あける」とも書かく。

[用法ようほう]あける・[用法ようほう]ひらく——「窓まどを開あける（開ひらく）」は相あい通つうじて用もちいられる。◇「開あける」は空間くうかんをふさいでいる仕切しきりや覆おおいなどを取とり除のぞく意いで、「ふたを開あける」「かばんを開あける」のように用もちいる。◇「開ひらく」は「包つつみを開ひらく」「本ほんを開ひらく」のように、重かさねて結むすび合あわせたり、折おり畳たたんだりしてあるものを広ひろげて、中なかが見みえるようにすること。◇「開ひらく」はまた、「運命うんめいを開ひらく」「心しんを開ひらく」など物事ものごとをよい方向ほうこうに進すすめていこうとする意いで比喩ひゆ的てきに用もちいられることもある。◇「口くちを開あける」「目めを開あける」は、上下じょうげの唇くちびるやまぶたを離はなし広ひろげることであるが、また「話はなしはじめる」「自覚じかくする、知識ちしきを得える」の意いにもなる。また、「道みちをあける」は邪魔じゃまになるものを除のぞいて通とおれるようにすることだが、「道みちを開ひらく」は新あたらしく道みちを作つくることであり、さらに「問題もんだい解決かいけつへの道みちを開ひらく」のようにも用もちいられる。

類語るいご

• 開ひらく(あく)
• 開ひらく(ひらく)

下しも接せっ句く

• 穴あなをあける
• 風穴かざあな(かざあな)を開あける
• 手てを空あける
• 泣なく子こも目めを開ひらけ(あ)け
• 年季ねんきが明あける
• 蓋ぶた(ふた)を開あける
• 水みずをあける
• 夜よるも日ひも明あけない
• 埒らち(らち)を明あける

出典しゅってん：デジタル大辞泉だいじせん（小学館しょうがくかん）

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