マスクを外す日常が戻ってきて久しぶりに自分の顔をまじまじと見て、「老けた…」と実感していないだろうか。同年代と比べて自分の老け顔が気になる、オンライン会議の画面に映った自分の顔から目を背けたくなる、ということはないだろうか。顔の老化には内側から起こるもの、外側から起こるものがあり、若いころから紫外線対策が手薄になりがちな男性は、見た目の老化進行リスクが高いという。本特集では、紫外線が強くなるこれからの季節こそ始めたい男の「老け顔対策」を、近畿大学名誉教授の川田暁氏に聞いていく。
『男の「老け顔」を解決!』 特集の内容
「いつのまにこんなに老けたんだろう…」。鏡を見てそう思うことはないだろうか?(写真:K+K/stock.adobe.com)
男性は見た目の老化リスクが高い! 老後を見据えて今から対策を
長く続いたコロナ禍で、人前では常にマスクをしてきた私たち。マスクを外す生活が戻ってきて、鏡を見ながら、自分の顔の老けこみ具合に愕然としている人は多いのではないだろうか。
- シミが増えた、濃くなった
- 目尻のシワが増えた
- ほうれい線がくっきりしてきた
- 目の下やまぶた、頬など、たるみが気になる場所が増えた
- 顔の輪郭、特に口やあご周囲がたるんだ
このような顔まわりの老化に気づき、鏡をあまり見たくない、あるいはオンライン会議の画面に映った自分の顔を直視したくない…と目をそらしている人もいるかもしれない。
仕方がない、老化は誰にでも起こるし、今さら何を対策したらいいか分からない…とあきらめるのはまだ早い。
「見た目の老化のなかでも、シミ、シワ、たるみなどは、紫外線が原因となる“光老化”が主な要因なので、対処が可能な老化といえます。知っておいてほしいのは、男性は、日常的に化粧をする女性と比べて紫外線に対して無防備に過ごしがちで、紫外線によるダメージを長年積み重ねてきているということ。このため、中高年以降になると、シミ、シワ、たるみといった老化が速く進行しやすいのです。しかし、今後、日常で行う対策次第で、これ以上の老化の進行を抑えることは可能です」と、光老化のメカニズムや美容皮膚医療について長年研究してきた近畿大学名誉教授の川田暁氏は言う。
中年からシニア世代でも美容医療に関心を持つ男性が増加中
「最近は、若い世代だけでなく、中年からシニア世代の男性も、見た目の若返りを目的とした美容医療に関心を持ち、実践する人が増えています」と川田氏は話す。美容医療だけでなく、美白や抗シワといった機能を持つ化粧品を使用する人も増加しているという。
花王生活者研究センターが行った男性の「おしゃれ・身だしなみ」に関する調査(*1)でも、50代後半から60代の男性は、昇格や定年退職などを機に自分自身を見つめ直し、「若々しく見られたい」「今までやれなかったことをやってみたい」「コミュニティを広げたい」などと考える人が増えていた。そうしたきっかけから、美容に前向きになり、スキンケアへの意識を徐々に高めるようになるという。
「いつまでも若々しくいたい」と思うとき、健康診断の数値に現れるような体の内側の健康や、体力、筋力、柔軟性といった身体機能の維持ももちろん大切だ。だが、それと同様、あるいはそれ以上に、「見た目が若々しくなること」はメンタル面に好影響をもたらす。
人生100年時代、今から「見た目の若返り」を目指すことは決して遅くはない。そのためにはまず、顔や肌の老化のメカニズムを知り、紫外線から肌を守り、スキンケアで健やかな肌を保つ基本を知っておきたい。
本特集では、ミドルエイジ以降の男性が「老け顔」を改善し、体の内側、外側から若返るための方法を川田氏に教えてもらおう。
*1 「10~60代男性のおしゃれ・身だしなみ意識と実態」調査(花王生活者研究センター/2012年)。31人のインタビュー調査と、1100人を対象にしたインターネット調査からなる。50~60代ではおしゃれや身だしなみへの関心が高まり、若々しい肌への意識は高い一方、スキンケアへの意識は若年男性よりも低い傾向にあることが分かった。