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5分でわかる平家物語!作者、あらすじ、書き出しなどをわかりやすく解説 | ホンシェルジュ

5ふんでわかる平家へいけ物語ものがたり作者さくしゃ、あらすじ、しなどをわかりやすく解説かいせつ

更新こうしん:2021.12.7

鎌倉かまくら時代じだい成立せいりつし、軍記物語ぐんきものがたりとして後世こうせいにもおおくの影響えいきょうのこした平家ひらか物語ものがたりたいらみなもとたたかいがえがかれていますが、その根底こんていには仏教ぶっきょう価値かちかん美学びがくがあります。この記事きじでは概要がいようとあらすじを紹介しょうかいし、冒頭ぼうとうの「祇園ぎおん精舎しょうじゃかねこえ~」やめいシーン「みなもとへいども」をわかりやすく解説かいせつ。あわせておすすめの関連かんれんほん紹介しょうかいするので、ぜひチェックしてみてください。

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平家ひらか物語ものがたりとは?時代じだい作者さくしゃ特徴とくちょう紹介しょうかい

鎌倉かまくら時代じだい成立せいりつしたとされる「軍記物語ぐんきものがたり」です。軍記物語ぐんきものがたりとは、歴史れきしじょう合戦かっせん題材だいざいとした作品さくひんのことで、今風いまふうにいうと「バトルもの」といったところでしょうか。

その内容ないようは、平安へいあん時代じだい武家ぶけ貴族きぞくとして台頭たいとうした平家へいけの、栄華えいが衰退すいたいえがかれています。ほぼ史実しじつそくしているのも特徴とくちょう。まるで大河たいがドラマの脚本きゃくほんのような怒涛どとう展開てんかいをみることができます。

さて平家へいけ物語ものがたり作者さくしゃですが、諸説しょせつあり、正確せいかくなところはわかっていません。ただ吉田よしだ兼好けんこうの『徒然草つれづれぐさ』に信濃しなのぜんつかさ行長ゆきなが(しなののぜんじゆきなが)という人物じんぶつ作者さくしゃであるという記述きじゅつがあり、有力ゆうりょくせつとなっています。

平家ひらか物語ものがたりは、平安へいあん時代じだい活躍かつやくした盲目もうもくそう琵琶びわ法師ほうしによってひろめられました。かれらは全国ぜんこく存在そんざいしていたので、物語ものがたり全国ぜんこくひろまったとかんがえられています。

ちなみに、たいらのいわずとしれたライバルはみなもとですが、光源氏ひかるげんじ主人公しゅじんこうとした『源氏物語げんじものがたり』は軍記物語ぐんきものがたりではありません。色恋いろこい沙汰ざたおおえがかれているのが特徴とくちょうです。

 

平家ひらか物語ものがたりのあらすじ

1:「もとらん」と「平治へいじらん」をて、平家ひらか強大きょうだい権力けんりょくて、全国ぜんこく半分はんぶんちかくをおさめるようになる。 とく平清盛たいらのきよもり武士ぶしはつ太政大臣だじょうだいじんにまでのぼりつめた。

2:しかし、威張いばらす平家へいけなか不満ふまん爆発ばくはつ以仁王もちひとおう(もちひとおう・後白河天皇ごしらかわてんのうだい3皇子おうじ)の令旨れいしけたみなもと頼朝よりともが、「富士川ふじかわたたかい」で平家へいけ勝利しょうり頼朝よりとも鎌倉かまくら東国とうごくちょうになる。

3: 源義経みなもとのよしつねかい進撃しんげきはじまる。「いちたにたたかい」「屋島やしまたたかい」で平家へいけめ、「壇ノ浦だんのうらたたかい」でついに決着けっちゃく平家へいけ徳子とくこ清盛きよもりむすめ)をのこして滅亡めつぼうした。

4:「壇ノ浦だんのうらたたかい」で活躍かつやくし、平家ひらか滅亡めつぼうおおきく貢献こうけんした源義経みなもとのよしつねだったが、頼朝よりともうらまれてころされてしまう。

平家ひらか物語ものがたりは、ヒーローてき存在そんざいとしてえがかれた義経よしつね平家へいけほろぼして「めでたしめでたし」ではわらず、あに頼朝よりともころされてしまうラストになっています。

これもまた「無常むじょうかん」をあらわしていて、この物語ものがたり人々ひとびとくるしめていた悪者わるものである平家へいけたおすヒーローものではなく、あくまで仏教ぶっきょうかんにもとづいたものである証拠しょうこになっています。

 

平家ひらか物語ものがたりし「祇園ぎおん精舎しょうじゃ」の原文げんぶんわけ

祇園ぎおん精舍しょうじゃかねこえ諸行無常しょぎょうむじょうひびきあり。娑羅双樹さらそうじゅはないろ盛者じょうしゃ必衰のをあらはす。おごれるひとひさしからず、ただはるよるゆめのごとし。もうしゃもつひにはほろびぬ、ひとへにふうまえちりおなじ。」

こちらは平家ひらか物語ものがたり冒頭ぼうとう部分ぶぶん学生がくせいとき暗記あんきしたほうおおいのではないでしょうか。くちしてみやすく、琵琶びわ法師ほうしかたってひろめたというのも納得なっとく一文いちぶんです。

祇園ぎおん精舎しょうじゃかねおとは、諸行無常しょぎょうむじょうあらわしている。沙羅双樹さらそうじゅはないろは、盛者じょうしゃ必衰のあらわしている。威張いばっていた平家へいけいまではなつかしい。まるではるよるゆめのようだ。どんなにいきおいのあったものでも最後さいごにはほろびるさまは、ふうばされるちりおなじだ。」

という意味いみ平家へいけ時代じだいわり、なかがあっというわった様子ようすて、このつねわりゆくという「諸行無常しょぎょうむじょう」と、どんなひとかならおとろえるという「盛者じょうしゃ必衰」をあらわしています。

諸行無常しょぎょうむじょう」も「盛者じょうしゃ必衰」も仏教ぶっきょう価値かちかんで、平家ひらか物語ものがたりはこのような「仏教ぶっきょうかん」がじくになっていました。

 

めいシーン「みなもとへいども」を解説かいせつ

平家ひらか物語ものがたりには、「みなもとへいども、すで平家へいけふねうつりければ……」という文章ぶんしょうからはじまる「先帝せんていとう」というあきらがあります。

壇ノ浦だんのうらたたかい」で勝利しょうりおさめたみなもとへいたちが、平家へいけふね次々つぎつぎ船員せんいんたちをころしていく様子ようすえがかれているのですが、そんななか、平時子たいらのときこてきにかかるくらいならと入水じゅすい決意けついし、当時とうじ8さいだった安徳天皇あんとくてんのういて心中しんじゅうしようとするのです。

時子ときこいだかれた安徳天皇あんとくてんのうは、「わたしをどこにれてこうとしている」ときます。時子ときこおさな天皇てんのうかってうんきたことを説明せつめいし、「ここはつらい場所ばしょですから極楽浄土ごくらくじょうどきましょう。なみしたにもがあるのです」ときながらはなしました。

そして安徳天皇あんとくてんのういたままふねからり、ともにいのちてたのです。安徳天皇あんとくてんのう平清盛たいらのきよもりまごであり、このシーンはまさに平家へいけわりをげる象徴しょうちょうてきなもの。

平家ひらかたしかににくたらしい存在そんざいだったかもしれませんが、8さいどもが無理むり心中しんちゅうのいのちとすという事実じじつは、源平げんぺい勝敗しょうはいなどの次元じげんえた強烈きょうれつ余韻よいんのこしています。

 

初心者しょしんしゃにおすすめの平家へいけ物語ものがたり

著者ちょしゃ
出版しゅっぱん
2001-09-01

 

古文こぶん入門にゅうもんとして発表はっぴょうされている「ビギナーズ・クラシックス」シリーズ。原文げんぶんのほかに現代げんだいやく解説かいせつがついていて、意味いみたしかめながらむことができるので、初心者しょしんしゃにおすすめの内容ないようとなっています。

全容ぜんようがコンパクトにまとめられており、物語ものがたりながれをつかむのに最適さいてきいちさつでしょう。

 

漫画まんが平家ひらか物語ものがたり

著者ちょしゃ
["名古屋なごや ひろし", "伊部いべ 太朗たろう", "なぎさわ なお"]
出版しゅっぱん
2014-07-29

 

古文こぶん苦手にがて意識いしきのあるほうは、まずは漫画まんが平家ひらか物語ものがたりれてみるのはいかがでしょうか。漫画まんがながら「無常むじょうかん」はしっかりとえがかれていて、はかなさやむなしさといったほんさく醍醐味だいごみあじわうことができます。

内容ないよう補足ほそくするコラムもついているので、大人おとなほうでも満足まんぞくできるいちさつです。

 

平家ひらか物語ものがたり歴史れきし小説しょうせつ

著者ちょしゃ
吉川よしかわ 英治えいじ
出版しゅっぱん
1989-03-24

 

作者さくしゃは『宮本みやもと武蔵むさし』がだいベストセラーとなった歴史れきし小説しょうせつ吉川よしかわ英治えいじほんさくはおよそ7ねんをかけて完成かんせいさせた大作たいさくになっています。

ただ原文げんぶん現代げんだいやくしたのではなく、源平げんぺい武士ぶしたちの栄枯盛衰えいこせいすいのドラマをえがきつつも庶民しょみん人生じんせいにも焦点しょうてんをあてており、おおきな時代じだいながれのなかで人々ひとびとがどのようにきたのかを存分ぞんぶんかんじることができるでしょう。

文庫ぶんこぜん16かんというボリュームですが、読後どくご満足まんぞくかんられること間違まちがいなし。ぜひチャレンジしてみてください。

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