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あしたの風 - Wikipedia

あしたのふう

壺井つぼいさかえによる日本にっぽん短編たんぺん小説しょうせつ

あしたのふう』(あしたのかぜ)は、壺井つぼいさかえによる日本にっぽん短編たんぺん小説しょうせつ。また、これを表題ひょうだいさくとした短編たんぺん小説しょうせつしゅう

ほんさく原作げんさくとして、2テレビドラマされた。

概説がいせつ

編集へんしゅう

短編たんぺんとしての『あしたのふう』は戦後せんごはいってすぐの時期じきにおいて『小学しょうがく年生ねんせい』(小学館しょうがくかんかん)に掲載けいさいされたとされる児童じどう文学ぶんがくジャンルの短編たんぺん小説しょうせつである。将来しょうらい姿すがた悲観ひかんすることなく「現在げんざい」にあしをつけてきる母子ぼし姿すがたえがした作品さくひん。のち、1958ねん新潮社しんちょうしゃよりほんさく表題ひょうだいさくとしたたん編集へんしゅう単行本たんこうぼん出版しゅっぱんされた。

なお、のちNHKにて制作せいさくされた「連続れんぞくテレビ小説しょうせつ」(後述こうじゅつ)は、原作げんさくそのもののボリュームの不足ふそくから、たん編集へんしゅう同時どうじ収録しゅうろくされていたどう作者さくしゃによる複数ふくすうさく短編たんぺんもとに、脚本きゃくほんである山下やました与志よしいちらのによってストーリーラインおよびテーマそのものがさい構成こうせいされたため、内容ないよう大幅おおはば改変かいへんされたものになったとされる。

戦災せんさい母子ぼし家庭かていそだ夏子なつこは、最近さいきんあめると機嫌きげんわるくなることがおおかった。なぜなら、それまでいていた長靴ながぐつおとうとゆずってしまったため、夏子なつこ長靴ながぐつがなかったためであった。夏子なつこいえまずしいので、そう簡単かんたんにはあたらしい長靴ながぐつうわけにはいけない。夏子なつこ事情じじょうかっているし、ほかにも長靴ながぐつてないもいるのだが、それでもあたらしい長靴ながぐつしいとって、ははこまらせてしまう。

あるあさあたらしい長靴ながぐつ玄関げんかんかれていた。夏子なつこのためにと、おかあさんがあたらしい長靴ながぐつってくれたのだった。だいよろこびの夏子なつこは、今度こんどあめどおしくなる。そして、しとしとあめ夏子なつこむねあたらしい長靴ながぐついて学校がっこうかった。しかし学校がっこう授業じゅぎょうけているあいだに、せっかくってもらった夏子なつこ長靴ながぐつはなくなってしまう。ほこらしげな夏子なつこねたんでだれかが長靴ながぐつかくしてててしまったのか、それとも、勝手かっていてかえってしまったのか。夏子なつこはびしょぬれになりながら、校内こうないくまなく必死ひっしになってさがすが、長靴ながぐつつからない。もうだれもいない運動うんどうじょうで、つよくなるあめなか、ずぶれになりつづける夏子なつこに、むかえにやってたおかあさんはやさしくびかける。

長靴ながぐつしつくしたこときじゃくってびる夏子なつこを、はははにこやかにわらいながらくつれてく。はは夏子なつこのために、くつあたま必死ひっしげて、もう一度いちどおな長靴ながぐつ都合つごうしてもらおうとする。裸足はだし夏子なつこ姿すがたに、事情じじょうおもんばかったくついやかおひとつせず、もう一度いちどおな長靴ながぐつ都合つごうしてくれた。かえみち余計よけいなおかね使つかわすことびて心配しんぱいする夏子なつこに、ははは「むすめ夏子なつこ)にあしたまでいたかおをさせるのはしのびない」からにしなくていいとさとして「あしたはあしたのかぜく」とにっこりわらうのであった。

テレビドラマ

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1961ねん単発たんぱつ

編集へんしゅう

NHKにおいて1961ねん5月21にち単発たんぱつドラマとして放送ほうそう

出演しゅつえんしゃ

編集へんしゅう

ほか

  • 脚本きゃくほん西沢にしざわ裕子ゆうこ
  • 演出えんしゅつ藤原ふじわら杉雄すぎお

1962ねんあさドラ

編集へんしゅう
あしたのふう
ジャンル ドラマ
原作げんさく 壺井つぼいさかえ
脚本きゃくほん 山下やました与志よしいち
出演しゅつえんしゃ 渡辺わたなべ富美子とみこ
増田ますだじゅん
ほか
ナレーター 竹内たけうち三郎さぶろう
時代じだい設定せってい 昭和しょうわ20年代ねんだい
製作せいさく
制作せいさく NHK
放送ほうそう
放送ほうそうこく地域ちいき  日本にっぽん
放送ほうそう期間きかん1962ねん4がつ2にち - 1963ねん3月30にち
放送ほうそう時間じかん月曜げつよう - 土曜どよう8:15~8:30
放送ほうそうわく連続れんぞくテレビ小説しょうせつ
放送ほうそうぶん15ふん
回数かいすう306[1]
番組ばんぐみ年表ねんぴょう
前作ぜんさくむすめわたし
つぎさくあかつき
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NHK連続れんぞくテレビ小説しょうせつだい2さくで、1962ねん4がつ2にちからよく1963ねん3がつ30にちまで放送ほうそうされた[2]

原作げんさく上記じょうきとお短編たんぺんおよびたん編集へんしゅうであるが、どう作者さくしゃによるどう傾向けいこうのテーマをなか短編たんぺん小説しょうせつ複数ふくすうさくわせ、脚本きゃくほん筆頭ひっとうにテレビドラマスタッフがわ物語ものがたりさい構成こうせいし、番組ばんぐみ独自どくじ展開てんかいおこなった結果けっか、“家族かぞく制度せいど”を追及ついきゅうした作品さくひんとしてられることとなった。

NHKには最終さいしゅうばなしのみ現存げんそんする。

この作品さくひんから815ふん開始かいしの15ふんバージョンとなった。15ふんバージョンはこれ以後いご定着ていちゃくするようになった。815ふん開始かいし2009ねん下半期しもはんきの『ウェルかめ』まで48年間ねんかんつづく。またさい放送ほうそうはこの作品さくひんから12だいとなったが、当時とうじは1240ふん - 1255ふんと、現在げんざいより5ふんはやかった。1240ふん開始かいし1965ねんの『たまゆら』までつづく。

また、放送ほうそう曜日ようびほんさくから月曜日げつようびから土曜日どようびまでのしゅう6にち放送ほうそうとなった(前作ぜんさくむすめわたし』は月曜日げつようびから金曜日きんようびまでのしゅう5にち放送ほうそうだった)。しゅう6にち放送ほうそう2019ねん下半期しもはんきの『スカーレット』まで58年間ねんかんつづ[ちゅう 1]

連続れんぞくテレビ小説しょうせつでははじめて香川かがわけん舞台ぶたいとした作品さくひんであるが、ほんさくのちどうけん舞台ぶたいとなるのは2023ねん下半期しもはんきの『ブギウギ』まで61ねんようすることとなる[ちゅう 2]2024ねん時点じてん四国しこく地方ちほうにおいてあさドラの舞台ぶたいからもっととおざかっているのは愛媛えひめけん[ちゅう 3]となる)[3]

主演しゅえん渡辺わたなべ富美子とみこ初代しょだいあさドラのヒロインかつ2024ねん現在げんざい存命ぞんめい歴代れきだいあさドラ作品さくひんもっとふる作品さくひん主演しゅえん俳優はいゆうである(『むすめわたし』の主演しゅえん北沢きたざわぴょうは、1980ねんぼつ)。

ほか

  • 原作げんさく - 壺井つぼいさかえ[2](「ふう」「右文ゆうぶんおぼがき」「ははのないのないははと」「あしたのふう」「雑居ざっきょ家族かぞく」より)
  • 脚本きゃくほん - 山下やました与志よしいち[2]
  • 音楽おんがく - 斉藤さいとうだかじゅん
  • 演出えんしゅつ - 中山なかやま三雄みつお
  • かたり - 竹内たけうち三郎さぶろうアナウンサー

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ ただし、2020ねん前期ぜんきの『エール』が放送ほうそう中断ちゅうだんさい放送ほうそうになったさいは、事実じじつじょうしゅうまたぎの放送ほうそうになるかたち一時いちじてき土曜日どようび放送ほうそう復活ふっかつした。
  2. ^ 『ブギウギ』はおも大阪おおさか東京とうきょう舞台ぶたい展開てんかいされたが、物語ものがたり一部いちぶ香川かがわけんひがしかがわヒロインのモデルとなった人物じんぶつにゆかりがある)を舞台ぶたいとしており、最終さいしゅうロケも同市どうしおこなわれた。
  3. ^ 1973ねんの『きた家族かぞく』の舞台ぶたいとなった。

出典しゅってん

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外部がいぶリンク

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NHK 連続れんぞくテレビ小説しょうせつ
ぜん番組ばんぐみ 番組ばんぐみめい 番組ばんぐみ
むすめわたし
(1961年度ねんど
あしたのふう
(1962年度ねんど
あかつき
(1963年度ねんど
NHK つき - 8:15 - 8:30わく
あしたのふうほん放送ほうそう
あかつき
NHK つき - 12:40 - 12:55わく
あしたのふうさい放送ほうそう
あかつき