アバルト

アバルト&C. S.p.a
Abarth & C. S.p.a
	アバルト・595に取とり付つけられたバッジ
種類しゅるい	子会社こがいしゃ
本社ほんしゃ所在地しょざいち	イタリア; ボローニャ
設立せつりつ	1949年ねん3月31日にち
業種ぎょうしゅ	自動車じどうしゃの製造せいぞう
事業じぎょう内容ないよう	自動車じどうしゃの製造せいぞう,販売はんばい
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アバルト（Abarth）は、ステランティス N.V.におけるイタリアの自動車じどうしゃ子会社こがいしゃである。

1949年ねん、トリノにて設立せつりつされ、主おもにフィアット車くるまを用もちいての自動車じどうしゃ競技きょうぎへの参加さんか、自動車じどうしゃ部品ぶひんや改造かいぞう車しゃの販売はんばいなどを行おこなっていた。

1971年ねんにフィアットに買収ばいしゅうされ、その後ごは同社どうしゃの自動車じどうしゃ競技きょうぎ部門ぶもんとしてフォーミュラカーやラリーカー、ツーリングカーの各かくマシンの開発かいはつに携たずさわった。1980年ねん以降いこうはフィアット傘下さんかのフェラーリ、ランチア、アルファロメオなどの競技きょうぎ車両しゃりょうを開発かいはつ。037ランチアラリー、グループA仕様しようのランチアデルタ・インテグラーレ、ドイツDTM参加さんかマシンのアルファロメオ155 V6 TIなどを次々つぎつぎと開発かいはつ。ラリーやツーリングカーレースにおけるイタリアンマシンの活躍かつやくを支ささえた。

その後ご、フィアットの自動車じどうしゃ部門ぶもんを統括とうかつするフィアットオートモービルグループ社しゃのもと、アバルト&C.社しゃ（Abarth & C. S.p.A.）が再さい組織そしきされ、アバルト・ブランドのもと市販しはん車しゃの販売はんばい展開てんかいが開始かいしされた。2007年ねん3月がつのジュネーブショーにおいて、フィアットから発売はつばいされていた小型車こがたしゃグランデプントに独自どくじのチューニングを施ほどこした「グランデプントアバルト」や新しん開発かいはつのラリーモデル「アバルトグランデプント S2000」を発表はっぴょう。その翌年よくねんにはフィアット500ベースの「アバルト500」もラインアップされ、現在げんざいに至いたる^[1]。

歴史れきし

1908年ねんにオーストリア・ウィーンで産うまれたカール・アバルトは、バイクのレーシングライダーとして活躍かつやくしたのちイタリアに移住いじゅうし、カルロ・アバルトと名乗なのりチシタリア(en:Cisitalia)の技術ぎじゅつ・モータースポーツ責任せきにん者しゃを経へて1949年ねんに会社かいしゃ「Abarth & C.」をトリノ市しコルソマルケ38に興おこし、自動車じどうしゃマフラーなどのパーツを販売はんばい。それらの資金しきんを元もとに主しゅとしてフィアットの小しょう排気はいき量りょう車しゃをベースにしたエンジン・チューンやレース車しゃの製作せいさくを行おこなった。

自動車じどうしゃにはカルロ・アバルトの誕生たんじょう月がつの星座せいざであるサソリのエンブレム（スコルピオーネ）が装着そうちゃくされた。「アバルトマジック」とも呼よばれる高度こうどの改造かいぞうを施ほどこされた自動車じどうしゃは多おおくの競技きょうぎで活躍かつやくした。1950年ねんから1960年代ねんだいにかけて113の国際こくさい記録きろくとレースにおいて7400以上いじょうの勝利しょうりを得え、「ジャイアントキラー」「ピッコロモンスター」などの異名いみょうも得えた。

1971年ねん、アバルトはフィアットに買収ばいしゅうされ、さらにその自動車じどうしゃ競技きょうぎ部門ぶもんはオゼッラに分割ぶんかつ譲渡じょうとされた。

代表だいひょう的てき車種しゃしゅ

フィアット・600ベース

フィアット・500ベース

フィアット・850ベース

シムカベース

ポルシェ・356ベース

ポルシェ356B1600カレラGTLアバルト

オリジナル

1971年ねん以降いこう

124アバルトスパイダーラリー

アウトビアンキA112アバルト

131ラリー

チンクェチェント・トロフェオ

プント・アバルト・ラリー

グランデ・プントS2000アバルト

1971年ねん、フィアットに買収ばいしゅうされたアバルトは、そのモーター・スポーツ部門ぶもんを受うけ持もち、世界せかいラリー選手権せんしゅけん（WRC）向むけにアバルト124ラリー、アバルト131ラリー､フィアット・アバルトX1/9プロトーティポの開発かいはつを行おこなった。

1979年ねんより後ごの037ラリーのベースとなるベータ・モンテカルロ・ターボ Gr.5のパワーソースチューンを行おこなう｡

1981年ねん、会社かいしゃとしてのAbarth & C.の活動かつどうは停止ていししたが、フィアット内ないのレーシング部門ぶもんとしてのアバルトの活動かつどうが続つづいた。

フィアットの世界せかいラリー選手権せんしゅけん（WRC）出場しゅつじょうが同社どうしゃの傘下さんかになったランチアに移行いこうした後のちも、1983年ねん発表はっぴょうの037ラリー、1985年ねん発表はっぴょうのデルタS4の2台だいの優すぐれたグループB規定きてい車両しゃりょうの開発かいはつを担当たんとうした。

1982年ねんから1991年ねんの世界せかい耐久たいきゅう選手権せんしゅけん（WEC）ではランチアワークスでのオープントップクラスでのランチア・LC1やグループCカーランチア・LC2（ワークス放出ほうしゅつ後ごもムサットにより継続けいぞく）のパワーソースチューンも担当たんとうしている｡

1986年ねん､ボローニャ・モーター・ショウでデルタS4から発展はってん型がたのハイテク（カーボンハニカムコンポジット）素材そざいを統合とうごうさせたランチア・ECV(Experimental Composite Vehicle)(推定すいてい600hp前後ぜんこう)発表はっぴょう｡『ECV2』(750hp)は1988年ねんハイテク素材そざいと空そら力りょくのテストベッドとして発展はってんし､WRCグループS頓挫とんざによりそのプロジェクトを終了しゅうりょうさせた経緯けいいがある｡同時どうじにFISAが予定よていし、頓挫とんざしたプロカー選手権せんしゅけん用ようのプロカー4も試作しさく、テスト段階だんかいでその幕まくを閉とじることとなった。

1987年ねんにはWRCの参加さんか車両しゃりょうがグループB車両しゃりょうからグループA車両しゃりょうに移行いこうしたが、同年どうねんから1992年ねんまでWRC6連覇れんぱしたランチア・デルタ・HFシリーズの開発かいはつも主おもにアバルトが行おこなっている。

1990年代ねんだいは主おもにドイツツーリングカー選手権せんしゅけん(DTM)や国際こくさいツーリングカー選手権せんしゅけん(ITC)用ようとアルファロメオ系けいのGTカーやワンメークレースであるカップカーやグループN車両しゃりょうを手てがけるようになる｡

1997年ねん、アバルトのスタッフのほとんどがフィアットのモータースポーツ部門ぶもん、フィアット・アウト・コルセに吸収きゅうしゅうされて事実じじつ上じょうのファクトリーが消滅しょうめつした。

市販しはん車しゃにおいては、ラリーカーの市販しはんバージョンのほか、1970年ねん～1980年代ねんだいにアウトビアンキ・A112アバルト、フィアット・リトモ・アバルト125TC、フィアット・リトモ・アバルト130TCなどに関与かんよした。

その後ごもアバルトを冠かんした市販しはん車しゃがフィアット・グループから登場とうじょうしたが、1991年ねん発表はっぴょうのフィアット・チンクェチェント・トロフェオ（車くるま名めいにアバルトの名なはないものの）を除のぞいては、ターボを追加ついかしたり上位じょういのエンジンを積つんだりしたものに、アバルトブランドのエアロパーツやエンブレム・ステッカー等とうを追加ついかしたものであり、アバルト本来ほんらいのエンジン・チューンは施ほどこされていない。

2001年ねんフィアットはアバルトの名なを冠かんしたスーパー1600クラス車両しゃりょうプント・アバルト・ラリーおよびスティーロ・アバルト・ラリーを発表はっぴょう、以降いこうヨーロッパのラリー選手権せんしゅけんに参戦さんせんした。開発かいはつはN・テクノロジー社しゃが担当たんとう。

2005年ねん、継続けいぞくしてプント・アバルト・ラリーにてヨーロッパラリー選手権せんしゅけんに参戦さんせん。また、市販しはん車しゃのパンダを大幅おおはばにチューニングしたパンダ・ラリー・アバルトを使用しようしたパンダ・ラリー・カップを開催かいさい。いずれも車体しゃたいには大おおきくアバルトの文字もじ、サソリが描えがかれていた。

2006年ねん、フィアットはスーパー2000クラス車両しゃりょうグランデ・プントS2000での参加さんかを開始かいし。ヨーロッパラリー選手権せんしゅけん、イタリア国内こくない選手権せんしゅけんを制覇せいは。

2007年ねん、フィアットより、公式こうしきにABARTH&C．の復活ふっかつがプレスリリースされた。これに合あわせて市販しはん車しゃ、グランデ・プント・アバルトのプロトタイプが発表はっぴょうされ、その後ご9月がつにグランデ・プント・アバルト1.4ターボ(155ps)が発売はつばいされた。フィアットとして参加さんかしていたインターコンチネンタル・ラリー・チャレンジ（IRC）ではワークス名めいをアバルトと変更へんこうし、名実めいじつ共どもにアバルトとしてラリー活動かつどうを行おこなうことになった。

2008年ねん、3月、新型しんがたフィアット・500のベースの500アバルト1.4ターボ(135ps)がジュネーブモーターショーにて発表はっぴょうされた。また、グランデ・プント・アバルト1.4ターボに装着そうちゃくするesseesse(Super Sport)キット(180ps)も本国ほんごくにて発表はっぴょうされた。5月、49台だい限定げんていの500アバルトassetto corse(200ps)を発表はっぴょう。9月500アバルト1.4ターボesseesseキット(160ps)発表はっぴょう。