(Translated by https://www.hiragana.jp/)
アポロ宇宙船 - Wikipedia

アポロ宇宙船うちゅうせん(アポロうちゅうせん、Apollo spacecraft)は、1960年代ねんだいまつまでに人類じんるいつきおくり、安全あんぜん地球ちきゅうおくかえすというアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくアポロ計画けいかく目標もくひょう達成たっせいするために設計せっけいされた宇宙船うちゅうせんであり、3つのパーツから構成こうせいされる。宇宙船うちゅうせん使つかがたで、アポロ司令しれい機械きかいせん (CSM) とアポロがつ着陸ちゃくりくせん (LM) から構成こうせいされる。脱出だっしゅつシステム (LES) は、打上うちあ緊急きんきゅう事態じたいときにのみ使つかわれ、さらに宇宙船うちゅうせん/つき着陸ちゃくりくせんアダプター (SLA) はCSMとを打上うちあにつなぎ、LMを格納かくのうするために設計せっけいされた。

アポロ宇宙船うちゅうせんは、コマンドモジュール、サービスモジュール、つき着陸ちゃくりくせん脱出だっしゅつシステム、宇宙船うちゅうせん/つき着陸ちゃくりくせんアダプターから構成こうせいされる。

設計せっけいは、つき軌道きどうランデブーもとにした。これは、2つのドッキングした宇宙船うちゅうせんつきおくられてつき軌道きどうたっし、そのLMが分離ぶんりされてつき着陸ちゃくりくし、CSMは軌道きどうじょうまるというものである。つき探査たんさ終了しゅうりょうすると、2つの宇宙船うちゅうせんランデブーし、つき軌道きどうじょうでドッキングし、CSMが乗組のりくみいん地球ちきゅうおくかえすというものである。CSMは、乗組のりくみいんせて地球ちきゅうもど唯一ゆいいつ宇宙船うちゅうせんとなる。

LESは、必要ひつようのない高度こうどまでたっした時点じてん投棄とうきされ、SLAは打上うちあ上段じょうだんにつながれたままとなる。てい周回しゅうかい軌道きどうのアポロ計画けいかく使つかわれた2無人むじんCSM、1無人むじんLM、1有人ゆうじんCSMは、サターンIBによって宇宙うちゅうはこばれた。こう周回しゅうかい軌道きどう試験しけん飛行ひこうのための2無人むじんCSM、つき探査たんさのための1有人ゆうじんCSM、1有人ゆうじん周回しゅうかいてい軌道きどう探査たんさ、8有人ゆうじんがつ探査たんさのための完全かんぜん宇宙船うちゅうせんが、よりおおきなサターンVによって宇宙うちゅうはこばれた。アポロ計画けいかくは、3スカイラブ計画けいかくアポロ・ソユーズテスト計画けいかくのために4のCSMがサターンIBでげられた。

アポロ司令しれい機械きかいせん

編集へんしゅう

アポロ宇宙船うちゅうせんもっと主要しゅよう部分ぶぶんは、地球ちきゅう周回しゅうかいつきへの飛行ひこうつき周回しゅうかい地球ちきゅうへの帰還きかんのために設計せっけいされた3にんりの機体きたいである。ロックウェル・インターナショナルによって製造せいぞうされたコマンドモジュールとサービスモジュールから構成こうせいされる。

コマンドモジュール (CM)

編集へんしゅう
 
アポロのコマンドモジュールとサターンVロケットじょうでの位置いち

コマンドモジュールは、アポロ宇宙船うちゅうせん操縦そうじゅうし、3にん乗組のりくみいん居住きょじゅうスペースとなる構造こうぞうである。あずかされたメインキャビン、乗組のりくみいんようのカウチ、操作そうさパネル、誘導ゆうどうシステム、通信つうしんシステム、環境かんきょう制御せいぎょシステム、バッテリー、ねつシールド姿勢しせい制御せいぎょシステム前部ぜんぶのドッキングようハッチ、側部そくぶのハッチ、5つのまど、パラシュート回収かいしゅうシステムとうそなえている。地球ちきゅうかえってくる唯一ゆいいつ構造こうぞうである。

サービスモジュール (SM)

編集へんしゅう
 
アポロのサービスモジュール

サービスモジュールあずかされておらず、エンジン、つき軌道きどうから離脱りだつするための推進すいしんシステム、高度こうどたもつための姿勢しせい制御せいぎょシステム、水素すいそ酸素さんそ燃料ねんりょう電池でんちはいねつそとがすためのラジエーター、こう利得りとくアンテナとうそなえている。酸素さんそ呼吸こきゅうようにももちいられ、燃料ねんりょう電池でんちは、飲用いんようのためのみずす。アポロ15ごうアポロ16ごうアポロ17ごうでは、つき調査ちょうさするためのマップようカメラやちいさな人工じんこう衛星えいせい一緒いっしょ科学かがく実験じっけん機器ききまれた。

サービスモジュールのだい部分ぶぶんは、推進すいしんシステムとエンジンでめられている。このエンジンはなんさい起動きどうでき、つき軌道きどうへの侵入しんにゅう離脱りだつ地球ちきゅうからつきあいだ方向ほうこう制御せいぎょとうもちいられた。

サービスモジュールは、ミッションのあいだちゅうずっとコマンドモジュールと結合けつごうしており、地球ちきゅう大気圏たいきけんさい突入とつにゅう直前ちょくぜん投棄とうきされる。

アポロがつ着陸ちゃくりくせん (LM)

編集へんしゅう
 
アポロのつき着陸ちゃくりくせん

アポロがつ着陸ちゃくりくせんは、月面げつめん着陸ちゃくりくし、つき軌道きどうもどることを目的もくてき設計せっけいされた構造こうぞうであり、宇宙うちゅう真空しんくうなか単独たんどく飛行ひこうするという意味いみで、はじめてのしんの「宇宙船うちゅうせん」である。下降かこうだんうえ昇段しょうだんから構成こうせいされている。2人ふたり宇宙うちゅう飛行ひこう最大さいだいで4日間にちかんから5日間にちかん生活せいかつすることができ、アポロ15ごう、16ごう、17ごうのミッションでもちいられた。グラマンによって設計せっけい製造せいぞうされた。

下降かこうだんは、つき着陸ちゃくりくするための着陸ちゃくりくようギア、着陸ちゃくりくようレーダーアンテナ、下降かこう推進すいしんエンジン、燃料ねんりょうとうそなえていた。その実験じっけん器具きぐ月面げつめんしゃ、テレビカメラ、つきサンプルの収集しゅうしゅう器具きぐとうはこんだ。

うえ昇段しょうだんは、つき軌道きどうもどり、アポロ司令しれい機械きかいせんとランデブーするための、乗組のりくみいんようのキャビン、パネル、ドッキングポート、ハッチ、誘導ゆうどうシステム、姿勢しせい制御せいぎょシステム、通信つうしんアンテナ、上昇じょうしょう推進すいしんエンジン、燃料ねんりょうとうそなえていた。

脱出だっしゅつシステム (LES)

編集へんしゅう
 
アポロの脱出だっしゅつシステム
 
緊急きんきゅう脱出だっしゅつ試験しけんPAT-2の様子ようす

アポロ宇宙船うちゅうせん脱出だっしゅつシステムは、ロッキードによって製造せいぞうされ、その目的もくてきは、打上うちあ失敗しっぱいさいに、乗組のりくみいんったコマンドモジュールを打上うちあげロケットから離脱りだつさせることであった。打上うちあ失敗しっぱいとしては、打上うちあ施設しせつ火災かさい、ロケットの爆発ばくはつ予定よてい進路しんろからの離脱りだつとうかんがえられた。

脱出だっしゅつシステムは、固体こたい燃料ねんりょう脱出だっしゅつようロケットを自動じどう点火てんかし、カナードひらいてコマンドモジュールをとおくにす。脱出だっしゅつシステムはその投棄とうきされ、コマンドモジュールはパラシュートで着陸ちゃくりくする。打上うちあ施設しせつ火災かさいがあった場合ばあいは、脱出だっしゅつシステムはコマンドモジュールをパラシュートが展開てんかいするのに十分じゅうぶんたかさまで上昇じょうしょうさせる。

緊急きんきゅう事態じたいきなかった場合ばあい打上うちあげロケットのだい2だん点火てんかされて20びょうから30びょう脱出だっしゅつシステムは投棄とうきされる。投棄とうきようのモーターは、ATKランチ・システムズ・グループせい固体こたい燃料ねんりょうロケットである。

  • BPC(ブースター保護ほごカバー)からのながさ: 9.92 m
  • BPCをふくめたながさ: 12.02 m
  • 直径ちょっけい: 0.66 m
  • 合計ごうけい質量しつりょう: 4,200 kg
  • 高度こうど3まん6,000フィートでの推力すいりょく: 650 kN
  • 最大さいだい推力すいりょく: 890 kN
  • 燃焼ねんしょう時間じかん: 4.0びょう

緊急きんきゅう脱出だっしゅつ試験しけん

編集へんしゅう

宇宙船うちゅうせん/つき着陸ちゃくりくせんアダプター (SLA)

編集へんしゅう
 
アポロの宇宙船うちゅうせん/つき着陸ちゃくりくせんアダプター

宇宙船うちゅうせん/つき着陸ちゃくりくせんアダプターは、サターンIVBロケットでサービスモジュールをささえるための、ロックウェル・インターナショナル製造せいぞうした円錐えんすいがたのアルミニウムせい構造こうぞうぶつである。これは、打上うちあげと大気圏たいきけんからの上昇じょうしょうに、つき着陸ちゃくりくせんのエンジンノズルと打上うちあをサービスモジュールのケーブルからまも役割やくわりたす。

SLAは、S-IVB頂上ちょうじょう機器ききユニットに固定こていされたたかさ2.1mの4つのパネルから構成こうせいされ、これらは蝶番ちょうつがいとおして、はなびらのようにひらいたたかさ6.4mの4つのパネルにつながっている。

SLAは、あつさ43mmのアルミニウムのハニカム構造こうぞう素材そざいつくられている[1]。SLAの外装がいそうは、0.76から5.1mmのコルクのすすきそうおおわれ、打上うちあげと上昇じょうしょうときねつストレスを緩和かんわするために、白色はくしょく塗装とそうされている[2]。サービスモジュールは、ながほうのパネルの上部じょうぶにフランジでめられ、ケーブルから給電きゅうでんされる。

宇宙うちゅうると、宇宙うちゅう飛行ひこうはコントロールパネルの'CSM/LV Sep'のボタンをし、コマンドモジュールとサービスモジュールを打上うちあからはなす。すると、サービスモジュールとSLAのあいだのフランジの導火どうかせん着火ちゃっかされ、4つのSLAパネルのジョイントに沿ってサービスモジュールをはなし、パネルとのあいだ接続せつぞくばす。その、SLAパネルの下端かたんの2じゅうのスラスタが点火てんかし、蝶番ちょうつがいまわりを1秒間びょうかんに30°から60°のはやさで回転かいてんさせる。

Transposition of CSM, docking and extraction of LM for a lunar mission
Adapter panels are jettisoned and the CSM is turned 180 degrees
The CSM docks with the LM and pulls it away from the Saturn V third stage

アポロ7ごうまでのすべての飛行ひこうでは、SLAパネルはS-IVBに結合けつごうしたままで、当初とうしょ設計せっけいよりも45°ひらいていた。しかし、S-IVB/SLAとダミーのターゲットとのランデブーの訓練くんれんおこなっていたアポロ7ごう乗組のりくみいんがドッキングやつき着陸ちゃくりくせん放出ほうしゅつさい宇宙船うちゅうせんとSLAパネルの衝突しょうとつ可能かのうせいづき、ばねづけ蝶番ちょうつがいが、時速じそくやく5マイルのはやさでS-IVBからシステムをすように設計せっけい変更へんこうされた。

つき着陸ちゃくりくせんは、下部かぶパネルの4かしょでSLAと接続せつぞくされており、宇宙うちゅう飛行ひこうがCSMからLMにうつるとその接続せつぞくはなし、LMと機器ききユニットのあいだのケーブルも切断せつだんされる。

  • たかさ: 8.5 m
  • いただき直径ちょっけい: 3.9 m
  • 基部きぶ直径ちょっけい: 6.6 m
  • おもさ: 1,840 kg
  • 体積たいせき: 190 m3

脚注きゃくちゅう

編集へんしゅう
  1. ^ 19730010176.pdf:NASA TECHNICAL NOTE D-7085
  2. ^ Moonport, Ch20-3:Two Engines Out but Still Running

参考さんこう文献ぶんけん

編集へんしゅう

外部がいぶリンク

編集へんしゅう