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イカ墨 - Wikipedia

イカすみ

イカが水中すいちゅう排出はいしゅつする液体えきたい

イカすみ(イカすみ)は、イカ水中すいちゅう排出はいしゅつする、粘性ねんせいたか黒褐色こっかっしょく液体えきたいである。おもに、捕食ほしょくしゃからのがれるために使つかわれる。

きんえんタコすみくが、組成そせいなどがことなる。

生態せいたい

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すみは、えらあいだにある墨袋すみぶくろ墨汁ぼくじゅう嚢)から排出はいしゅつされる。

タコすみ外敵がいてき視界しかいをさえぎることを目的もくてきとして一気いっきひろがるのにたいし、イカのすみ一旦いったん紡錘形ぼうすいけいにまとまってからおおきくひろがる。紡錘形ぼうすいけいにまとまるのは、自分じぶんからだかたちのものをし、てきがそちらにられているうちにげるためとかんがえられている。

イカすみ色素しきそ成分せいぶんメラニン(ユーメラニン)である。アミノ酸あみのさんふく[1]粘性ねんせいたかく、食材しょくざいとしての価値かちたかい。

顔料がんりょう

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イカすみ(ときにタコすみ)からつくられたくろ茶色ちゃいろ顔料がんりょうセピアといい、かつてはインク使つかわれた。どう系統けいとういろ      )をセピアしょくという。セピアというかたりは、ラテン語らてんごでコウイカ(学名がくめい Sepia)に由来ゆらいする。

食材しょくざい

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イカスミのパエリア(Arròs negre

おも地中海ちちゅうかい地方ちほうでイカすみ調理ちょうり使つかう。パスタソース使つかったイカスミスパゲッティや、パエリアアロス・ネグロ)にぜるなどして使つかわれる。

日本にっぽんでは、中世ちゅうせいポルトガル宣教師せんきょうしからつたわり、「イカ墨汁ぼくじゅう」などで食材しょくざいとして使つかわれていた。江戸えど時代じだいにはたとえば黒作くろづく富山とやまけん郷土きょうど料理りょうりで、イカの塩辛しおからにイカすみをつけたもの)などがつくられていた。現代げんだいイタリア料理りょうりスペイン料理りょうり影響えいきょうから、和食わしょく洋食ようしょく使つかわれるようになった。

タコすみはイカすみくらべて旨味うまみ成分せいぶんであるアスパラギンさんグルタミン酸ぐるたみんさんなどのアミノ酸あみのさん豊富ほうふふくむが、すのが困難こんなんりょうすくない[1]。これにたいし、イカすみ粘性ねんせいたかくタコすみよりも料理りょうりてきする。

中世ちゅうせいヴェネツィアではペスト黒死病こくしびょう)にたいする薬効やっこうがあるとしんじられ、このんでべられた。

なお、イカスミを摂取せっしゅしたのち便びんくろタールじょうになるうえに便びんせん検査けんさ陽性ようせいになるため、消化しょうかかん出血しゅっけつ間違まちがわれやすい。便びん検査けんさけるまえ数日すうじつあいだ摂取せっしゅすると、あやまった検査けんさ結果けっかおそれがあるので、注意ちゅうい必要ひつようである。

イカすみ利用りようした料理りょうり食品しょくひん

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脚注きゃくちゅう

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