エッサイ

エッサイ（英語えいご: JesseまたはYishay, ヘブライ語ご יִשַׁי, ギリシア語ご: Ιεσσαί）とは、『旧約きゅうやく聖書せいしょ』の登場とうじょう人物じんぶつ。ヘブライ語ごיהוה（ヤハウェ）が存在そんざいする、あるいはヤハウェが賜たまわる、あるいは王おうという意味いみ。古代こだいイスラエル王国おうこく第だい2代だい王おうダビデの父ちち。日本にっぽん正教会せいきょうかいではイエッセイと転写てんしゃされる。

オール・セインツ教会きょうかいにあるステンドグラスのエッサイの部分ぶぶん図ず。イングランドのイースト・サセックス州しゅう、ホーヴ

人物じんぶつ・略歴りゃくれき

『旧約きゅうやく聖書せいしょ』によれば、ルツとボアズの孫まごで、イスラエル史上しじょう最大さいだいの繁栄はんえいをもたらし、後世こうせい理想りそうの王おうとたたえられたダビデの父ちち。また、ユダのベツレヘム出身しゅっしんで8人にんの息子むすこがいたとされる。長男ちょうなんはエリアブ、次男じなんはアビナダブ、三男さんなんはシャンマで、末すえの子こがダビデだった。

末すえの子こが王おうに選えらばれる

預言よげん者しゃのサムエルはサウルに代かわる王おうを探さがすため、神かみの指示しじによって年老としおいたエッサイの下したへ遣つかわされた。サムエルは長男ちょうなんエリアブの容姿ようしに感銘かんめいを受うけ、「自分じぶんの前まえにいるこの人ひとこそ、主あるじが油あぶらをそそがれる人ひとだ」と思おもったが、すぐ神かみに否定ひていされる。エッサイは自分じぶんの息子むすこを順じゅんにサムエルに見みせるが、どれも王おうとなる者ものではなかった。そこで、一番いちばん年下とししたのダビデを連つれて来きたさせると、神かみはその子こに油あぶらを注そそぐよう指示しじした。

のちにサウル王おうが自分じぶんのために竪琴たてごとの名手めいしゅを召めすため、エッサイのもとへ来くると、彼かれは多おおくの贈おくり物ものとともにダビデを送おくり出だした。サウル王おうはダビデをとても気きに入いったため、ダビデは武器ぶきを執とる者ものとしてサウル王おうに仕つかえる事ことになった。

息子むすこたちの安否あんぴを確認かくにん

ペリシテ人ひとが陣営じんえいを敷しくと、エッサイの三さん人にんの息子むすこは戦たたかいに出向でむいた。エッサイはダビデに兄あにたちに食料しょくりょうを送おくり、安否あんぴを確認かくにんするよう指示しじした。長男ちょうなんエリアブは「戦たたかいを見みるために下くだってきたのだ」と言いってダビデを非難ひなんした。

エッサイとイエス

『新約しんやく聖書せいしょ』「マタイ福音ふくいん書しょ」「ルカ福音ふくいん書しょ」には、イエス・キリストの両親りょうしんの祖先そせんにあたると記載きさいされる。

「イザヤ書しょ」にはエッサイの子孫しそんから公平こうへいと義ぎなる裁さばき主ぬしが誕生たんじょうする事ことが預言よげんされている。パウロはこの聖ひじり句くをイエス・キリストに当あてはめて引用いんようしている。上述じょうじゅつのように『新約しんやく聖書せいしょ』ではエッサイをイエスの先祖せんぞのひとりに位置いちづけており、「マタイ福音ふくいん書しょ」「ルカ福音ふくいん書しょ」ではイエスはユダヤの町まちベツレヘムにおいて聖母せいぼマリアから生うまれたとされている。

また、正教会せいきょうかいで歌うたわれる降誕祭こうたんさいのイルモスは、キリストを「イエッセイの根ねより生しょうぜし枝えだ及および其（その）花はな」と表現ひょうげんしている。

脚注きゃくちゅう

関連かんれん項目こうもく

• ダビデ
• ナザレのイエス
• 聖書せいしょの登場とうじょう人物じんぶつの一覧いちらん
• エサイの根ねより