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オフィスビル - Wikipedia

オフィスビル

オフィスをおも用途ようととしててられた建築けんちくぶつ

オフィスビルは、オフィス事務所じむしょ業務ぎょうむ)をおも用途ようととしててられた建築けんちくぶつのこと。通常つうじょうビルといえばオフィスビルのことをす。

なかには地下ちか低層ていそうかいなどに店舗てんぽ飲食いんしょくてん入居にゅうきょさせているものもあるが、オフィス用途ようと部分ぶぶん大半たいはんめる場合ばあいは「オフィスビル」(あるいは「ふくあいオフィスビル」とも)とばれる。

商業しょうぎょう目的もくてきそのパブリックに開放かいほうしているテナントをのぞき、一般いっぱんには基本きほんてき関係かんけいしゃ以外いがい禁止きんしである。

れい - 西新宿にししんじゅく東京とうきょう新宿しんじゅく

投資とうし対象たいしょうとしてのオフィスビル

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れい - 大阪おおさかビジネスパーク大阪おおさか中央ちゅうおう

オフィスビルは、その所有しょゆう形態けいたいにより、テナントビル他者たしゃテナントにオフィス空間くうかんすもの。しビルともう)と、自社じしゃビル所有しょゆうしゃ使用しようしゃおなじくするもの)とに大別たいべつされる。テナントビルは、賃料ちんりょう収入しゅうにゅうによって運用うんようされる。慣例かんれいとしてオフィス賃料ちんりょう面積めんせきあたりによってあらわされるため、レンタブル有効ゆうこうかししつ面積めんせきとも)が、オフィスビルの収益しゅうえきりょく評価ひょうか指標しひょうとして重視じゅうしされる。レンタブルは、ビルののべゆか面積めんせきめる賃貸ちんたい可能かのうゆか面積めんせき割合わりあいしめすものである。賃料ちんりょう相場そうばおおきな影響えいきょうあたえる要素ようそとしては立地りっち条件じょうけん、ビルのちく年数ねんすうなどがげられる。

オフィスビルを投資とうし対象たいしょうとして場合ばあい初期しょき投資とうしイニシャルコスト)となる土地とち購入こうにゅう建設けんせつなどを、賃料ちんりょう収入しゅうにゅう運営うんえい維持いじ管理かんりランニングコスト)の差額さがくによって回収かいしゅうしていくことになる。初期しょき投資とうしおおきいぶん、リスクのおおきな投資とうしであるともえるが、近年きんねんにおいてはひとつのオフィスビルの所有しょゆうけん証券しょうけんとして分割ぶんかつすることにより、小口こぐちして資金しきん調達ちょうたつ容易よういにする手法しゅほう模索もさくされている。

テナントビルのオーナーのありかたは、全国ぜんこく多数たすうのビルを所有しょゆうする企業きぎょうから、ペンシルビル(後述こうじゅつ一棟ひとむね所有しょゆうし、一部いちぶ自宅じたくとして使用しようする個人こじんまで様々さまざまである。

自社じしゃビルにおいても、企業きぎょう活動かつどうによってされる利益りえき一部いちぶによって、初期しょき投資とうし回収かいしゅうする仕組しくみであり、賃料ちんりょう収入しゅうにゅうというかたちこそとらないものの運営うんえい方針ほうしんおおきくわるものではない。ただし、自社じしゃビルの場合ばあい、ビルそのものが企業きぎょうのイメージをになうものとなる可能かのうせいもあり、設計せっけいのありかたにも影響えいきょうあたえる。たとえば伊藤忠商事いとうちゅうしょうじ場合ばあいは、太陽光たいようこう発電はつでん自然しぜん採光さいこうみ、環境かんきょう性能せいのう重視じゅうしした自社じしゃビルの運営うんえいおこなっていることでられる。

建築けんちくぶつとしてのオフィスビル

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戦前せんぜんのオフィスビルのれい - 神戸こうべきゅう居留きょりゅう神戸こうべ中央ちゅうおう

日本にっぽん建築けんちく基準きじゅんほうにおいて、オフィスビルは特殊とくしゅ建築けんちくぶつふくまれない。したがって、用途ようと建築けんちくぶつして、法的ほうてきには自由じゆう計画けいかく可能かのうであるとえる。しかしながら、一般いっぱん収益しゅうえきりょく重視じゅうしして、最大さいだいゆか面積めんせき確保かくほすることが優先ゆうせんされるため、建物たてもの形状けいじょう敷地しきち条件じょうけんから決定けっていされるところがおおきい。具体ぐたいてきには斜線しゃせん制限せいげん日影ひかげ規制きせい容積ようせきりつけんぺいりつゆる最大さいだいのボリュームをる。さらにレンタブル最大さいだいるため、平面へいめん計画けいかくおのずとたてどうせん階段かいだんしつエレベータしつ避難ひなん設備せつびとう)と電気でんき空調くうちょう衛生えいせいとう設備せつび配管はいかんなどをあつめたコア形状けいじょう典型てんけいとなる。平面へいめん構成こうせい要素ようそとしては、執務しつむしつ先述せんじゅつのコア、トイレ、洗面せんめんしょにえしつなどのサービススペースくわえたシンプルなものとなる。エントランスのある1かいふく低層ていそうかいと、斜線しゃせん制限せいげんなどをけて形状けいじょうことなる上層じょうそうかいのぞ中層ちゅうそうは、ほぼ同一どういつ平面へいめん形状けいじょうるため、これらのかい一般いっぱん基準きじゅんかいぶ。基準きじゅんかいのレンタブルは、通常つうじょう75〜85%程度ていどである。

オフィスとしての利用りよう価値かちたかいオフィスがいにおいては地価ちか上昇じょうしょういちじるしく、高層こうそうすすめる結果けっかとなった。近年きんねんでこそちょう高層こうそうマンションもおおられるようになったが、初期しょきちょう高層こうそう建築けんちくのほとんどがオフィスビルであった背景はいけいには地価ちか影響えいきょう無視むしできない。行政ぎょうせいにおいては、建築けんちく基準きじゅんほうさだめる総合そうごう設計せっけい制度せいど適用てきようによる容積ようせきりつ緩和かんわなどをとおして、地域ちいき条件じょうけん限定げんていして高層こうそう歓迎かんげいしている。

小規模しょうきぼなオフィスビルにおいても、平面へいめん構成こうせい要素ようそはほとんどわらない。ただし平面へいめんないめるコアの割合わりあい必然ひつぜんてきたかまるため、レンタブル不利ふりなものとならざるをない。1かいにはとくにロビーのようなものをもうけず、エレベータと階段かいだん各室かくしつ郵便ゆうびん受をもうけるのみで、のこりの面積めんせき店舗てんぽてるものがおおい。また、最上階さいじょうかいにオーナーみずか居住きょじゅうするれいすくなくない。敷地しきち規模きぼちいさいのは、近代きんだい以前いぜんからの土地とち所有しょゆう形態けいたいきずっていることが原因げんいんかんがえられるが、そのたて細長ほそなが形状けいじょう鉛筆えんぴつ見立みたてて、やや揶揄やゆしてペンシルビルばれる。

オフィスビルの機能きのう

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オフィスビルにもとめられる機能きのうは、日本にっぽんでは従来じゅうらいあまり重視じゅうしされる傾向けいこうにはなく、適当てきとうゆか面積めんせき一人ひとりたり5〜8平方へいほうメートル程度ていどといわれている)があればいとされてきた。しかし、近年きんねんにおいては執務しつむ実状じつじょうわせた機能きのうもとめられるようになってており、賃料ちんりょうにも影響えいきょうおよぼすようになってきている。とくに、近代きんだいてき設備せつびそなえたオフィスビルはインテリジェントビルばれ、テナントのたか評価ひょうかける場合ばあいもある。

とくOAなみは、執務しつむ実態じったいおおきく変化へんかさせ、そのざらとなるオフィスビルにも対応たいおうせまられた。1990年代ねんだい以降いこうOAフロア、もしくはフリーアクセスフロアとばれるじゅう構造こうぞう床上とこあげシステムをもうけることで、OA機器きき配線はいせん床下ゆかしたおさめる仕様しよう普及ふきゅうした。現在げんざいでは、おおくの職場しょくば環境かんきょうにおいて採用さいようされている。OAフロアのゆかは、たい加重かじゅうのある構造こうぞうたいうえに50cmかくのパネルじょうゆかざいくようになっており、一部いちぶのみの配線はいせんのやりなおしも容易よういであり、機器きき世代せだい交代こうたいネットワークさい構築こうちくなど、むくろたいたいして極端きょくたんみじか電気でんき通信つうしん設備せつび交換こうかんサイクルに対応たいおう可能かのうなものとなっている。さかのぼって、OAフロア普及ふきゅう以前いぜんのオフィスビルには天井てんじょうだかひくいものがおおく、市場いちば評価ひょうかとしてもたんなるビルちく年数ねんすう影響えいきょう以上いじょう苦戦くせんいられるケースがられる。

将来しょうらい見通みとお

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2001-2003ねんごろ東京とうきょうのオフィス市場いちばにおいては2003ねん問題もんだいという言葉ことば頻繁ひんぱんもちいられた。2003ねん六本木ろっぽんぎヒルズをはじめとして、汐留しおどめ品川しながわなどにだい規模きぼなオフィスビルが同時どうじ多数たすう竣工しゅんこうすることで、だい企業きぎょうしんビルへの移転いてんすすみ、とく中小ちゅうしょう賃貸ちんたいビル業者ぎょうしゃ空室くうしつ増加ぞうかし、経営けいえいへの打撃だげき懸念けねんされ、オフィス市場いちばにおいては供給きょうきゅう過多かたとなるとされた問題もんだいである。2003ねんから2-3ねん時点じてんでは、目立めだった空室くうしつりつ上昇じょうしょう賃料ちんりょう下落げらくられていないようだが、今後こんご景気けいき動向どうこうによっては、その影響えいきょうおくれてあらわれてくる可能かのうせい否定ひていできない。また、これにくわえて2010ねん問題もんだいとして、団塊だんかい世代せだい定年ていねん退職たいしょくによるオフィス人口じんこう激減げきげんが、需要じゅよう過少かしょうこすのではないかと懸念けねんするきもある。ネット社会しゃかいひろがりにより、在宅ざいたく勤務きんむ、いわゆるSOHOかずやすとわれており、オフィスの余剰よじょう時代じだいへの対応たいおうさくさけばれるようになってきた。具体ぐたいてきには、住宅じゅうたく店舗てんぽとうへの用途ようと転換てんかんコンバージョン)などが実施じっしうつされている。

しかし、実際じっさいかおわせて意思いし疎通そつうおこな提供ていきょうする役割やくわり、プライベートの時間じかん空間くうかんはな役割やくわりなど、ネット時代じだいにおいてもオフィスビルの必要ひつようせいげんじているわけではけっしてない。フレックスタイムせい廃止はいしする企業きぎょうえていることも、これを裏付うらづけている。

著名ちょめいなオフィスビル

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まるうちちょう高層こうそうビルぐん東京とうきょう千代田ちよだ
 
大阪おおさかさきしゅう庁舎ちょうしゃきゅう大阪おおさかワールドトレードセンタービルディング)(大阪おおさか住之江すみのえ
 
ミッドランドスクエア名古屋なごや中村なかむら

日本にっぽん

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東京とうきょう
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海外かいがい

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主要しゅようなオフィスビル検索けんさくサイト

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関連かんれん項目こうもく

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