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スペースシャトル・オービター - Wikipedia

スペースシャトル・オービター

スペースシャトルシステムのさい利用りよう可能かのう宇宙船うちゅうせんコンポーネント
オービタから転送てんそう

スペースシャトル・オービタースペースシャトル・オービタ英語えいご: Space Shuttle Orbiterスペースシャトル軌道きどうせん)とは、スペースシャトル構成こうせいするモジュールのうち、実際じっさい宇宙うちゅう地上ちじょう往還おうかんする宇宙船うちゅうせん本体ほんたい部分ぶぶんである[1]

スペースシャトル・オービター
所属しょぞく NASA
任務にんむ 軌道きどう周回しゅうかい
周回しゅうかい対象たいしょう 地球ちきゅう
打上うちあ スペースシャトル固体こたい燃料ねんりょう補助ほじょロケット
打上うちあ場所ばしょ ケネディ宇宙うちゅうセンター
公式こうしきサイト 公式こうしきサイト
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概要がいよう

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スペースシャトル・オービターロケットであり宇宙船うちゅうせんであり飛行機ひこうきでもあるゆうつばさの"スペースプレーン"である。このスペースプレーンは地球ちきゅう周回しゅうかいする軌道きどう乗員じょういん貨物かもつ輸送ゆそうし、大気圏たいきけん滑空かっくうのように飛行ひこうして帰還きかんする。

胴体どうたい後尾こうびさい使用しよう可能かのう液体えきたいロケットエンジンSSMEを3搭載とうさいし、オービター外部がいぶりつける固体こたいロケットブースタ推力すいりょくわせて、ロケットのようにげられる。宇宙うちゅう空間くうかん活動かつどうおこなったのち大気圏たいきけんさい突入とつにゅうし、グライダーのように滑空かっくうして地上ちじょう滑走かっそう着陸ちゃくりくする。完全かんぜんリフティングボディでなく、帰還きかん滑空かっくうつばさによる揚力ようりょく利用りようしているため、従来じゅうらい宇宙船うちゅうせんくらべると飛行機ひこうきちか形状けいじょうをしており、垂直すいちょく尾翼びよく設置せっちされている。胴体どうたい前部ぜんぶにキャビンがあり、胴体どうたい中央ちゅうおう貨物かもつしつとなっている。機体きたいはらめんには大気圏たいきけんさい突入とつにゅうどき摩擦まさつねつ断熱だんねつ圧縮あっしゅくによる高温こうおんえるためにたいねつタイルがじゅんらされている。

大気圏たいきけんない長距離ちょうきょり輸送ゆそうシャトル輸送ゆそう(SCA)とばれる専用せんようボーイング747改造かいぞう搭載とうさいされる。このさい胴体どうたいにはエンジン保護ほごそらりょく改善かいぜんのためのフェアリングがかぶせられる。

ちなみに、ロシア(ソ連それん)が開発かいはつしたブランもオービターとばれ、外見がいけんはアメリカのスペースシャトルとくらべて多少たしょう鋭角えいかくてきなこと以外いがいほとんどおなじだが、中身なかみはかなりちがう。詳細しょうさいブラン (オービタ)参照さんしょう

全部ぜんぶエンタープライズコロンビアチャレンジャーディスカバリーアトランティスエンデバーの6あり、ぜんみなみカリフォルニアを拠点きょてんとするロックウェル・インターナショナル生産せいさんされた。最初さいしょ飛行ひこうしたエンタープライズは1977ねんボーイング747旅客機りょかくき改造かいぞうしたシャトル輸送ゆそうせられて滑空かっくう着陸ちゃくりく試験しけん使用しようされ、実際じっさい宇宙うちゅう飛行ひこうおこなほかのスペースシャトルに役立やくだてられた。

コロンビアは1981ねんげられた宇宙うちゅう飛行ひこうおこなったはつのスペースシャトルである。チャレンジャーディスカバリーアトランティスはつ飛行ひこうはそれぞれ1983ねん、1984ねん、1985ねんである。1986ねんチャレンジャーごう爆発ばくはつ事故じこによってチャレンジャーがうしなわれたのでエンデバー代替だいたいとして建造けんぞうされ1992ねんはじめてげられた。2003ねんにはコロンビア大気圏たいきけんさい突入とつにゅうコロンビアごう空中くうちゅう分解ぶんかい事故じこによってうしなわれた。そのため、3運用うんようされるようになった。アトランティスは2010ねん5がつディスカバリーは11月、エンデバーは2011ねん1がつ退役たいえきする予定よていだったがいずれも延長えんちょうされ、2011ねん7がつ8にちのアトランティスのげが最後さいごとなった。

特異とくい操縦そうじゅう特性とくせいとやりなおしのきかないアプローチに習熟しゅうじゅくするため、NASAではガルフストリーム II改造かいぞうしたシャトル訓練くんれんでの着陸ちゃくりく訓練くんれんおこなっていた。

しょもと

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エンデバー, OV-105の場合ばあい

  • 全長ぜんちょう:37.24 m
  • 全高ぜんこう:17.25 m(着陸ちゃくりく
  • つばさはば:23.79 m
  • 空虚くうきょ重量じゅうりょうやく78トンSSME搭載とうさい)68,585 kg
  • 離陸りりく重量じゅうりょう:109,000 kg
  • 最大さいだい着陸ちゃくりく重量じゅうりょう:104,000 kg
  • しゅエンジン:ロケットダインせいブロック2-ASSME3
  • 推力すいりょく:1あたり178 ton(SSME, 真空しんくうちゅう)1.75MN(海面かいめん高度こうど
  • 燃料ねんりょう / 酸化さんかざい液体えきたい水素すいそ(LH2) / 液体えきたい酸素さんそ(LO2)
  • 最大さいだい積載せきさいりょう:25,060 kg
  • 貨物かもつしつ寸法すんぽう:4.6m x 18.3 m
  • 運用うんよう高度こうど:190から960 km
  • 速度そくど:7,743 m/びょう, 27,875 km/h, 17,321 m.p.h.
  • 航続こうぞく距離きょり:2,010 km
  • 乗員じょういん:6から8にん最少さいしょう2にん
  • 乗員じょういん空間くうかん:65.8 m3(内部ないぶエアロックをふくむ)または74.3 m3(貨物かもつ室内しつない外部がいぶエアロックをふくむ)

オービターの最大さいだい滑空かっくう/あげこう速度そくどによって変化へんかする。ごくちょう音速おんそくでは1:1、ちょう音速おんそくでは2:1、接近せっきんから着陸ちゃくりくにかけての音速おんそくでは4.5:1である[2]

一覧いちらん

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運用うんよう開始かいしじゅん記載きさいする。

上記じょうきのほか、模型もけいパスファインダー (Pathfinder) もオービターとしてカウントされることがある。さらに試験しけんよう以外いがいにも展示てんじようとして、いくつかの実物じつぶつだいのオービターがつくられた。

 
シャトルのげの様子ようす ひだりからみぎ順番じゅんばんに: コロンビア, チャレンジャー, ディスカバリー, アトランティス,エンデバー.
試験しけんよう
番号ばんごう 名称めいしょう 備考びこう
OV-095 - シャトル・アビオニクス・インテグレーション・ラボラトリーアビオニクスの試験しけん訓練くんれんよう模擬もぎ装置そうち
OV-098(名誉めいよてき パスファインダー オービターの移動いどうあつか訓練くんれんよう模擬もぎ
MPTA-098 - 推進すいしん燃料ねんりょう供給きょうきゅうシステムの試験しけん
STA-099 - 疲労ひろう試験しけんねつ試験しけん使用しようされた構造こうぞうたいのちチャレンジャーとして使用しようされる
OV-101 エンタープライズ 1977ねん10がつ26にちはじめて大気圏たいきけんない動力どうりょく飛行ひこうおこなった。進入しんにゅう着陸ちゃくりく試験しけん使用しようされ宇宙うちゅう飛行ひこうへは転換てんかんされなかった。
オービター
番号ばんごう 名称めいしょう 備考びこう
OV-099 チャレンジャー 1983ねん4がつ4にちはつ飛行ひこう1986ねん1がつ28にち直後ちょくご爆発ばくはつ事故じこ喪失そうしつ
OV-102 コロンビア 1981ねん4がつ12にちはつ飛行ひこう2003ねん2がつ1にちさい突入とつにゅう分解ぶんかいした。
OV-103 ディスカバリー 1984ねん8がつ30にちはつ飛行ひこう
OV-104 アトランティス 1985ねん10月3にちはつ飛行ひこう
OV-105 エンデバー 1992ねん5月7にちはつ飛行ひこう
展示てんじよう
番号ばんごう 名称めいしょう 備考びこう
OV-100 インディペンデンス ヒューストン宇宙うちゅうセンターに展示てんじされている実物じつぶつだい模型もけいケネディ宇宙うちゅうセンター展示てんじされていたころエクスプローラばれていた。
- アドベンチャー ヒューストン宇宙うちゅうセンター機首きしゅ部分ぶぶん展示てんじされている実物じつぶつだい模型もけい
- アメリカ シカゴ郊外こうがいのテーマパーク「シックス・フラッグス・グレート・アメリカ」にかつて存在そんざいしたアトラクション(実物じつぶつだい模型もけい)。2007ねん閉鎖へいさ2009ねんすえ解体かいたい
STA-098(代目だいめ パスファインダー 原型げんけいはクリアランスの確認かくにんおおくの地上ちじょうでの運用うんよう試験しけん使用しようされた。だいスペースシャトルてん使用しようされた2代目だいめ寄贈きぞうされアラバマしゅうハンツビルスペースキャンプ展示てんじされている。
 
Houston宇宙うちゅうセンターのアドベンチャーごう展示てんじ

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ Facts About the Space Shuttles”. NASA. 16 March 2008閲覧えつらん
  2. ^ Space Shuttle Technical Conference” (pdf). NASA Office of Logic Design. 2020ねん9がつ21にち閲覧えつらん
  3. ^ 退役たいえきシャトルの「おわりの棲家」4カ所かしょ発表はっぴょう はつ飛行ひこう30周年しゅうねん. asahi.com (朝日新聞社あさひしんぶんしゃ). (2011ねん4がつ13にち). オリジナルの2011ねん4がつ16にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20110416222606/http://www.asahi.com/science/update/0413/TKY201104130082.html 2020ねん10がつ8にち閲覧えつらん 

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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