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シアン化水銀(II) - Wikipedia

シアン水銀すいぎん(II)(シアンかすいぎん に、Mercury(II) cyanide)は、化学かがくしきが Hg(CN)2あらわされる水銀すいぎんシアン化物ばけもので、猛毒もうどくしろ粉末ふんまつである。

シアン水銀すいぎん(II)
識別しきべつ情報じょうほう
CAS登録とうろく番号ばんごう 592-04-1
PubChem 11591
特性とくせい
化学かがくしき Hg(CN)2
モル質量しつりょう 252.63 g/mol
外観がいかん 白色はくしょく粉末ふんまつ
密度みつど 3.996 g/mL
特記とっきなき場合ばあい、データは常温じょうおん (25 °C)・つねあつ (100 kPa) におけるものである。

実験じっけんしつレベルでのジシアン合成ごうせいほうの1つは、シアン水銀すいぎん(II)のねつ分解ぶんかいである。

シアン水銀すいぎん(II)は、はいとうからだ合成ごうせいにおける Koenigs–Knorr reaction (en:Koenigs–Knorr reaction) のじょ触媒しょくばいとしても利用りようされる。

シアン水銀すいぎん(II)がはつ殺人さつじん毒薬どくやく使つかわれたのは、1898ねんのことである。犯人はんにんのローランド・B・モリニュークスは、手紙てがみ使つかって2人ふたり被害ひがいしゃにシアン水銀すいぎん(II)りのくすりおくった。最初さいしょ被害ひがいしゃのヘンリー・バーネットは、このどくりのくすりんだ12にち水銀すいぎん中毒ちゅうどく死亡しぼうした。2番目ばんめ被害ひがいしゃのキャサリン・アダムズは、くすりんで30ふん以内いないにシアン化物ばけもの中毒ちゅうどく死亡しぼうした。これらの結果けっかちがいは、かく被害ひがいしゃ酸性さんせいによるとされる[1]

シアン水銀すいぎん(I)

編集へんしゅう

シアン水銀すいぎんには、+2化学かがくしきHg(CN)2あらわされるシアン水銀すいぎん(II)だけではなく、+1化学かがくしきHg2(CN)2あらわされるシアン水銀すいぎん(I)存在そんざいする。シアン水銀すいぎん(I)は、水銀すいぎん(I)イオンの水溶液すいようえきシアン化カリウムしあんかかりうむ水溶液すいようえきなどを滴下てきかしたときにしょうじるが、この物質ぶっしつ不安定ふあんていであり、ただちに分解ぶんかいしてシアン水銀すいぎん(II)と水銀すいぎんになる。

 

脚注きゃくちゅう

編集へんしゅう
  1. ^ Emsley, John (2005), The Elements of Murder, Oxford University Press, ISBN 0192805991