シー・ハルク

シー・ハルク（She-Hulk）はマーベル・コミック刊行かんこうのアメリカン・コミック（アメコミ）に登場とうじょうする架空かくうのスーパーヒロイン。1980年ねん2月がつのマーベル・コミック『Savage She-Hulk #1』で初はつ登場とうじょうした。

シー・ハルク
シー・ハルクのコスプレ
出版しゅっぱんの情報じょうほう
出版しゅっぱん者しゃ	マーベル・コミック
クリエイター	スタン・リー en:John Buscema
作中さくちゅうの情報じょうほう
本名ほんみょう	Jennifer Sue Walters
種族しゅぞく	ガンマ変異へんい体たい
所属しょぞくチーム	アベンジャーズ ファンタスティック・フォー
能力のうりょく	超ちょう人的じんてき腕力わんりょく 超ちょう人的じんてき耐たい久力くりき 武術ぶじゅつ ガンマ線がんませんエネルギーの吸収きゅうしゅうや放射ほうしゃ 火炎かえん放射ほうしゃ

経歴けいれき

ジェニファー・ウォルターズは弁護士べんごしとして成功せいこうする事ことを夢見ゆめみていたが、ある日ひ、起訴きそに追おい込こんだ犯罪はんざい者しゃニコラス・トラスクの部下ぶかから狙撃そげきを受うけて重傷じゅうしょうを負おってしまう。彼女かのじょは従兄弟いとこのブルース・バナー（ハルク）からの輸血ゆけつによって一命いちめいを取とり留とめたものの、ガンマ放射線ほうしゃせんの影響えいきょうを受うけていた彼かれの血液けつえきの影響えいきょうで緑色みどりいろの肌はだと耐久たいきゅう性せい、怪力かいりきを持もったシー・ハルクに変身へんしんできる体質たいしつとなった。

当初とうしょは従兄弟いとこと同様どうように変身へんしんをコントロールすることができず、発作ほっさ的てきにシー・ハルクへと変身へんしんしてしまうことが多おおかった。しかしスーパーヴィランであり天才てんさい科学かがく者しゃでもあるモービウス・ザ・リヴィング・ヴァンパイアを刑事けいじ弁護人べんごにんとして弁護べんごした際さいに、彼かれからその礼れいとして血液けつえき疾患しっかんを治療ちりょうする血清けっせいをもらってからは変身へんしんをコントロールすることができるようになった。その後ごは変身へんしん後ごも理性りせいを保たもつことが出来できるようになるも、その反面はんめん抑圧よくあつされていた彼女かのじょ本来ほんらいの外向がいこう的てきで激はげしいほどに陽気ようきな性格せいかくが表ひょうに出でるようになる。当初とうしょこそジェニファーは自分じぶんがシー・ハルクであることを隠かくしていたが、自分じぶんがシー・ハルクへ変身へんしんすることを楽たのしんでいることに気付きづき正体しょうたいを公表こうひょう。また一時いちじ的てきに人間にんげんの姿すがたに戻もどれなくなったこともあり 、それ以降いこうは普段ふだんの生活せいかつもシー・ハルクに変身へんしんしたままで過すごしている。

その能力のうりょくを悪あくとの戦たたかいに用もちい、後のちにアベンジャーズへ加入かにゅうしシークレット・ウォーズに参加さんかしたり、ザ・シングの不ふ在中ざいちゅうに代理だいりとしてファンタスティック・フォーに加くわわったりした。本職ほんしょくは弁護士べんごし。一時いちじ的てきに賞金しょうきん稼かせぎや地方ちほう検事けんじになったこともある。超人ちょうじん向むけの法律ほうりつ事務所じむしょ「グッドマン、リーバー、カーツバーグ・アンド・ホリウェイ法律ほうりつ事務所じむしょ（GLK&H）」などで活躍かつやくした。シビル・ウォーでは政府せいふ側がわに参加さんかし、アイアンマンの依頼いらいでS.H.I.E.L.D.に協力きょうりょくした。

気きさくな性格せいかくの持もち主ぬしであり、ホークアイやキャプテン・マーベルらを中心ちゅうしんにスーパーヒーロー・コミュニティに多おおくの友人ゆうじんがいる。友人ゆうじんたちからは愛称あいしょうである「ジェン」「ジェニー」のほか「Shlkie」「GreenJeans」などと呼よばれることも多おおい。 また、マイティ・ソーやアイアンマンらとロマンチックな関係かんけいを築きずいたこともある 。

2018年ねんにアベンジャーズ誌しを中心ちゅうしんに展開てんかいされた「ファイナル・ホスト」事件じけんにてセレスティアルズと接触せっしょくした際さいに体内たいないの放射線ほうしゃせんを増大ぞうだいさせられたため、かつての女性じょせいらしい体型たいけいから一変いっぺん、従兄弟いとこのハルクそっくりの筋骨きんこつ粒々りゅうりゅうの巨きょ人じんへと変貌へんぼうした。この事件じけん以降いこう、ジェニファーはシーハルクの名なを返上へんじょうしハルクと名乗なのっている。

能力のうりょく

超ちょう人的じんてきパワー

シーハルクの姿すがたへ変身へんしんすると100トン以上いじょうを持もち上あげられるほどの怪力かいりきを発揮はっきすることができる。

超ちょう人的じんてき跳躍ちょうやく力りょく

超ちょう人的じんてきな脚力きゃくりょくにより少すくなくとも1000フィートほど楽々らくらくと跳躍ちょうやくすることができる。この力ちからは長距離ちょうきょり移動いどう手段しゅだんとしても度々たびたび使用しようされる。

超ちょう人的じんてき耐久たいきゅう力りょく・回復かいふく力りょく

怪我けがに対たいする高度こうどな耐久たいきゅう力りょくや回復かいふく力りょくがあり、致命ちめい的てきなまでの高温こうおん・低温ていおんや、－190F～3000Fまでの圧力あつりょくに耐たえることが可能かのうである。また、通常つうじょうの銃弾じゅうだんでは撃うたれても怪我けがを負おうことはない。

武術ぶじゅつ

キャプテン・アメリカら歴戦れきせんの勇士ゆうし達たちから武術ぶじゅつの訓練くんれんを受うけており、通常つうじょうの犯罪はんざい者しゃならばシーハルクに変身へんしんせずとも肉弾にくだん戦せんで対処たいしょ可能かのうである。

ガンマ線がんませんエネルギーの吸収きゅうしゅうや放射ほうしゃ

ハルク程ほどではないが、シーハルクもガンマ線がんませんのエネルギーを吸収きゅうしゅうしたり攻撃こうげきとして放射ほうしゃできる。

天界てんかい人じんの一いち柱はしらエソンの宇宙うちゅうエネルギーを浴あびたり、魔力まりょくを含有がんゆうするガンマ線がんませんエネルギーを取とり入いれたりしたことでジェニファーのこの能力のうりょくは威力いりょくが上あがり、触ふれるだけで対象たいしょうに重度じゅうどの火傷かしょうを負おわせよだれが強酸きょうさん性せいになるレベルになった。ブラック・パンサーの協力きょうりょくにより、ワカンダ製せいのスーツを得えて放出ほうしゅつ攻撃こうげきをコントロールできる様ようになった。

全身ぜんしんから放出ほうしゅつする衝撃波しょうげきはは街まち区くを更地さらちにする威力いりょくがあり、エネルギー波はを口くちから放射ほうしゃして複数ふくすうの敵てきや大型おおがたの敵てきを攻撃こうげきしている。

火炎かえん放射ほうしゃ

ゴリラマンの裏切うらぎりにより、レッド・ウィドウらウィンターガードに捕縛ほばくされ、ウィンター・ソルジャーと同様どうようの拷問ごうもんを受うけて「ウィンター・ハルク」になって以降いこうは口くちから緑色みどりいろの火炎かえん放射ほうしゃを発射はっしゃする様ようになった。

後述こうじゅつのフェニックス・フォースの火炎かえん能力のうりょくとは異ことなる。

不死身ふじみ性せい

ハルクや類似るいじキャラクター同様どうように、シーハルクは殆ほとんど不死身ふじみである。

肉体にくたい交換こうかん術じゅつ

エイリアン種族しゅぞくのOvoidsによる訓練くんれんの末すえ、他者たしゃと見みた目めや能力のうりょくを交換こうかんする能力のうりょくを得えた。

第だい4の壁かべを越こえる

自分じぶんが漫画まんがのキャラクターであることを自覚じかくしており、読者どくしゃや編集へんしゅう者しゃらに対たいして語かたりかけたり文句もんくを言いったりすることがある。現在げんざいではあまり用もちいられない。周囲しゅういの人々ひとびとを混乱こんらんさせないよう、この能力のうりょくを使用しようすることを控ひかえているようである。。

一時いちじ的てきな能力のうりょくなど

アイアン・フィストの能力のうりょくは本来ほんらいショウラオ（英語えいご版ばん）から与あたえられるが、ジェニファーも一時いちじ的てきに宿やどしていた。

フェニックス・フォース（英語えいご版ばん）のトーナメントに他たのマーベルヒーロー達たちと共ともに選えらばれた際さいはやはりフェニックス由来ゆらいの能力のうりょくを与あたえられていたが、サブマリナーとの試合しあい中ちゅうにマヤ・ロペズ/エコー（英語えいご版ばん）に二に人にんのフォースが移動いどうした。

スカーレット・ウィッチによって魔法まほうの守まもりを得えていた時期じきもあるが、ドクター・ストレンジに解除かいじょされた。

MCU版ばん

マーベル・シネマティック・ユニバース（MCU）では、タチアナ・マスラニーがジェニファー・ウォルターズ / シー・ハルク（Jennifer Walters / She-Hulk）を演えんじる。日本語にほんご吹替は井上いのうえ麻里奈まりなが担当たんとう。

『シーハルク：ザ・アトーニー』

超人ちょうじん法ほうを専門せんもんとするGLK&H事務所じむしょの弁護士べんごしで、ブルース・バナーの従姉妹いとこ。ある事故じこによりブルースの血液けつえきで誤あやまって交差こうさ汚染おせんされた後のち、彼かれが変身へんしんしたハルクに似にたように大おおきくて力強ちからづよく緑みどりがかった姿すがたのシー・ハルクとなる。ブルースとトレーニングをすることで、ある程度ていど能力のうりょくを使つかいこなすことが出来できるようになったが、本人ほんにんにはスーパーヒーローとして活動かつどうするつもりがない。第だい四よんの壁かべを破やぶることができ、ドラマ視し聴者ちょうしゃへ頻繁ひんぱんに語かたりかけてくる。

他たメディアでの出演しゅつえん

テレビ番組ばんぐみ

• 1982年ねん、『超人ちょうじんハルク』に登場とうじょう。声優せいゆうは不明ふめいだが、日本語にほんご吹ふき替かえ版ばんも不明ふめい。本名ほんみょうは変更へんこうされていた（ただし、ジェニファーまでは同おなじ）。
• 1996年ねん、『超人ちょうじんハルク』で登場とうじょうしたときは リサ・ゼインが声こえを当あてていたが、第だい2シーズンではクリー・サマーが声こえを当あてていた。

2013年ねんから2014年ねんにかけて放送ほうそうされたテレビアニメ『ハルク: スマッシュ・ヒーローズ』ではメインキャラクターを務つとめ、エリザ・ドゥシュクが声こえを当あてた。

ゲーム

カプコンの対戦たいせん型がた格闘かくとうゲーム『MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds』でプレイアブルキャラクターとして参戦さんせんし、マリア・キャナル・バレーラが声こえを当あてた。

また、これより前まえに発売はつばいされたアクションゲーム『マーヴルスーパーヒーローズ ウォーオブザジェム』で、シーハルクのドッペルゲンガーが敵てきとして登場とうじょうした。

参考さんこう文献ぶんけん

• トム・デファルコ、ピーター・サンダーソン、トム・ブレブールト、マイケル・タイテルバウム、ダニエル・ウォレス、アンドリュー・ダーリング、マット・フォーベック 共著きょうちょ/柳やなぎ亨とおる英えい・光岡みつおか三さんツ子こ・沢田さわだ京子きょうこ 訳やく『マーベル・キャラクター大だい事典じてん』（小学館しょうがくかん集英社しゅうえいしゃプロダクション、2010年ねん）ISBN 978-4-7968-7069-6 「シー・ハルク」（P291、執筆しっぴつ者しゃ:トム・ブレブールト、マット・フォーベック）他た

関連かんれん項目こうもく

• シーハルク (ライラ)：ジェニファー・ウォルターズとは別人べつじんのシーハルク。『ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3』では、シーハルク（ジェニファー）のコスチュームの一ひとつの元もとになっている。